「Juice=Juiceはどう変わるのか?」 Juice=Juice LIVE GEAR 2018 〜Esperanza〜 in 新宿ReNY

2018年9月11日、Juice=Juice LIVE GEAR 2018 〜Esperanza〜の新宿ReNY公演が行われたこの日は、Juice=Juiceのメジャーデビュー5周年の記念日でもある。

“Esperanza(エスペランサ)”。スペイン語で”希望・期待”を意味する単語が、ツアータイトルに冠された。フィエスタ、ウナマス、エスペランサ。Juice=Juiceは空前のスペイン語ブームらしい。

季節の変わり目とあって、吹きすさぶ新宿のビル風に肌寒さを感じつつ、Juice=Juice familyは開演を待っていた。気のせいか、異様にここ西新宿一帯だけが風が強い気がするけど、それでも期待する気持ちはブレない。期待って、ワクワクしながら待つことだ。心のアテがあるから待てるんだ。スペイン語で”待つ= esperar(エスペラール)”。詳しいことは知らんが、語源は一緒だろうと考えていた、こんな時間も正しく”エスペランサ”だ。

ニューアルバム「Juice=Juice#2 -¡Una más!-」を引っ提げて的なツアーになるだろうことは予想済み。そこに収録された新曲たち。そして、ハロプロ随一のダンススキルを持ち、畏敬の念すら持って迎えられた最強の即戦力・稲場愛香の加入後の初単独ツアーでのパフォーマンス。Juice=Juiceはどう変わるんだろう。心のアテはこんなにもある。

さあ、それらを早く、新宿ReNYのフロアに解き放ってくれ。改修工事を経て、後方のおよそ半分に段差ができたこと、ステージ上部に二つのモニター設置されたことによって、ちょっと見やすくなったこのフロアに。

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定刻開演。

予想通り、ウナマス新録曲を中心にセットリストは構成。アンコールまで含めて約1時間半のライブは、衣装チェンジを除き、全編通じて8人全員が出ずっぱりでパフォーマンスされた。MCコーナーでは5周年記念ということで、久しぶりのジュースで乾杯。客席から数多のペットボトルが突き上がる懐かしい光景の中、喜びを共有した。

それではメンバー別の所感を、ダイジェスト的にご紹介。

 

宮﨑由加

袖口のフリルから覗く細い腕、ボリューミーに巻いた髪とは対照的にスラっとした首は、お人形さんのよう。もちろん、かねてよりそのような印象を受けていた筆者だが、その華やかさに磨きがかかった気が

5周年を迎えたことの感謝を述べつつ、「で、何言おうとしてたんだっけ。」と、ドわすれ。思い出す時間を稼ぐために、あちこちに話題を飛ばしてみたものの、呂律にメリハリがなくなってきて、しまいには噛みそうになって、結局最後まで思い出せなかったのは、締めのMCにてのあざかわ一幕。ウチらさ、宮﨑さんがそろそろ噛むぞってタイミング、なんとなくわかるようになってきたよね。

 

金澤朋子

1着目の衣装の赤いドレスではデコルテを大胆に披露。セクシーすぎて「ステージでしか着れない(かなとも)」衣装が似合いすぎな、かなともは、「握手会から帰ってきたら楽屋で紗友希が着てた。(さゆきは)自分の方が似合うと思ってる。」と暴露。「みんな疲れてると思ったから元気付けようと思って!」とは紗友希さんの弁。なんにせよ、きーとも最高

最後のMCでは、「220ツアーの時と比べると皆さんに会える機会が少なくなった。帰り道には、さっきまであんなたくさんの人と遊んでたのに(←遊んでたの!?とメンバーから総ツッコミ)、と寂しくなる。もっと皆さんに会える機会があればいいなと思う」と述べたのに対し、ライブやってくれたらいつでも駆けつけるぜと、心の中で返事をしたfamilyは多かったのではなかろうか。というか、ライブ終わりは、楽しすぎた分の落差で、ファンの側も寂しいですもんね。そんな感情をシンクロしてくれて、感謝です。

 

高木紗友希

外ハネのボブを、真っ赤な太めのカチューシャでまとめたヘアスタイルは、紗友希さんのおちゃめで溌剌としたかわいさがそのまま表出したようで、とてもお似合い。個人的には、歴代の髪型の中でも一番好きかも。歌声にも、茶目っ気たっぷりで溌剌とした紗友希さんのパーソナリティを乗せてくれて、それがしっかりと届いて、気持ちを明るくしてくれた。ハロプロメンバーそれぞれに個性はあれど、”ハロプロの黄色のメンバーに共通した魅力”が紗友希さんにもしっかり備わってあるのが不思議。

アルバム新録シンセポップ『禁断少女』のCメロのアクロバティック歌唱は鳥肌モノ。・・・と、これだけは触れておかねばなるまい。

 

宮本佳林

かりんちゃんは平常運転で元気でかわいかったことをお伝えするべく、かりん節を二つほど。かりん節はかりんちゃんの元気のバロメータですからね。

・5周年のお祝いMC中に運び出されてきたケーキを見て「シィンプル〜!」。がっつりマイクに乗ったこのワード。果たして褒めているのか・・・と客席からの苦笑いに、「違うの!違うんだって、いい感じのシンプル感なんだって!」と慌ててフォロー。

・高木紗友希さんの、「(進境著しい新メンバーたちに負けないように)5人も、がんばろうね!」との問いかけに、「がんばろねぇ〜」とゆるめに一言。仲間のアツいメッセージには、落ち着いた、ゆるめのレスポンスを返しがち。

てな訳で、かりん節は本日もしっかり健在であった。

 

植村あかり

毎ツアーごとのパフォーマンスの進化が、”見てるだけでわかる”レベルの植村先輩は、6年目でもメキメキと成長中(これってすごいことだよね)。ダイナミックだけど繊細なダンスは、より美しく、よりうえむーらしく。ハロプロメンバーの皆さんはよく使う、「自分に合ったダンス」という表現、それがピッタリの踊りっぷりであり、いうなればダンスにも“らしさ”が確立されてきた感が出てきた。その変化の過程を実感すること自体に感動がある。うえむー道と云うは、変化に気づき、感動することと見つけたり。

そんな絶賛“らしさ”確立中の植村先輩は、終始ニッコニコで、メンバー間のアイコンタクトで、ステージ上の仲間に微笑みかけていた。しかしながら、うえむーが客席に背中を向けているときは、十中八九、対面する(客席から表情の見える)メンバーが”ニッコニコ”というより”ニヤっとする”と言った方が適切なのは、果たして一体・・・??Juice=Juiceの「隠れ変顔クイーン」の疑惑も浮上中。

 

梁川奈々美

「自分がJuice=Juiceにいるのがいまだに信じられない」というやなちゃん。実はやなちゃん、このメンバーと言えばこのパート!といったJuice=Juiceに存在する名物パートを今ツアー継承しているのだ(ハロコンでは『あばれてっか?! ハヴアグッタイ』のあおりを見事にかなともさんから継承していましたね、やなちゃんらしい味があって最高でした)。メンバーが卒業したからなど特別な事情なしで、歌割りを継承しているのだから、疑いようもなくJuice=Juiceにいる!いますよぉ、そりゃもちろん笑!

 

段原瑠々

最後のMCでは横一列に並んだ8人から、話す人が代わる代わるに前に出るのだが、段原さんの話している背後でふざけるお姉さんメンバーに気を取られる客席に、「真面目な話してるのに・・・!」とご立腹なシーンも。普段はファンを立てつつも、必要に応じてfamilyをコントロールするテクは、早くもゆかにゃイズムの影響か。もはやいい意味で、新人さんの感はなく、気づけばJuice=Juiceにとって欠かせないピースに。

 

稲場愛香

カントリー・ガールズ作品に印象的な、甘いまなかんボイスも、すっかりJuice=Juiceの艶っぽい声へとチューンアップ。やはり、“耳の良さ”は折り紙つきであるのは、北海道ローカルのラジオでたびたび披露されるモノマネのラインナップ(「バズ・ライトイヤーまなかん」など)が証明する通りだ。

ライブ最終盤では、「8番めの虹はどんな色?(『この世界は捨てたもんじゃない』より)」の歌詞に合わせ、まなかんのもとへ全員がギュッと集結。また、『YEAH YEAH YEAH』では、Juice=Juice内選抜のひとりとして、MVでも披露した、あのキレッキレのダンスを披露。加入間もないのに、見せ場を作れるなんて、伊達じゃないようちの新人は。

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さて、ここまでお伝えしてきた、Juice=Juiceのメジャーデビュー5周年の記念日のライブ。断片的なメンバーごとの情報により、ライブ全体の描写を試みた。

5年目にあたるここ1年強は、変化に富んだ年であった。中でも、グループが存続する上で、事実上の構造上の限界を打ち破ってくれた、3人の新加入メンバーの功績には賛辞を惜しまない。

「Juice=Juiceはどう変化するのか?」。それがポジティブな問いであるのは、当たり前のことじゃない。やなちゃん、るるちゃん、まなかんだったからこそ、未来志向の明るい意味付けがなされたんだ。大仕事をやってのけたんだ。

6年目への希望に満ち溢れたステージを目にして、そう思わずにはいられなかった。

 

あとがき

期待値の高まった10月の武道館でも、”ウナマス、フィエスタ、エスペランサ!(もう一度、お祭りを、期待!)”ってことで。

 

(文=puke)

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