モーニング娘。’25 コンサートツアー春 Mighty Magic DX
ライブの流れに沿って〔承前〕
ようやくライブは、いったんのインターミッションに入りまして、メンバーが衣装チェンジといったところで、17期がMCで間をつなぎます。
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弓桁さんも自ら自画自賛するほど、クオリティ的に、もしかしたら “6期MC” に匹敵するのではないかとすら思える17期MCを経て、ライブはメドレーへ。
メドレーは、『One・Two・Three』、『愛され過ぎることはないのよ』、『もっと愛してほしいの』、『大阪 恋の歌』、『泡沫サタデーナイト!』、『すっごいFEVER!』、『恋愛レボリューション21』の7曲。愛生ちゃんが衣装チェンジだけでなく、まとめていた髪を下ろしていて可愛さが増しています。
『One・Two・Three』のオープニングで田中れいな先輩の録音コーラスが響く中… いや、メドレーに移ってもメンバーは動きっぱなしです。もちろん、生田衣梨奈さんの「♪る」は健在です。
『愛され過ぎることはないのよ』へと切り替わって、毎度、セトリの編成を考えるスタッフさん、こういう楽曲の繋ぎについて、いったいどんなセオリーとか手法があるんだろうと、実に感嘆します。フォーメーション遷移も激しいままですが、衣装チェンジだけでなく、生田さんが頭にサングラスをかざしてるのに、ようやく気がついたり。
17期、12期の期ごとのダンスパートがあったりして、やはりこのライブはダンス強めかと思ったところで、『もっと愛してほしいの』に切り替わるところで、岡村ほまれさんと愛生ちゃんの15期ダンスがあったりして、個々に動き回りながら、サビに差し掛かって、全員が正面ステージの最上部に整列したりして、もう観たものを脳で認識する前に、眼が喜んでいます。
『大阪 恋の歌』のオープニングのセリフは生田リーダー。
いや、この楽曲リリース時のことを思うに、櫻井さんだとか井上さんだとかが嬉し気にパフォーマンスしたり、迫力の愛生ソロから愛らしい横山ソロへとつながったりするのを観ていると、ほんまに万感の想いというか、歴史の積み重なりを思いますよね。
生田衣梨奈さんから小田さくらさん、そして横山玲奈さんへとソロダンスが継続して、横山さんのダンスに全員が合流してきたところで、『泡沫サタデーナイト!』へ。素晴らしい流れでした。ってか、ほんとにダンスが激しめで、メンバー動きっぱなしなんですけども。『泡沫サタデーナイト!』、キメのセリフは生田さん「モーニング娘。として5302日頑張りました!」と。
『すっごいFEVER!』への接続が『泡沫サタデーナイト!』の盛り上がりを維持できていることに驚きつつ、愛生ちゃんのソロの迫力と、横山さんのソロのコロコロとした可愛さの対比はここでも繰り返されます。
生田さんのメンバーカラーのエフェクトを背景にしたダンスからの… 『恋愛レボリューション21』は… どうなんでしょう、古参であれば古参であるほど泣けるのではないかと。往年の超名曲が、こうして現在の若いメンバーによって当時に増して激しくパフォーマンスされているのを見ると… やはりモーニング娘。は、その他の多くのアイドルとは一線を画す “文化” であると、そう主張したくなります。この星は美しい。
メドレーを終えて、そのまま新曲の『気になるその気の歌』へ。
なんか、野中美希さん、下から上目使いで客席をクワっと睨むような視線です。なんとも力強くて。そんな野中さんともシンクロしてか、この新曲、力強い迫力の楽曲なのか、愛らしいコケティシュな楽曲なのか、テイストが入り混じっていて安易に判断できません。
一瞬ぽかんとする岡村ほまれさんが可愛くて驚いたMCを挟んで、ライブはいっこも緩みなく、相変わらず動きっぱなしです。静かな楽曲であるはずの『なんだかセンチメンタルな時の歌』すら、めっちゃ動きます。そして井上春華さんの斉唱も素晴らしいんですけども、やっぱり愛生ちゃん、報告者の認知の歪みではなく、明らかに大事なところでのソロパートが多めじゃないですか?
ここでメンバーが分かれまして、小田ちゃん、羽賀ちゃん、ほまれ、愛生ちゃん、らいりー、井上はるさんの6人で、『夕暮れは雨上がり』と『ドッカ〜ン カプリッチオ』の2曲が披露されます。階段状のステージに座って見せてくれるパフォーマンスが意外に妖艶でビックリしつつ、『カプリッチオ』の爆発力がすべてを一掃するので、ちょっと妖艶すぎるような演出だったり、比較的おバカ風な演出は、『カプリッチオ』前に持ってくるのが最適かもわかりません。
続いて、3着目の衣装にチェンジした生田さん、野中さん、牧野さん、横山さん、弓桁ちゃんが(牧野さん登場やや遅れ?)、なんと『しょうがない 夢追い人』を!
報告者の個人的な歪みであることは自覚しつつ、この辺りのプラチナ曲(他に『プリンセス』とか『コレクション』とか)は胸に迫るものがありすぎて、ちょっと涙腺的に辛いことになります。往時のメンバーは誰もいないというのに、往時以上に涙腺に響くのは、どうしてなんでしょうね。
弓桁ちゃん、横山さん、野中さんとソロダンスを順番に披露し、そこからの5人でのダンス・パフォーマンスに続けて『Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜』です。もう涙腺に、これ以上の無理はさせられませんね。まいった。素晴らしかった。泣きながらも、ちゃんと牧野さんに匹敵する弓桁さんの迫力には驚いて来ましたよ。
続けて全員がそろって『フラリ銀座』です。
ほんとに不思議なのは2018年の くまがや での披露の段階では「ええ?」とか思ったりしたんですけども、なんか、にもかかわらず、今となってはイントロが流れてくるだけで「おおっ♪」とか思うわけで、ハロプロの不思議というよりは、こちらの認知が歪んでいるのかも知れません。やっぱり、ハロプロは、楽しいですね。
どこまでも爽やかな印象が強い『今すぐ飛び込む勇気』、印象的な主旋律を担当した野中さん、なんか自信に満ちていて、とても美しい。間奏の、生田さんと牧野さんのダンスの交換から、正面ステージ最上段での整列まで、こういうステージ構成というかフォーメーションの流れを考えてるスタッフさんって、どんなことを思って考案してるんだろうと思います。素晴らしい。
全然印象が違うはずの『ムキダシで向き合って』への接続がスムーズな事に驚きながら、
しつこいようですが、メンバーがほんとに動きっぱなしで、直近の つばき、BEYOOOOONDS、アンジュルムの大箱ライブと比べても、報告者の脳内比較で、メンバーの運動量は、明らかにモーニング娘。が激しいように思います。なんか、ほとほと感心します。凄いわ…
会場煽りのMCで、絶縁体を抜けずに点灯しない魔法のペンライトの扱いに困った生田さんのリカバーに走る牧野ラブリン真莉愛さんという場面が展開されたのはこのタイミング。繰り返し、牧野さんて、ほんとに心根が読めないよね。すっげえ良い子なんだと思うんだけども。
タオルを回す準備を会場に促して、『Hand made CITY』へ。
ここでもセンターステージへ向かう花道へ一列に展開して見たり、センターステージで矢印状になってみたり、フォーメーションの転変は激しめ。そのまま『Ambitious!野心的でいいじゃん』へと、センターステージに陣取ったまま移行します。牧野さんが楽しそうで、ほんとに読めないよね。
ライブは『みかん』へと続きます。もう、この曲は、セトリのどこに入っても名曲すぎますよね。当時のメンバーと現在のメンバーが全然違うからには、声の響きも、当時と現在では全然違うはずなのに、こうしてステージを観ていて今尚感動するのは、ほんとうに不思議です。報告者は Berryz工房からの つばきファクトリー推しですけれども、ハロプロは、モーニング娘。は “文化” です。守るべき大切な。
なんか『みかん』が来たから、これで、すっかり本編のラストかと思いきや、生田さん「まだまだ行くよ!」って会場を煽って、そのまま『Wake‐up Call〜目覚めるとき〜』へ。しつこくて、ほんと申し訳ないんですけど、メンバー、まじめに動きっぱなしです。しかして、それで息を荒くしてるわけでもなく(衣装チェンジを挟んで諸々整えて来たから)うっすら汗を滲ませてるくらいで、ほんまに体力おばけ。
弓桁さん、櫻井さん、愛生ちゃん、横山さんの4人のみとなりましたが(詳細は当記事の最初のページに)、今日のライブの感想と生田さんへのメッセージを語るコーナーを挟んで、生田さんが取材の記者さんにたっぷりのシャッターチャンスをサービス(「記者さん、今ですよ♪」)してから、ようやく本編のラストへ。

本編ラストは「♪小粋な歌を歌うことが僕の生き甲斐」と歌う『ブラボー!』です。なんか、ここら当たりでイントロだけで涙腺が反応するので、めっちゃ困りますよね。歌詞も、旋律も、明るく前向きなものであろうとも、これまで、ずっと一緒に歩んできた楽曲だというだけで、現在の若いメンバーたちが楽曲を楽し気にパフォーマンスしてくれているというだけで、それだけで涙腺が反応するので困ったもんです。
アンコールを経て、コンセプトはプリンセスだというギッラギラのドレスに身を包んで登場した生田衣梨奈さんがソロで歌ってくれたのは、『信念だけは貫き通せ!』でしてね、なんか、その後の卒業コメントで「これからも “えりぽん” でいるからお仕事ください♪」っていうメッセージと併せて、いかにも “さすが” です。
軽くボヤくような「今日はえりが一番可愛い」との名言も残しつつ、9期のデビュー曲である『まじですかスカ! 』から、ライブは大団円の『涙ッチ』へと雪崩れ込みます。
すっかり笑顔と明るさで終始するかと思った生田さんの卒業セレモニー、『涙ッチ』では、なんと横山さんも、愛生ちゃんも泣いちゃってます。むしろ、そのことに驚いて、戸惑って、泣いてる横山さんの頭を撫でてる生田衣梨奈さんでした。
ダブル・アンコールでは、最後の最後に、生田さんは、ちゃんと魔法で消えていきました。ステージセットのお城ごと。それはもう、とても素晴らしいコンサートであったと、そう付け加えるのが蛇足に思えるほど。
どんな時代も「過去最強」のタスキをつないで
今の私たちがあるのは先輩たちがつないできてくれたおかげだけど、私とガキさんなんて10年やってるんだから、今の私たちができることは、先輩たちにはできない。
今の私たちが過去最強!
そう誇り高く宣言したのは、2010年段階の高橋愛さんでした。
この、「今の私たちが過去最強!」だと愛ちゃんが宣言した、そのタイミングで加入した9期メンバーの最後の一人がモーニング娘。を去りましたが、しかし、そこには、やはり “過去最強” のメンバーが、過去最高のモーニング娘。が、多士済々、ステージに残っています。
妖艶さから可愛さまで自在に操って、歌唱面だけでなくモーニング娘。のステージに深みを与えている小田さくらさんも。
挑戦的な視線で色っぽくて、しかし、どこか譜久村さんの “ほんわか” も継承してるような次期リーダー野中美希さんも。
なかなか内心をファンに読ませないんだけども、自分の好きには真っ直ぐ過ぎるから、だから、きっとモーニング娘。をしっかり支えるであろう牧野真莉愛さんも。
その横顔が美しすぎて、パフォーマンスが安定しているだけでなく、どんな場面でも安定して美しい羽賀朱音さんも。
コロコロした声質が愛らしく、ちいさい身体ながら、迫力のダンスの横山玲奈さんも。
すっかり綺麗なお姉さんになって、いろんなところに余裕が見え隠れし始めた岡村ほまれさんも。
明日のハロプロの主軸が約束されたニッコニコな全方位外交娘、山﨑愛生ちゃんも。
そのステージ上での表情の動きに眼が離せない、躍動感と疾走感にあふれるパフォーマンスの櫻井梨央さんも。
どんどん自信をつけてステージに屹立するようになった、明日の歌姫、井上春華さんも。
やがて “モーニングのカッコ良さ” を背負うであろうビジュアルの弓桁朱琴さんも。
そして、そんな過去最強のメンバーを育て、守り、残してくれた、ずっと “えりぽん” で居てくれると約束してくれた生田衣梨奈さんも。
改めて、15年前のリーダー高橋愛さんの言葉を噛みしめたいところです。いつだって、どんな時代だって「今の私たちが過去最強!」って!


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