モーニング娘。’25、羽賀朱音・横山玲奈の卒業ステージ 言葉少なく横浜アリーナに漂った静かな余韻

モーニング娘。’25 コンサートツアー秋 ~Movin’ Forward with Hope~〔承前2〕

▽▽▽▽▽メドレー▽▽▽▽▽
20・『笑顔YESヌード
21・『女と男のララバイゲーム
22・『気まぐれプリンセス』 
23・『恋愛ハンター
24・『自由な国だから
25・『Teenage Solution
26・『I surrender 愛されど愛
△△△△△メドレー△△△△△

20・『笑顔YESヌード

ダンスパフォーマンスで、12期がフィーチャーされているかと思ったら、小田先輩のソロダンスが。
こうしたパフォーマンスのアレンジって、メンバー主導なのか、スタッフさん主導なのか、いずれにせよ、一度、バックステージで検討段階からリハーサルまで、一通り見せて欲しいくらい。

21・『女と男のララバイゲーム

結成の初期を除いて、モーニング娘。の構成メンバーが一番少なくなった時代の楽曲ですが… なんかもう懐かしくて泣きそう…
小田さくらさんの凄みも、山﨑愛生ちゃん、岡村ほまれ さんの15期によるセンターのダンスも、素晴らしい。

次の曲へ向けて横山玲奈さんのソロダンスがつないで…

22・『気まぐれプリンセス』 

すっかりプラチナ期代表曲かと(個人的には『青春コレクション』希望なんだけど)。

この辺りは、妖艶で大人な小田先輩の独壇場かとも思いきや、幼いはずの後輩たちが個々に小田先輩と競う競う! 素晴らしいものを見せてもらいました。

23・『恋愛ハンター

この楽曲の、ガニ股で手を上に放り上げた形でカニのように移動する特徴的なフリつけ、それが特徴的だからこそ(リリース時に賛否両論あったからこそ)、この楽曲が、歴代のメンバーに歌い継がれていることが明瞭です。

思えば、一部に賛否両論ある特徴的な歌詞やフリがあるからこそ、歴代の継承も眼に見えるといったわけで…

24・『自由な国だから

羽賀朱音さんのソロダンスでこの楽曲につないで… 小田さくらさんの独唱が、やはり凄まじいわけですが、それを横山さんが引き取って行きます。マジか!

メンバーたちの衣装、上着脱ぎ捨ててますかね?

25・『Teenage Solution

近年の名曲といって良いのではないかと。
佐藤優樹さんのアレコレは、すっかり愛生ちゃんが継承ってことで、愛生ちゃんドセンターです。この曲は、メドレーじゃなくて、フルで聴きたかった。愛生ちゃんドセンターをフルで…

26・『I surrender 愛されど愛

楽曲に入るまでの全員ダンスが、すごく見応えありました。

上にもチラチラ触れましたけど、岡村ほまれちゃん、なんかいろいろ覚醒してますね。上にも触れたというなら、メンバーの魅力が開拓されるにつれ、楽曲自体の評価も大きく変化していくことに触れましたが、この『I surrender』については、岡村さんが(「ほまれちゃん」と呼べないくらい)その代表格か。

*****

最初、櫻井さんと17期の3人で始まった MC は、水分補給のご案内なんかをお話ししますが、「リハーサル始まった時は暑かったのに…」とか、微妙に曖昧なところを演出する井上さんとか、絵画で賞を取ったと話す井上さんとか、いろいろ話題があちこちに飛んだ後に、引き継ぐ形で入った小田ちゃん、ほまれ、羽賀ちゃんですが、小田さくらさん「全然話題は引き継がないんですけど」と、他の話を始めます。

『ねちんふぃるむ』じゃないけれど、この日の横アリのステージには、リハーサルやバックステージの写真が、いろいろと飾られていることを紹介しつつ、長めの MC が展開します。

インターミッションの BGM 秘話(現メンバーでの再REC版であったこと)を羽賀ちゃんがお話してくれたのも、このタイミグです。そんな長めの MC を切り上げるにあたって、客席を煽り損ねるリーダー野中さん。この、微妙にドジっ子というか、ほんわかしてるわけじゃないのに、ちょっと、いろいろ躓き勝ちなあたり、野中さんらしくて微笑ましいですね。

27・『気になるその気の歌

この曲はサビがとても良いですね。と、曲の良さに注目できぬほど、メンバーたちの動きが激しくて、またもや横アリの長い回廊を巡回する体力お化けたちです。

しかし、個々にグルグルと回転しながら、全体として隊列を短くしていく(同じ場所で回転しているように見せつつ、回転しながら徐々に移動している)のは、どんな動きなのかと驚嘆したところ。

28・『One・Two・Three

相変わらず、田中れいな先輩の斉唱がイントロに重なるところ、沁みますね。
」の歌割は牧野の真莉愛さんです。

上に散々、声が通ることについて愛生ちゃんを称揚してきましたが、小田さくら大先輩、この曲の大斉唱で面目躍如です。凄まじい。

29・『君さえ居れば何も要らない

センターステージにて、見事な、お手本のような、教科書のような、文字通りの “フォーメーションダンス” を見せてくれる現メンバーたち。

『One・Two・Three』の斉唱で、いや大斉唱で小田さくら先輩の面目躍如と述べましたが、この曲では、井上春華さん、明らかに次世代の歌姫です。

30・『わがまま 気のまま 愛のジョーク

他のどのグループに、どんな鉄板曲があろうとも、モーニング娘。には『LOVEマシーン』があるのだと、そう上に述べましたけれども、モーニング娘。には『わがまま 気のまま 愛のジョーク』もあるのでした。

セレモニーならぬセレモニーを経て

アンコールの呼び声が、「れいな!」、「あかね!」と綺麗にそろっていたのは、アップフロントのファンを褒めたいところ。

そんなコールに応じて、ドレスに身を包んだ横山さんが登場します。「卒業の挨拶 横山玲奈」ってところなんですけど、横山さん「卒業します」との一言だけ。記事の冒頭でも述べた通り、なんだか、急にここで切なさが感じられた次第。

31・『Please!自由の扉』 横山玲奈

そう、言葉少なくご挨拶を締めくくったことも、事後のブログの内容も、そして何より、この楽曲のタイトルを見ても、横山さん何か本当は言いたいことがあったのかなって思います(もう少し強めの言葉でも良いのかも)。

なんだか、ずっと笑顔でいようと努めていたやにも見える横山さんですが、トレードマークの笑顔も、ふと表情が消える時があって…

32・『シャボン玉』 羽賀ちゃん以外のメンバー

『シャボン玉』のセリフの横山さん、やり切った!
歴代にあっても(わたくし道重さゆみさんに忠誠を誓っていることは繰り返したところですが)最高の『シャボン玉』のセリフだったかと。

ここから再度衣装チェンジしてきたメンバーたちですが、この衣装の愛生ちゃん、とりわけ膝下、「似合ってる」って言葉が愚かなほど。

*****

再度、会場が暗くなって、もう一度アンコールって演出ですが、ここで「あかね!」と叫び出したファンは、素晴らしかったよね。メンバーレベルで殊勲賞かと。

羽賀朱音さんがドレスで登場するなり、ご挨拶もなくイントロが…

33・『ゼロから始まる青春』 羽賀朱音

この曲を自分の最期のソロとして選択した羽賀ちゃんに、『青春』をモーニング娘。に捧げて、そして、これから『ゼロから始まる』ってあたりで、何かしら託された思いはあるんだろうと、そう推察するんだけど… しかし、羽賀ちゃん美人だよね。羽賀ちゃんのお顔立ちの美しさで、他のことが考えられない次第。

*****

幼いころからモーニング娘。が好きだったこと、界隈の話題もさらった「明日からヲタクに戻ります」のフレーズなど(横山さんに比して)いろいろと語ってくれた羽賀ちゃんですが、気になったのは「(私は)人前に立つことが向いてないんじゃないかなって」という部分。

私たちを楽しませるために、やっぱり、いろんなものを犠牲にしていたんだな、って。 

34・『友情〜心のブスにはならねぇ!〜』 横山さん以外のメンバー

岡村ほまれさんについて「覚醒してる」とか上に述べてしまいましたけど…
この曲、15期の2人の躍動感と存在感が凄くて、次世代を担う気満々といったところです。羽賀ちゃんのご挨拶で出かかった涙が引っ込む勢いで。

*****

MC という形で、卒業していく2人へメッセージを… と思ったら、ここで全員ではないんですねえ。卒業の演出でこそあれど、しかし、セレモニーではありませんよ… といった感じもあって、そこもなんとなく切ない感じを受け取ったところです。

弓桁朱琴 今回のツアーを糧に進化していきます
羽賀さん、横山さん、ブレスレットにメンバーカラーのリボンをつけて、パワーをもらってました!
家に帰ってからも玄関に飾ります!
モーニングを照らす太陽になります
井上春華 2年目なんですけど、まだまだ大変なことが多くて
2人が綺麗で、後輩として見送れることが誇らしいです
山﨑愛生 ライブがほんとに大好きです
羽賀さん、横山さん、いっぱい話したいことがあるんですが、時間がないので… 大好きです!
岡村ほまれ セトリが過去一好きだなって
(泣きそうになって固まる ほまれ ちゃん)
抜ける穴が大きいから、「ほまれ やるじゃん」って思ってもらえるように頑張ってました
時間がないので個室のご飯屋さんとかでセレモニーをやらせてください
野中美希 新体制になってから初めてのツアーが終わろうとしています
2025年は平坦な道のりではありませんでした
想定外のこともたくさん起こりましたが、たくさんの人が支えてくれました

35・『涙ッチ

オープニングで小田ちゃんが一瞬乱れちゃったのが眼に入って、観ているこちらも、一気に崩れかけます。
そして、最後の最後で、この曲で、愛生ちゃんニッコニコな笑顔を見せてくれて、屈託のない笑顔を見せてくれているのに、観ているこちらが一気に崩れそうで…

その笑顔の背景には 語られない物語

トリプル・アンコールで、羽賀ちゃん横山さんに先導されてメンバーが横アリを巡回します。
やっぱり、その巡回の際にも、横山さんの笑顔は気になりました。なりませんでしたか?

横山さんは多くを語ることなく静かにステージを降りました。
けれど、羽賀ちゃんが残してくれた言葉の端々からも透けて見えたよう… いや、本当は誰だって薄々わかっていたはずなんだけど… 私たちファンには届かない “いろんな事情” が、その背景にはきっとあったのでしょう。いろんな事情があるんだろうなと、そのことだけは察せられた次第。

明日からは、一人の女性として。
芸能界を完全に離れて歩き始める羽賀朱音さんと横山玲奈さん。
その日々に、どうか少しでも多くの幸せと笑顔が満ちてほしい。嘘じゃなく、心からそう願っています。だけど、なんだか、昨今のハロプロの卒業ライブとは、久しぶりに趣を異にして、少しの切なさが残ったライブだったかと思うのでした。

「ありがとう」と、「これからも幸せにね」の気持ちに嘘はないんだけど。
ああ、本当に。羽賀ちゃんと横山さんの明日が、やさしい笑顔で満ち溢れますように。心から。

(文=kogonil)

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