【レポ】12/1 宮本佳林BDイベント@CLUB CITTA’ 川崎 〜宮本佳林が完璧を求める理由〜

はじめに

「こんな素敵な時間を、レポートしないわけにはいかないな。」そう心に決めた帰り道、ひとさまに読んでいただくテキストとしてこのイベントをどうまとめたものかとアレコレ想いを巡らすのだが、どうも「かりんちゃんほんっっとかわいかったな」というため息混じりの感想しか出てこない。困った。元気いっぱいのかわいさ、ちょっとしたワードセンスのかわいさ、切ない表情のかわいさ、背伸びしたかわいさ、挑発的な小悪魔のようなかわいさ、時におどけてみせるコミカルなかわいさ、一生懸命でひたむきなかわいさ、そして宮本佳林が宮本佳林たる所以のかわいさ。宮本佳林は、それら全てを高次元で具現化するいわば“かわいさ”の広辞苑である。

「できないのを見て楽しむのがアイドル」という言葉が生まれる時代の大きなうねりの中にあって、かりんちゃんはその対極の存在だ。自分のできる全てを出し切り、キラキラとした魅力を存分に振りまいてくれる。この日も例外ではなく、応援するというスタンスが申し訳ないほど隙のない完璧なパフォーマンス(歌とダンスに限らず)でファンを魅了した。なぜ完璧を求めるのか?という問いに対するヒントをイベントのあちらこちらに散りばめながら。

というわけで本記事では、先日12/1にCLUB CITTA’ 川崎にて行われた宮本佳林バースデーイベント(二回目公演)の模様をレポートする。

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イベントレポート

開演前のどこか懐かしいようなウィンターソング風のBGMがフェードアウトし、一瞬暗転したステージにまず現れたのは、本日のイベントの司会・上々軍団の鈴木啓太さん。鈴木啓太さんの合図にファンが歓声をあげる中、会場後方から本日の主役、宮本佳林(以下かりんちゃん)が登場。「ありがとう、ありがとう〜。」と丁寧にファンの歓声に応えながら、客席中央の通路を通ってステージ上へあがり、イベントが開演。

オープニングトークでは、開演前のBGMがかりんちゃんセレクトの松田聖子さんのアルバムだったことや、1回目と2回目とでは別のアルバムをかけていたマニアっぷりを披露。そう楽しそうに話すかりんちゃんに啓太さんが「やっぱり崇拝が?聖子ちゃんに?」と掘り下げると、そこは譲れないとばかりに「聖子さん、・・・聖子さま。」と自分言い直して自分で納得するかりんちゃん。続くトークでは、昨年のBDイベントで誓った「17歳までにバク転か竹内朱莉ちゃんとデート」という16才の抱負を、どっちも成し遂げられなかったため、罰ゲームが決定してしまう!

誕生日なのに!と、心の内側でそう思っていたに違いないかりんちゃんには、ちゃんとハッピーなサプライズもあった。BDイベント恒例ケーキタイムだ。紫のバースデーTを着たJuice=Juiceメンバーがケーキを持って登場。ケーキの上にたっぷりとあしらわれた宝石のように色とりどりのフルーツを遥かに凌ぐほど、フレッシュでとみずみずしい笑顔で喜ぶかりんちゃんに、Juice=Juiceリーダーの宮崎さん「かりんちゃんはいつまでもかりんちゃん。17歳になったら、大人のかりんちゃんも見せてね。」とメッセージを送ると、「とある撮影でブレザーを着た姿が中学生にしか見えないと言われちゃったので、とりあえず年に追いつこう!」と宣言した。最後は定番の、ファンとメンバーでのハッピーバースデーの大合唱でお祝いし、イベントはライブコーナーへ突入した。

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一発目は「キラキラ冬のシャイニーG/田中れいな」だ。冬の定番アイドルソングで、ストライクゾーンど真ん中にかわいさの直球を投げ込む。今日も直球が冴え渡る。ステージ上では台に登ってみたり、大きな黒目をキョロキョロと動かし会場全体を見渡したり、隅から隅までパフォーマンスを伝えようとしてくれている。続く「ね〜え?/松浦亜弥」では、本家へのリスペクトからか、声を少し太くするというか、歌声と発音をダメージ加工するような松浦亜弥さん独特の「純情なおとめごぉころぉ〜」のところの歌い方をしっかり継承。大サビではファンからの「かりんが好きだからよ〜!」コールにマイクを向けて客席を煽り「Thank you!」と爽やかに受け止めた。

3,4曲目はしっとり系。「私の心/スマイレージ」は過去のリリースイベントでもソロで歌ったこともあり、かりんちゃん自身お気に入りのようだ。曲の良さとかりんちゃんの表現力が見事に相まって、何度でも聴きたくなる。よし、DVDも買うっきゃない。また、ここでは自身が崇拝するという松田聖子さんの楽曲「ハートのイアリング/松田聖子」をチョイス。曲がかかった時のイントロの耳触りが新鮮だ。BDイベントでは、ハロプロメンバーが普段の生活で聴いているであろうハロプロ以外の楽曲を披露してくれるのが嬉しい。

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ライブコーナーがここでひとまず終了すると、プレゼント抽選会へ。ここで会場全体が「12月にかりんちゃんからプレゼント・・・、かりんちゃんはサンタさん・・・かりんちゃんさんタや!(ピコーン!」とつんく♂になりきり、ウキウキ感を噛みしめたのはいうまでもない。「席の番号を、確認してね♡テッテレー」とドッキリ大成功的な効果音を発しつつ抽選ボックスを確認する。一つ目のプレゼントは、かりんちゃんの秘密が書かれたメッセージカードで、しかも本人からの手渡し!「今開けてもいいけど絶対言っちゃダメだよ♡!秘密だよ♡!?」と念押しするかりんちゃんのニュアンスを伝えるには♡←この絵文字を使わざるを得ない。二つ目のプレゼントは、Juice=Juiceメンバーになりきっての「風に吹かれて/Juice=Juice」のジャケ写撮影体験。植村、高木、宮崎、金澤になることが許された幸運な4人はかりんちゃんを囲み、思い思いの表情を作り、撮影を楽しんだ。(一生の思い出になりますね、一度はこういうの当たってみたいなぁ)

イベントはライブ後半戦へ。「壊れない愛が欲しいの/7AIR」のイントロが流れると、白いもこもこの衣装へと早着替えをしたかりんちゃんはまるで初雪より早く川崎の地に舞い降りた雪の妖精のよう。背中に付いたこぶしほどの大きさのポンポンを跳ねさせながら、ハロプロクラシックを大人っぽくパフォーマンスする。ラップ部分も流暢にこなし早くも“17歳の抱負”を達成せんばかりの圧巻のパフォーマンスだ。これに続くは「大きい瞳/モーニング娘。」で、一気にギアチェンジ。ホント選曲がファンのツボを押さえているし、盛り上がるんだなぁ。「私、ちょいとカワイイ裏番長/スマイレージ」では、ゴムバンドを外し、せっかくセットした聖子ちゃんカットが乱れるのも御構い無しでヘッドバンギングのかりんちゃん!めちゃカワのかりんちゃんに「ちょいカワ!」と叫ぶ後ろめたさも忘れるほど、客席はヒートアップした。ラストは「リバース/コピンク*」を歌いながら会場をぐるりと一周。その間も手を振ったり、にこっと笑顔を振りまいたり、ファンを楽しませてくれることを忘れない。季節感のある計8曲のセットリストを歌い上げた。ドラマの撮影もあって忙しい時期で、普段歌わない歌を覚えるのは大変だっただろうに。でも堂々たる歌唱でそんなこと微塵も感じさせないあたり、カッコイイなぁ。

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エンディングではすっかりかりんちゃんも忘れていた罰ゲームの内容が発表される。司会の鈴木啓太さんが客席に「かりんちゃんのこと愛してますか?」と意味深げに投げ掛けると、「わたしそういうのダメなんですよね・・・」と罰ゲームの内容を察した風のかりんちゃん。予感は的中、「ファンのみなさんに飛びっきりかわいく愛の告白をする」と内容が発表された。やるとなったらとことんやるのがかりんちゃん。手のひらを頬にあてがい、「まだダメ・・・・・オッケー。」とセリフが決まった様子。「この会場よりも日本よりも世界よりも宇宙よりもみんなのことが大好きです!」と、とびっきりかわいく気持ちを伝えた。そして、「感謝をパフォーマンスで返していけるようがんばるので、皆さんこれからも応援よろしくお願いします。以上宮本佳林でしたぁ〜!」と最後の挨拶を締めくくった。

ステージ袖にはける手前でおもむろに立ち止まり、両足を揃えてピョコンと飛び跳ねた最高到達点で、客席に投げキッスを贈ったかりんちゃんは、本当に最後の最後までかわいかった。

 

宮本佳林の思いを探ってみる

今日のイベントを体感して、性善説ならぬ性“かわいい”説を確信した。ひとはだれでも本質的に、かわいいものをかわいいと賞賛する気持ちを持つとする仮説だ。もしこれが本当なら、年齢も性別も関係なく、“かわいい”と発する世の中になるはずである。ところが、実際の世の中では、人間関係や日常のしがらみにとらわれ、かわいいという感情を伏せがちだ。一方でかりんちゃんのBDイベントに来た人たちは、日常のしがらみから解き放たれ、“かりんちゃんがかわいくて好き”という感情を発露し集まっている。

恐らくだが、今なおアイドルとしての活動を続ける松田聖子さんをリスペクトし、ロールモデルとするかりんちゃんは、“かわいいものが好き”という純粋性に気づいている。その純粋性は、非常に脆く、壊れやすいことにも気づいている。それゆえに宮本佳林は「できないこと」を良しとせず、完璧を追求するのだ。

小難しいことを書いてしまったが、「かりんちゃんかわいい」との思いだけを反芻しつつ、電車に揺られ川崎から帰ったあの数時間は、大正解だったというわけだ。

あとがき

この日のかりんちゃんは、聖子ちゃんカット風の髪型だった。いや、正確を期すれば、元祖よりもトップのボリュームを抑えめにして現代風の聖子ちゃんカットだった。聖子ちゃんカット’15だ!後悔してないと言ったらちょっぴり嘘になる初めてのショートカットから、好きにアレンジを加えられる長さなったのだから、時の経つのは早い。そのことをしっかり肝に銘じて、宮本佳林’17も見続けていきたいものだ。

17歳となったかりんちゃんにとって、この一年が素敵な一年になりますように。素敵なイベントをありがとう!Happy Birthday かりんちゃん!

(文=puke)

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