春の祭典『ひなフェス2025』 で再認識したハロプロの魅力とは？

はじめに　一介のファンである立場が切り替わる現場

こんなにも気分が高揚するのは、おそらく、自分自身の期待によって形作られた社会的状況のセッティングが、コンサートという場において劇的に切り替わるからではないか。そんな仮説を立ててみたりして。

普段、ハロー！プロジェクトについて考えているとき、思い描くのはメンバーたちの可愛らしい姿であることが多いですよね。公式の写真や MV、テレビ番組、SNS の投稿などを通じて、彼女たちの魅力を受け取ることになります。画面越しの彼女たちはどこまでも整えられた世界の中に存在するアイドルとして輝いて、そこでは、見る側と見られる側の距離が明確に分かれていることが前提です。こちらはファンとして、遠くから彼女たちの可憐なルックスや仕草を愛で、憧れや尊敬を抱きながら、それぞれの魅力を噛みしめることになります。

しかし、実際にコンサート会場へ足を運ぶと、これまでの視点が一変。
スクリーン越しに見ていたメンバーが、眼の前のステージで実在の存在として躍動し始めます。まさに、こちらの認識の中で。その瞬間、ただ “可愛い”、”美しい” と感じていた存在が、それ以上の何かへと変貌します。彼女たちは、生身の体で歌い、踊り、表情を変え、汗を流しながらステージを駆け巡る。そのひたむきなパフォーマンスの迫力に圧倒され、そして、パフォーマンスに圧倒されるや、私たちファンは、そこに至るまでに積み重ねてきた膨大な練習や努力、見えないところでの葛藤や成長に想いを馳せないわけにはいかなくなります。

さらに、現場で動員されるのは単なる視覚や聴覚だけではありませぬ。
ステージを照らす強烈なライトは、ただ眼に映るだけでなく、体全体を包み込みます。スピーカーから放たれる音は、単に鼓膜を震わせるだけでなく、空気を振動させ、身体そのものに響いてきます。重低音の響きが足元から伝わり、心臓の鼓動と同調するかのような感覚さえ覚え、さらに、会場を満たす熱気は、肌を直接温め、微細な産毛までもが震えます。
ファンの歓声、メンバーの息づかい、ステージ上の靴音… それらすべてが生々しく混ざり合い、空間全体を構成し… 私たちは、そこに巻き込まれます。

こうして全身を使って体験することで、ネットや液晶画面を通じてメンバーを見つめていたときとは、状況はまったく異なることになります。それは、単にアイドルを応援するファンという立場から、たとえ風景であっても、この場の一部となっている存在へと変わる感覚。観客の一人として、彼女たちと同じ時間、同じ空間を共有しているという実感。映像や音声では決して味わえない、生のライブならではの高揚感…

それはもう、一介のファンとしてネットや液晶を介してメンバーを愛でていたときと、まったく異なる環境にあることを自覚しないではいられないわけで、こんなにも気分が高揚するのは、たぶん、こちらの期待によって形成された社会的状況のセッティングが切り替わるからじゃないかと、そう思うのです。

なんの話か、って？
ええ、2025年、幕張メッセで開催された ひなフェス のお話です。

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そんなわけで、2025年の３月29日と30日の土日にかけまして、千葉県は幕張にて、ハロー！プロジェクトの春のお祭り、ひなフェスが開催されました。２Days で都合４公演のうち、ここでは30日の２公演めとなる、モーニング娘。プレミアム公演についてご報告です。

29日の講演ではメロン記念日が2018年の彩の国くまがやドーム以来の再結成を果たしたとのことですが、諸般の事情で29日には幕張に向かえなかったのは痛恨ですけども、しかし30日だけでも十分にいろんな養分を吸収してきました。

が、全体のご報告の前に、いくつか。
いや、いくつかって、愛生ちゃんと真琳ちゃんなんですけどもね。

山﨑愛生（モーニング娘。’25）と福田真琳（つばきファクトリー）という福音

ハロプロ総出演でお送りされる ひなフェス ですが、しかし、これは報告者の偏見というわけではないのだと強く言い張りたいところですけれども、モーニング娘。’25 の山﨑愛生ちゃんと、つばきファクトリーの福田真琳ちゃんの、こっちの気持ちと眼を持って行く力は凄まじいものがあります。

これは報告者が愛生ちゃんばかりを眼で追っていたせいかも… などという遠慮がちな言い訳をするのはやめましょう。はっきりと言い切ります。山﨑愛生さん、パフォーマンスの主軸です。

その存在感は、大きな声での斉唱部分だけにとどまりません。歌割りという観点から見ても、もしかすると、先輩である小田さくらさんに匹敵しかねないほどの存在感を放っているのではないか、と思えてしまうほどです。

しかし、愛生ちゃんの魅力は歌唱パートで眼を引くだけにとどまりません。彼女は、あんなに華奢な体つきをしているのに、上半身をぐらつかせることなく、足の力だけでスクワットのような動きをこなして（もちろん、そういう振付の一環なのですが）そんな身体の動きの逐一が眼に飛び込んできます。笑顔も、なんだか顔全体で笑ってるし。ただ口角が上がっているだけではなくて、もう顔全体が笑顔な感じで、そこに眼が惹きつけられずにいるのは、もはや不可能っす。

それではここで、顔全体で笑ってる愛生ちゃんのサンプルを。

単純に、可愛いとか、美人さんだとか、そういう方向の観点・価値観で眼を惹くのではありません（いや、もちろん可愛いし美人さんですけど）。なんか、もう、どうしても眼が離せない感じで気持ちが持って行かれます。山﨑愛生さん、まことに魅力的です。ほんまに不思議なんですけども。

可愛いとか美人さんだってわけじゃないって点では、真琳ちゃんも。
もちろん、繰り返しになりますが、真琳ちゃんも可愛いし、美人さんです。でも、それだけではなくて、真琳ちゃんの場合は、たとえば自分の歌割りを終えた瞬間にふっと浮かべる笑顔にあって、その頬の緩み具合、口の形、表情の柔らかさ… まさに “幸福そのもの” といった雰囲気で、この笑顔に、どうしても眼が引き寄せられてしまうのです。

私の描写力の限界でもあるんですが、この愛生ちゃんと真琳ちゃんの、どうしても引き寄せられてしまう不思議としか言いようのない魅力を、どうお伝えしたものかと。

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といったところで、お知らせしたいモーニングプレミアム公演のセトリを掲示して、詳細な感想とレポはページを切り替えてから。