2026年9月20日の日曜日、恵比寿のガーデンホールにて、小片リサさんのソロライブが開催されました。題して『Gleam』。
2024年の9月にアップフロントを離れて約2年、羽田だったり関西だったり、いろいろな会場でライブを重ねてきましたが、有楽町の『I’M A SHOW』での複数の公演について、これまで記事を公開してきました。
そして今般、2029年の9月に、恵比寿で『Gleam』を開催。
“Gleam” とは、「かすかに光る」、「煌めく」という意味で、MC で小片さんが話してくれるところでは、「小さな光、温かい光」という意味を込めているとのこと。小片さん曰く「ライブが決まった時は、そんなことは思ってもいなかった」んだそうで、じゃあなんでそのタイトルにしたのよ?(笑)と思わないでもないながら、そんなソロライブは、オープニングでステージの照明が落ちているところで、トコトコ歩いて下手から登場してきた小片さんが、足でそっとステージ上の小さな照明器具を点灯し、暗いステージに小さな明かりが灯るところからスタートします。
はじめに セトリを示さぬ理由
小片さんのソロライブは、客席は着席指定、ペンライトは禁止。
言うまでもなく、推しを客席から “応援する” というより、ステージから届けられる小片さんの歌を聴くことそのものに観客の意識を集中させる形です。
そんなわけで、ペンライトが使えないので現場でのメモは不可能だったりして。
このため、本レポでは、この Gleam のセトリを掲示するのは避けます。それは、ペンライトが使えないから現場でメモが出来なかったという以上に、9月の恵比寿に続いて11月には大阪で再演されることが決まっているので、ネタバレを回避するため。小片さんは “同じ演目でやるかどうかわからない” といったようなことも話していましたが、それでも積極的なネタバレは避けたいので。
加えて、ライブ後のグッズとして、セトリカードが販売されて、多くの参加者には、正式なセトリが明らかでもあるので、この記事での公開は避けますね。ごめんなさい。
もちろん、レポの途中で披露された楽曲については、いくつか曲名も含めて言及しますし、この夏にリリースされた『フロウライト』と『カルセドニー』についてはライブで生歌で披露されましたよ(いずれもYouTube の小片さんのチャンネルで検索すれば、すっきりした小片さんのお姿と共に、透明な歌声での歌唱を聴くことができますよ)。
あと、アンコールでの披露曲はグッズのセトリカードに記載されておりませんので、ここで。初披露となる(&大阪でやるかどうかはわからないと小片さんが言う)小片リサ製作の新曲『空を泳ぐ魚は』と、『カルセドニー』の再演の2曲をアンコールで小片さんは歌ってくれました。
小片リサ Gleam @ 恵比寿ザ・ガーデンホール
開演に先立つ数週間、珍しく長時間のインスタライブなども開催してくれて、小片さん本人も、何かと盛り上がりと宣伝に努めてきた秋のソロライブ Gleam、2026年9月20日は台風接近を翌日に見据えて、かなり不機嫌な空模様。
それでも、恵比寿ザ・ガーデンホール 前には、プレミアムチケットと一般チケットに分けて作られた入場待機列が延々と続いており、ぶっちゃけ小片さん大人気です(実際に会場に入ってからも、空席はほぼ見当たらないくらい)。
開場16時、開演17時とあったライブですが、開場はけっこう遅れます。
入場待機列を誘導するスタッフが(それにしても、アップフロントを離れているのに、スタッフが充実していて、採算は大丈夫なのかと心配になったり)「ステージの最終調整をしております」的なアナウンスをしてくれますが、ライブ終盤で小片さんがトークしてくれたところでは、リハーサルに熱が入りすぎて、気がついたら(リハーサルをやっていて)16時を過ぎていたので「あ、やばい、やばい」と、慌てて開場したことを、ペロッと暴露してくれます。
… それほどリハーサルに熱が入るのも、楽曲だけでなく、宣伝に使うショートフィルムから長尺のMV まで、小片リサさん本人が創り上げたステージだったから… というわけで、私たちは、その小片さんの思いの丈を、どストレートに浴びることになります。
そんな小片さんのソロライブ、今般は、ピアノとベース、そしてドラムの生バンドを従えた構成です。その感想というか、個人的に印象的だったところを以下に点描風に…
前半と後半のアレンジの違い
ライブは前半と後半で、わりと明瞭に趣を異にします。
前半は、しっとりと、静かに、小片さんも囁くように歌います。一方で、後半は、歌詞的にしんみりするような楽曲であっても、むしろアップテンポで軽やかに。
小片さんのソロの楽曲は、これまでライブに参加しただけじゃなく、それなりに親しんできましたけども、静けさを強調するアレンジも、軽快さを強調するアレンジも、いずれも新鮮でした。
前半の静けさパートでは、ほとんど(水分補給以外は)ステージの中央から動かなかった小片さんが、後半の軽快パートでは、ステージの左右へ客席へのアピールを兼ねてちょこちょこ動いてるのが非常に愛らしかった次第。
… と、後半で、ちょろちょろ動いた小片さんはトークも軽妙だったので、順番を前後して、そちらを先に…
小片さんはアクスタ苦手
ライブの後半のトークで、この先のライブも決まっていますと、2027年3月のライブ(再度の『I’M A SHOW』)などを告知しつつ、グッズの紹介も。
新曲(『フロウライト』と『カルセドニー』)の写真で作ったというキーホルダーを示して、「周囲の人からはアクリルスタンドを作れって言われるんだけど、個人的にアクリルスタンドが苦手で… 同じ素材で作ったから許して」とのこと。小片さんがアクリルスタンドが苦手だったとは意外かつ衝撃の事実で、これまで複数の小片さんアクリルスタンドをコレクション済みのファンの立つ瀬は…(汗)
そんなアクリルスタンド素材のキーホルダーに続けて、ライブのパンフレットにも言及する小片さん、紙質について、自分が選んだことを嬉しそうに語ってます。いくつか候補を示された中から選んだらしいんですが、何を選んだかは「忘れた」とか。それでも手触りが良いんですよと述べて、「ほら」とか言おうとしますが、ステージ上のサンプルはビニールで封をされているという始末。小片さん、愛らしいですね。
そんな、グッズの一つ一つまで、自分で制作したんだとの自負が見える小片さんは…
歌う人から創る人へ 自分と対話する小片リサ
ライブ後半のトークで小片さん自身が語ったところでは、「私はライブのなかで、歌う人であると同時に創る人でもある」というフレーズが印象深い次第。
それは、多くの楽曲について、当の小片さんによる作詞・作曲だというだけではなく、個々の楽曲の動画作成やフォントの指定から色味の調整、ショート動画の切り出しまで、すべて “小片リサ製作” というに留まるものではありません。
聴いている客席の印象として興味深いのは、小片さんのスタンスの変化が感じられるところ。アップフロント時代のソロ曲は、当たり前に恋愛をモチーフにしつつ、その切なさも含めて、歌っている私と、その私に対象として把持される他者との関係がメインで歌われていた一方で、最近のソロ曲では、かなりはっきりと “小片リサ自分自身との対話” が試みられているようで、その変化こそ興味深いところです。小片さん、ファンへ向けてプレゼンする自分自身を含めて “創る” 模様。
… というわけで、披露してくれた楽曲の中から(もちろん、全曲すべて、素晴らしかったのは言うまでもないけど)個人的に響いたものを、以下…
歌声のニュアンスが凄い『裸の“Mew”』
歌詞で歌われる情景の悲しさに反して、旋律の爽やかさが印象深い楽曲。その爽やかな旋律にのせて、切ない情景を、感情を載せて届ける小片さんの歌声の涼やかさが際立つ楽曲でもあるかな、と。
歌われる情景以上に、小片さんの声の切なさが明瞭なので、よもや、小片さんの個人史の中で、この楽曲に歌われるような経験があったのなら、もう、どう言葉をかけて良いか悩む次第ですが(そもそも、直接言葉をかけちゃいけないけど)、そう思わせる程、歌い方の細かなニュアンスが豊穣です。
人生を重ねて聴く『どっち』
小片さんのソロ活動の始まりを象徴する曲でもあり、イントロから、こちらの心の柔らかな部分に響く楽曲です。小片さんのファンは、つばきファクトリー時代から(場合によってはナイスガールトレイニー時代から)小片さんを追っている方が多く、だからこそ、歌いあげられる情景と、小片リサのソロ活動のスタートの重なりが、独特の切なさを醸し出す次第。
その上で、「♪瞬きの重なりが終わる日」といった、恋愛という人生の “中” での経験に留まらぬ、人生それ自体を俯瞰するような歌詞もあり、聴く者は、どうしても小片さんの歩みそれ自体に重ねないではいられぬ楽曲です。
恥ずかしいので秘密にしますが(ほんとはちっとも恥ずかしくないけど)この楽曲に触れる度、毎度、泣いちゃいますよね。
意地っ張りな小片さん 『映画の趣味が合うだけ』
歌詞で歌われる主人公の、「映画の趣味が合うだけ」の人を、すっかり好きになっていることを意地っ張りで認めないようなところ、その頑固な偏屈さの可愛らしさは、小片リサさんそのものでもあるようです。… なんか可愛いですよね。
ソロライブで披露するそれぞれの楽曲に、それぞれに小片リサさんの(それぞれ異なる)一面が投影されているとしても、なかなかに小片さん投影度合いが濃い楽曲なのではないかと。
自分を肯定する?『カルセドニー』
現在ではない時間を超えたどこかの自分へのお手紙のような… とは、小片さん本人のライブ後半のトークでの発言。
そう思えば、小片さんの来歴をそれなりに知るファンにとっては(わたくしの場合で2014年の有明での Berryz祭り研修生パートが小片さんとの初邂逅だったんですけども)、ぶっちゃけ、小片リサさんのアイドル時代を知るファンにとっては、そうした一連の思い出もまた、今の小片さんによって肯定されているのかと。そうじゃないのかも知れないけど、そう解釈するなら、ファンにとってこそ響く一曲ということなのかも。
かつてハロショ千夜一夜で、芸能の世界で海千山千の社長すら絶句させた小片さんの妄想力(参考「つばきファクトリー 小片リサ、ハロショ千夜一夜で爆発させた妄想力にファンも社長も聴き入るのみ」)ですから、安易に上段落のように解するのは誤りであることが濃厚ですけども。
内省する小片リサ 『フロウライト』
ソロになって事務所を離れても、だから自由に好き勝手になんでも出来るわけではない… という実感を込めた楽曲なのではないかとも解される楽曲。内省的であるだけでなく、旋律も静かで、小片リサさんが、アイドルから、歌い手へと、ますます脱皮していくそのプロセスが歌われているような、どこかフラットな楽曲です。
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点描風に部分的に感想を述べた次第ですが、ここで言及しなかった曲も、すべて素晴らしかったことは言うまでもありません。2026年9月20日に恵比寿で開催された小片リサソロライブ “Gleam” は、アップフロントを離れて2周年になろうとする小片リサさんの今を伝える集大成でもありました。
繰り返し、自分にとっての “対象” となる外の世界のあれこれ(恋愛を含めて)を歌っていた頃から、自分自身に向き合い、ぐっと内省的なスタンスで歌い始めた小片リサさんは、やはり美しく、ライブ終盤のトークがなかなか〆られなかったり(「ここからまた話すから長いって言われるんだよね、はい、もう、言いません。ここで、終わります」とか自分で言ってから、さらに数分話すなど)、ライブ後半の軽快なアレンジで、ステージ上をちょこちょこ動いてみたりと、とても愛らしい小片さんでしたけど、しかし、着実な変化があるようで、ファンとしても今後が楽しみです。アンコールの『空を泳ぐ魚は』は、一層、静謐といって良い雰囲気で…
でも、最後にお話ししてくれた時に、小片さん、少し泣きそうになっていて… そのとき、小片さんの綺麗に丸い頭の中には、どんな情景が広がっていたんでしょうね。ファンには知り得ないところですが。
ところで会場限定のダウンロード動画、なんか動かないのは私だけ?(焦)

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