宮本佳林バースデーイベント2018〜パフォーマンスを見よう〜

宮本佳林のバースデーイベントは、誕生月の同じ植村あかりとの2年間の合同開催のあと、それぞれが単独でのイベント開催となって以来、決まって本人の誕生日である12月1日に行われている。

では過去のイベントの、”曜日”はどうだったか。

一昨々年の12月1日は火曜日。かりんちゃんのパフォーマンスに対する哲学を体感した。一昨年の12月1日は木曜日。「いつも応援ありがとう」と、筆ペンで記された感謝状を、恐れ多くも頂いてしまった。昨年の12月1日は金曜日。かりんちゃんの歌の魔法にかけられ、KARIN ‘S DREAM WORLDにトリップした。

そして今年の12月1日は土曜日。ハタチのメモリアルは、満を持しての土曜日開催。よッ、まってました!平日開催の多いバースデーイベントにとって死活問題である、参加するための”やりくり”を回避できるとくれば、「♪金曜日 明日は休み 今夜はなんもなくて あぁ つまんないけど」なんて小唄の一つでも自然と出てくるってもんだ。

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迎えた土曜日。「♪明日になれば」の「明日」。会場は代々木の山野ホール。開演前の会場に流れるは、ハロプロ・クラシックの数々。なんだこの曲?とすぐスマホ。「♪グルっと 目が回る魔法みたく かかりたい!」ですぐスマホ。なるほど、これは『ズキュンLOVE/ミニモニ。』。かりんちゃんが初めての新人公演で歌った曲だそうだ。 ま、こちとらかりんちゃんの歌の魔法に、数分後にはかかってるんですけどね。(※開演前、終演後のBGMはDJかりんセレクトとのこと。他『かっちょ良い歌/ハロー!プロジェクト モベキマス featuring スマイレージ』『ペンペン 兄弟/新ミニモニ。』『てんとう虫のサンバ/新ミニモニ。』など)

暗転。「パフォーマンスをみてください・・・!」。頭の中をこだまするかりんちゃんの声はほとんど条件反射。ほとんどオートマチックに作動するんだ。さぁ、パフォーマンスを見よう。ビジョンにカウントダウン。5、4、3、・・・・白いドレス。右手にはレースの手袋。2、1、・・・・マイクを持つ左手は素手だ。大切なマイクをホールドする左手は決して滑ってはなるまいと、素手。ハロプロだなぁ。

1曲目は自身の作詞作曲した『20歳のBirthday』。歌詞にも、タイトルに使われた同様のフレーズがあったので、多分これで”ハタチのバースデー”と読むんだろう。同時に切り替わった後方のビジョン映像も自作。ここに歌詞が出る。「全力疾走の青春 正しかったとおもってるから」、「みんながいるから私 今ここにいるよ」とは、自身の来し方を振り返つつ、未来への決意表明をする、そんな前向きな歌詞の一部である。『未来へ、さあ走り出せ!/Juice=Juice』とも曲調が似てるだろうか。

2曲目からは、どどどっとハロプロ・クラシックの波が押し寄せる。”鈍感”、”あすデー”、”寒いね”、”恋ing”、”セクボ”と、それぞれかりんちゃんに、ゆかりのある楽曲遺産を立て続けにカヴァーしていく。存外、オリジナル音源に”寄せる”ことはしないが、決してよそよそしくもない。付かず離れず、独立と従属の、絶妙な距離感。7曲目、『Rockの定義/田中れいな』も披露され、思い出す。彼女(田中れいな)も、”距離感”が心地よいカヴァーを持っていた。田中れいなはなぜ歌が上手いの?、の答えの一つだった。翻って、眼前のかりんちゃん。やっぱり歌が上手いよ。パフォーマンスを、しっかり見よう。

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休むことなく、ここまで11曲を歌い終えると、何やら赤いギターが運び込まれる。ここで、ギターについて、かりんちゃんから説明が入ります。「あれ、去年と違うじゃん!ってひともいるかと思いますが、去年からギターが変わりました。難しいんですが(伝わらなかったらみんな調べて!)、エンドースメント契約をしもらって、宮本佳林モデルを作ってもらいました。」とのこと。

このギターに関して、かりんちゃんには相当なアシストがされたみたいで、
・寺田岳史先生(有名アニメのギターを担当した凄い先生!)に、指導してもらった。
・このギターMyssteryのエンドースメント契約はこれで3人目。初代寺田先生→2代目Chester Bennington (Linkin Park) にKarin Miyamoto (Juice=Juice) が加わる並び。(World Tour かましたんだ。ここは英字で書くよ)
・見慣れたスタッフの方ではない、ギターに詳しそうな男性がステージに運び込みセッティングした。
・別のモデルの作成を後回しにしてこれを作ってくれた。

ーーーなどなど。豪華すぎる(?)周りのお膳立てに本人も、「びぃぃくりだよねっ!なにそれーって思うよねっ!」。

そんなギターを「よっこいしょ」とか「よいしょ」とか実際に口にしながら担いだり、「コントが始まるわけではないですからね〜」とスタンドマイクを調整したりするかりんタイムを経て後半のギターの生演奏パフォーマンスへ。イントロで耳が喜ぶ『初恋サイダー/Buono!』も、当然用意されたトラックはギター抜き。爽やかロックで盛り上げると、最後はしっとりと”君チャリ”でパフォーマンスを締めくくる。ギター、去年より断然上手くなってました。

“宮本佳林および関連楽曲遺産群”を巡った本イベントは1時間で14曲。14!世界遺産だったら1日かけてもこんなに巡れないよ。素晴らしいイベントだった。

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オリジナル楽曲の製作を手伝った作詞の先生も、作曲の先生も、ギターの指導をした先生も。期待して、手を差し伸べたくなる気持ち、わかります。そうなんですよね。トワキミ、素晴らしかった。TRIANGLOOVEも、素晴らしかった。だからおそらく、演技の先生も歌の先生、ダンスの先生も。与えられるものなんて何もないが(いや、だからこそ)、応援する・ファンでいることで、かろうじて手を差し伸べることができる自分も、そうだから。

それは、かりんちゃんが楽しそうにやるから。時に心配になるほど(これはかなともさんも同じみたいで笑)、差し伸べた手に乗っかるだけ、多くを返してくれようとするから。ハタチのバースデーは、そうやって積み重ねた関係を、ありありとパフォーマンスで体現するような時間でしたよ。

かりんちゃん、20歳おめでとうございます。健康で実り多き一年を過ごせることを祈っています。

セットリスト

1.20歳のBirthday/宮本佳林

2.私の魅力に 気付かない鈍感な人/光井愛佳

3.あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい/スマイレージ(1回目) Love&Peace=パラダイス/真野恵里菜(2回目)

4.寒いね。/スマイレージ

5.恋ING/モーニング娘。

6.SEXY BOY ~そよ風に寄り添って~/モーニング娘。

7.Rockの定義/田中れいな

8.FIRST KISS/あぁ!

9.抱いてよ! PLEASE GO ON/後藤真希

10.CRAZY ABOUT YOU/ミニモニ。

11.ぎゅっと抱きしめて<FOREVER>/ミニモニ。

12.LOVE,KISS,NEED,YOU/宮本佳林

13.初恋サイダー/Buono!

14.君は自転車 私は電車で帰宅/°C-ute

(文=puke)

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