2月19日に森戸知沙希さん(以下ちぃちゃん)のバースデーイベントが、麹町のTFMホールにて行われた。去年の誕生日はバースデーイベントは行われなかったため、16歳の誕生日を迎えるちぃちゃんにとって初のバースデーイベントあり、初のソロライブのあるイベントでもある。
緊張しぃのちぃちゃんがひとりでイベントを行う。あの、顔が赤くなってしまうより先に、すぐに耳が赤くなってしまうちぃちゃんが、ひとりでイベントを行う。波乱は必至だろう。イベントの“無事”と、心のどこかでちょっとした“波乱”を期待するファンから、事前に募集が告知されていた「ちぃちゃんの緊張をほぐす方法」と「ちぃちゃんなんでもアンケート」の質問用紙が回収され、イベントがスタートした。
というわけで本記事では、森戸知沙希バースデーイベント(1回目)の模様をレポートする。
*****
ちぃちゃんの登場を前に、MCとしてイベントを盛り上げてくれる鈴木啓太さんが登場。先程楽屋で喋った時にはヒーヒー言っていたとの情報が、早速伝えられる。文字通り「ひぃーひぃー」と耳を真っ赤にして、楽屋で段取りや歌詞カードの確認にもイマイチ身が入らないちぃちゃんの姿がファンの脳裏をよぎる。そんな中、今まさに、舞台袖でスタンバイしているであろうちぃちゃんが心配で、ソワソワとした空気の会場に、本日の主役ちぃちゃんが登場する。
白とオレンジのギンガムチェックの白くおおきな襟が印象的なワンピースで登場。案の定、歩き方はぎこちなく、ペンギンちゃんのようにカクカクと歩く。美しくまとまり、しなやかに揺れるトレードマークのポニーテールとはうらはらに、緊張で肩に力が入っているようだ。緊張は開演前に予想されたとおり、あるいはそれ以上かもしれない。
自己紹介を終え、啓太さんに今の心境を聞かれると、「楽しみ40怖さ60」と答えながら、マイクを右手、左手と持ち替えたり、両手で胸の前に抱えてみたり、ちぃちゃんの緊張は疑いようもないほどだ。バースデーケーキが運び込まれると「うわぁすごい」と緊張のあまりぶっきらぼうにコメントしてしまい、「ありがとうございます……フフ」とうわずった声で苦笑した。
トークはつづく。啓太さんが誕生日を迎えたということで「今欲しいのは?」と聞くと「今欲しいのはメンバーです……小関舞ちゃん!舞ちゃんホント緊張しないんで信頼できます。」と“とんち”を効かせて、へなへなと助けを求めた(もちろん、へなへなとかわいらしく)。そんなちぃちゃんもさすがに、そろそろ場に慣れたようで、16歳でのチャレンジとして、「普段から料理できるようになりたい。味噌汁とか作れないんですよ、卵焼きくらいしか……あ、オムライスは作れます、でも全然おいしくないんですよ。」と宣言した。
ケチャップの味に頼れば最低限のおいしさにはなりそうな料理をおいしく作れないちぃちゃんが愛おしくってごめんね♪だったのは筆者だけでないはずだ。
ちぃちゃんひとりでできるかな
ファンから寄せられた「ちぃちゃんの緊張をほぐす方法」を実践して、緊張をほぐそうというコーナーだ。このコーナーではちぃちゃんが左手に心拍数計測機能付き腕時計で、その効果を検証する。
まずは試しに一回測ってみようということで、ちぃちゃんは時計のスイッチを押す。時計の画面をオドオドした顔で覗きながら、なぜか自分の拍動に合わせてビクビク動いてみるが、計測不能と表示されたらしく「出ない、はぁ!!!」と顔が赤くなる。
最初に引いた用紙では、ももち先輩にダメだしをしてみるということで、「ブキウギLOVEのとき笑わせないでください!」と、控えめにダメ出しする。これは効果薄だろうか。次は、自分のいいところを5個あげて(5個も無い!3個!とちぃちゃんの申し入れで結局3個に)、みんなに「わかる〜!」と相槌をうってもらい、自信をつけてもらう狙いだ。「オレンジが似合う!」とちぃちゃん、「わかる〜!」と客席。「ポニーテールが似合う!」「わかる〜!」「えっと、……ももち先輩よりカワイイ!」と言うと本日最大ボリュームの「わかる〜!」のとの賛同の声に、本日最高の笑顔を弾けさせたのは、ふつうに褒められ、ふつうにうれしいそうなちぃちゃんであった。
ちぃちゃんはファンから提案された方法で、さらに試行錯誤を繰り返す。小関舞ちゃんのモノマネということで、腕を楕円形に勢いよく回して客席を煽ってみたり、定番の早口言葉「赤巻紙青巻紙黄巻紙」に挑戦しようとして、いざ挑戦というときに「へ、赤からですよね?」と謎の確認をしたり、緊張をわすれるには十分な時間だ。が、満を持して計測した心拍数は女性の平均を上回る90を記録し、「なんでぇー!」と、お約束の赤耳で叫んだ。
ちぃちゃんなんでもアンケート
こちらは、「ちぃちゃんなんでもアンケート」に答えていこうというコーナーだ。このコーナーでは、ちぃちゃん進行も含めてすべてひとりでちぃちゃんが進める。
ただし、万が一ちぃちゃんひとりではどうしようもなくなったときのために、SOSボタンが準備される。押すと「ちぃちゃんに緊急事態発生!ちぃちゃんに緊急事態発生!」と音が鳴り、ランプが点灯して、ちぃちゃんを助けるべく啓太さんがステージに戻る仕組みだ。これを見るなり、ペンギンちゃんのように、指と指をすきま無くくっつけて、肩からその指の先までをピンと伸ばして距離感を確かめる森戸ちゃんは、早くも押す気まんまんだ。
さて、啓太さんがステージから離れると、不安でへなへなとへたりこみそうなちぃちゃんは、アンケートボックスに両肘置き、首をもたげるも、なんとか留まる。気持ちを入れ直し、アンケートボックスに手を突っ込み、質問用紙を取り出し、読む。
「ペンネーム×××さんから ももち先輩に告白をしてください へっ、はいっ、へっ、……告白っ?はいっ、じゃあいきます ももち先輩……いつも感謝してます!ももち先輩の鼻がかわいいです!」
と、見事にひとりで読み、答えて、締め、次に移る。順調な滑り出しを決めると、つぎつぎと質問に答えていく。「梁川さんとまなかんどちらがあざといですか?」との質問には、「ん〜どっちもあざといです。梁川ちゃんはここにこうやって急に抱きついてくるんですよ!急にですよ、急に!まなかんは太鼓持ちで、いつもももち先輩媚びてるんです。あざとい。」と才女・梁川奈々美のあざとい目論見を看破し、同期である稲場愛香のあからさまな媚びをビシッと糾弾した。また、「キレイの秘訣は?」と質問を読み上げると、ステージの真ん中からぐるーっと客席を見渡しながらヒントを探して、思い出したように「あっ、青汁を最近飲んでます!そんな感じですね。」と答えると、客席から拍手が。客席とのキャッチボールも、普段やらないだけで、やろうと思えば、ひとりでできるちぃちゃんである。
それでも、「今一番気に入ってるセクシーポーズを教えてください」という質問に出くわすと、さすがに困ったちぃちゃんは、一目散にSOSボタンに駆け出す。「ちぃちゃんに緊急事態発生!」のサイレンが鳴り響くなか、「おねがいします!」と啓太さんだけにセクシーポーズをさせ、その場を逃れようとするが、「オレだけやってもしょうがないでしょ!」とツッコまれ、啓太さんをマネしてちぃちゃんもセクシーポーズをすることになる。ステージ上がムーディーなライトに包まれると、片足を後ろに引きつつ肩を入れ、人差し指を下くちびるにちょこんと乗せるというセクシーポーズで、ファンを一人残らずノックアウトした。
ライブコーナー
イベントの最後はライブコーナーだ。一曲目は「恋のテレフォンGOAL/安倍なつみ」をぴょんぴょんと飛び跳ねパフォーマンスし、そのまま連続で歌う「ロッタラロッタラ/Buono!」でも、呼吸の乱れぬ安定したクオリティ。迷いや油断のない歌がマイクに乗って伝わってくる、声が耳まで失速せずに届くのだ。つづく「パン屋さんのアルバイト/スマイレージ」や「胸騒ぎスカーレット/Berryz工房」でも、緊張しぃのちぃちゃんは何処へやら、ニュアンスをていねいにくみ取って、歌い方、アクセントのつけ方など、しっかり自分のアウトプットに反映している。ラストは「奇跡の香りダンス。/松浦亜弥」でファンを大いに盛り上げた。「自分で考えた、けどももち先輩にアドバイスはもらった」という5曲からなるキラーチューン目白押しのセットリストを溌剌とパフォーマンスした。
元気にうごくちぃちゃんのダンスにすこしだけ遅れて揺れるポニーテールに見守られるようにして、初めて迎えるファンとのバースデーを、最高のパフォーマンスで締めくくった。
セットリスト
恋のテレフォンGOAL/安倍なつみ
ロッタラロッタラ/Buono!
パン屋さんのアルバイト/スマイレージ
胸騒ぎスカーレット/Berryz工房
奇跡の香りダンス。/松浦亜弥
プレゼントゲットなるか!?
エンディングではちぃちゃんが大好きだという高級メロンゼリーをかけて、バルーン古今東西ゲームで啓太さんと争うことに。古今東西ゲームの解答者は、膨らみ続けるバルーンを手にもち、解答中にバルーンが爆発したらが負け、というルールで、テーマは“ハロプロの楽曲”である。結果は、ちぃちゃんが2回目に「ロッタラロッタラ!」と解答した直後にバルーンが爆発したが、これが啓太さんがズルしてバルーン受け取らなかった、と見なされ、ちぃちゃんの勝利となった。
ゲームが終わると、啓太さんが一足先に退場。ちぃちゃんはひとりステージに残り「これからも応援よろしくお願いします。」と最後に挨拶した。深々とおじぎをして、スッと背筋の伸びた姿勢に直るちぃちゃんはしっかりしているという印象以外の何物でもない。どうやら、今回のイベントでホントは頼れるちいちゃんの一面知ることができた私たちファンは「もう、あなたってなんにもわかってない!」とおへそを曲げられてしまわずに済みそうだ。
最後に
イベントを振り返りつつレポートを書きましたが、笑っている時間の長い、とっても楽しいイベントでした。ニヤニヤするときもありますが、ニヤニヤしてたんではなく、たぶん声を出して笑ってたんです。モノマネやら、早口言葉やら、先輩・同期・後輩へのぶっちゃけやらで、同じ時間を過ごして、まるでちぃちゃんが一緒に遊んでくれたような感覚です。またちぃちゃんに遊んで欲しいなと、そう思っています。
話題は変わりますが、セットリストについて。今回の森戸ちゃんの「奇跡の香りダンス。/松浦亜弥」もそうですが、松浦さんの楽曲には歌って踊れる者のみが、どっちも不自由なくできる者のみが、使うことのできる魔法のようなパワーがあるような気がします。その魔法は、イベントの盛り上がりをもう一つ上の場所へと引き上げてくれるような強力な魔法です。なっきぃ、森戸ちゃん、かりんちゃんのバースデーイベントでも松浦さんの楽曲は歌われましたね。これだけ人気なのも納得です。
Sorry, the comment form is closed at this time.