ハロプロ20周年記念のカウントダウンライブ、現役メンバーの底力が照らし出したレジェンドたちの饗宴

2017年12月31日、ハロプロの聖地中野サンプラザで、2017年を総括し、2018年を展望する、ハロー!プロジェクトのカウントダウンライブが開催されました。

2017~2018年を跨いだ、この、今回のハロプロのカウントダウンライブなんですけどね…だって、あの「Berryz祭り」での有明コロシアムの衣装で、熊井ちゃんと佐紀ちゃんが若い現役メンバーを従えて『ライバル』と『cha cha SING』を歌うわ、愛理さんの新曲披露に誰よりも なっきぃ が一番に感動して泣いてるわ、愛ちゃんは衰えないわ、しかも現役の堂々としたモーニング娘。を従えて『女と男のララバイゲーム』でお馴染みのタメに出るわ、モーニング娘。は全員が全員「この先、誰が欠けようとも、私がいれば、そこはモーニング娘。なのだ」って感じの気迫に満ちてるわ…もう素晴らしすぎて、目から汗が出っぱなしだったから、ぶっちゃけ、いろんなものを見逃してしまっていたのではないかと戦々恐々としております。
それでも熊井ちゃんの絶妙な妖艶さと可愛さのコラボレーションは見逃さなかったけども。

ごめんなさい。
あまりにも素晴らしいものを見せてもらったせいで、思わず「レポ」ってことを忘れて筆致が「ぞんざい」になってしまいました。
上に「ぞんざい」に急いで述べちゃったことを改めて書き直すと…

  • MCだったはずの熊井友理奈さんが、Berryz工房活動停止の有明コロシアムでの衣装を身に纏って、サプライズゲストの清水佐紀さんと一緒に、若い現役メンバーを従えて『ライバル』と『cha cha SING』を歌ってくれました。躍動感たっぷりに。
  • 元℃-ute の鈴木愛理さんがソロ活動の準備をしていることを公言し、その一端を垣間見せてくれて、その「愛理の活動再開」に、MCの中島早貴さんが大泣きしてしまいました。自分でも、泣いちゃった自分自身に驚いちゃった風に。
  • モーニングOGの高橋愛さんと新垣里沙さんが、衰え知らずのステージパフォーマンスを、現役メンバーを従えて披露してくれました。
  • そんな現役のモーニング娘。メンバーたちには、見ているこちらが震えてくるほどの(おそらくは10期メンバー工藤遥さんを見送ったことによる)強い覚悟が横顔に満ちていました。

換言すれば、カウントダウンライブで過去にも何度も企画された「あのOGのサプライズ登場」という演出が、2017~2018年をまたぐ今回のカウントダウンにあっては、場合によっては演出を越えて「レジェンドたちの饗宴」という感を呈していたのです。そして、多くの「レジェンド」たちが、まさにレジェンドとして登場してくることができるその前提として、現役のメンバーたちのパフォーマンスも迫力と覚悟に充ち満ちていました。言ってみれば、派手に目立った「レジェンドの饗宴」が可能になるほど、地味ながら「現役メンバーの底力」の浸透具合もまた明らかであったかと。

多くのレジェンドに長年随伴してきた身として、レジェンドの登場それ自体に目から汗をほとばしらせ、同時に、そのレジェンドの登場を底支えする現役メンバーたちの実力の程に感嘆し、ハロプロであることが「継承されている」ことに、また改めて目から汗が流れる次第。

以下、今回の2017年~2018年のカウントダウンライブの模様から、それこそ語りたいことは山のようにある中で、主に上に述べたことを中心に(物販からカウントして12時間以上の長丁場をめぐる「参加者」側のあれこれは、今回、思い切って割愛して)。

レジェンドの饗宴としてのカウントダウン

まずは、内容的にほとんど第二部が重めになりますが(第一部は、やはり各現役ユニットの切磋琢磨って感じが強かったので:記事末セトリ参照)、上に「レジェンド」と記述したいくつかをピックアップ。

レジェンドその1:こぶつばを従えて清水佐紀と鈴木愛理 登場!

およそ4時間越えの第一部、休憩を挟んで再開した頃合いで、サプライズゲストとして先頃ステージへ戻ってきた Berryz工房キャプテン清水佐紀さんと、ソロ活動へ向けて準備中であるとだけ知らされていた 元℃-ute 鈴木愛理さんが、こぶし、つばきメンバーを従えて登場します。
それは、第一部28曲目となる『バッチ来い青春!』(with こぶし)と、29曲目『Just Try!』(with つばき)。

佐紀ちゃんが『バッチ来い青春!』の「Fun Fun 不安じゃない 燃やせ魂」といったパートで、腰を屈めて左右に身体を揺さぶるフリで見せてくれた(些細な部分での)ダンスの美しさであったり、『Just Try!』の間奏で、つばきメンバーを従えて、センターに躍り出てパフォーマンスする鈴木愛理と清水佐紀という…もう、それこそ “事実として” 素晴らしいパフォーマンスという以上に、鈴木愛理と清水佐紀が、こぶし と つばき を引き連れてパフォーマンスしているという構図に、文字通り、魂消ます。
そのステージの “事実として” の迫力に加え、そこに現出される構図が踏まえている文脈の重さに、ほんとに魂が消えてしまったように、もはや、ただ一介の「視線」と化してしまっていた投稿者でした。よくぞ、こんな場面を見せてくれた!と。

パフォーマンスを終え、上々軍団、熊井ちゃん、なっきぃ というMC陣とトークする場面で、久しぶりのステージに向けて「ダンスは家で覚えた」と語りながら、ニコやかに、相変わらず謎の動きを(現役時以上に)強調しながら「だはは」といったテイストで戯ける愛理さんに、むしろ「てへへ」といったテイストで控えめにしてる佐紀ちゃんと、なんだか、MCにあっても、懐かしいあの2人のままで、とても嬉しいシーンとなりました。
ってか、MC の中島さんと一緒になって、いきなり「あいりぃ~~♪」「なっきぃ~~♪」と、急に℃-ute な感じになっちゃう中島さんと愛理さんを挟んで、それを愛おしそうに眺めながら静かに微笑んでいる佐紀ちゃんと熊井ちゃん、その元℃-ute と Berryz工房の対比的な構図も、とても嬉しいシーンとなりました。ええ、よくぞ、こんな場面を演出してくれた!と。

大急ぎで2点だけ付記。
第一に、ステージに鈴木愛理さんが登場したとわかった瞬間、投稿者の2つほど向こうの席にいた方が、それまで穏やかに静かにカウコンを楽しんでいた風なのに、急に「ぎゃああああっ!!あいりぃ!あいり!あいり!うおおおおおっ!」と雰囲気が急変したこと。やはり一部のファンにとって、ベリキューのもたらすインパクトは、いかにも強力なのだなと。

そして第二に。
そのような、ある意味で生ける伝説でもある鈴木愛理と清水佐紀と、同じステージを踏んで、一歩も引いてなかった こぶしメンバーと つばきメンバーもまた、そのメンバーたちの目線の先こそ、刮目されるべきかと。

レジェンドその2:ソロ活動再開準備の鈴木愛理

第一部のサプライズの登場で会場に大衝撃を与えた鈴木愛理さんは、第二部にも登場。なにやら楽しげで軽やかで、しかし、愛理さんの大きな声量を丸ごと使って余すところがないような、大きく息を使うところも、細やかに変調するところも、どちらも備えた複雑な楽曲を披露してくれます。

それは、第二部13曲目にあたる『未完成 Girl』。
鈴木愛理2018年のソロ活動に向けての新曲なんだとか。繰り返し、楽しげで軽やかな印象で、「聴かせる」というよりは、聴いていて楽しくなるような、素敵な良曲でした。

なんでも、ソロ活動に向けてアルバム制作中なんだとかで、3月にはライブもやりますとか告知している愛理さん、所属も他の元℃-ute メンバーとは異なって、「歌い手担当」の事務所に移籍し、Twitterも開始して、新規のサイトも工事中とのこと。

ここで披露された『未完成 Girl』が、なかなかの良い曲である以上に、そのタイトルも含めて、どことなく “これから” ソロ「歌手」として展開していく鈴木愛理さんの様々な魅力を先取りしたような歌詞でもあって(繰り返し「愛理さんの大きな声量を丸ごと使って余すところがないような複雑な楽曲」)、2018年の愛理さんのソロ活動に、今からワクワクが止まりませんね。

レジェンドその3:愛理の活動再開に泣きじゃくる中島早貴

そんなソロ活動準備中の愛理さんは、乙女な花柄のヒラヒラしたステージ衣装で登場しているのに、MC とのトークとなると、いきなり がに股で、相変わらず謎の動きと嬉しそうすぎる笑顔です。

そして、そんな愛理さんをトークに迎えて、なっきぃ が何故だか急に大泣きしています
ほんとに「泣きじゃくる」といった感じでポロポロ涙をこぼし、MC という役回りなのに、間もなく24歳になるお姉さんになったのに、ハロプロを卒業して「先輩」という立ち位置で臨む「お仕事」の現場なのに、なのに、子供のように涙を流しては、それを(繰り返し子供のように)ぬぐっている中島さんでした。
愛理がまた歌うのが、愛理がまた活動を始めるのが、嬉しくてしょうがなくて?
その嬉しさが、どうにも黙って処理できなくて、それで泣いちゃってるようでありながら、しかし、この場面での なっきぃ の涙は、結局、どういう涙だったのかは判然とはしないのでした。

思うに。
(以下、望ましからぬ言葉が出てきますが、必要だと思うので敢えて)かつて「三馬鹿」と呼ばれながら、ある時期から、その「馬鹿」の立場を鈴木愛理さんに譲って、バックステージの Dマガを見る限り、愛理さんが岡井千聖さんや萩原舞さんと楽しげにジャレ合ってる様子を嬉しそうに眺めている側にまわった中島さん。
ある時期からの、そんな中島さんの様子を想い起こせば、彼女にとっての ℃-ute というグループは、私たちファンには想像の及ばない部分があるとか言う以上に、はるかに重く大事なものだったのかな、と。「℃-ute というグループ」というよりは、「共に℃-ute として過ごした4人の仲間とその後」が、中島早貴という女性の内面に占めている位置の大きさと重さというか。だから、そんな仲間の新しい一歩ってことに、私たちには想像できない、思い入れがあったんだろうな、と。

この場面の中島さんの涙の意味が、なんとなく本人もそれらしい理由を口にしながら、どことなく会場もその理由をおぼろげに察しながら、しかし、結局のところ、どういう涙だったのかよくわからないということ自体が、℃-ute というユニットの歩みを前提にした、このカウントダウンの現場に相応しいレジェンドでもあった、ということなのかなと(← 真面目に言っています)。

レジェンドその4:有明を彷彿 変則Berryz2人

そんな愛理さんがソロ活動準備の新曲披露する少し前、カウコン第二部でモーニング娘。の18歳以上のメンバーが横綱相撲を繰り広げた後(ちなみに『元気ピカッピカッ!』が個人的に嬉しかったし、『Be Alive』は素晴らしすぎて、この日何度目かの感涙が)、MCパートに熊井ちゃんが登場してこないから、もしや…って予感はありました。

第一部でもサプライズで登場していた清水佐紀さんと、そして熊井友理奈さんの2人が、カントリー・こぶし・つばき の18歳以上のメンバー(山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)を従えて、あの2015年2月28日~3月1日の有明コロシアムでの『Berryz 祭』の衣装に身を包んで登場します。
披露するは『ライバル』と『cha cha SING』の2曲。

佐紀ちゃんと熊井ちゃんが、【あの時の衣装】に身を包んでいることも(参考:熊井ちゃんのインスタ)、その衣装で『ライバル』と『cha cha SING』を歌う佐紀ちゃんと熊井ちゃんが実に実に楽しそうなことも、あたかも Berryz工房 DVD Magazine Vol.40 で激し目の『cha cha SING』を強要された熊井ちゃんを彷彿させるほど、ダンスの激しさと躍動感が “本域” だったことも、そして、そんな先輩たちに追従して、やはり一歩も引かずに「ライバルは弱気で後ろ向きのわたし」と歌う、山木さん、広瀬さん、理子ちゃん、希空ちゃん、安美ちゃんたちの健気さや(アイドルに対して使うには言葉がおかしいけれど)雄々しさも、もう何重もの意味で「自分が遭遇している場面」が信じられない、すばらしい一幕でした。
今、目にしている光景は魂が欲していると本能で理解しているから、瞬きが惜しいどころか、涙を流すことによって視野が歪むことすら惜しく、むしろこのパートが2曲で終わってホッとするほど、息をすることも忘れて、文字通り「魅入った」場面でした。

なんというか、ある光景を目にして、その光景の意味を把握して、それから意図して「魂に刻もう」と思念するという具合に、そんな順番で気持ちが展開するのではなくて。
そうではなくて、目の前の光景の「意味」を自覚的に意識する前に、その「意識」に逆らうかのように、奥から「魂」の側が「直接、俺にも見せろ」とせり出してくるような、そんな素晴らしい光景に接することが出来ました。

レジェンドその5:衰え知らずの6代目と7代目

投稿者はベリキューを愛する、どっちかっていうと「ベリヲタ」です。
次のように述べることが葛藤を経た結果であると、そう理解して欲しいがために、いきなり告白してみた次第です。

上に述べた、その【すべてを凌駕して】、この日のライブで一番に強烈だったのが、モーニング娘。OGとしての高橋愛さんと新垣里沙さん。
現役のモーニング娘。の18歳以上のメンバー(譜久村・生田・飯窪・石田・佐藤・小田・尾形・野中・加賀)を従えて、歌うは『How do you like Japan?~日本はどんな感じでっか?~』、『恋愛ハンター』、『SONGS』、『女と男のララバイゲーム』、『SEXY BOY~そよ風に寄り添って~』の5曲。

いや「愛ちゃん衰え知らずだわ!」とか、「ガキさんの煽りは気持ち良いね」とか、このモーニング娘。5期メンバーの降臨については、いくらでも言葉を費やせるけれど、むしろ次の一点だけを強調したい。

現役メンバーを従えての『女と男のララバイゲーム』、当然、あの「タメ」の場面、全メンバーがダンスの途中で固まったまま、愛ちゃんの(そして愛ちゃん卒業以降は鞘師里保さんの)「だ~~~~~~~っけど」を待ったまま横を向いてジッとしてる、あの場面について。
ガキさんを含め、譜久ちゃんも、生田さんも、飯窪さんも、石田さんも、まーちゃんも、小田ちゃんも、はーちんも、野中さんも、加賀ちゃんまでも、客席から見て上手側を向いて前屈したまま横向きで手をクロスさせて固まっている場面で(それだけでカッコ良いし、石田さんや小田ちゃんなど、その前屈立ちの姿勢だけで震えるほど見事であるわけですけども)、みんなが待っている自分のパートを「発声」するに先だって、ニヤリと表情を崩して、そして他のメンバーと同じ前屈の体勢だったところを、やにわに普通の立ち姿へと崩して、そして客席へ向けて(その場で)敢えて一歩二歩足踏みするかのようにステップを踏んで見せて向き直り、しばし前髪をカキアゲては、客席を静かに睥睨してみせる…そのコンマ数秒の高橋愛のふるまいには、何かが背筋を駆け上ったような、背筋がゾクゾクするほどのカッコ良さが(ああ、これを「カッコ良い」としか言えない自分の語彙力に絶望!)。
高橋愛、「衰え知らず」どころか、実に磨きが入って一層切れ味が鋭くて。
これは、すばらしかった。

かと思えば、トークに移行するや、変わらぬ「福井弁」のイントネーションで「いや、きんちょうした~~」と大笑いして、ここでも表情を崩す愛ちゃん、やはり希代のエンターテイナーです。と、そのMCパートによれば、2018年は、鈴木愛理さんだけではなく、新垣里沙さんと高橋愛さんも、なんか企画があるみたいですよ。

レジェンドその6:静かに3年目 MC熊井友理奈

そして、この日のレジェンドの、その最後に挙げたいのが熊井ちゃんのこと。
もちろん、各地で話題の、見事すぎるスタイルと、愛らしさとブレンドした絶妙な妖艶さは特筆すべきながら、そうではなくて、熊井ちゃんが参加してくれてるってことそれ自体を。

このカウントダウンにあって、MCとしては中島早貴さんは大活躍でした。愛理さんの登場に絡んでいろいろと名シーンを残してくれたことは上述の通り。
詳しくは述べませんが(って、それでなくとも、もう長文だから)、上々軍団との絡みだったり、パート毎の現役メンバーとのやり取りでも、なっきぃ は、面白かったし、率直に、可愛かった。
熊井ちゃんは、もちろん美しく可愛かったんですが(個人的には一番可愛いと思った)、上述のような「なっきぃ 大活躍」の場面では、どちらかというと一歩引いて「ふふふ」と微笑みながら見守っているような感じで。

ただ、どうしても明記しておきたいことがあって。
熊井ちゃんがカウントダウンライブの MC として登場してくるのは、実は今年で3回目です。何を言っても蛇足というか失言になりそうだから言葉を選べなかったことを付記しつつ、熊井友理奈さんが、Berryz工房の活動停止以来、ずっと、こうして、後輩たちのステージに参加していたことは明記しておきたい
それは、アドバイザーであった佐紀ちゃんでもなく、留学している千奈美でもなく、大きすぎる足跡を残して引退していった嗣永さんでもなく、女優として活躍中の茉麻でもなく、今年は PINK CRES. としてのカウントダウンの方に臨んでいた雅ちゃんでもなく、そして梨沙子さんでもなく、活動停止以来、ずっとハロプロのステージに何らかの形で関わり続けてきてくれたのは熊井ちゃんでした

第一部カントリーのMCパートで、嗣永さん仕込みの「トークの押し売りが強め」なカントリーメンバーに向けて「二つ結びだけは止めてね」と、さも鉄板であるかのような突っ込みを入れて一人悦に入っていたことも含めて、しかし、カントリーの「ももち先輩」をネタに出来る(ないし、ネタにし損なって微妙な空気になってもスルーできる)立場であることも含め、この日のレジェンドの、その最後には、熊井友理奈さんを。

「レジェンドの饗宴」が成り立つための現役の底力

繰り返し、上に延々述べてきた「レジェンド」たちが素晴らしいのは、それが「レジェンド」として登場してこれるだけの「土壌」があるから。
すなわち、伝説級のOGたちを際立たせられるだけの前提として、しっかりと現役メンバーたちが華やかなステージを成り立たせているから。

もう随分長文となっています。
兼任しながらもカントリー・ガールズとしてパフォーマンスし切ったメンバーたちについても、とりわけカントリー・ガールズとしてもアンジュルムとしても MC で全く同じ内容(今年の漢字は「結」とか)を丸っと2回繰り返してトークした船木結さんの見事さについても、最優秀新人賞を受賞して明らかに腰の座りが違ってきた つばきファクトリーについても、モーニング娘。に次いで最多曲数をパフォーマンスしただけでなく『Magic of Love』が余りにも見事に完成している Juice=Juice についても、とりわけコケティシュなアイドル【サイボーグ】として前人未踏の域に達しつつある宮本佳林ちゃんさんの完成度についても、リアルなビジュアルの大人度合いが半端ないアンジュルムについても、とりわけ男前度合いが甚だしい佐々木莉佳子さんと一人で歯医者の予約ができるようになった上國料萌衣さんについても、現役メンバーについてだって、あれこれと述べたいところです。
しかし、断腸の想いで取捨して2点だけ。

物語を背負った5人の こぶしファクトリー

2017年の こぶしファクトリーには、いろいろありました(さらっと流すな!とお怒りの方、すみません)。
しかし、そんな激震を経験したからか、5人の こぶしファクトリーのパフォーマンスには鬼気迫るものがありました。

井上玲音さんがボイスパーカッションを担当してアカペラで奏でられた『チョット愚直に!猪突猛進』も、いろいろ述べたいところですが、何より、『辛夷の花』が素晴らしかった。
元々が(ある意味で新人である こぶしファクトリーには荷が勝ちすぎてる印象すらあった)名曲すぎるほどの名曲であった『辛夷の花』ですが、2017年の こぶしファクトリーのあれこれを踏まえて、次のように浜浦彩乃さんが低く歌うとき、その歌詞に、あたかも実態が伴っているかのようです。

約束されてる 未来なんてないさ
夢が叶う 保証なんてないさ

派手な花ではないけれど
友を信じ 人に元気 灯す人になろう

いろいろあったからこそ、歌う楽曲に魂が宿ったかのようです。
かつて、いろんな形で産まれてきた「名曲」ですが、こんな形で「名曲」を自らのものとして獲得したグループがあったでしょうか。
こぶし は、物語を背負ったからこそ、物語を背負わされ逆境からの再スタートを余儀なくされたからこそ、歌い継ぐ楽曲に実質が宿り、奏でる歌唱に魂が刻まれました

それほど、この『辛夷の花』のパフォーマンスには響くものがありました。
未だ膝をついていない「こぶし組」の面々には、ハロヲタとしてエールを。

私こそがモーニング娘。だという気迫の13人

そして、モーニング娘。です。
やっぱり、こう言わざるを得ないです「モーニング娘。こそ、ハローの旗艦だ」と。
なんというかもう、どの瞬間も全員が全員いわば「当事者」で、歌割りやフリの構成に応じて他のメンバーに「任せる」場面はあっても、そうした場面で任せて背景に引きながらも、しっかり「背景をやっている」というか、全員に気迫が満ちていて、結果、グループが前へと躍り出てくる迫真のパフォーマンスです。

譜久村聖さん、妖艶にして可愛い奇跡の雰囲気です。ってか譜久ちゃん、めっちゃ可愛くないですか。生田衣梨奈さんが髪型と化粧を変えて、実に美形です。しかし第二部でガキさんと絡むと相変わらず邪魔者扱いで愛らしく。飯窪春菜さんのパフォーマンス中の艶やかさは尋常ではなく。はるなん、時々見せる目線が、めっちゃ色っぽいです。びっくりします。そして鬼気迫る気迫の代名詞が石田亜佑美さん、すばらしい身体運用です。そして佐藤優樹さんのボーカル。これは、ほんとに、まーちゃん独特としか言いようがなく、実に貴重です。そしてボーカルというなら小田さくらさんですが、小田ちゃんの場合、もう譜久村さんに匹敵しかねぬ妖艶さ、飯窪さんを凌駕しかねぬ艶やかさに、石田さんに次ぐ身体運用にして、リアルのビジュアルが生田さんを脅かしかねぬ美形でもあって、全方位プレイヤーとして今やモーニング娘。の核。

と、そのようにお姉さん組が、それぞれの個性を伸ばしながら、盤石のモーニング娘。を支えてみせれば、その盤石さに支えられながら若いメンバーも伸びてきます。

尾形春水さん、一時はあんなに不安げだったステージで、いかにも楽しそうです。尾形さんの楽しげなパフォーマンスは、見ていて実に心地良いですよね。野中美希さん、いつの間にか、上に述べた全方位プレイヤーとしての小田ちゃんの地位を狙い得る、傑出したプレイヤーへと変貌していて、わたくし、正直に驚きました。牧野真莉愛さん、小田ちゃんや野中さんのように、欠けるところのないプレイヤーとして成長中ながら、ラブリンな愛らしさも一切欠けるところがないのは(ってか、どこから見ていても真莉愛ちゃんだってわかるのは)明日のエース候補の面目躍如かと。羽賀朱音さんは、いよいよ整ったルックスがモノを言う年齢に近づいています。主観的にも最年少の妹ポジションを脱したとき、その愛らしさが最大顕現するのではないかと。加賀楓さん、先に卒業した工藤さんを継ぐイケメン度が成長するにつれ、可愛さも成長している不思議。横山玲奈さんの元気印は、自ら意図してそう振る舞っていることも含めて、周囲からも ”その役割” を割り振られるようになってきているようです。そして、牧野ラブリン真莉愛さんと明日のエースを争う森戸知沙希さん、カントリーと兼任の忙しさ、覚えなければならぬことの膨大さ以上に、その愛らしい印象が、どこか初代の安倍なつみさんを彷彿させて、もしかしたら、明日のモーニング娘。の代名詞となるかもしれません。「微妙な声援、ありがとうございます」と、自虐っぽく兼任をネタにするメンタルの強さも含め。

何より、一時低迷していたり迷走していた何名かのメンバーも、ここへきて大覚醒している者ばかりであって(そう、もう迷ったり悩んだりしてる者がいない感じなんですよ!)、歴の浅いメンバーも含めて、誰の横顔にも「この先、誰が卒業していこうとも、この私がいる限り、モーニング娘。であることは崩れない」との気迫と覚悟が読み取れるようで、どの曲であろうが、どのパートであろうが、刮目しないではおれぬパフォーマンスでした。
伝わるかどうか微妙だけど、上に全方位プレイヤーと評した小田ちゃんですけど、いわば、13人全員が小田ちゃん化してるというか。あるいは、上に「気迫の代名詞」とした石田さんですが、13人全員が石田さん化してるというか。

年間で踏んでるステージの数が違うからというだけでなく、まさしく、モーニングこそはハローの旗艦であると納得のいくステージでした。

*****

急ぎ駆け足でふり返ったカントダウンライブです。
何が嬉しいかって、このように受け止めた印象を、引き続き冬のハロコンから春の「ひなフェス」にかけて確認できること。個々のグループの単独のステージでは見ることの出来ない、グループ相互の様々な関係性も、それを確認できる機会が、これから先も抱負に準備されていることはファンとして実に嬉しいことです。

そんなハロプロ全体の水準が高めに設定されているステージを当たり前の基準として、次々とレジェンドたちが産み出されていくという、この流れ。
2018年も、ハロー!プロジェクトは、ますますエキサイティングです(心配しなければならないのは投稿者の破産だけです)ね!

そう、それは「2017年を総括し、2018年を展望する」などと、賢しらなことを言って斜に構えていたウォッチャー気取りの投稿者をして、散々、目から汗を流した挙句、厳冬の2018年1月1日の午前2時前に、ウキウキと、ニコニコと、心穏やかに暖かく、帰路につかせたほどに。

(文=kogonil)

カウントダウン第一部 セトリ

OA.ドレドレ(Lovelys)
———
※MC 上々軍団・熊井友理奈・中島早貴
———
01.ありがた迷惑物語(研修生選抜)
02.目立って Do Dance(研修生選抜)

カントリー・ガールズ パート

03.Good Boy Bad Girl
04.浮気なハニーパイ
05.小生意気ガール
06.妄想リハーサル
07.気ままな片想い

つばきファクトリー パート

※小片リサ 体調不良で欠席
08.初恋サンライズ —ついに樹々ちゃんがサンライズに参加!—
09.就活センセーション —樹々ちゃん参加—
10.うるわしのカメリア → ここで樹々ちゃん離脱
11.ハナモヨウ
12.低温火傷 → 再度、樹々ちゃん参加 都合5曲中3曲参加!

こぶしファクトリー パート

13.念には念
14.チョット愚直に!猪突猛進(アカペラ+井上ボイスパーカッション)
15.エエジャナイカ ニンジャナイカ
16.シャララ!やれるはずさ —名曲へと成長しましたよね!—
17.辛夷の花 —物語を背負った5人の歌が超泣ける—

インターミッション サプライズゲスト 矢口真理

18.乙女 パスタに感動(矢口真理・一岡伶奈・高瀬くるみ・清野桃々姫)
※サプライズゲスト 矢口真理

Juice=Juice パート ~第一部前半メイン~

19.アレコレしたい!
20.チクタク 私の旬
21.Girls Be Ambitious —7人体制で諸々変更在り—
22.未来へ、さあ走り出せ!
23.五月雨美女がさ乱れる
24.Choice & Chance
25.地団駄ダンス
26.Magic of Love —シスコムーンも大納得の Juice の鉄板—
27.Fiesta! Fiesta!

——— 休憩 ———

サプライズゲスト 清水佐紀・鈴木愛理

28.バッチ来い青春!(清水佐紀・鈴木愛理・こぶしファクトリー)
29.Just Try! (清水佐紀・鈴木愛理・つばきファクトリー)
※サプライズゲスト 清水佐紀・鈴木愛理

アンジュルム パート

30.マナーモード
31.次々続々
32.寒いね
33.君だけじゃないさ…friends
34.ドンデンガエシ
35.大器晩成 —「大器晩成」はもうズルいと思うほどのレベル—

モーニング娘。’17 パート ~さすがのモーニング!~

36.ジェラシー ジェラシー
37.ナルシス カマってちゃん協奏曲第五番
38.気まぐれプリンセス —プラチナの楽曲はもっと評価されるべき!—
39.Say Yeah! –もっとミラクルナイト–
40.邪魔しないで Here We Go!
41.Good Morning(12期、13期、14期)
42.サマーナイトタウン(9期、10期、11期)
43.みかん
44.五線譜のたすき
45.One・Two・Three
46.What is LOVE?

第一部 大団円

47.JUMP(ハロプロ全メンバー)
48.お正月(ハロプロ全メンバー)

カウントダウン第二部 セトリ

OA.ドレドレ(Lovelys)
———
※MC 上々軍団・熊井友理奈・中島早貴
※小片リサ、和田彩花、竹内朱莉、植村あかり 体調不良で欠席
01.誤爆~We Can’t Go Back~(室田・川村・一岡・高瀬)
02.ふるさとの夢(かみいしなか かな 中島・金澤・石田・上國料)

カントリー+こぶつばの18歳以上

03.恋泥棒(山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)
04.気高く咲き誇れ!(山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)
05.ラーメン大好き小泉さんの唄(山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)

モーニング娘。’18 18歳以上

06.The 摩天楼ショー(譜久村・生田・飯窪・石田・佐藤・小田・尾形・野中・加賀)
07.元気ピカッピカッ!(譜久村・生田・飯窪・石田・佐藤・小田・尾形・野中・加賀)
08.OK YEAH!(譜久村・生田・飯窪・石田・佐藤・小田・尾形・野中・加賀)
09.Be Alive(譜久村・生田・飯窪・石田・佐藤・小田・尾形・野中・加賀)

佐紀ちゃんと熊井ちゃんがカントリー+こぶつばの18歳以上を従えて

10.ライバル(清水・熊井・山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)
11.cha cha SING(清水・熊井・山木・広瀬・山岸・新沼・谷本)

カウントダウン

12.愛あらば IT’S ALL RIGHT(ハロプロ18歳以上の全メンバー)

鈴木愛理 新曲披露

13.未完成 Girl(鈴木愛理:新曲)

サプライズゲスト 高橋愛・新垣里沙

14.How do you like Japan?~日本はどんな感じでっか?~(高橋・新垣・モーニング娘。の18歳以上)
15.恋愛ハンター(新垣・モーニング娘。の18歳以上)
16.SONGS(高橋・モーニング娘。の18歳以上)
17.女と男のララバイゲーム(高橋・新垣・モーニング娘。の18歳以上)
18.SEXY BOY~そよ風に寄り添って~(高橋・新垣・モーニング娘。の18歳以上)

NEXT YOU(Juice=Juice)パート

19.Next is you!(宮崎・金澤・高木・宮本)病欠の植村をのぞく オリジナル Juice
20.風に吹かれて(宮崎・金澤・高木・宮本)
21.続いていくSTORY(宮崎・金澤・高木・宮本)
22.大人の事情(宮崎・金澤・高木・宮本)

アンジュルム パート

23.有頂天LOVE(中西・勝田・室田・上國料・川村)病欠の和田・竹内をのぞくアンジュルム18歳以上
24.同じ時給で働く友達の美人ママ(中西・勝田・室田・上國料・川村)
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