こぶしファクトリー 田口夏実 少し大人になっていたバースデーイベント2017

こぶしファクトリーの田口夏実さんのお誕生日のイベントが、渋谷の Mt.RAINIER HALL で、お誕生日からはわりと日数が経ってしまった8月10日に開催されました。オープニングトークによれば、主演の映画関連でいろいろと立て込んでいて忙しく、こんな日程になってしまったのだとか。

2回まわしの たぐっちバースデーイベント、投稿者が参加できたのは「開場19:15/開演19:45」の2回目公演のみ。
たぐっち先輩のバースデーイベントに参加するのは昨年に続けて2回目になります(昨年版はこちら → 「たくさん笑ってちょっぴり泣いて…”一家に一台!?” 田口夏実 ~【レポ】 2016.8.8 こぶしファクトリー 田口夏実 バースデーイベント~」)。

今、「たぐっち先輩」と書きました。
投稿者にとって、こぶしファクトリーの田口夏実さんは、いつまでも、Berryz工房のツアーに帯同していて面白可笑しくイジられていた「たぐっち先輩」であり(2014春 Real Berryz Kobo)、ラストの仙台でBerryz工房のメンバーに寄せ書きを手渡すときに「ずっと大好きです」と言って泣いていた、あの「たぐっち先輩」でした(2014秋 Professional)。
そんな「たぐっち先輩」の大事なホームである こぶしファクトリーは、このところ、いろいろと揺れています。ですから、このお誕生日のイベントにも、田口夏実さんは大丈夫かなと、ちょっと心配する気持ちがあったりして。

そんな、いわば「無礼な」心配する気持ちは、きれいに裏切られることになります
そして、この田口夏実さんの17歳を祝うファンクラブイベントは、思っても見なかったような側面から、田口夏実さんが、いつまでも投稿者が思うような「たぐっち先輩」ではないと知らされるイベントともなったのでした。

田口夏実 バースデーイベント2017 in Mt.RAINIER HALL

イベントは、恒例の上々軍団 鈴木啓太さんが仕切ってくれます。鈴木啓太さんは浴衣姿で登場。そんなMCに呼び込まれて登場してくる田口夏実さんは、花柄ノースリーブのワンピースにて。もう、この段階で、投稿者の脳裏にある「たぐっち先輩」が揺らぎます。

花柄のワンピースの田口夏実さん、可愛いのは可愛くて、相変わらず「メンバーの可愛さを愛でる」というモードに安住していたくなる愛らしさですけれど、一方で田口夏実さんは、小っちゃいんだけど、なんだか以前のように細くはなく、「細い」「小さい」という印象以上に、ノースリーブのワンピースが愛らしく映えるような「女の子」として目に飛び込んで来ます。
そう、「悪ガキ」としてじゃなくて。

鈴木啓太さんとやり取りするオープニングトークも軽妙ながら、少しこれまでの「たぐっち先輩」の印象とは微妙に齟齬を感じさせるものでした(投稿者の脳内調べ)。

オープニングトークの内容自体は、「お誕生日おめでとう Line」が元℃-ute の鈴木愛理さんから届いたことや(改めて思うに、ハローOGに対する田口夏実さんが張り巡らせた人脈って、ものすごいことになってるよね)、こぶしメンバーの和田桜子さんがプレゼントをくれるわけでもないのに、自分が「さこの欲しいものを代わりに買ってあげたりしてる」状況に理不尽を感じていたりといったもの。

こうしたトークについて、ポンポンと反射的に言葉が出てくると言うよりは、トークの相手と言葉をやり取りする以上に、自分なりの話の背景的な脈絡までも余さず伝えようとする(そこが伝われば言ってることも理解してもらえると思ってる)前のめり具合というか執拗さこそ従来の「たぐっちらしさ」が見られた一方で、今ひとつ「弾み方が常識的」な印象があって、この段階では投稿者は、やっぱり こぶしファクトリーにいろいろあったことでご心労なのかも知れないなと思っていたのでした。この段階では。

田口夏実 一問一答

イベントは、コーナー企画へと進みます。
その第一弾は、「田口夏実 一問一答」。矢継ぎ早に啓太さんが問う質問に反射的にお答えして、そのお答えに対して後からゆっくりトークしていくという趣向。
その反射的な一問一答は次のとおり。

テンションが高いのは?/  寝るとき
最近した贅沢は?/  焼き肉を食べに行った
これがないと生きていけないのは?/  携帯
得意な家事は?/  料理 オムライスに4時間
田口家のルールは?/  スリッパを履く
明日で地球が最後だとしたら?/  いつも通り遊ぶ
一日メンバーと入れ替わるとしたら?/  はまちゃん
家についてすぐすることは?/  トイレ
好きな食べ物は?/  トマト 野菜

オムライスに4時間かかるとの発言に、「煮込んでるの?」といった応答があったり、家についてすぐ「トイレ」には、やっぱり行かないから「手洗い」に変更したりと、後からの掘り下げトークも、いちいち面白くて。都度くるくる変わる表情も、大きな目がいつも何かに驚いているかのような雰囲気はそのまんまの田口夏実さんは、やっぱり終始、可愛くて、いってみれば「相変わらず」楽しく愛らしいハロプロのイベントではあったわけなんですけども。

好きな食べ物関連で、啓太さんに「じゃあ、野菜を色っぽく言ってみよう」と無茶ぶられて、後ろを向いたところからふり返って「や・さ・い」とか言ってみたりする際に、その振り返りの勢いで花柄のワンピースのミニスカートの裾がふわっとするあたりで、投稿者は「あれっ?」とか思い始めます。なんか曰く言い難い違和感が。
同じように思った方、決して少なくないんじゃないかしらと。

誕生日だよ全員集合

続くコーナー企画は「誕生日だよ全員集合」。
なんでも、田口夏実さんは、私たちが親しんだ芸能シーンの、その黎明期からの音楽集団でもありコント集団でもあった往年のザ・ドリフターズの大ファンなんだそうで、復刻された「全員集合」の DVD-BOX も持っていたのだとか。DVD-BOX 自体は、どこかへ行ってしまって、買い直そうと値段を調べたら余りにも高額なので現在躊躇中だという田口さん。

と、そんな大好きなドリフターズにちなんだコーナー企画に挑戦ということで、ここでゲストとして、こぶしメンバーの野村みな美さんと和田桜子さんが登場。
野村みな美さんは、あらかじめ、ちゃんとイベントのゲストとして正式なオファーの上で来てもらっていたようですが、和田桜子さんは1回目の公演に単純に遊びに来ていたようで、それなら一緒に出しちゃえとステージに引っ張り出された模様。

2名のゲストを迎えて3人で挑むコーナー企画ですが、3つのゲームに挑んで2つ以上クリアできたらご褒美という趣向ながら、罰ゲームをやってみたいと言う田口夏実さんの要望に従って、ご褒美は「罰ゲームの詰め合わせ」という謎仕様

挑戦するゲームは次の3つ。

1.早口言葉
2.ドリフクイズ
3.ヒゲダンスに挑戦

ひとつめの「早口言葉」は、かつての「全員集合」の企画に準じた早口言葉を述べるもので、一人ひとつずつチャレンジし、これは(最後の野村みな美さんのみ怪しかったけれども)難なく全員クリア。
「ドリフクイズ」は、たぐっち がゼスチャーで、ドリフにまつわるクイズを野村みな美さんと和田桜子さんへ出題するというもの。ま、ジェスチャーと言いつつ、しっかり「口パク」で正解を伝えていたりして、これもクリア(いかりや長介の「おいっす」がお題)。
最後の「ヒゲダンスに挑戦」は、志村けんと加藤茶のヒゲダンスのリズムに乗って、たぐっちが “つけヒゲ” でフラフープに挑戦します。のむさんと さこ によって次々と追加されるフラフープは、最終的に5つにまで増加しながら、それでも田口夏実さんはやり切って、これもクリア。

見事に「ヒゲダンスに挑戦」をクリアして “つけヒゲ” をビリッと剥がす たぐっち ですが、鼻下と上唇の間の、いわゆる「人中」という急所の部分に、ヒゲのテープが残ってしまいます。「きれいに剥がすのがアイドル。残して笑いを取るのが芸人」とは、テープが残ったと騒ぐ たぐっち を評しての鈴木啓太さんのコメント。

罰ゲームの詰め合わせ

見事にゲームをクリアしたということで、ご褒美として罰ゲームの詰め合わせをもらってホクホクの たぐっち です(ええ、こう書いていて自分でも謎だと思いますよ)。

あれこれと鈴木啓太さんがトークの端緒を拾い始める前に、いきなりパクパクと「イナゴ」を食べ始める田口夏実さん。後ろから恐る恐るのぞき込む野村さんに向ってお箸でつまんだイナゴを付きだして、野村さんは悲鳴をあげて飛んで逃げるわけですが、啓太さん曰く「のむさんが正解」と。と、その間も、当たり前のようにイナゴをパクつく たぐっち でした。
イナゴに続けて果敢に「せんぶり茶」にもチャレンジする たぐっち ですが、これは「うぇーーー!」と、やっぱり苦かった模様。
他、すでに SNS に激しく拡散している「キス顔写メ拡散」などの罰ゲームも、率先して、ノリノリで引き受けていく田口夏実さんです。

また、詰め合わせの一環だった「ゴムぱっちん」については、MCの鈴木啓太さんが、上手にトークの流れを制御して自ら「ゴムぱっちん」の被害者の立ち位置に入り込み、メンバーに「ぱっちん」させることを回避せしめた熟練の技を示しますけども、運動エネルギーを解放したゴムの一方の端っこが顔面に「ぱっちん」せずに、すぐ横を微妙にすり抜けていくという顛末に、「そんな痛くない」とむしろ残念そう。

ただ、こうした一連のゲームを進行していくにあたって、「早口言葉」のお題が紹介されてたりする「合間」の部分など、3人のメンバーがリズムを取りながら軽く踊ってくれている場面だったり、鈴木啓太さんのリアクションに改めて反応して、目をくるくるさせて見せてくれる場面などで、もちろん相変わらず可愛く弾むような勢いがある一方で、どことなく田口夏実さんが落ち着いているような印象があったりして。
特に、リズムを取りながら軽く踊ってくれている場面での、たぐっち の力の抜き具合というか、力まず自然にこなしていて同時に艶やかというか。
これ、同じように思った方、投稿者の他にも何人かいるんじゃなかろうかと。

ミニライブ

ミニライブに移る前に、イナゴとせんぶり茶の被害をクリアにすべく口腔内を洗いに行ったものか(真相は不明)奥に引っ込んじゃって、今からミニライブだってのにMCの啓太さんに「たぐっち、どこいった?」と言われる田口夏実さん。

そのバースデーに歌ってくれたのは次の楽曲。

01.KiraKira(Buono!)
02.アンブレラ(タンポポ)
03.Real Love(菅谷梨沙子)
04.うらはら(Buono!)
05.My Days for You(真野恵里菜)
06.なんちゃって恋愛(モーニング娘。)

順番を入れ替えただけだとは本人の弁ながら、1回目の公演では、もっと別の曲なんかも歌ってくれていたみたいです。

Buono! の『KiraKira』は、大好きな曲だったんだけど、永らく曲名がわからなかったんだそうで(ええ、こう書いていて自分でも謎です)、ようやく歌えて嬉しいんだとか。
ミニライブの後半ではゲストのこぶしメンバーも参加してくれて、お終いのご挨拶で、自分以外にもメンバーが歌ってる姿を見ることができて「今日集まってくれたお客さんにもプレゼントになったんじゃないか」と、田口さんは健気なことを言ってくれましたよ。

ゲストには「ほんとは こぶしの全メンバーに来てもらいたかったんだけど、そうしたら自分のバースデーイベントじゃなくなっちゃうから」などと口走り、客席としては、そんなこと言い始めたら、せっかく来てくれた野村みな美さんに失礼に当たるのではなかろうかとハラハラするわけですが、あくまで邪気なく悪気なく、素直なところを述べているだけだと万人に了解されるのは、それは田口夏実さんの人柄の手柄か、それとも、ひょっとして失礼なことを言われながらも、そもそも気付かずに、ポヤンと意に介さぬ野村みな美さんの天然の手柄か。いずれにしろ、この辺りの「こぶしの味」は、守ってほしいところです。

さてしかし、やっぱり強烈だったのが『My Days for You』。
こういったファンクラブイベントで、メンバーのお誕生日をお祝いするイベントで、ファンと、そのファンが応援するアイドルという構図で、この曲を披露することは、そろそろ禁じ手として封印すべきかも知れませんね。
それほど(普遍的にではないとしても、繰り返し「ファンと、そのファンが応援するアイドルという構図」という特殊な状況下にあって)危険なほど強力すぎる楽曲です。
これを歌われちゃうと、アイドルを応援しお誕生日をお祝いする気満々で会場に足を運んだファンは、抵抗できません。

最後のご挨拶と、そしてイベントの後と

イベントは上述の流れの上で、最後のご挨拶をして、お見送り会で終了です。

お見送り会でも、昨年の場合のように「おふざけ」が前面に出ることはなく、大きな目をくりくりさせて、あたかもアイドルのように、「ありがとう」と参加者さんに手をふってくれた田口夏実さんでした。
こちらとしては、脳裏に「悪ガキ」なイメージが強めに想起されるのに、今般のイベントでは、こちらのイメージ通り「悪ガキ」だったのは、一瞬だけ野村みな美さんにイナゴで威嚇してた場面くらいでしかなく、しかも、比較的穏当な「はっちゃけ」であったことを併せて記しつつ。

そう、なんだか、今までの たぐっち と違うような印象があったのでした。
それは、やっぱり、こっちの受け止め方として、ハロプロの激変もあったし、こぶしファクトリー自体も揺れてるから、そういう色眼鏡で見ちゃうんだろうなあと思ってました。現状のハロプロの激動が背景となって、目の前の演目を素直に楽しめないでいるのだ、と。それって、頑張ってくれてる田口夏実さんやゲストで来てくれたメンバーに申し訳ないよなあとか思っていた次第です。でも…

なかなか言葉が出てこない田口夏実さん

上にも書いたように、自分なりの話の背景的な脈絡までも余さず伝えようとして、そうまでしてでも、あくまで自分が言ってることを理解させないではおかぬという気迫まで感じられるほど、いつもなら、あるいは、こっちの脳内で想起される たぐっち ならば、言いたいことは山ほどあるんだとばかりに、怒濤のように言葉が溢れ出るような感じだったかと思うんですが。
今般のイベント、最後のご挨拶で、田口夏実さん、なかなか言葉が出てきません。

最初はド忘れしたのかと思っちゃうほど、言いたいことをなかなか言葉に出来ないでいて、たぐっち、もどかしそうです。
結論から言えば、言いたいことは、セトリの『My Days for You』の歌詞の通りの内容で、これを一生懸命、自分なりに最後のご挨拶で伝えようとしていたのでした。

それは、言おうと思ったことを忘れちゃったとか、適切な言葉がわからないとか、そういうことではなくて、自分の言葉で言おうと、懸命に言葉を探していた結果、なかなか言葉が出てこないでいたのでした。

前向きだった田口夏実さん

それでも、探して絞り出した言葉で、しっかりと集まってくれたファンに感謝と『My Days for You』の歌詞にあるようなことを伝えてくれた田口夏実さん。
そして最後には、「また、来年も、こうして私のイベントに集まってくれたら嬉しい」と。

現状のハロプロの激動と、こぶしファクトリーのあれこれと。こうした現状を背景にして、こちらが勝手に忖度しちゃうくらいには「今後に不安」ってことが、ある程度ファンにも共有されているかと思います。
けれども、そんな「今後に不安」を覚えるファンにとっても、この田口夏実さんの言葉は、心強いご挨拶となったのではないでしょうか。

そう「また、来年も、こうして私のイベントに集まってくれたら嬉しい」と。「その時は、今よりも、少しだけ大人になった私に逢いに来て欲しい」と。

少し大人になっていた田口夏実さん

ここで、ようやく、イベントの冒頭から感じていた違和感の正体に気づきます。

冒頭からのノースリーブのワンピースが愛らしく映えるような「女の子」としての押し出しに感じていた違和感も。振り返りの勢いで、その花柄のワンピースのミニスカートの裾がふわっとするあたりで「あれっ?」と感じた、今までとちょっと違ったような たぐっち のイメージも。

トークの前のめり具合や執拗さこそ従来の「たぐっちらしさ」が見られた一方で、今ひとつ「弾み方が常識的」な印象だったことも。可愛く弾むような勢いがある一方で、どことなく落ち着いているような印象だったことも。

リズムを取りながら軽く踊ってくれている場面での、たぐっち の力の抜き具合と、そうであるにも拘わらず、均整のとれたステップの完成度も。

細くて小っちゃいという印象はそのままに、どこかスタイルが整ってきたように見えたところも。

そして、集まってくれたファンに向けて、ちゃんと自分の言葉で感謝の気持ちを伝えようと、一生懸命に言葉を探していたことも。

ようやく、このイベント中、ずっと感じていた違和感の理由がわかりました。

田口夏実さん、大人になっていたんですね

*****

一方で、この日のイベントをふり返って更新されたブログ(「いつもみててくれてありがとう。田口夏実」)の内容にあるように、どこか「がんぜない」ところ、愛すべき「子供の真っ直ぐさ」も同時に持ち合わせているようです。

この子供っぽい率直さと、着実に大人になっていく成長とが同居して、ほんとうに、来年のバースデーイベントが、今から楽しみですね。

(文=kogonil)

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