はじめに
活動停止中のBerryz工房メンバーで、演劇女子部プレイングマネージャーとして、時には演出家としても、後進の指導にあたり、舞台女優としても様々な座組を渡り歩く須藤茉麻さんのファンクラブイベントが、2016年も押し迫った12月24日のクリスマスイブに、渋谷のシダックスカルチャーホールで開催されました。2回まわしで。
直前になってお知らせされたところによれば、1回目の公演について、開場時間も開演時間も1時間ばかり遅めに変更になって、シダックスカルチャーホール前に集ったファンの多くは、「熊井ちゃんのブランチ終わりの時間に合わせるためだよね」といった辺りで、誰が言うまでもなく、なんとなく予測が統一されていたりして。
というのも、イベントの告知段階で「大きなトナカイ」も参加しますとアナウンスがあって、そりゃ「大きな」ゲストとくれば、それは同じく活動停止中のBerryz工房メンバーである熊井友理奈さん以外にないよねと、これまた、誰が言うまでもなく、全国のベリヲタが想定していたところでしたからね。
この「誰が言い出すわけでもなく」予測や想定が一致しているということ、また「誰が言い出すわけでもなく」、そうした一致があると誰もが思っていること、これはどうして可能なのかってあたりが、Berryz工房の積み重ねてきた履歴の厚みですよね、と呼びかけてみたりして。(後述)
須藤茉麻ファンクラブイベント in 渋谷シダックスカルチャーホール
イベントがスタートするや、茉麻は会場の後ろの入口から登場し、サインボール(おそらく)を会場のあちこちに投げながら、客席を突っ切ってステージに向かいます。
登場してきた茉麻の衣装は私服風。1回目公演と2回目公演で違う衣装でした。2回目公演では、より私服風でしたが、1回目公演では、一応、赤と白でサンタ風に見えないこともない感じ。私服っぽいものになったのは、物販の写真セットにもなったサンタの衣装があまりにミニスカート過ぎて、ちょっと動くと、いろいろ見えてしまうからだと。その説明に続けて「変態ですね、みなさん。私と一緒」とかニコニコしている茉麻です。
イベントは『まぁサンタからの Present for you』という企画コーナーでスタート。
第一回公演 | 第二回公演 |
---|---|
黒髭危機一髪 | 足ツボマット客席一周 |
腕相撲 | 腕相撲 |
タイトルジェスチャー | タイトルジェスチャー |
タマネギ千切り | けん玉 |
趣味話し | だるま落し |
5つのゲームで構成され、それぞれ「成功」すると、それに応じたプレゼントを客席から抽選でお渡しという趣向です。「黒髭危機一髪」、「タマネギ千切り」、「けん玉」、「だるま落し」あたりは、成功するっていう状態がどういうものか、わかりやすいかと。
「腕相撲」は、抽選で呼び込まれた参加者さん(2人)と茉麻が腕相撲して、茉麻が1回でも買ったらプレゼント抽選が可能になります。「タイトルジェスチャー」は、抽選で呼び込まれた参加者さん(5人)が Berryz曲のタイトルをゼスチャーで伝えるもの。「趣味話し」は、茉麻が自分の好きな話をして、会場の拍手によって「成功」かどうかを判定し、「足ツボマット客席一周」は、スタッフさんが会場の通路に足ツボマットを敷いて、そこを茉麻が駆け抜けるというもの。
わりとサクっと個々の企画に勝利する茉麻でしたが、「ひとつのゲームで5分くらい時間使ってくれって言われてるんだけどなあ」と、ところどころボヤきに混ぜ込んで裏側を暴露してくれるのが、なんだか楽しかったです。
腕相撲で茉麻と勝負することになった参加者さんが、茉麻と腕を組んだ瞬間に、ポロっと「まじで強い」と漏らしたことも含め、いろいろ “ガチ” だった企画です。
なかなかの勝率で『まぁサンタからの Present for you』を終えた須藤さんでしたが、1回目公演も2回目公演も、パーフェクトに完遂とはならず、せっかくゲームごとに準備したプレゼントがファンのみなさんに配られずに終わりそうになって、そこで「お助けカード」が登場します。カードに記載のお題にチャンレンジしたら、全部のプレゼントを配布できるということで。
そのカードの内容は、1回目公演が “須藤茉麻ピーマン実食” で、2回目公演が “熊井ちゃんにイチゴを喰わせる” というもの。投稿者は、Berryz工房が活動停止してからの、茉麻のソロイベントには、わりと足繁く通っておりまして、その “全部の事例で” 茉麻が苦手なピーマンを実食してるような気がします。
どうもスタッフさんに、メンバーに嫌いな食べ物を食わせて喜ぶドSが紛れ込んでいる模様。
そういった次第で、かなりの参加者さんにプレゼントが当たったんですが、投稿者は欠片も引っかからず。
最後の握手会でお渡しされた茉麻からのクリスマスカードが、唯一の獲得物であって、みなさまとシェアするのも心苦しいところです。
その他、1回目公演では「3時間くらいかけて書いたんだから」という、茉麻直筆のお手紙朗読などもあって、ミニライブと、ラストの握手会で、楽しく(茉麻に会えて)嬉しいイベントは終了です。
そのミニライブのセトリは下記のとおり。
2.白いTOKYO
3.ヤキモチをください!
4.ガールズ・タイムス
1回目公演も2回目公演も、『友達は友達なんだ』は、熊井ちゃんとデュエットで。
なかなか渋いところをセレクトしてきたミニライブでしたが、『白いTOKYO』は、まことにこの時期(クリスマス)に相応しく、『ヤキモチをください!』では、神友だという徳永千奈美さんのパフォーマンスが脳裏に浮かんだところです。あれは、いつのライブだったか(直近では2014年の「Real Berryz Kobo」で演じられるも、2011年ごろにもあったよね?)佐紀ちゃんと梨沙子と、そしてニッコニコな千奈美さんが、ひょいっとひざ下を外側に蹴り上げる、あの印象が強い楽曲ですよね。それを、今回、茉麻が歌ってくれました。
自由すぎると言うも愚かな「くまぁず」
そして、そんなに大々的にアナウンスされていたわけでも何でもなかったのに、世界中のベリヲタが正しく予測して、サプライズにも何にもならなかったゲストの熊井ちゃんです。
熊井ちゃんは、1回目公演の途中、出演しているテレビ番組の「王様のブランチ」終わりでブラウン基調の衣装(私服?)もそのまま駆け込んできます。
軽く茉麻とご挨拶した後、一旦着替えるべく裏に引っ込む熊井ちゃん。
着替えるといっても、トナカイの髪飾りを頭につけてくるだけなんですが、だから「ちょっと」引っ込むだけだと説明されるも、熊井ちゃんが裏にいる間、茉麻がぶっちゃけます。「熊井ちゃんの「ちょっと」って、全然「ちょっと」じゃない」と。「熊井ちゃんが5分って言ったら、20分くらいだからね」と。
そんな茉麻のぶっちゃけから思い出すのは、Berryz工房のDマガでも、ベリキューのDマガ Vol.5 でも、ライブのバックステージで、すっかり衣装に着替えて準備万端の茉麻に絡むジャージ姿の熊井ちゃん。「まだ着替えてない!(笑)」とクシャクシャな笑顔で大笑いしてる熊井ちゃん、なつかしいですね。また語りかけてみました。
この件に限らず、熊井ちゃんに対して、どことなく「ぞんざい」な茉麻です。シャンメリーの栓を抜く役割をジャンケンで決めるにあたっても「最初はパー」とお約束をブッチして騙し討つ茉麻だったり。それが少しも嫌な気がせず、2人の信頼関係を物語っているように思えるのは、それは私たちがベリヲタだからでしょうか。だって、そんな具合に扱われても、ずーっと熊井ちゃん、嬉しそうに笑ってるんですもん。
自由な2人は、あの頃のまま
クリスマスだかということで、ケーキも登場します。
で、スタッフさんが後から写真を撮りますって言ってるのに、ブランチ終わりで駆け込んできたから「お腹すいてる」とか言いつつ、パクパク食べてる熊井ちゃん。小さめのホールケーキの円周一部分をまるっと食べてしまって、きっとスタッフさんは後から写真を撮れなかったものと思われます。
ハロプロのDマガ(複数)で、ハロプロのユニット対抗ゲーム対決的な企画なんか、他のユニットが比較的従順に(画面の外の)スタッフさんの指示や案内に違っているところ、それに異を唱えるどころか、前のめりなBerryz工房の姿勢に、思わずスタッフさんが押されてしまって、レギュレーション的にBerryz工房だけ例外扱いされることも何度もありましたもんね。そういう際には、強めの圧を掛けがちな夏焼雅姐さんとかキャプテン清水佐紀さんが目立ちがちでしたが(実は嗣永ももち先輩は、そういう場合、意外とスタッフさん側の意を受けてメンバーの抑制にまわりがちだったりして)このナチュラルに自由な熊井ちゃんが、実はスタッフさん側としても、一番に難物だったのではないかと、今更ながら。
また、そうやってケーキをパクつきながら、ファンの人がメンバーの写真と並べて食事風景をTwitterなどでアップしていることに触れて、「ずーっと疑問だったんだけど、あれは一緒に食べてますってことなのか」と客席に確認する茉麻。けっこう、いろいろ検索してるんだねってことはともかく、その茉麻の話題に乗っかって、「あれは写真と比較することでケーキの大きさがどのくらいか分かるようにしてるんだと思ってた」と熊井ちゃん。
この一連の応答について、「さすが」としか言いようがないところです。
いくら自分が、いろんなものと比較されがちだからって(← あっ!)
2回目の公演での「くまぁずプレゼント交換」では、もらって一番嬉しいのは何かと考えた結果として、熊井ちゃんに「現金」をプレゼントする茉麻。千円札を手にひらひらさせて、ニッコニコの(細面で美人なはずなのに、よく見たらまあるい輪郭が可愛い)熊井ちゃんに、我々客席としても拍手せざるをえない空気です。さすが。
2人で歌う『友達は友達なんだ』についても、1回目公演では、イントロが始まる直前に、いきなり(マイクを通さず)歌詞を確認する熊井ちゃん。「今!?」と大笑いする茉麻に、「だって、キャプテンのところ、歌詞が複雑で難しいんだもん」と、ペロっと正直なところを吐露しつつ、「最終確認だから、最終!」と取り繕う熊井ちゃん。で、その確認していた佐紀ちゃん担当パートに気を取られて、別のところの歌詞をまるっと飛ばす熊井ちゃんです。その経緯を受けて、2回目公演のミニライブでは、しっかり歌い切って(← あたりまえに歌い終わってってこと)ドヤ顔の熊井ちゃんと、そんな熊井ちゃんを嬉しそうに見てる茉麻でした。
他にも、ステージに上がってるのに “マイクを通さず” いろいろ茉麻に話しかける熊井ちゃんに、その都度、「なんでマイク通さないかな」と大笑いしながら、熊井ちゃんと客席をつないでくれる茉麻でした。
自由です。
2回目公演では、2017年3月3日に、新宿にて「くまぁず」イベント開催決定の(当人たちにとっても)サプライズ告知もあって、退出するすべてのベリヲタが「何なら5人ほどゲストを呼んでも、ええんやで」と脳裏に浮かべたところですが、そのサプライズのお知らせをお届けしてくれたサンタ衣装のスタッフさんに対して、「誰?あの人、始めて見た」という熊井ちゃんに、「(注目するのは)そこ??」と爆笑する茉麻でした。
おわりに やっぱりベリヲタでよかった
この茉麻のイベントの前日(12/23)には、原宿で熊井友理奈さんのカジュアル・ディナーショーが開催され、そのステージには、茉麻がゲスト出演しています。
そこでも、茉麻と一緒のステージに立って、ソロで一人で客席に対峙していた時とは、熊井ちゃんの様子が全然違うよねと、熊井ちゃんがあの頃に戻ったようだよねと、熊井ちゃんの笑顔が一層可愛かったよねと、すべての参加者が思ったところです。
この須藤茉麻さんのFCイベントにおいても、熊井ちゃんの様子は、一緒にステージに立つメンバーを信頼しきって安心しきって、いろいろ委ね切っている、あの熊井ちゃんでした。なんとなく5歳くらい若返ったような。
そして茉麻も、そんな熊井ちゃんを面白がって、一緒にイベントができることを喜んで、舞台女優として迫力の演技で劇場を圧倒している茉麻とは違って、あの頃のまんま。
ぶっちゃけ、きちんと客席に対峙する姿勢としては、しっかり自分の言葉でいろいろお話してくれるソロの熊井友理奈さんであったり、迫力の演技で客席を舞台に釘付けにする女優須藤茉麻さんであったりが正しく、ここで描写した、いわば馴れ合いとも言うべき「自由」なステージは、本来なら客席を置いて行きかねない、場合によっては自分勝手に過ぎるとされかねないところです。熊井ちゃんに「ぞんざい」な茉麻だったり、いろんな段取りをすっ飛ばして自分が注目したことだけに拘わる熊井ちゃんは、そのまんまであれば、客前に立つ演者として「NG」の烙印を押されかねないところです。でも、それが充分エンターテイメントとして成立しているというか、そんな「自由」な様子こそを私たち客席が喜んでいるのは、Berryz工房時代から積み重ねられてきた文脈を、ステージと客席が共有しているから。そして、ステージの上でゲラゲラ大笑いしている茉麻と、嬉しそうにニコニコしている熊井ちゃんの、自由すぎるステージの一瞬一瞬に、一コマ一コマに、その背景としての膨大な文脈を、茉麻も熊井ちゃんも私たちも、全員が脳裏に浮かべて再確認しているからこそ、ときに破天荒すぎる無茶な展開が、極上の場面ともなるという次第。
やっぱり、こうした一連の事情を指し示すに、「ベリヲタでよかった」という以外の言葉を持たぬ投稿者です。
Berryz工房が活動停止してからも、それぞれに進んだ舞台女優とモデルとしての活動の外に、こうした機会を作ってくれる須藤茉麻さんと熊井友理奈さんに、心から感謝しながら。
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