【レポ】12/28 植村あかりBDイベント@山野ホール 〜「AKARI」とあかりちゃんと原点回帰〜

「セクシーなの?キュートなの? どっちが好きなの?」

植村あかり1st写真集「AKARI」を読んでいる隣で、植村あかりさん本人からそう聞かれようものなら、どちらと即答できるわけもなく、それでもどちらか選べと詰問されタジタジになってしまうという妄想でのぼせた頭をクールダウンすべく付録のメイキング映像が収められたDVDを再生すれば、自転車を使った撮影があったことをお知らせしようとして、その自転車を探すため観ている人をおいてきぼりにして画面からパタリと数秒間消えてしまう私たちの知っているかわいい美人の姿を思い出し、我に返る。ざっくり言えばそんな写真集である。

今回の写真集を手にとってみて、どちらかというと植村あかりさんの美人な部分が多めにクローズアップされた作品だと、それは植村あかりさんがファンにあまり見せていなかった一面だ、という感想を個人的には抱いた。だから、植村あかりさんに関してはかわいい部分はもちろん、美人な部分もあるのは知ってるよ、とたかをくくっている人にこそ手にとってほしい一冊だ。どうやら私は、いや、私たちファンは、植村あかりさんはかわいい美人だと、その言葉の上辺をなぞっていただけであったようだと気づかされるに違いない。

というわけで本題のBDイベントのレポートに入る前に、写真集の感想を少々。

雰囲気のある美人になった植村あかりさん

植村あかりさんはかわいいのに美人だ。何をいまさら、あえて、熱心な植村あかりさんファンを多く抱えるこのサイトで敢えて書く意味があろうか。だってみんな知ってるもん。でも「AKARI」を読んでやっぱりこう書きたくなったので書いてみた次第だ。

作品中で見せる物憂げな表情はファンの想像の遥か上をゆく。どんな気持ちでレンズを見つめているのだろうかと疑問すら浮かんでしまうほどに、この人はどんな人生を経てきたのだろうと奥ゆかしく感じるほどに、雰囲気のある美人がそこにはいる。ブログでもコンサート映像でも見ることのなかった美しい表情には、写真集という形式で記録される意味に納得する。

それでもやっぱりかわいい植村あかりさん

見れば思わずドキッとしてしまうような、雰囲気のある美しい魅力を今回の写真集ではお届けしてくれている植村あかりさん。でもご安心を(?)。まるで別人じゃないかと新鮮味を持って受け入れられるであろう数々のショットのうしろには、ファンのよく知る“うえむー”らしさの詰まったかわいらしいショットが抜け目なく控えている。やっぱりかわいい植村あかりさんは、見ていてホッとする。

動物と戯れるハロプロメンバーの構図を見ては、「何を仰います!?かわいい〜、というあなたの方が数百倍かわいいですよ!?」と言いたくてウズウズするのはファンのあるあるかと。この写真集にもワンちゃんとのショットがあるのだが、将来はトリマーになりたいという夢を未だ持ち続ける植村あかりさんも多分に漏れず、愛くるしさの塊みたいなワンちゃんを優しく抱き上げて、柔らかい光に包まれた優しい表情をするのは、お馴染みのかわいい植村あかりさんだ。どんなにかわいいワンちゃんでも、かわいい笑顔の植村あかりさんに抱き上げられてしまっては万事休す。文字通り噛ませ“犬”になってしまったワンちゃんには同情せざるを得ない、なんてうまいこと言ってみた(?)が、要するにあらゆるレトリックを排して言えば、植村あかりさんは美人なのに、しっかりかわいいのだ。

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何より冒頭に引用したつんく♂さんの歌詞(「ね~え?/松浦亜弥」より)が、美人(セクシー)とかわいい(キュート)は、一般的には共存しないのが通説だと、そう物語っている。どっちも、は無理だというのが共通認識だ。でもこの写真集は、植村あかりさんだったからこそ、そんな常識をぶち破ることができたというセンセーショナルな意味を持つ。妄想の世界では「セクシーなの キュートなの どっちもお願いします!」そんな常識はずれなお願いも、植村あかりさんになら許されるかもしれない。

なるほど、そしたら、定評のある可愛さに加え、美しい新たな一面を打ち出した写真集を出した今、植村あかりさんは“鬼に金棒”状態ってわけだ。かわいい、または、美人だなんて何度言われたことか当の本人は覚えているはずもないし、本人では自分自身の事をどっちだと思っているのかちょっと気になるが、左のほっぺただけにえくぼを作って無邪気に笑う植村あかりさんに“金棒”を持っている自覚は無い。ましてその“金棒”をぶんぶんと容赦なく振り回し、新たに切り開いた境地でファンを魅了したともつゆ知らず、今日も無邪気に植村あかりさんは笑っていることだろう。

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以上、写真集「AKARI」の感想をお届けした。

さて、植村あかりさんは12月30日に17才の誕生日を迎える。筆者は、写真集で植村あかりさんの新たに開拓した美しく大人っぽい魅力が非常に素晴らしかったという印象で、それっきり、特に情報は更新されておらず、急に大人っぽく、よそよそしくなってたら寂しいなぁなんて心配もしたり、しなかったり。年を一つ重ねるにあたり、軸足をどちらへ移していくのだろうかと、気になったのだ。かわいい植村あかりさんを思い出すのか、あるいは、雰囲気のガラリと変わった植村あかりさんを目撃するのか。その答えがどうしても知りたくて、代々木の山野ホールまで足を運んできた。

というわけで本記事では、実際の誕生日より2日だけフライングして、12月28日に代々木の山野ホールにて行われた「Juice=Juice 植村あかりバースデーイベント2015」の模様をレポートする。誕生日に関連する以外のことで、ちょっとした“サプライズ”があったので2回目公演を中心にして、その模様をお伝えしたいと思う。

本題のイベントレポートを

会場にかかる英語のバースデーソングが俄かに音量を増すと、この日の司会さわやか五郎さん(以下さわやかさん)がステージに登場する。本日の主役を待ち望む歓声が湧き上がる中、さわやかさんの合図で、2日後に誕生日を迎える植村あかりさんがステージへ。バースデーイベント開演だ。

本日の衣装は、ミントグリーンのニットのセーターに、白を基調としたハイウエストのスカートという格好だ。1回目には下ろしていた髪の毛を、2回目では後ろの高い位置でピンクのリボンで留めた事に触れて、「リーダーの宮﨑由加にやってもらいました。あとは自分がやるだけです。」と、自身初となるソロイベントへの緊張と意気込みを感じさせる。

続くオープニングトークでは、中西香菜からビデオメッセージが。そのまま映像の中の中西香菜が音頭を取り、ファンがハッピーバースデーの大合唱でお祝いすると、ホントにサプライズだった様子で、「えーーー!気づかなかった!かな〜、あかり〜、と呼び合う仲で、昨日もハロコンのリハーサルでお互いちょっかい出してたのに!」とびっくりした様子。ここでさわやかさんが、「2人はどっちも大阪出身だよね?やっぱり会話は関西弁?でもみなさんあかりちゃんの関西弁聞いたことある?」と投げ掛けると、手を挙げるファンはチラホラ。植村あかりさんの関西弁はやはり珍しいようだ。「東京だと会話は標準語なんです、関西弁出せないんです。」としれっと逃れようとするも、さわやかさんに促されると、結局は「どこから来たん?」と関西弁で客席に問いかけてくれた。

照れなのか、植村あかりさんなりのスイッチのオンオフなのか、簡単には関西弁あーりーは見せてくれない。やれば絶対ファンは大喜びなんですけどね。

植村あかりヒストリー

一つ目のコーナーは、植村あかりヒストリー。植村あかりさんのお母様が厳選した幼少期のあーりーの写真をスクリーンに映し、あーりーの歴史をみんなで振り返ろうという趣旨だ。本人曰く、「小さい頃はカメラ嫌いで、カメラを向けられて笑顔になった記憶はない、かわいらしく写っているのは少ないんじゃないんか」とのことだが・・・。

1枚目はおじいちゃんの部屋に飾ってあるという七五三の写真で、おじいちゃんの部屋を思い出すので、懐かしいとコメント。これは街の写真館で撮影されたものらしく、その愛嬌ゆえに街の写真館の一番目立つ場所に置かれてしまったに違いない。他には、小学校の入学式終えファミレスで撮った一枚も披露し、この頃から早くも目鼻立ちがくっきりしたいまの植村あかりさんの面影が見て取れたファンも多かったようだ。

そんな調子でエピソードを次々と披露するのだが、ピンクの浴衣に身を包み、夏祭りで撮った1枚のエビソードがらしさ全開で秀逸だったので、なるべくそのままお伝えすると、「当時歯医者に行くのがいやだったんですけど、お祭りでスーパーポール掬いをしてたら歯医者さんが隣にいて、『あかりちゃん、虫歯まだ治ってないよね?』って言われて、それをお母さんにも聞かれてしまって、それ以来、街のお祭りでは歯医者さんに見つかる前に探しては、避けるようになりましたね。」となぜかドヤ顔で語った。

写真にまつわるエピソードを披露する中でさわやかさんから色々な質問が飛んでくるにつけ、「ん゛ーどうだったかなー、あ?んーーーーー、」としっかり考えて、迷って、悩んで、答えてくれる。こんな風にいろんな声を出しながら間をつないで、自分の記憶の中から正確と思われる情報を伝えようとしてくれるのだろう。ファンにしっかり向き合ってくれる植村あかりさんには感謝だなぁとつくづく思う。

プレゼントをくれた植村あかりさん

なんと、バースデーブレゼントをもらうはずの植村あかりさんからファンへ、逆にプレゼントがあるという。まずは、サイン入り羽子板、鏡餅、福笑いの三点を詰めたお正月セットだ。「あかりちゃん、この3つがあれば?」とさわやかさんが聞くと、「円満ですね!」とニコニコで答えるあーりーに、すかさず「揉めてないですけどね!」とさわやかさんのツッコミが入る。植村さんはつっこまれてなぜかうれしそう。これは1回目だったと思うが、お正月セット当選者をさわやかさんが案内し「はい、じゃあ当選した方はステージ上にね、直接あかりちゃんが・・・・羽子板でぶん殴りますから。」というボケに、わざわざ“セット”の紙袋から羽子板を急いで取り出し、羽子板を振りかぶり、やっちゃうぞ!なんて表情を一瞬見せてから、「いいんですか?!」と、ノリツッコミもしてくれるところも、かわいい美人、植村あかりさんである。

他にも、「あかりちゃん、あかりちゃん!」とイベントをサクサクと進行しようと次の動作を促すさわやかさんに、植村あかりさん自身が2回頷くタイミングで、「あかりちゃん!あかりちゃん!」と、2回自分の名前を使って返事をするといった、可愛らしい場面なども。“あかりちゃん”と呼ばれたのが新鮮で嬉しかったのか、さわやかさんのせかせかと進行してくれるのが面白かったのか、わからないけど、植村さんがたまに見せる変なモードに入っちゃったようで、こんなところも可愛らしい。

それでも、ステージに上がった当選者には、「いつも応援していただいて本当にありがとうございます。」と、お礼を言うときは、しっかりと目を見てお礼を言う。そこにキュンとくるファンも多いのではないだろうか。

ライブコーナー

「会えない長い日曜日/藤本美貴」から、ライブコーナーがスタート。落ち着いた響きのある歌声は、本家である藤本美貴さんを彷彿とさせる。次の「I&YOU&I&YOU&I/タンポポ」は圧巻で、オリジナル音源に収められた飯田さんの大人な歌声も、矢口さん独特の青春のフレーバーも、石川さんのキャピキャピ感も、加護さんの茶目っ気たっぷりな声も、このかわいい美人は全部持っているのだ。ここまで歌ったところで、本日のセットリストは自分で選んだものであることを発表し、「大丈夫ですかー?楽しんでもらえてますか?」と問いかけると、鮮やかに緑の光が揺れる客席から大きな歓声が。ちなみに、この二曲はハロコンで歌った曲で懐かしさを感じながらパフォーマンスしたとのこと。

3曲目は「泣き虫少年/Buono!」。ロックなサウンドにも埋もれない力強さに、ファンはしっかりと努力の証を感じ取ったはずだ。ところが、落ちサビに入ろうかというあたりからリズムを見失ってしまう。曲が終わるまでには、落ち着いてBGMを聴いてリズムを取り戻し、最後まで歌いきった。

ラストナンバーの「最高ミュージック/℃-ute」では客席に降り、プレゼントコーナーで選ばれたファンと歌いながら記念撮影をして(ハロプロ史上初?)、計4曲を歌い終えた。

 

なお、本記事で割愛した1回目公演のセットリストは以下に。

1.幸せの途中/℃-ute

2.恋心/Bitter&Sweet

3.泣き虫少年/Buono!

4.最高ミュージック/℃-ute

 

ライブ後さわやかさんが戻り、イベントもエンディングを迎える。「ミスすると、立ち直るのが遅いんです。ごめんなさい。」と自分の歌に納得がいかず意気消沈気味の植村あかりさんをフォローして、「でもさ、17才では、ミスをしないという目標ができたね」と上手くまとめようとするが、数秒黙り込んでしまう。あれっ、とさわやかさんが心配すると「ほかの人にも(会話に)タイムラグがあるってよく言われます。」と、まだ浮かない表情の様子。それでも、植村あかりさんが一瞬固まるのは何かを突き詰めて考えてる時だよね、と知っているファンは「今日の歌とっても良かったよ!」とありがとうの声援を送ると、「でも来年はミスしない!絶対しない!」と力強く前向きなコメントを残した。17才での飛躍を誓った植村あかりさんはファンに手を振りながら、ステージ袖へと姿を消した。

終演かと思いきや・・・?

ハロプロのイベントやライブでは、照明が会場全体をパッと明るく照らすのが、あらかじめ予定されていた出し物が終わり、本当に終演ですよ、という合図だ。この日も明るく照らされた会場を後にしようと、そそくさと荷物をまとめようとしたそのとき、舞台袖から慌てた様子のさわやかさんが、遅れて植村あかりさんもステージに戻ってきた。

どよめくファンにその事情を説明する。「あかりちゃんが歌に納得いってないようなのでもう一度歌っていいですか?あかりちゃん、悔しいか?」とさわやかさん。「悔しいです!!!」と、あかりちゃん。「リベンジするか!?」「んぅぉーーー!!!!!」と気合十分だ。

失敗は許されない。ステージ中央に、一人屹立する。何か感触を確かめるようにマイクを握り、イントロを待つ。その緊張は客席にも伝播する。イントロがかかる。そして歌う。力強く声を張り上げる。力強く拳を突き上げる。私達はただ、無事歌いきれますようにと、祈りを込めて耳を傾ける。依然、高い集中力で歌う。厚い音に負けじと、歌う。ようやく出口が見えてくる。最後のフレーズを歌い切る。パフォーマンスが完結する。

16才最後の歌、「泣き虫少年」を歌い上げようとする植村あかりさんの両脇には、気づけば宮崎由加と宮本佳林の姿があり、見事リベンジを達成した仲間を祝福した。

「歌い終えて、皆さんの笑顔を見たとき安心しました!これからも植村あかりを応援よろしくお願いします!」とイベントを締めくくったかわいい美人の晴れやかな表情が、16才として過ごした1年間の充実を、そして、17才として過ごす1年間への期待を、物語っていた、

最後に

植村あかりさんの、パフォーマンスに対してかわいらしく、まっすぐに、前向きにアプローチする姿には、ホッとするし、元気がもらえる。やっぱり今日も、少しずつでもまっすぐにアプローチするそのやり方に、らしさがあふれていた。“何度でもやろうよ、最初からできるより楽しいことでしょ?”というスピリットが随所に垣間見られた、原点回帰のイベントであった。加えて、さわやかさんも「あかりちゃん」と親しみを込めて呼びたくなるような、かわいらしい、私たちのよく知っている姿も沢山だった。こういう意味でも原点回帰と言えるかと。筆者はファンとして、1年の最後にこんな素晴らしいイベントに参加できた喜びを噛み締めている。

Happy birthday 植村あかりさん!この一年があーりーにとって幸せで健康な、良き一年になりますように!

(文=puke)

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