あのハロプロOGも つんく♂も参加! アップフロントグループ総勢121人『テレワーク合唱動画』で社会を守る人への感謝と不安な毎日へのエール

エンタメの力は偉大だ。歌の力は偉大だ。そして、人々の心に響く歌は、さらにそれを “誰が歌うのか” によって大きく増幅されることもまた、改めて確認されたのではないだろうか。

複数のアイドルグループから多くのタレントまでが所属するアップフロントグループが、公式チャンネルで動画を公開した。それは、アップフロント所属の多くのタレントたちが、それぞれにリモートワークで、メッセージと歌を届ける動画だった。

コロナ禍にあって自粛要請が継続していることを初めとする厳しい日常が続くが、そうしたなかで社会を維持するために最前線で戦って働いている者たちへ、挫けそうになる心や怯えを抱えながら、毎日の生活を通じて社会を維持している多くの人たちへ、感謝とエールを送る動画が、アップフロントによって2020年5月4日に公開された。

アップフロントグループ テレワーク合唱として、所属タレントたちによって歌われているのは『愛は勝つ』、『泣いていいよ』、『負けないで』の3曲。

それぞれ、不安に苛まれ明日の筋道を見失っている心にとって、とりわけ響く楽曲となっている。それだけでなく、楽曲の冒頭には、アップフロント所属タレントが、こちらも多くの人々の日々の営みにエールを送るメッセージを語ってくれている。

思えば、2011年の震災にあっても、アップフロントグループは、所属タレント総出演で、やはり KAN の『愛は勝つ』を、広くファンを越えた層に向けて、エールを込めて歌いあげていたことが思い出される。

今般の動画にあっては、ハロー!プロジェクトに所属するアイドルたちが、リモートワークとして、おそらくは思い思いの私服で登場しており、この点で、しばらくライブやイベントの現場に通えないでいたファンの寂しさを慰めるものになっただろう。

さらには多くの所属タレントが登場する一環として、多くのハロプロOGも登場しており、この点でもファンにとっては嬉しい動画となっているが、活動停止中のグループメンバーで、ずっと留学から帰ってこない者も、2019年の年末に活動停止となったグループに所属していて、今ではアップフロントに籍だけを残して活動がないメンバーも、この動画に参加しており、「〇〇が歌ってる!」といった発見に涙したファンも多いのではないだろうか。

いつのタイミングであったか、とある所属タレントが「アップフロントは情の深い事務所である」旨、語ったこともあった。

コロナ禍にあって、社会の維持のために最前線で必要不可欠な仕事に従事する人への感謝を、不穏な日々をどうにかこうにかやり過ごしている人へのエールを、それぞれに言葉を尽して伝えるだけでなく、今ではタレント活動から離れている者まで含めた所属タレントの、懐かしく、かつて毎日のように目にした、あの笑顔を、こうして届けてくれるということに、その “情の深さ” を感じる向きは多い。

こうした、いわば “粋なはからい” に、「ファンであって良かった」という声は大きい。それは、久しぶりに愛するタレントの歌っている姿を目にしたことや、今ではタレント活動から離れている者まで、分け隔て無く久しぶりの姿を見せてくれたというだけではない。現在、コロナ禍に対応するために活動の自粛が続く中で、ライブもイベントも開催できず、事務所としてはおそらく厳しい経営状況にあって(参考|「田中れいな 順延日程、鈴木愛理 横アリ横払い戻し、各ユニット6月までの公演の中止と払い戻しと、案内続々と 」)その窮状や自粛への不満などを訴えるのではなく、同様に厳しい状況下にあって世の中を維持している全ての人々への感謝とエールをこそ表明している動画であることは、繰り返し強調しておきたい。

この動画にあって、ファンは、それぞれに刮目すべきポイントを発見しているだろう。
当欄としては(執筆者個人の愛するメンバーの刮目ポイントとは別に)あるポイントをピックアップしてみたい。

(※編集部注・これより下は、動画の内容及びラストシーンに関わる記述のため、先に動画をご覧いただいてからお読みいただくことをお勧めいたします。)

動画中で、3曲披露される中で、真ん中の『泣いていいよ』においては、ハロー!プロジェクトのメンバーの中でダンスが得意とされる者が、リモートでダンスするシーンが挿入されている。そして、『泣いていいよ』のエンディングで、ダンスを終えてニコニコとした笑顔を見せたのは、モーニング娘。’20 の森戸知沙希だった。また、動画全体のエンディングで、五十音順に登場メンバーが列挙される中、幾人かのメンバーの、リモートで撮影していたカメラの電源を落とす間際のシーンが挿入されるが、そのラストを飾ったのも森戸だった。

その晴れやかで明るい表情が、動画のラストを飾っている。あたかも、この厳しい状況は、必ず “そんなこともあった” と笑って話せるようになるかのように。

(文=椿道茂高)

エンタメアライブでは、皆様からの投稿を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください『寄稿について

コメント

名前*必須