モーニング娘。’15 の、春ツアー千秋楽である武道館ライブの様子を収めたBlu-rayディスクが発売されました。
これまで投稿して公開いただいた記事で、ハロプロの「受け継がれていく」というモメントについて何度か言及してきました。その「受け継がれていく」感を、どうにか上手に表現できないかと思って、全曲レビューと銘打ちながら、個々の楽曲のレビューというよりも、セトリの流れを追跡して(まさにこうしたライブ映像を視聴する際の目的のひとつである)現場を追体験するような記事に「受け継がれていく」感を盛り込めないかなと。
Blu-rayを視聴しての全曲レビュー形式に託してトライしてみた次第。
なので、下記、客観的なデータのふりして書いていることは個人的な思い入れ含み。
モーニング娘。'15 コンサートツアー春~GRADATION~(Blu-ray)
価格: ,121
出版社/メーカー: アップフロントワークス(ゼティマ)
発売日: 2015/09/02
GRADATION ツアーの位置づけ
2015年の春ツアーとなる「GRADATION」は、メンバーやスタッフなど当事者の側からも、ファンやメディアといった観る側からも、モーニングの活動を献身的に牽引してきたと一致して敬愛された不世出のレジェンド、8代目リーダーである道重さゆみさん卒業後初のツアーとなります。
また、直前のツアーである2014年の秋ツアー『GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~』の武道館公演初日(※1)に、12期メンバーがお披露目されており、その新メンバーが加入して初のツアーでもあり、卒業してなお伝説としてあまりに大きな存在であった道重さゆみさんからバトンを継いだ9代目リーダー譜久村聖さんの、リーダーとしての初ツアーでもありました。
いわば、あらゆる意味で、新生モーニングの船出の大一番。
愛あるファンの期待だけではなく、大きな体制の切り替えを経て「さて、どういったもんか」といった(意地悪な)値踏みの視線にもさらされることになった、まさしく勝負どころのツアーであり、現役メンバーが「試された」(※2)ツアーでもありました。
- 2014年9月30日。
翌10月1日とあわせて千秋楽でもない通常日程に武道館2Daysを達成した - ごめんなさい。ほんとは、こんな言い方はしたくないんですけれども
どの瞬間も珠玉なので 全曲レビュー
1. OPENING
オープニングは様々なアングルで、武道館のステージと、開演前からペンライトをかざして、彼女たちの千秋楽を祝おうと集まったファンたちの姿を写していきます。
見ているだけで、ボルテージが上昇していきますよね。
このところ、極々一部のライブDVDを除いて、積極的に客席の歓喜するファンたちを写し込み、客席からのエールについても音声の絞り込みが穏やかで、客席とステージの一体感をこそ写し取ろうというような意図があるかのような編集が多く、これも嬉しいところです。
2. 青春小僧が泣いている
- 58枚目のシングル(2015年4月15日)
- 道重さゆみ卒業後の初シングルであり、12期初参加シングル
編曲は江上浩太郎 - デイリーでは1位を獲得
- MV には、鈴木香音の代役として宮本佳林 (Juice=Juice)
メンバーがスクリーン前に集合しているところから。シルエット姿が実にカッコ良い。
「辿り着いた女戦士」とは℃-ute の称号ですが、Berryz も、モーニングも、他のユニットも、その「戦士」という比喩が実にピッタリ来ます。カッコ良いし、実際、戦い抜いているわけですし。
オープニング、センターは鞘師ちゃん。小田ちゃんと髪をショートにして可愛さ10倍増しの石田さんが左右に控えます。
メンバーのアップと全体のフォーメーションが、バランス良くスイッチングされていきます。このあたり、誠に昨今のハロプロのライブDVDの編集は、すばらしい。石田さんのバランスの取れた肢体も、歌割りでニコっとするリーダー譜久村さんも、編み込みが映える工藤さんも、この段階で余裕すら見せる野中美希さんも、印象深いですが、序盤ということでお披露目的に、全部のメンバーをワンショットで抜いた見せ場があって、「いよいよ始まった」感が押し寄せてきます。
3. One・Two・Three (updated)
- 50枚目のシングル(2012年7月4日)
『The 摩天楼ショー』との両A面 - 新垣里沙、光井愛佳卒業後の初シングル 編曲は大久保薫
- オープニングの田中れいなのボーカルによる朗々とした響きが印象的な楽曲で、モーニングのシングルとしては久しぶりに初動で10万枚をオーバーし、「再ブレイク」の狼煙を上げる一曲となった
- UPDATEは、2013年9月25日に発売された『he Best!〜Updated モーニング娘。〜』における新アレンジとEDMサウンドによるリニューアル編曲盤(以下同様)
れいなの「うぉうお~~~~」というコールが痺れますね。
「あーいーしーてー」で、艶めかしく両手を腰から上に持ち上げながら中程度の激しさでステップを大きめに見せているフリの部分、曲全体のリズムと、ステップのリズムが異なるんですね(!)。改めて、すごいな。
アップで抜かれる鞘師ちゃんやまーちゃんに、すでに汗が滴っています。Blu-ray の画質はすごいな。
4. ブレインストーミング (updated)
- 53枚目のシングル(2013年4月17日)
- 田中れいなの卒業シングル 編曲は大久保薫
- 連続オリコンチャート1位の2曲目
「もう一つおまけにでっかい ラッキーが来そうな感じ」の歌詞
リリース時にインタビューで道重さんが「あやかりたい」とか応えていたら、正しくも一つおまけにウィークリー1位に
スクリーン前の2階部分のステージで立て続けに3曲目。曲のテンポが徐々に上昇するような形で配されたものかと。
間奏で、譜久村さんと生田さんが階段下に降りて軽くダンスバトル。
終盤へ向けて階段スペースに展開し、2番のサビでステージ前方の1階部分に整列し、曲終わりに、再度、2階スクリーン前に整列。この間、なにがカッコ良いって、メンバーが場位置を入れ替えているのが、歌割メンバーがアップで写るカットの背後に見えるところ。まさしく、テイク・パートって感じで、各自が自らのすべきことをきちんとこなしていく結果、全体のフォーメーションが出来上がっているのが映像でちゃんと見えるところ。
文字にして見ればあたりまえのようですが、それがわかるように、ちゃんとメンバーの場位置取りが収められてる。案外、現場ではわかりにくかったりしますからね。
*****
ここで、オープニングのVTR。
アートな映像に重ねて、メンバーたちのリハーサル風景などが流されつつ、ところどころ、その映像を見つめる客席の様子がインサートされます。…しまった、こんな序盤で、もう泣きそう。
そうなんですよね。映像製作の意図に明らかなように、目の前で展開されるステージの躍動感と迫力といった ”すばらしさ” に加えて、その達成にいたるまでの彼女たちの研鑽と、それを渾身の力で賞賛してやまぬ客席と、それらの全てが一体となる爆発感こそ、ライブの現場なんですよね。
5. 夕暮れは雨上がり
- 58枚目のシングル(2015年4月15日)
- 『青春小僧が泣いている』とのカップリング
- MV には、鈴木香音の代役として宮本佳林 (Juice=Juice)
- この2015年という段階で、「永遠の別れじゃない 旅立ちでしょ」という歌詞が、実に響く。
映像のラストと重なるように、衣装チェンジしたメンバーが登場。
ピアノ演奏風のジャスチャーで指先まで嫋やかにイントロを飾る まーちゃんに、メンバーカラーをあしらった柔らかな妖精風の衣装で、軽やかにステップを踏みながら場位置を入れ替えていくメンバー。後列に引っ込んでいる際も、まったく一瞬たりとも手を抜いていないのが、ライブ映像でよくわかります。
現場に参加したライブであっても、映像作品として、現場では不可能なアップのアングルで見直すことで、改めて驚くことばかり。とりあえず、まーちゃん、きれいになった。
曲調からか、表情を静かに消しているメンバーに、そうであるからこそ、これまでの3曲が、曲調に応じてしっかり笑顔をつくって ”演じて” いたことに思い至る次第。これが二十歳にもならぬ女の子たちの実演であることに(飯窪さん申し訳ない)、改めて恐れ入ります。
6. 時空を超え 宇宙を超え
- 56枚目のシングル(2014年4月16日)
- シングル連続記録のトリとなる
- MV の天女感は歴代最強となる美しさ。Mv でのダンスの嫋やかさも、モーニング史上に特筆すべき一曲。
- この2015年という段階で、「この世で出会えると信じ君を待つ」という歌詞が、実に響く。響きすぎる。
バラード調の落ち着いた曲が続きます。
この曲は、繰り返されるにつれ、歌詞の染み具合、旋律の響き具合が、だんだん深まることでも名高い楽曲ですが、柔らかな妖精風の衣装が本当に天女のよう。
譜久村さんも、飯窪さんも、驚くほど美しく、その当の美しさだけでなく、「美しくなった」という変貌それ自体にも驚かされるのですが、こうして編集された映像を見ていると、もうみんな、本当に美しい。
今更なんだけども、まったく美しい。
普段、Dマガやなんかで、底抜けに明るい笑顔(まーちゃんの場合は笑い声を聴いているだけで幸せになれる)ばかりを見ているためか、あんまり意識することもないんですが、しっとり、落ち着いたパフォーマンスに、改めて、美しいなあと。
『夕暮れは雨上がり』に続き、”かつて別れた誰かを待っている” ような楽曲が続くのは偶然なのか、そうじゃないのか。
*****
最初のMCです。
これまでの静かな曲調に、きちんと表情を抑えて実演していたメンバーが、みんな笑顔で。
生田さんの「がんばって生田」が飛び出し会場を煽ります。
しかしエリポン、なぜ表情が固いかな。なぜ、Dマガでの、バックステージの、あの溌剌とした表情が、本番のステージでは表情が固くなるかな生田さん。
(なんか、そこも生田さんの素直さの表れのようで、心洗われるわけですけども)
7. 女子かしまし物語 ~モーニング娘。’15ver.~
- 23枚目のシングル(2004年7月22日) 編曲は鈴木Daichi秀行
- オリジナル版は、4期メンバーである辻希美、加護亜依のラストシングルとなる
- 自己紹介ソングであり、メンバーの性質や出身地などをコミカルにあしらった歌詞が、メンバーごとの歌割パートとして割り振られる
- 自己紹介ソングという性質上、オリジナルのほかに次のようなバージョンがある
アルバム『愛の第6感』収録版
アルバム『レインボー7』収録版
2008年春ツアー『シングル大全集!!』セトリ版
2009年秋ツアー『ナインスマイル』セトリ版
2012年春ツアー『ウルトラスマート』セトリ版
ドリームモーニング娘版。女子かしまし物語 - これらに続き、本ツアーのものは2015バージョンとなる。
ここで、ようやくのメンバー紹介も兼ねて。
大人の魅力の譜久村聖さんに、そんなフクちゃんに喝采を送る鞘師さん。
空気を読まない生田衣梨奈さんが「時代が来た」と歌う後ろで全メンバーが「いやいやいや」のゼスチャーを。
広島弁にて歌もダンスも心で演ると鞘師里保さんを「カッケー」と指さす少年工藤。
ぽっちゃりで健康的だという鈴木香音さんは、こんな時に限ってダイエットに成功しているという、ハズしっぷり。
太鼓持ちではなく毒舌だと言い張る飯窪春菜さんを怖がるまーちゃん。
ちっちゃいことと同姓同名の著名人を歌う石田亜佑美さん、繰り返しですが髪を切って可愛さ倍増です。
なんだかわんないけど叱られる佐藤優樹さん、曲調に合わせて軽い小芝居を。
ハスキーボイスのイケメン工藤遥さんが会場を煽れば、客席からのレスポンスが音を絞られることなく入っているのは上述のとおり。
11期だけ一人だから四倍愛してと歌う小田さくらさんには、石田さんのツッコミが。
フィギュアで鍛えた大阪娘尾形春水さんに、英語でまくしたてる野中美希さん。ここでも野球推しの牧野真莉愛さんに、妹キャラアピールの羽賀朱音さんと、いや、短期間での12期の仕上がりにも刮目です。
サックスの響きも昂ぶる一曲です。
8. 浪漫 ~MY DEAR BOY~
- 22枚目のシングル(2004年5月12日) 編曲は鈴木俊介
- 初期メンバーであり最初のエースであり、ある意味、モーニングの看板であった安倍なつみ卒業後の初シングルとなる
- 2011~12年近辺のハロコンなどで披露される際、田中れいなによる可愛らしくも力強い「ヘヤッ!」という煽り(?)が脳に刻印されること請け合い中※注
オープニングのセリフは鞘師ちゃん。
パフォーマンスは、メインステージからセンターステージへ移って。
間奏へ向けてのオチサビを低音で外さず歌う小田ちゃんは、さすがの歌姫。
れいなの叫びがない分、全員で掛け声をするところが挿入され、それらに合せてか、若干アレンジを変えてきているような曲調。
それにしても、ほんとに堂々としたメンバーの様子です。
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飯窪さんと工藤ちゃんのMC。
女子~?男子~?メガネ~?コンタクト~?という定番の煽りに、関東の方~?大阪の方~?北海道の方~?まさか沖縄の方?海外の方?と客席を煽るうちに12期が登場して軽くトークを。
12期と並ぶと、いつもまにか工藤ちゃんが大きくなってることに驚きますね。
たった4年ほどなのに、みんな大きくなったなあ。
9. 好きな先輩
- アルバム『4th「いきまっしょい!」』収録(2002年3月27日)編曲は高橋諭一
- 先輩への恋愛に託して、新加入のメンバーが先輩へご挨拶する曲
- 新メンバーが馴染んでくるにつれ、加入時に歌ったVTRが涙腺を刺激するものとなることでも有名
- オリジナルは5期メンバーによる
他に、6期メンバー、9期メンバーバージョンがある
MCに続いて12期だけがステージに残って。
もう、これはイントロだけで危ういわけですが、6期版や9期版の記憶と照合しても、今般の12期の仕上がりには、びっくり。ソロの歌割部分は、さすがに諸先輩に比べて若干不安定ですけど、フリ付けの軽やかさというか「やらされてる」感のなさというか、ステージでの腰の据わりっぷりというか。
牧野さんや羽賀ちゃんは研修生で下地が出来ているとしても、尾形ちゃんや野中さんの仕上がりには、ハロプロに於ける育成のメソッドとしても蓄積の厚さが感じられるところです。
10. 3、2、1 BREAKIN’OUT!
- 39枚目のシングルである『しょうがない 夢追い人』のカップリング(2009年5月13日) 編曲は田中直
- 2010年の秋ツアー『ライバルサバイバル』のセトリ中、最高の盛り上がりを見せた一曲だと個人的には思っている
- PVのメイキングが『映像 ザ・モーニング娘。5〜シングルMクリップス〜』の特典映像に収められており、私見では、モーニングにおけるバックステージの「幸せの風景」の嚆矢かと
- 私見を続ければ、このメイキングにおける亀井さんの可愛さは(以下略)
衣装チェンジした鞘師姐さん、石田さん、まーちゃん、小田ちゃんがイントロの行進マーチ風のリズムにのって12期と入れ替わり。
そもそも難しい旋律を(カラオケで歌うとよくわかる)軽々とこなす鞘師ちゃんと小田ちゃんもさすがならば、曲調にマッチしたコミカルさの まーちゃんも、リズムを刻む石田さんも、なんだか、この楽曲にピッタリすぎます。
プラチナ期の印象から脱しきれない方(含む投稿者)も、鞘師姐さん、石田さん、まーちゃん、小田ちゃんの『3、2、1 BREAKIN’OUT!』には、心から納得。まさに拍手喝采です。
11. I’m Lucky girl
- アルバム『Fantasy! 拾壱』収録(2010年12月1日) 編曲は板垣祐介
- 2011年冬のハロコンで、5人体制のモーニング娘。によって披露されたこの曲は、世評とは真逆に、パフォーマンス面での道重さんの凄みを確認できる一曲ともなっているので、是非、どこかで検索してみてほしい。
上述の4人がセンターステージからはけていくのと同時に、フクちゃん、生田さん、ズッキ、飯窪さん、工藤ちゃんがステージの客席から見て左側に登場。
5人体制時と同じく5人で。
ああ、あんなにレッスンで泣いて唇を噛んでいたメンバーが、こんなに…って思うと、もうダメっすわ、この曲。
歌い終わりに嬉しそうにするフクちゃんの笑顔は、いかにも危険な笑顔です。
12. なんちゃって恋愛
- 40枚目のシングル(2009年8月12日) 編曲は大久保薫
- 『しょうがない夢追い人』とならんで、プラチナ期を代表する楽曲。
「プラチナ期を代表する楽曲」として、たとえば『リゾナント・ブルー』だったり『女が目立って なぜイケナイ』あたりを挙げる人が多いようにも思うけれど、その(誤解を恐れずにいえば)「重さ」という点で。
個人的には『気まぐれ プリンセス』一推しですけれども - 本物になったと思う
そう、プラチナ期すら、すでに現役のメンバーからすれば「まだ誰もいなかった時代」だということに、改めて驚きますね。
12期以外のメンバーで。
言うまでもないのですが、この楽曲がリリースされた時には現役メンバーは、まだ誰もいなかった。それは、とりわけ初期の曲で目立つことですが、プラチナ期の楽曲でも。
モーニングのファンは、それぞれに入れ込んだ時期が違っていて、その点でも、時期ごとの代表的な楽曲に応じた響くポイントが多様化しているわけですが、どうやら現役メンバーは、ファンの入れ込み時期のバラつきを逃すつもりはないようです。
13. 女と男のララバイゲーム
- 44枚目のシングル(2010年11月17日) 編曲は平田祥一郎
- 亀井さん、ジュンジュン、リンリンにとってのラストシングル
- ためる高橋愛と、直前のフリつけポーズのまま固まって、愛ちゃんの歌い出しを待ってるメンバーという構図がキモ
自分のきっかけ出しを待つメンバーを面白がっている愛ちゃんが名高いが、同時期のDマガでの「過去最強」発言と相俟って、戦友としてメンバーを信頼する様子が目に見える形で示された歴史に残すべき場面 - メンバーを従え、たっぷりタメを楽しむ堂々とした姿は、高橋愛から鞘師里保へと引き継がれた
- プラチナ期の最後を飾る楽曲かと。リリースのタイミングだけではなく、この曲以前と以降に大きく分けられる、その曲調や旋律のテイストという点でも
その独特なフリ付けもあってか、亀井さんの卒業というタイミングもあってか、強い印象を残している楽曲です、個人的に。
亀井さんとジュンジュン、リンリンが抜けて、愛ちゃん、ガキさん、道重さん、れいな、愛佳の5人になった時期も記憶に鮮明だし、2013年~2014年の初のカウントダウンライブで、その5人が一瞬だけ復活した際のパフォーマンスも目に焼き付いているこの楽曲。それが、その独特のフリ付けのままに、13人の現役メンバーで演じられます。
愛ちゃんやガキさんの歌割りを引き継いだ、小田ちゃんや まーちゃん。
そして、独特のフリ付けを、腰を低くしてカメラを睨みつけるように演る鞘師さんの迫力と気合い。これは、たまらんね。『真・女と男のララバイゲーム』って感じ。
客席からの歓声を一身に浴びて気持ちよさそうにタイミングを測る鞘師姐さんは、もう「ファン」とか「推し」を越えて、なんと言うべきか、「認める」というか「任せた」というか…モーニングを任せたぞ鞘師!と液晶の向こうに叫びたいくらい。すばらしい。
(惜しむらくは、鞘師ちゃんのワンショットの背後で、固まって待ってるメンバーも、もう少し写して欲しかったかなと)
フリ付けが変わらぬままに、メンバーの数だけ変わってフォーメーションが変化して…いや、実にモーニング娘。の見応えのあるところでもあり、同時にこの楽曲においてこそ…かつての道重さゆみさんの、自称や世評とは真逆の、そのパフォーマーとしての凄みを改めて回顧させる楽曲でもあります。
…ちょっと野中ちゃんがミスった感も微笑ましく(笑)
14. まじですかスカ!
- 45枚目のシングル(2011年4月6日) 編曲は宅見将典
- 9期メンバーのデビュー曲
- メンバーごとに模様を変えたタイツ姿での、ラインダンス風の振りが眩しい
- 私見では、可愛さではすでに世界一だった道重さんが美しさでも世界を制し始めたのは、このあたりから
さすがに9期の弾け方が、自信にあふれて軽やかです。
ああ、あの頃はああだったなあ…というのが脳裏を駆け巡りつつ、同時に現役メンバーのステージに魅了されもし…見ていて感情的にとても忙しいのが、このあたりの楽曲。
やはりステージに横一列に展開するフォーメーションは、モーニングならではのカッコ良さ。
フクちゃん、きれいだなあ。
何気に、ところどころ、ただ突っ立ってるだけのような石田さんや生田さんが、微妙に腰を揺らしてるのも「ああ、この子たちはプロなんだな」と。
*****
そのまま、フクちゃん、鞘師さん、飯窪さんが残ってMCを。
ワンファイブって名前に慣れたのはつい最近ですとのぶっちゃけなど。
Dマガ Vol.67 のイチゴ狩りが「15」に掛ってるなんて、このとき初めて知りましたよね。
15. Memory 青春の光
- 4枚目のシングル(1999年2月10日) 編曲は前嶋康明
- 初期メンバー福田明日香のラストシングル
- つんく♂セルフカバー版などの他、他の多くのアーティストにもカバーされている
(もしかしたら今に至るもモーニング最多カバーされ曲かも)
メドレーがスタート。
12期をバックコーラスに従えて、衣装チェンジした小田ちゃんとまーちゃんのデュエットで。
小田ちゃんと並ぶと、まーちゃんの歌唱メンとしての部分も明瞭になるし、バックコーラスの様子から、12期の4人が、実に(シルエット的に)良いバランスなんだなとわかる一幕。
16. サマーナイトタウン
- 2枚目のシングル(1998年5月27日) 編曲は前嶋康明
- 「大キライ 大キライ 大キライ 大スキ Ah」といった印象的なフレーズで、初期を代表する楽曲(こんなこと言い始めたらキリがありませんね)
- やっぱり驚きですが、この頃には、現役メンバーの過半は、まだ産まれていない
9期と、まーちゃん以外の10期メンで。
肩をゆらすところ、ちゃんと肩甲骨から動き始め、ステップに合せて体重をかける足を切り替えるところ、ちゃんと股関節から動かしています。
初期の先輩たちも現役メンバーのパフォーマンスを見て、もしかしたら、私たちと同じような感慨を抱いているかも知れず、もしそうだとしたら、ファンの目線もまた、その意味でも演者に共有されているとも思えて、こういう懐かしの楽曲は、プラチナ期の楽曲とも違って、やっぱり独特の見応えがあります。
17. SONGS
- アルバム『プラチナ 9 DISC』収録曲(2009年3月18日) 編曲は田中直
- 上記アルバムをひっさげてのツアーで、登場早々、愛ちゃんがコケて、コケからの立ち直りもままならぬところで「♪生きるのがへた」と歌い出す場面は、ある意味伝説
プラチナ期の楽曲も、初期の楽曲も、現役メンバーの加入当初の楽曲も、それぞれに独自の訴えかけるものがありながらも、セトリの展開がこのあたりに及ぶや、ステージ全体に展開してのパフォーマンスが進むにつれ、「いつだって今が最強」というフレーズこそ浮上してきます。
経験の浅い12期も含めて、ステージ全体に展開するパフォーマンスが、全体として大きなフォーメーションを作っていて、引きのアングルで見るに、いかにもカッコ良い。
18. Help me !! (updated)
- 52枚目のシングル(2013年1月23日) 編曲は大久保薫
- 11期の小田ちゃんデビューシングル
- 連続オリコンウィークリー1位の開始を告げる楽曲
- 個人的には、これのカップリングである『Happy大作戦』が好きすぎて生きているのが辛いレベル
かつての名曲、なつかしのあの楽曲、先輩たちから引き継いだ楽曲といったものから、こうした現役メンバーにとっての自家薬籠中の楽曲というか、自分たちこそが育ててきた自分たちの楽曲といったものへ、切れ目なしに移行していくのが、ほんとうに凄い。
19. TIKI BUN
- 57枚目のシングル(2014年10月15日) 編曲は大久保薫
- 道重さゆみさんの卒業シングルとなる
- 残念ながら、オリコンウィークリーの連続1位記録は途切れることになる
- オーブニングのDJを模したフリのカッコよさは異常。
リリース当初「えー?」となりながら、馴染むにつれて無常のカッコよさであったり、フレーズの染み具合が増していくのは、ハローの楽曲の多くに見られる受容傾向だが、近年、最初っからカッコいい傾向が見られ、その白眉
ここまでメドレーで。
このあたりまで進行すると、どのメンバーも汗だくで髪型とか乱れまくっているんですが、その姿こそが美しい。化粧も崩れ、汗にまみれた姿こそ、ハロメンは美しい。
道重さゆみさんを敬愛し、ベリキューを愛するという、ハローの10年選手の技と心にこそリスペクトを捧げてきた投稿者ですが、気がついたら多くの後輩たちが示す、10年選手に勝るとも劣らぬ美しさを発見してしまって。なんてこった。
20. リゾナント ブルー
- 36枚目のシングル(2008年4月16日) 編曲は鈴木Daichi秀行
- 高橋愛と田中れいなによるツインボーカル
久住小春さんも目立っていたように思ったけれど、これは投稿者の勘違い。
他メンバーは、ダンサーとしてバックにまわり、ある意味「攻め」、ある意味「賭け」であったことを後日つんく♂が語っている - いわゆる「プラチナ期」のテイストを最も色濃く表に出した楽曲とも
ステージの外周ウィングに展開して。
力強い小田ちゃんのボーカルが超強力。
ベリキューの初期の楽曲について、最近になってようやくメンバーの成長が楽曲に追いついてきたようなところがあって、初期の楽曲の、リリース当時には気付けなかった良さを、改めて成長したメンバーのパフォーマンスによって気付かされるところがあります。
モーニングのかつての楽曲についても、今現在の、小田ちゃんのボーカルによって、石田さんの華麗な身体所作によって、フクちゃんの艶やかな表情によって、生田さんの激しい煽りによって、鞘師さんの迫力と気迫によって、まーちゃんの変幻自在さによって、改めて、本来持っていた楽曲の多様な可能性の奥深さに気付かされます。
すばらしい。
ほんとに、すばらしい。
21. The 摩天楼ショー
- 50枚目のシングル(2012年7月4日)
『One・Two・Three 』との両A面 - 離れていた多くのファンを呼び戻したとも、これまで「しょせんアイドル」と無視していた無関心層の多くを惹きつけたともいわれる、「再ブレイク」の画期となる楽曲
メインステージ前面に横一列に展開して。
繰り返し、かつて先輩たちが歌った楽曲から、自分たちこそが歌い始めとなる楽曲へと、移り変わっていく切れ目がないのが、すばらしい。
それに加えて楽曲中に早き替えで衣装チェンジとか、どんだけ高いハードルをクリアしてるのかと。しかも、それを易々と、軽々とこなしているように見えるのが、その背後でどれだけの研鑽を積んでいるのかと。
22. 愛の軍団
- 54枚目のシングル(2013年8月28日)
- 歴代最強とも目される歌姫、田中れいな卒業後の初シングル
- ’14、’15 という接尾辞のない「モーニング娘。」名義のラストシングル
- 両A面となる『わがまま 気のまま 愛のジョーク』と併せ、いわゆる「道重期」(?)のテイストを強く全面に出した楽曲
- リーダー道重さんを慕う後輩たちの構図が明瞭となった時期でもあり、「さゆの軍団」としても知られる
鞘師ちゃんの「アウッ!」という雄叫びに続いて、斜め一列の展開から、鞘師ちゃんと石田さんがズダッ!と飛び出してくるところ。その飛び出した二人を起点に、一列のフォーメーションから、3列で四角くまとまったフォーメーションへ展開するところ。最高。
お互いのアイコンタクトもあって、楽しそうにパフォーマンスしている様子も、ここまでのセトリを見てきたならば、それはきっとお互いに詰んできた研鑽を知り、自分が詰んだ研鑽に自信を持つことを前提として、その上で ”楽しんでいる” ことが明らかであって、ずっと年下であるメンバーたちに、もはや畏怖の念すら。
そして、すばらしい表情をつくる譜久村さんの美しさに、道重さんから受け継いだバトンは、リーダーの座だけではなかったことを知らされることに。
23. 君の代わりは居やしない
- 55枚目のシングル(2014年1月29日) 編曲は大久保薫
- 初のトリプルA面シングル
- ソチオリンピック日本代表選手団公式応援ソング
- ファンだけではなく、世評としても「再ブレイク」がメディアを賑わせたのは、このあたりか
そのようにセトリを追うことでメンバーたちの研鑽に圧倒され始める頃合いで、「才能なんてあると思うな」と歌われると、「俺ならできると信じてる」と歌われると、これが計算されたものだとしたら、まったくの脱帽です。もう降参です。
オープニングに続いてすぐのAメロで、フクちゃんが自信たっぷりにメンバーとアイコンタクトしてるのが響く。いろんなものを重ねて見るから感動も増幅するのだけれど、それ以上に、やっぱり、その場でのメンバーの堂々とした迫力に圧倒されます。
ほんとうに、すばらしい。これが、すばらしいものであることは「魂が知っている」。
24. Password is 0
- 56枚目のシングル(2014年4月16日)
- シングル連続記録のトリとなる
- 森三中とのコラボで、大企業のCMに起用され、モリ娘としての活動も展開。そのCMの衣装の清楚さ、可愛らしさも含めて、多くのファンが随喜の涙を流した一曲。
- コラボやCMということを除いても、ダンスの躍動感はすばらしく、同時に「あれはしんどかった」と述べるメンバーも多い
このあたりで後半の怒濤のたたみかけラッシュに、自宅で落ち着いて液晶の前で座って見ているというのに、もはや汗まで流れてくる始末。
メンバーも汗だくで、せっかくの髪型も、みんなぺっちゃんこに潰れています。
レビューするにも「絶讃」以外の選択肢はありません。
いや、何度も聴いたしライブでも何度も体感した楽曲なのに、その都度、「すげーーー!」と思うのは、なんでなんだろうか。
25. わがまま 気のまま 愛のジョーク
- 54枚目のシングル(2013年8月28日)
- 『愛の軍団』との両A面シングル
- スペシュウム光線かワイドショットのような手をしつつ軽妙にステップを踏みながら2つの輪を作ってくるくる回る振り付けも、サビにかぶせて渋く重く響くパーカッションの響きも、歴代最強レベルの盛り上がり
うすピンクの照明に包まれ、曲調が変化するタイミングで、メインステージからセンターステージへと移動するメンバーたち。その移動のため体勢を整えるタイミングで、一瞬、鞘師さんが「ニヤリ」と不敵に微笑む姿が抜かれています。
不敵な笑みを、かくも自然にパフォーマンス中に漏らすとは、なんと恐るべき16歳。
もうね、鞘師さん、任せたよ。鞘師さんが誰かにタスキをわたす、その日まで。
26. What is LOVE?
- 55枚目のシングル(2014年1月29日) 編曲は大久保薫
- 『君の代わりは居やしない』とのトリプルA面シングル
- 2013年秋ツアー途中にてセトリを変更して初披露
- 道重さゆみさん、そして後には まーちゃん(佐藤優樹)の「Is it necessary?」は、歴代最強レベルの鳥肌
- モーニングの楽曲は、リリース当時の思い出込みで涙腺に攻撃をしかけるのが常だが、このあたりは楽曲それ自体のパワーがとてもストレート
ずっとセトリを追って気持ちが盛り上がっているだけじゃなく、メンバーたちもセトリをこなしていくうちに、終盤に向けて、やはりテンションがおかしくなっているのか、みんな実に表情が豊か。これまで、メンバーたちの豊かな表情を一番に堪能できるのは、バックステージのDマガだと思っていましたが、ライブ映像の終盤こそ。
ライブ映像は、DVDではなく、Blu-rayっすね、やっぱり。
いや、そのキャラというか、Dマガで見慣れた様子からは、うっかり「あはは、あんなにカッコつけてやがる」と笑いを誘いかねないところですが、カッコつけてる工藤さん、かっけー。
27. イマココカラ
- 58枚目のシングル(2015年4月15日)
- 『映画 プリキュアオールスターズ』の主題歌として制作された
- 作詞は青木久美子、作曲は高取ヒデアキ、編曲は大久保薫
アンコールの1曲目。
歌詞だけではなく、「いまここから始まる」という部分で旋律がフワッと広がっていくような、この先に向かって広がっていくような印象が強く、このツアーが勝負所だったということもあって、未来へつながるという歌詞も、曲名も、良い位置に良い楽曲を持ってきたものだと感心します。
*****
ラストのMC。
武道館での実演であることを強調した羽賀ちゃん。モーニングの一員になれたことを誇らしげに宣言する牧野ちゃん。この先の成長を誓った野中さん。ツアーを通じてモーニングのメンバーになれたと尾形さん。
初めての後輩を迎えての戸惑いを乗り越えた自信を語る小田ちゃん。
客席を煽って「感謝、感激、くどぅー」と叫ぶ工藤さん。泣きそうになっている まーちゃん。実にらしくなく、真面目なことを言って、泣きそうになってる まーちゃん。このツアーに辿り着くまでに、きっと、いろいろあったんだろうね。殻を破って新しい自分を見せる喜びを見つけたと伝えてくれた石田さん。さすが、しっかりまとめる飯窪さん。ダイエットの試煉を語るズッキ。16歳最後の日に、モーニングの看板と勝負していたと述べ、ファンに感謝を述べる鞘師さん。どんなときにもノリの軽さを変えない生田さん。最初の不安は、ツアーを通じて自信に変わったと述べる、堂々たるリーダーの譜久村さん。
ハロメンはよく「私たちを見つけてくれて、ありがとう」に類する言葉をくれるけれど、私の方こそ、よくぞ私たちの前に出てきてくれたと思います。ありがとう。
28. みかん
- 35枚目のシングル(2007年11月21日) 編曲は鈴木Daichi秀行
- タイトルのほのぼの感からは想像できないグルーブの効いた盛り上がり曲
- 加入当初の小田ちゃんが好きな曲としてこの曲を挙げて、その場で、まーちゃん(佐藤優樹)が歌えなかったことでもファンに刻印された一曲
ご挨拶を終えてからの盛り上がりがすごくて、石田さんが嬉しそうすぎて。
石田さん、ダンスに注目しがちですが、こうして髪を短くして改めてわかる美しいさ。
そして、ステージの上で楽しくて楽しくてしょうがない様子と同時に、真面目でしっかりしたキリっとした表情も、まったく美しい。
まーちゃん、ほんとうに可愛い。工藤さん、めっちゃカッコ良い。フクちゃん、美しい。
飯窪さん、きれいになったなあ。
「人生は一回」と歌いながら、その一回の人生を、かくも輝かしい場面で彩ることができたメンバーたちが、あまりにも眩しい。掴んだチャンスは偶然だったのかも知れないけれど、彼女たちは、それにふさわしい者であったと、自ら証明したのだと。
おそらくは会場のカメラへ目線をくれている生田さんに、うっかりすると惚れそうです。
29. 涙ッチ
- アルバム『10 MY ME』収録(2010年3月17日) 編曲は江上浩太郎
- 2010年秋ツアー「ライバルサバイバル」のセトリでは、多くのファンの涙を搾り取るだけ搾り取ったことでも名高い
- 『雨の降らない星では愛せないだろう?』と並ぶ、鉄板中の鉄板であり、これを現場で目の当たりにして泣かないファンはいないという
泣き出す譜久村さんを、笑いながら抱きかかえる鞘師さん。
カメラを見つけて嬉しそうに手を振る生田さん。
繰り返し、ライブの現場だけじゃなく、DVDでも、もう何度も聴いてきた楽曲なのに、それでも、まったく飽きないどころか、その都度、新しく感動してしまうのは、実に不思議。
そして、この曲を奏でることで、あのライブで、あのDVDで、私を泣かしたメンバーは、もう誰もいないのに。それでもこの曲で、9期が、10期が、11期が、12期が、私から涙を絞っていくのは、本当に不思議。「ペースに巻き込む」だけの説得力が半端ないです。
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さて、当初の目論見どおり、セトリを追体験する中で、モーニングの、ハロプロの「受け継がれていく」感を、わずかなりとも表現できていましたでしょうか。
「受け継がれていく」感を演出しようとしながら、どんなときでも「今が最強」ということも再認識してしまったようにも思いつつ、それでも、いくつかの楽曲については、躍動する現役メンバーの背後に、道重さゆみさんが、田中れいなさんが、亀井絵里さんが見えるようにも思うセトリだったと私は思います。とりわけ、譜久村さんの楽曲中の笑みの背後に、美しくなって色っぽく微笑む譜久村さんに重ねて、道重さゆみさんが。
そして、なによりどんなときでも「今が最強」ということ、そのこと自体が、先輩たちへ向けた、なによりも雄弁なメッセージなのだということも、同時に了解できます。
それが、モーニング娘。
それがハロプロである、と。
GRADATIONのセトリを再体験してみて
モーニングの過去最高のライブは、2010年の「ライバルサバイバル」だと思っています。もちろん、個人的に2014年11月26日の横浜アリーナは別格ですが。その他に、詰め込みすぎ感がなく、ひとつのライブとして上手にまとまっていたのは、近年では2013年秋ツアー「CHANCE!」が一番かな、と思っています。
その前提で、この勝負の一番である2015年春ツアー「GRADATION」は、それらに匹敵するレベルであるように思います。よくぞ、ここまで。
ひとつ気付くことは、『恋愛レボリューション21』など、モーニングを代表するとされる鉄板曲がセトリに入っていないこと。初期の楽曲は、数曲組み込まれているけれど、いわゆる初期の鉄板曲がそろってスルーされていること。
むしろ、プラチナ期から道重リーダー期にかけての印象深い曲を、道重リーダー期の曲によってプラチナ期の曲をはさみこむような配置で採用していること。初期のブレイクが一旦沈静化してから、今日にいたるまでを、しっかり繋いでくれた “あの人” へのメッセージを形にしたようなセトリであること(アンコールの『みかん』も)。そして、そんなセトリを、今のメンバーが、先輩たちにいっこも劣らぬ、いやむしろ凌駕するパフォーマンスで演じて見せたことも含めて、セトリが全体として、あるメッセージを語っているように思えること。
深読みに過ぎるかもしれませんが、セトリの構成で語るってことが可能なのだと気付いて、投稿者はかなり危うい状態にいるとお知らせしてみます。
いつか、この先のツアーで、個人的に大好きな『Happy大作戦』や『青春コレクション』、『元気ピカッピカッ!』などが、今のメンバーによって歌われる日が来ることを私は楽しみにしています。
まもなく座間から秋ツアーが始まります。
メンバーたちは、この春ツアーから、さらにまた、どれだけ変貌した姿を見せてくれるのか。
いつか、あなたと一緒に現場で叫びたいものです。
モーニング娘。最高!と。
ハロプロ最高!!と。
記事の趣旨が途中からブレてしまったことは申し訳ない。
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