モーニング娘。10期メンバー工藤遥 武道館をオレンジ一色に染めて堂々卒業!

その過酷を極めた物販待機列からの悲鳴のような報告を見るだけでも、こう断言して良いかと思う。”工藤遥の卒業に、武道館はやはり狭かった” と。
モーニング娘。の10期メンバー工藤遥が、2017年12月11日、予告されたとおりに日本武道館のステージをもって、モーニング娘。を卒業した。

工藤遥は、たくさんのモーニング娘。ファンを魅了しただけでなく、むしろモーニング娘。を越えたハロプロメンバー内にこそ多くの工藤ファンを抱えた異例の人気メンバーであった。
異例といえば、イケメンという特徴的なキャラクターだけでなく、「喧嘩が超強い」とアピールしてみたり、ホテルの部屋に「霊がいるのが見え」たり、バラエティ番組での芸人さんのノリに「ちゃんとお仕事してるのに」と泣いてしまったり、「得意の水泳でオリンピックを目指す」と宣言したりなど、他にも枚挙にいとまがないほどユニークな言動を残しており、また本人も「中二病キャラ」と自覚するなど、これまで類例を見ない特異なメンバーであった。

特異といえば、モーニング娘。は、常にメンバーが入れ替わり、卒業というイベントを繰り返していることでも知られる。同時に、先輩から後輩へと、スキルだけではない「魂」が継承されていくことでも、特異な位置を占めているグループだ。
そのように卒業していくメンバーの中でも、今回の10期メンバー工藤遥の卒業は、これまた「特異」なほど、明るく前向きなものでもあった。

もちろん多くのファンは工藤遥の卒業を惜しんでいる。DVDマガジンのバックステージでは貴重な語り部ともされ、新しいモーニング娘。の形を模索していく中で、常に大きな存在感を発揮していた工藤を失うことは、モーニング娘。というグループ全体にとっても大きな痛手だ。
それでも、何かしらトラブルがあって緊急避難的に卒業するわけでもなく、どこかしらモーニング娘。としてやり残したことを感じさせるような卒業でもなく、女優という次の目標へと向う、とことん前向きなカラっと明るい卒業であった。事実、12月11日の正式な卒業を前に、OGが多く所属するファンクラブである M-Line クラブへの移籍がアナウンスされたり、本人のブログでも「卒業後の仕事が決まってる」と、こそっと書いてみたり、レギュラー出演する明石家さんまがパーソナリティのラジオ番組『ヤングタウン土曜日』では、自身が登場する最終回(2017.12.9 放送分)でも、終始笑い声ばかりが響いていたりと、これまで「卒業」という言葉に時に込められていた哀切なニュアンスが一切感じられなかった点でも、工藤遥の卒業は特異だったと言えるのではないだろうか。

そんな工藤遥の卒業を見守るために、12月11日には武道館には、これまた過去に例を見ないほどの多くのファンが駆けつけ、事前のチケット申し込みにあっても異例なほどの「落選祭」が繰り広げられるという(冒頭の物販列の悲鳴も含めた)異例尽くしの公演ともなった。

異例というなら、卒業公演では恒例ともなっている卒業セレモニーでのメンバーからのメッセージにあって、いつも面倒見の良い姉御肌を見せる10期メンバー石田亜佑美が、思わぬ本音を吐露して泣き崩れるという一幕もあった。

この卒業セレモニーについて、あるファンは、こう語る。
「ずっとモーニングのファンだった者からすれば、10期メンバーなんて、まだまだ “新人” じゃないかって思ってるところがありました。もう、丸々6年以上の実績があるのに。
11期の小田ちゃんと、どこか同志的な感覚を共有しているところも、12期以降の後輩のメッセージを、ちゃんと “先輩” として受け止めているところも、工藤遥さんは、しっかりとした、ちゃんとしたメンバーだったんだなあと今更ながら痛感しています。新人さんだとばかり思っていたのに。
そして9期の生田衣梨奈さんをして、ついに “ネタに走らず真っ正直な卒業メッセージ” をさせてしまうところも、工藤さんは、むしろモーニング内部でこそ得難い、大事な存在感のあるメンバーだったんだなと、改めて知らされて、その意味でも、いろいろ響いた卒業セレモニーでした。」

また、10期メンバー佐藤優樹との、いわゆる「まーどぅ」コンビに思い入れるファンは、こうも語る。
「工藤さんは、ずっと、まーちゃんの傍にいるもんだとばかり思っていました。
でも、卒業セレモニーの、まーちゃんのメッセージを聴いて、なんとなく、工藤さんが自分の次の夢に向けて決断した背景もわかるような気がします。まーちゃん、ちゃんとした文章としては、最後まで何を言ってるかわからなかったけれど(笑)、それでも、何を感じているか、何を言いたいのかは、とてもストレートに伝わってきました。きっと、一番に側にいた工藤さんは、まーちゃんのそんな様子をとっくに知っていて、もう大丈夫だって思ったんじゃないでしょうか。もう、自分の夢を追っても大丈夫だって。
エンタメアーカイブの、この記事にあるように、まーちゃんの器に、もう十分、愛が注がれたって、そう工藤さんは思ったから、だから卒業を決めたのかもしれないですね」

まーちゃんの物語(書評:『まーちゃんくどぅーのハロプロ先輩探訪団』)

2017年12月11日、異例なほど特異なエピソードとキャラクターに彩られた10期メンバー工藤遥は、異例なほど哀切なニュアンスを感じさせないまま、異例なほど明るく前向きに、新しい夢に向うため、モーニング娘。を卒業した。

しかし、武道館の客席が卒業メンバーのメンバーカラー一色に染まった美しい光景と、その光点の一つ一つを構成する多くのファンが、これからの工藤の活躍と幸運を祈っていただろうことは、まったく「異例」ではなく、これまでの「卒業」と、なんら変わるところはなかったという。

(文=椿道茂高)


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