「Juice=Juice LIVE MISSION 220 ~Special Code→J=J Day~」レポ ~植村あかりが体現する「古き良きハロプロの匂い」とは?~

10月10日、江戸川区総合文化センターにて「Juice=Juice LIVE MISSION 220 ~Special Code→J=J Day~」が行われた。「本記事ではそのライブの模様をレポートする。」と言ってしまったら少々ピントのずれた表現になるが、夜公演のライブに参加した筆者の感想にコラム風の文章を交えつつその模様をお届けする。というわけで、形式は本サイトに何回か投稿させていただいているようなコラムを含むレポとした(考察コラム2本+レポ)。で、本記事の軸に据えたのが、10月に写真集の発売が決まり、なにかと話題を呼んでいる、あーりーこと植村あかりさん。今回のライブを一つの終着点としたとき、そこに彼女が至るまでのプロセスをある程度の時間的広がりをもって追いかけた。

コラム1.マツコ・デラックスさんが言っていたこと

植村あかりさん(以下あーりー)が、ハロヲタを公言するマツコ・デラックスさんにも一目置かれる存在となったことは旧聞に属する。今年の8月末、同じくハロヲタを公言する柳原加奈子さんのラジオにゲスト出演したマツコさんが番組中、「私、最近気になるのは植村なの。古き良きハロプロの匂いがする。植村こそハロプロに入ってくれてありがとう。」といった趣旨の発言をしたのだ。

その発言の意図はさておき、まず個人的なラジオの感想から。触れるべきハロプロメンバー(以下ハロメン)はたくさんいただろうに、その中からあーりーに触れ、マツコさん流の“植村論”を語ってくれたことは予想外のニュースバリューであった。筆者も友人とのハロヲタトークは尽きることが無いが、いわんやあのおしゃべりな二人においてをや。30分番組×2週間分という枠が十分だったとは言い難い。そんな理由もあり、夜中にひとり「うんうん、わかるわかる!」と頷きながら聴いていた“植村論”については軽くに触れるに留まったのが、いささか心残りではあったが、全編を通してとても楽しめた。

さて、そもそもが今年の2月の同番組のアンコール企画であったにも拘わらず、多くのリスナーにもっと聴きたいと思わせた濃密なやりとりの中で飛び出したこの発言。マツコさんの真意はどういったものだったのだろうか。持ち前の想像(妄想)力でなんとかカバーして、説明を試みる。

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「古き良きハロプロの匂い」って何だ。あのとき自分もエラそうに頷いていたクセに!他人に説明できないじゃないか!でも当のマツコさん自身もホントは消化しきれてないんじゃないか・・・?と何度か厚い壁にぶち当たった末、ひねり出した答えを提案する。

“あーりー古き良きハロプロの匂い”=“ハロプロという組織の中で巻き起こるダイナミクスの象徴的存在”と、こう考えるのはいかがか?

ハロプロ的グループダイナミクス、ひとまずそう呼んでみた。例えばモーニング娘。’15の尾形春水さんもつい一年前までは普通の高校生。そんな彼女も今では正真正銘のモーニング娘。として堂々たるパフォーマンスを見せてくれている。他方、かつて飯窪さんはサブリーダーに就任して以来渋い仕事を重ね、いつの間にサブリーダーとして信頼を置かれていたのね、といった風に。それは歌、ファッション、感性、グループ内外の人間関係、時には人生をも、地殻変動のように目には見えない大きな力が働いて、いつの間にかガラリと変えてしまう面白さだ。

マツコさんも言っていたことだが、あーりーが“もしもハロプロじゃなかったら”を考えてみると、“地殻変動”が半端じゃない。“もしもハロプロじゃなかったら”、美人だし、愛されるべきキャラクターを持っている(少なくとも私には私にはそう見える)し、絶対困ったら誰か助けてくれる人が現れるだろうし、そしたら何不自由なく人生を送っていそう。おまけに“もしもハロプロじゃなかったら”、高校生でこんな忙しいなんてことありえなかっただろうし、日々プレッシャーに晒されることもなかっただろうし、自分で何とかしなきゃと追い詰められる状況も無かっただろうし、大変な思いをすることが遥かに少なかっただろう。普通に過ごしていれば用意されていた未来をかなぐり捨てて、他のハロメン達とあえて同じスタートラインに立つ。例に出した尾形さんや飯窪さんのように、ハロプロの大所帯(ひいては芸能界)の中でのらりくらりと上手く立ち回るタイプでもないあーりーが、いつからか目の色を変え、今ハロプロにいる必然を感じさせてくれる。そして今、間違いなく、そして見事にハロプロに収まり、欠かせないピースとして活躍する植村あかりの姿がステージ上にある。それは偶然か必然か、複雑に絡み合うハロプロ的グループダイナミクスの結果として。

ハロプロという文脈を取り外してみたときに浮かび上がってくる、ありえたかもしれないもう一つ未来を想像すると、ハロプロに在籍してくれているメンバーと、その偶然と必然の産物である今を愛さずにはいられない。そう実感させてくれるような不思議な魅力を持った存在が、植村あかりであり、だからこそ「入ってくれてありがとう」という言葉に辿り着いたのだと、私はそう見たみた。

あーりーに関する考察コラムその1はこんなとこで。

コラム2.さわやかに前向きな努力を重ねる植村あかりさん

独特の指導法でハロプロファンの間でも名物先生となっている菅井先生とあーりーのレッスン風景を収めた映像がGREENROOM#8で公開され、話題となった。衝撃映像?いや、こんな映像なんぞ、日々魅力を増すあーりーにとっては“伏線”のひとつに過ぎなかったのだ。

菅井先生の指示を実行して歌い、それに対し与えられるアドバイスに即座に反応・修正・再実行するという、テンポ感の速いレッスン(グズグズしていると怒られてしまう)を収めたこの映像。かなりキツイことを言われている。それでもプロ根性で必死に食らいつくあーりーの姿に多くのファンは心を打たれた。でも“ドラマ”はそこで完結していなかった。その翌週に配信されたこちらもGREENROOM#9で、やっぱり流石はあーりーだなと感心せざるを得ないシーンがあったので取り上げたい。既にあーりーのファンだ、という方は勿論、Juice=Juiceはまだよく知らない、という方にもフォローしていただきたい言葉だったので、以下オープニングトークでMCとの間で交わされる会話の内容を書き出してみた。

MC夏焼「菅井先生って強く言ったりとかするじゃん?結構外から見てたらこわいなぁーとか、あの先生キツイこと言うなーっみたいな風に思うんだけど、それに対してうえむーは結構強かった、全然当たっていくって感じで、怖がっている感じ無くて。どういう気持ちだったんだろう?って思ったの。」

植村「最初に菅井先生に教えてもらうってなって、レッスンしてる時はホントに泣くかと思いました。もう、なんか、メンタルが自分弱いなって改めて感じました。でも、菅井先生のボイストレーニングをしてから(キツく)言われてることに心にゴンッってくるんですけど、言っていることを理解できるから改善したいって思って、泣くことじゃないなって自分は思っています。」

MC徳永「大人な発言ですねー。」

お分かりいただけたか。それだけで十分に完結しうるインパクトを持ったレッスン映像を伏線とし、後日談であるこの会話で「さわやかに前向きな努力を重ねる植村あかり像」を結実させることによって、伏線が回収されたこととなる。あのきついレッスンを振り返って、こんなにも前向きな言葉を並べるあーりーの目には、強がりもうそっぱちも存在しない。あの映像を見てファンがどれだけ心配しようと、当の本人に言わせてみれば「細かいこと気にしたらアカンねん!」といったところか。あーりーのがんばりは本当に、さわやかで前向きという言葉がよく似合う。

まだ終わらない(もう少しお付き合い願いたい)。会話は続き、先輩である雅ちゃんから、「成長した」とお褒めの言葉を額面通りにありがたくいただいて、弾けるような笑顔で無邪気に喜ぶところも素直で、かわいらしい。プロ根性あーりーから一転、今度は無邪気あーりー!パーフェクト!

以上二本立てであーりーに関する考察をお届けしました。それでは本題のライブレポートへ。

 ライブ感想レポート

さて、長い前置きになったが、もっと長くなるであろう肝心のライブレポ+メンバー評について。

ステージ上に吊るされた薄い巨大スクリーンにプロジェクションマッピング的にメンバー紹介VTRが流れると、その向こう側にはJuice=Juiceシルエットが。ド派手な登場に、「やっぱりホールコンサートいいねぇ」そして、「香港・台湾からお帰りなさい」と言わんばかりの大声援が送られる。Juice=Juiceのニューアンセム、「未来へ、さあ走り出せ!」が特別な時間の始まりを告げると、二曲目は名刺代わりの「Magic of Love」で、早くも今夜のステージの完成度の高さを窺わせる。

曲のつなぎ目で音に乗りながらの自己紹介を済ませると、序盤で「イジワルしないで 抱きしめてよ」そして「ロマンスの途中」を連続で披露し早速その期待に答えた。初期から彼女たちのライブの二枚看板として歌われてきたこの強力な二曲を連続で披露したことには、やや大げさな表現だが、隔世の感がある。以前なら持ち玉が足りなくなっていただろう怒涛のセットリストが可能になったのは、ファーストアルバム(レビューはこちら)を新たに加えた楽曲群の多彩さと、それをライブハウスツアーで披露し、掴んだ好感触が強力にバっクアップするからに他ならない。

中盤のライブMCでは、台湾・香港のおみやげ話と、ドラマ「武道館」の主演が決まったことをファンに報告。ここまでほぼノンストップでパフォーマンスをしてきた今日のステージで休みらしい休みはこのMCくらいであった。植村あかりと宮本佳林の年下二人組の前髪は既にこの時点で、汗に濡れてまとまっているのが誰にでも確認できたほどで、そのノンストップぶりを象徴するハイライト。と同時に二人は、若さの爆発という、こっちまで若々しくいられるような、選ばれし人にのみ許されたオーラを放っていた。

後半に入ってもなお、ノンストップのパフォーマンスは続く。後半は、今回用意された高さのあるセットとスクリーンを活かした、スペクタクルなステージで会場を沸かせる。セットの一階部分は小さな小屋のようになっており、その窓に激しくダンスをする影を投影したり、小屋の中央の扉がパーンと開いたり、そこから高木紗友希が元気よくとびだしてきたりと、ガス噴射の特殊効果があったりと、とにかくスペクタクルであった。

ライブもラストスパートへ突入。宮本佳林オリジナルの「せーの!イェイ イェイ?」というコール&レスポンスのに煽られ、佳林ちゃんカラーにどっぷり浸かった、二階席、一階席の、男の子、女の子が、また一段とボルテージを高める。「GIRLS BE AMBITIOUS」、「裸の裸の裸のKISS」、そして、ステージ左右にせり出した花道から客席のすみずみまで届きますようにと思いを乗せて、「伊達じゃないよ うちの人生は」を歌い、本編が終了。

アンコールは客席中央の通路から登場し、植村あかりのフェイクがみずみずしい「スクランブル」など計3曲を披露。アンコールのラストは泣く子も黙る「Wonderful World」で、約2時間ほぼノンストップで繰り広げられた今夜のステージを締めくくった。舞台裏にはける一歩手前で止まり、「Juice=Juiceはまだまだがんばって行けそうです!」と“Code2”への意気込みを新たにした金澤朋子に、なにか信頼感のようなものを寄せ始めたファンの歓声も鳴りやまぬ中、幕を閉じた。

Juice=Juiceの場を創り上げる力

「場」とは、辞書的な意味では「あることが行われるところ」。この日の江戸川のステージで、生まれては消え、消えては生まれた数多の「場」は、Juice=Juiceのライブに特有の心地よいテンポ感をもたらした。「雰囲気」という便利な言葉に逃げずに明確に区別したいのは、彼女たちがステージ上で「行なうこと」に対する目的意識をハッキリ持って、ファンを楽しませてくれたからに他ならない。彼女たちがこの日ステージでやったのは「雰囲気作り」ではない。「場」を創り上げたのだ。

スタンドマイクを使ったパフォーマンスが多くなったJuice=Juiceだが、その機材の魅力を十分に生かしているのは、特筆に値する。ハロプロでスタンドマイクと言えば、かつてキャッチーな振り付けと軽やかなステップで人気を博したタンポポ、ロックなもので言えばスタンドマイクの足をブンブンと客席に向かって振り上げたBuono!などが挙がるだろう。Juice=Juiceはここに列挙したものとはまた少し違ったスタンドマイクの使い方だ。

曲は「生まれたてのBaby Love」。彼女たちのステージにおいてスタンドマイクは、歌を伝える「場」を自然に演出する装置だ。5人が等間隔に並び、誰が客席に声を届けているかハッキリわかるようになる。この日は特に、自分の歌割りが来ると、ふわりと慣れた手つきでマイクに白い手をかけるかりんちゃんの様子に「もうカワイイだけの佳林ちゃんじゃない!」とハッとしてしまった。かりんちゃんを筆頭に、余裕綽々で、エレガントなJuice=Juiceが、スタンドマイクのかっこよさを再確認させてくれた印象的なシーンであった。

また、次々と繰り出されるフェイクに客席が沸くシーンもハロプロの現場としては新鮮であった。フェイクという、歌で自分を表現する手段をめがけて、何かしらを感受しようとファンが会場一体となって瞬間的にフォーカスし、何かしらを受け取ったファンは、それを歓声で返す。「ここでは歌を聴いてくださいね。何かを受け取ってくださいね。」という一種のメリハリが効いたような心地よいテンポ感は、私がハロプロのライブに通い始めて以来、初めての感覚であった。

何を伝えるのかというハッキリした目的意識のもとで、ひとつひとつ丁寧に「場」を提供して感動を呼び起こし、「場」を収束させる。その中で伝わってくるものが多いライブであった。んー、なんか難しくなってしまったなあ。

メンバーそれぞれについて

別名ハロプロメンバー通信簿とも呼ばれる、つんく♂さん風メンバー評をやってみた。

宮崎由加

この日歌われたハロプロ屈指の人気ナンバー「初恋サイダー」では多くの歌割りをもらい、カヴァーに強いJuice=Juiceをより印象付けた。個人的にはこういったピッチの早い曲で宮崎さんの歌割りが多かったのは意外。ところで、この曲の疾走感あふれるサウンドにも余裕を持って“あざかわ”を盛り込んでくるところなんかを見ると、宮崎さんあんた、相当腕を上げましたな?そんなところも含めて宮崎さんは、技巧派ぞろいのハロプロのピンクのメンバーカラーの系譜の上にしっかりと乗っているんだなと再確認。やっぱりピンクなんだよなぁ宮崎さんは。

さて、宮崎さんには期待したいことが二つある。一つ目。日本武道館でのライブを目指してほしい。MC中、主演が決まったドラマ「武道館」の報告を、「武道館ライブをする」と誤解されないよう強調して伝えていた。ここまで言ったら武道館でやるしかないでしょ、ライブ!二つ目、冬は“あざかわ”の季節だ。気温が下がると使用可能になるマスク、マフラー、ニット帽などのアイテムを駆使し、どんな“あざかわ”を見せてくれるのか、個人的に楽しみである。

金澤朋子

左足の怪我により夜公演はパフォーマンスが制限されたことが「悔しい」と語っていたかなともだったが、他のメンバーがあらかじめ予定されていた場位置を外し、動けないかなともの傍に駆け寄って歌うというシーンが随所に見られ、かえって絆の深さが浮き彫りになった形だ。

MC中には台湾のファンに日本語で「暴君かわいい~!」と声をかけられたエピソードも飛び出したが、Juice=Juiceのレギュラーのラジオからは楽屋のテーブルの上にいっつもカフェオレとチョコベビーとチョコパイとカリカリ梅を並べているというなんともかわいい情報も漏れ出てしまっている。かなともってこういう人なんだよって、世界の人に発信したいかわいらしさがある。だって、台湾でこそ「暴君」なんて呼ばれたりするが、Juice=Juiceの中で実は一番繊細で、他人の心情の機微がわかるのは、かなともだろう。だから、かなともがイジワルするときは、あえて空気を読むんじゃなくて、あえて空気を読まないんだなと見ている。その繊細さゆえ人間関係に悩むことも多いだろうが、ステージ上ではリラックスして楽しんで、眉毛をピクッピクッと上下させて、ちょっとイジワルしちゃうかなとものままでいてほしいと思う。

高木紗友希

歴代のハロプロメンバーが歌う姿を見てきたけれど、高木紗友希ほど気持ちよさそうに歌うメンバーは居なかった。「生まれたてのBaby Love」で気持ちよさそうに目をつぶり歌う姿には、大物歌手の風格すら漂う。「Magic of Love」では、魂のフェイクが炸裂!その魂の込め方と、パワーの持続力において、ハロプロNo.1にと言えよう。肺から空気を絞り出して歌い終えると即座に、ぶはぁと息を吸う表情は、酸欠状態にならないかと本気で心配になってしったが、彼女のステージに掛ける思いにはそれだけのものがあるのだ。あと、よくよく聞くと、CDに音源化されているフェイクとライブで聴くモノが、微妙に違っているのにも気づいた。アーティストですな。なんでも辞書を引くとフェイクは和製英語で、即興で演奏することがもともとの由来だそうな。

8月10日のブログではメンバーの声の特長を文章にしたためていたが、これが何とも良い文章だった。自分の歌が上手い人は、耳がいいんだなぁ上手いこと表現するなぁと思ったし、他にもJuice=Juiceメンバーの歌声に誇りを持っている様子がブログから読み取れる記事が多い。この日は、大ゲンカしたと言われるかなともとしっかりイチャイチャしてて、安心。いや、仲直りしたって知ってたけどそれでもなんか安心。

宮本佳林

「これ最後までもつのか!?」と多くのファンが抱いた心配をよそに、キレッキレでほぼ休憩なしのセットリストを駆け抜けた宮本佳林に二つ名を与えるとすれば、“フルスロットルかりん”。気を抜けば慣性力に持って行かれそうな白く細い四肢をグイと取り戻し、すかさず客席にかりんスマイル。と思えば歌に復帰。心拍数上がってるはずなのに、歌には微塵も感じられないよ。観ていることと、聴いていることが一致しないよ佳林ちゃん!すごすぎるよ佳林ちゃん!

・・・さて、佳林ちゃんとJuice=Juiceのメンバーひとりひとりをつなぐパイプがより太く、頑丈になった印象だ。夏のハロコンの応援席ではあーりーと一緒にサビの盛り上がるタイミングを見計らって、せーので立ち上がる場面も目撃された。仲良さげで何より。ブログの写真一つとってみても、Juice=Juiceとしての活動に彼女が見出すいきいきとした感情が読者に伝わってくるようである。こうして佳林ちゃんのナチュラルボーンのキラキラした部分が多く出て来るのは、取りも直さず佳林ちゃんの魅力的な部分が多く発信されるということであり、それすなわちファンが望むところでもある。

植村あかり

江戸川で聴いた歌声には、まっすぐで素直なあーりー自身のパーソナリティーが乗り移っているように感じた。これまでとは違う何かが新たに伝わってきたのは、感情を表現する歌声という“お皿”がしっかりしてきたからだろう。素直さや優しさを乗せて私たちの耳に届く声は、非常に心地よいものだったが、「新境地を開拓する植村あかりさん」と章立ててお伝えしようと思ったほど、あーりーが“お皿”に乗せて届けてくれたものが多彩だったことは、現場に居合わせたファンなら実感したことかと。

振り返れば、先のミュージカル「恋するハローキティ」の役柄が新境地につながるターニングポイントだったのかなと、後付けだがそう思える。恥ずかしながら私、現場に足を運ぶことができずにDVDでの鑑賞となったが、あーりー演じる菅野亜梨沙が“怒る”演技を考えてみると見ていて背筋がピィィーーーーンと伸びてしまった。画面越しにも思わず姿勢がよくなってしまうほどの迫力をこちらに伝えてくれたのだ。その迫力を声に乗せて楽曲に新しいエッセンスを加えている。「Ça va ? Ça va ?」のサビの「(君しか)いないのよ」のところなんかは、迫力というエッセンスを存分に堪能できる。

最後に・・・

加速度的に魅力を増すJuice=Juiceは、次は私たちにどんなライブを見せてくれるのだろうか、どんな曲をカヴァーしてくれるのか、新曲はいつだろうかと、また私たちを欲張りにしてしまった。“Code1”がようやく一区切りついたばかりだというのに、それが今から楽しみで仕方無い。まだ四分の一が終わっただけの、長い旅路は続く。パワーアップした彼女たちの姿を見られることを期待して、“Code2”が一人のケガもなく成功すること祈ろう。

 

あとがき

レポならレポで、コラムならコラムで。文章としてはそのほうが断然読みやすいことは分かっているのですが、書きたいことが多すぎていつもこうなっちゃうんです、すみません。でも、このコラムを読んで、Juice=Juiceを応援しようとおもったり、ちょっと植村あかりさんはノーマークだったなと後悔してくれたりする人が居ればいいなという気持ちを込めて、精一杯書けたので、後悔はありません。

あーりーについても最後に一つ触れさせてください。感想を求められるあーりーが、かわいすぎです。相手の質問に対して、なぜか喰い気味に「うれしい!すっごいうれしい!」と、どストレートにたたみ掛けるのパターンが多いですが、答えを用意していなかったときの一瞬フリーズする表情もかわいく、毎回どっちのパターンかなと、興味深く見させてもらっています。たまに出る「うれしい限りです」という大人びた表現も、ブログが始まって間もないころから書いてましたが、江戸川で久々に聴くことができラッキーでした。

それでは最後に一句

皐月より 待ちし実りを 収穫す

 

 

(文=puke)

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コメント一覧

1 : avatarkogonil:2015/10/23(金)10:36:54

DIS ったり、揶揄したり、冷笑したりするテキストばかりが溢れる昨今。
こういう、愛し、喜び、賛美するテキストが、もっと世の中にあふれて欲しい。

2 : avatarプウク人形劇場:2015/10/23(金)13:30:33

>kogonilさん

読んでいただき、ありがとうございます

ハロプロメンバーをほめてほめてほめまくるだけのテキストで、いかに読んでくださる方々に楽しんで頂けるかをテーマにテキストを書いております。なので、こういったコメントをいただいたのは、とっても嬉しい限りです。

コメント

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