【ライブレポ】ひなフェス2016 アンジュルム+こぶしプレミアム/℃-uteプレミアム in パシフィコ横浜 2016/3/20 ~こぶしファクトリーが呼び戻した『一丁目ロック!』~

はじめに 『一丁目ロック!』再演!

ハロプロ最高!としか言いようのない2日間の「ひなフェス2016」を終えて、これから自分の語彙力を振り絞ってハロプロへの力一杯の賛辞を綴ろうとしている投稿者ですが、「まーた、すばらしかった一辺倒かよ」と、すでに呆れ始めている方も多かろうと推測されるところにつき、しっかり感想を述べ始める前に、大変に重要な点だけを最初に述べておきます。

こぶしファクトリーによって『一丁目ロック!』がハロプロのステージに呼び戻されました

これは、こぶしファクトリーが Berryz工房の『一丁目ロック!』をカバーした、というだけの話ではありません。
こぶしファクトリーの『一丁目ロック!』のパフォーマンスにともない、「いっちょめの路地ぬけ」からの会場全体を揺るがす「うぉううぉううぉー!」が、『一丁目ロック!』を『一丁目ロック!』たらしめる、あの客席からのヲタの大コールが、パシフィコに響き渡ったのでした
「うぉううぉううぉー!」の大コールを受けている こぶしファクトリーは、先輩の楽曲を借りているという感じは微塵もなく、『一丁目ロック!』を、あたかも持ち歌として披露するかのように、何一つ衒ったり恥じたりする様子もなく、楽しげで、あまりにも堂々としたパフォーマンスでした。

投稿者は、ただただ楽しむだけのつもりでいた「ひなフェス」で、この こぶしファクトリーによる『一丁目ロック!』の披露に、思わず大泣きしてしまうことになります。ほんとうに申し訳ない。自分でもびっくりしています。
それは、多くの方が想像するように、こぶしファクトリーによって Berryz工房の楽曲が奏でられたことによる「思いだし」効果だったり、ハロプロの「受け継がれていく」感に直撃されたことによるものではありませんそうではなく、あまりにも堂々と、先輩の楽曲を、その先輩のパフォーマンスに勝るとも劣らぬレベルで、客席を当たり前のように巻き込みながらパフォーマンスした、当の こぶしファクトリーそのものに感動してのことです。

すばらしかった。
上述の意味で、確かに、まさしく、Berryz工房は継承されています
Berryz工房を こぶし が継承したというよりも、むしろ、こぶしの中に Berryz が蘇ったというか、ほんま表現が難しくて誤解されがちなところですが、ほんとに自分で気がつく前に泣けてました。

大事なことなので繰り返します。こぶしファクトリーによって『一丁目ロック!』が、客席からの大コールを蘇らせて、ハロプロのステージに呼び戻されました。

*****

はい。今般の「ひなフェス2016」、まさに、ハロプロ最高!としか言いようのない2日間でした。
あと、どこまで賛同を得られるかわからないけど、こぶしの小川麗奈さんって、自由にポンコツなところ、モーニングの6期メンバーの亀井絵里さんにどことなく雰囲気が似てません?

ひなフェス in パシフィコ横浜
アンジュルム+こぶしプレミアム/℃-uteプレミアム

2016年3月19日、20日の2日間にわたって、パシフィコ横浜で、ハロプロ総出演でお送りする春のお祭り「ひなフェス2016」が開催されました。

19日は「モーニング娘。プレミアム」「Juice=Juice+カントリー・ガールズ プレミアム」の2公演、20日は「アンジュルム+こぶしファクトリー プレミアム」「℃-ute プレミアム」の2公演で。

こちらの20日の2公演に参加してきたので、「ハロプロ最高!」としか言いようのないその模様をレポートさせてください。
なぜ、20日のみのレポであるのか、それは「SATOYAMAイベント」という、あっ!何をするやめろ!ここは くぇrt…

公演の概要とステージなど

なんだか上で騒ぎがあったようですが、ぞれぞれの公演の構成フォーマットは、こんな感じ(セトリは記事末に)。

  • 序盤:各グループが順番に登場して2曲ずつくらい楽曲を披露
  • 折り返し:こぶしファクトリーによる『桜ナイトフィーバー』にともなって全メンバーがステージに登場
  • ランダム抽選によるその公演限りのソロとユニットが登場
  • 後半戦の前半:プレミアム指定グループの楽曲を、それ以外のグループがカバー
  • 後半戦の後半:プレミアム指定グループの全力

ステージは公式サイトのステージ概要にもあるように、正面ステージから、左右とセンターに大きく張り出した3つのサブステージを展開する形。投稿者は、アンジュルム+こぶしプレミアムでは、センターのサブステージ直近、℃-ute プレミアムでは、下手のサブステージ直近という、比較的良い席次だったのですが、パシフィコは床がフラットということもあって、大きく張り出したサブステージであってすら、遠い位置から遠望するにはかなり難しい位置関係だったかな、と。

現場の圧倒的な高揚感 総出演のお祭り(その1)

さて、そうしたステージ配置に、微妙に不満を漏らしながらも、やっぱりハロプロ総出演という圧倒的なステージの圧力には、毎度、ほとほと脱帽です。

夏冬のハロコンも含め、こうした「ハロプロ総出演」的なライブについては、自身の「推し」が固まっているファンにとって、お目当てのグループの出演時間が相対的に少なく、個々のグループの単独のライブに比べて魅力が薄いとの意見も根強いところです。でも、未経験だったなら、どうか一回で良いから、現場に足を運んでみてください。ものすごい祝祭感と、とんでもない高揚感ですから!

レポから外れるかもしれませんが、投稿者も在宅時代は、ハロコンなんかをDVDなどで鑑賞しながら「グループの入れ替えがゴチャつく」とか「盛り上がりが中途半端。やっぱり流れが阻害される」とか思ってました。すいません。
実は、現場を体験するようになった今でも、後日発売されるライブ映像商品がたとえブルーレイであってすら、液晶に閉じ込められたデジタルデータで鑑賞する限り、楽曲のつなぎ目だったりグループの入れ替えのタイミングで、やっぱりテンションが下がるよね、とか思っちゃいます。グループ単独のライブであってもそうなら、ハロコンやカウコンあたりは顕著に。
ええ、ライブ映像をDVDやブルーレイで見ている限り。

これがね、DVDやブルーレイで見てると、そう思っちゃうようなテンションの途切れだったり流れの阻害って部分、リアルの現場だと、全然そんなことがなくって、ほんとうにライブ終演後に自分が疲労困憊していたことにようやく気づくような(私はフリコピとかしないのに)、ほんとうに、ものすごい祝祭感と、とんでもない高揚感なんですよ。これは自分でも不思議です。
是非とも一度、現場に足を運んでみてください。

すばらしすぎる個々のパフォーマンス 総出演のお祭り(その2)

そんな祝祭感と高揚感に包まれた最高のライブについて、逐一述べていっては、いつまで経っても終わらないので、断腸の思いながら、投稿者が個人的に強い印象を受けたところのみを以下に(それでなくとも、いつも「長いわ!」と叱られるので)。

それでも、「投稿者が個人的に強い印象を受けたところのみ」ではあっても、それぞれのグループごとに、順番に語ってしまうのは避けられないところです。こうしたレポにあたっては、とりわけ一定の分量のテキストとして提示する場合は特に、伝えたい部分を選別し、構成を塩梅し、ときに大胆に言いたいことを切り捨てて、「選択と集中」に徹するべきだと、わかってはいるのです。ずらずらと抑揚なく全部同じ粒度で述べているようなものは、結局、何も言っていないに等しいと。
だから、あらかじめ声を大にして述べておきたい。
こ、これでも削りに削った結果なんですよ、と。

どうしたって、どのグループにも見所があって、ほんとうにすばらしいパフォーマンスです。今、「どのグループにも見所があ」ると書きましたが、これはマズい書き方ですよね。「見所」だなんて、上から目線で、外から客観的に評価しているようなニュアンスは、実態とかけ離れていること甚だしいわけで。
より正確には、どのグループも、どのメンバーも、どの楽曲も、どうしたって観る者の心を揺さぶりザワつかせ、情緒を掻き立て、気持ちを惹きつけずには置かぬというところであって、ほんとうに「ハロプロ最高!」としか言いようがないのでした。
申し訳ない。

アンジュルム 圧巻の『ドンデンガエシと中西香菜さんの美しさ

アンジュルムは、上手下手の張り出したサブステージに分かれて披露する『ドンテンガエシ』が圧巻でした。下手の竹内朱莉さんの煽りも、それを受けて上手の和田彩花さんの煽りも。
元からメンバーが左右に分かれて、さながらストリートギャングのようなバトルを繰り広げるかのようなフリであったわけですが、ついにステージ全体に分かれてバトルです。

個人的に、『大器晩成』も『臥薪嘗胆』も、昨今のアンジュルムの楽曲の “盛り上がりっぷり” には魅せられているのですが、どれか一つを挙げるなら、この『ドンテンガエシ』に止めを刺すかと。
さらには、いくつか(他のグループによるカバーも含めて)演じられたスマイレージ時代の楽曲のキラーチューン化が甚だしく、まさしく「圧巻の」「大逆転劇」です

また、アンジュルムについては、キッズ時代の矢島舞美ちゃんに似ているから将来ものすごい美人になるに違いないと評判の、新メンバーの上國料萌衣さん、今般の「ひなフェス」の映像が中継されるに伴い、逸材であると注目を集めているやにも見受けられます。
まったく賛成である一方、投稿者は中西香菜さんが、めっちゃ美人になっていることから目を離せない次第。加入当初の謎のはっちゃけが、年齢を重ねるにつれて落ち着いていく一方で、当初の「はっちゃけ」を引きずる自虐気味なテイストが、元来の語彙の豊富さとも組み合わさって、いい感じのキャラを作ってきたと観測していたところでしたが、なんだか気がついてみれば、かななん、めっちゃ美人です。し、しまった!

モーニング娘。’16 言い表せずに悔しいレベルの 石田亜佑美

モーニングは『HOW DO YOU LIKE JAPAN ~日本はどんな感じでっか?~』の披露にあたって、ステージ全体に広く展開します。たとえば正面ステージに横一列に展開するとか、このステージ全体に広く展開するといった形が、やはり人数の多さも手伝って、非常に上がります。カッコイイっす。
で、メンバーたちが、広く左右に展開する中、たった一人センターステージに居残って、ラップ(?)部分というか煽り部分を大迫力でガナるのが、石田亜佑美さん。

これ、最初っから文章に尽くす努力を放棄しちゃうのはアレだなと思うものの、ものすごいです。「迫力のパフォーマンス」って、こういうことだったのか、と。
テキストで事態を描写するにあたって、クリシェ化している定型文というかお決まりの形容詞ってあるじゃないですか。で、定型でお決まりであるからには、実感が伴っていなくても、ほんとうに腑に落ちて理解できていなくとも、それなりに「そんなもん」として受け止めて流してしまいがちですけど、いざ、その内実を目の当たりにして、自分の中から、そうした「定形」の言葉しか出てこない悔しさといったら!
メンバーたちを背後に背負っての大迫力の『HOW DO YOU LIKE JAPAN』の石田亜佑美、これはデジタルデータの映像商品では数%ほどしか再現されないとしても、それでも、是非、その目でご確認せられんことを。あゆみん、すごかった。
ってか、去年の武道館からこっち、石田さんの迫力は昂進し続ける一方で、逆に心配なレベルです。

【モーニング補遺】
℃-uteプレミアム公演で、モーニングの大ファンとしても知られる松岡茉優さんが、一夜限りのモーニング娘。として、メンバーと並んで『One・Two・Three』を披露したことは、芸能ニュースにも取り上げられていましたね。
松岡さん、可愛かったし、メンバーに見劣りしないレベルでダンスするほど、このためだけに懸命にレッスンに励んだだろうことも伺えるし、やり切った後の最高の笑顔など、とても嬉しいサプライズとなりました。朝ドラ女優でもある波瑠さんと共演した映画『絶叫学級』において、厳しい立場に追い込まれてた主人公への気遣いがサクっと無視されて、その自分の好意が無視されたことに戸惑いながら、私はそんなこと気にしてないよという風を粧う表情のお芝居がすばらしくて、そうでなくとも注目していた女優さんだったわけですが、こうした若く美しく才能のある表現者がハロプロを愛してくれることは嬉しいことですね。
…だけど…その松岡さんの登場に先立ってMCに立った譜久村聖さんと石田さんがね、「みなさんも良くご存知の、あの方が~」みたいに煽るもんだから、投稿者は個人的に、ついに “あの人” が復活するのかと身構えてしまって、せっかくのサプライズが、きちんと響かなかったという次第。「あの人の復活」かと思って、その瞬間に食いしばった奥歯が今でも若干痛いくらい、身構えちゃいましたよ。はっはっは。

他にも、左右に張り出したサブステージのスロープを使って(たぶんアドリブで)見事に客席を煽る工藤遥さん、いつの間にかパフォーマンスに「妖艶さ」を醸し始めた飯窪春菜さん、これまでは、その全面開花を内心の恥じらいが妨げてきた美少女化について、どうやら自分に解禁したらしき生田衣梨奈さん、激しいパフォーマンスの合間に、ところどころ、おそらくは無意識に、軽やかな表情を見せてくれる佐藤優樹さん、そして、センターのサブステージから客席を見下ろす目線に、いけない意味での「女王様」風の威厳を漂わせ始めた小田さくらさんなど、モーニング娘。の進化は、そろそろ「まだ先があるんかい!」と言いたくなるほど。

最新のハロプロ全体のDマガ(Vol.49)では、お弁当つくり企画にあたって、ドジっ子なポンコツ要素を全面展開しながらもツッコミ役に踏みとどまるという、前人未到のキャラ設定に挑んでいる飯窪さんの挑戦からも目が離せないところですね。

全体が描く「ハロプロ」という大きな枠組み

いや「削ったんですよ」と言い訳しながら、それでも全グループについて、それなりにコメントするつもりだったこのレポですが、この調子で続けては、さすがに誰も読んでくれないかもしれないので、心から申し訳ないけど、駆け足を速めつつ以下。

涼やかに透明な つばきファクトリー

つばきファクトリーの歌唱の透明感は異常です。
メンバーたちの歌唱を介して、存在しない故郷への郷愁が掻き立てられるような。そんなものはなかったハズの、懐かしいあの頃が思い出されるような。
ピーベリーの『キャベツ白書~春編~』を、大切に歌い継ぐと宣言した つばきファクトリーですが、もちろんオリジナルの新曲は待望しつつも、いっそのこと、しっとりとした美しい音色の過去の楽曲のカバーに徹しても、つばきファクトリーならば十二分に絵になるのではないか。そのくらい、そこに存在しているのに、なんだかスーっと消えてしまうような儚さと透明感を示しています。つばきファクトリー、まことに涼やかに透明です。
メンバーの誰それが「美人」だというのではなくて(美人だけども)、つばきファクトリーそれ自体が美しい

劇団ももち化の作用と反作用 カントリー・ガールズ

左右に張り出したサブステージを十全に利用して、自己PRだったりメンバーから見たお互いのイメージだったりを(「あざとい、まなかん」「デコまゆ、やなみん」「梨沙ちゃん、お嬢」「小関、モデル」とか)標語風にサブリミナルな感じで繰り返すカントリー・ガールズは、ついに新メンバーの末端まで劇団ももち化が進行したみたいです。手遅れです。
しかるに、メンバーの劇団ももち化が甚だしい一方で、そうなればなるほど、当の嗣永桃子さんが、王道アイドル路線に回帰しつつあるという、この逆説。センターステージに整列したときの横顔が、とても端整で可愛らしいのは、知ってましたけど、改めて驚きます。
そして、どうしても削除できないのが、森戸知沙希さん。あんなに「ちっちゃい」森戸ちゃんだったのに、わずかな間に、びっくりするほど、手足が長くバランスよく成長しています。パフォーマンスにも落ち着きが出ているようにも思え、ももち先輩のフリがなくとも、進んで笑いを取りにいく場面すら。重ねて、びっくりです。

ボーカリストたち Juice=Juice

つばきファクトリーの歌唱が涼やかで透明ならば、迫力の斉唱から伸びやかな高音部だったり心地良い声質まで、ボーカリストとして誰の目にも成長著しいのが Juice=Juice
植村あかりさんの、あの天然自由なおふざけの際の可愛らしい声質が、そのまんま迫力のボーカルに乗るだなんて、耳が喜ぶ嬉しい体験です。
ドラマ『武道館』で見せてくれる堂垣内碧さんとしてのクールさも併せ、どうも植村さんも、卓越した表現者特有の憑依体質なんじゃないかと。
そして、迫力のボーカルといえば高木紗友希さんですが、「ど、どうしちゃったの?」といった、見方によっては失礼な感想を持たずにはおれぬほど、急速に美少女化が進んでいます。いや、高木紗友希さん、めっちゃ可愛くて、ビビります。

ハロプロの堂々とした一角 こぶしファクトリー

そして、冒頭でも、最も大事なこととして言及したように、『一丁目ロック!』を自家薬籠中のものとして示してみせた こぶしファクトリーは、まさしく明日を担う未来の希望として、堂々とステージをつとめています。先に公開いただいた つばきファクトリー握手会レポでも明記したように、投稿者はすっかり「つばき推し」なんですが、それでも昨今の こぶしファクトリーの押し出しには驚嘆させられますよね。
冒頭でも述べたように、小川麗奈さんは、モーニングの亀井さんに似てると思ってしまいました。その自由さやポンコツっぷりだけでなく、自由でポンコツなのに、クールビューティーな上にパフォーマンスに釘付けとなるところも、なんだか、あの「えりりん」を思い出します。その雰囲気が、そっくりだと。
里山日帰り旅のDVDで、ほんとうにマジでハロプロの歴史を変えた(ネタバレなので詳述せず)藤井梨央さんも、どんどん美しくなる(← ほんまですよ!)田口夏実さんも、それから将来的には菅谷梨沙子さんにも匹敵し得る(← そう思いませんか)井上玲音さんのボーカルも、こぶしファクトリーの、若いユニットながら歴史と伝統のあるハロプロの一翼を立派に担い切ってる様は、目頭を熱くさせずにはいられないところ。

どこから、どう見られようとも、私たちは大丈夫

こうした、個別に魅力的すぎるグループが、それぞれに入れ替わり登場しては、瞬く間に客席を魅了していく、その展開のスピード感と高揚感ったら、ありません。
そして、今般の「ひなフェス」では、それぞれの公演でプレミアム指定されたグループの楽曲を他のグループがカバーするという趣向が取り入れられています。これが、また、過密なスケジュールだろうから練習時間の捻出には苦労があったと推察されるだけではなく、だって4回公演のそれぞれでプレミアム指定されているグループがバラバラなんですから、公演ごとに自分たちがカバーする楽曲も全部異なるわけで、それであのパフォーマンスかと思うと、後からじんわりと震えが来るレベルです。一方で SATOYAMA のイベントに出演したり、物販に降臨したりしてるから、「ひなフェス」当日は、実はリハーサルすら難しいはずなんですよね。すげえわ、ハロプロって。
これは、オリジナルのグループが演じるパフォーマンスに “勝るとも劣らない” といった点で、そのすばらしさを賞賛するのでは足りないのであって、“勝るとも劣らない” どころか、ちゃんと自分たちっぽく(オリジナルのグループとは人数も違うから)しっかり自分たちの「味」を乗せて、ユニークな演目として、自らのものとして、きっちりパフォーマンスしている点が重要です。
それは、遥かに偉大な大先輩たちの楽曲をカバーする際も同様で、先輩たちの楽曲に「胸を借りる」のではなく、あくまで自らの演目として。
この2日間の「ひなフェス」だけで終わってはもったいない。そう思えるくらいのステージでした。

先輩たちが戦い取って守ってきたステージを、後輩たちが引き継ぐ。後輩たちが引き継いでくれるから、ステージを降りた先輩たちも、常にそこに居る。…こうした「受け継がれていく」といったテイストは、もちろんハロプロの醍醐味でもあるわけですが、そういう昨日と明日をつなぐ時間軸の流れに仮託される「物語」以上に、それよりもずっと、どのグループが、どのメンバーが、どんな楽曲をやろうとも、自分たちの味をちゃんと乗せて、いかようにでもパフォーマンスして見せるという、そのステージの上の実力こそ、そしてその「実力」が、どのグループであっても、しっかり備わっているということこそ、これこそ個々のグループ単独ではなく、総出演でお送りする総花的なお祭りでこそ明らかになるハロプロの醍醐味です。
これぞハロプロ、とでも言うべきかと。

℃-ute という奇跡の5人

「ひなフェス」のレポなのに、2015年~2016年のカウントダウンライブの話を先にさせてください。
カウントダウンライブは、一部、二部を通して参加すると、実質8時間近い長丁場のライブです。参加したファンたちは、物販を含めると、年越しのカウントダウンライブ参加にあたって、少なくとも 12時間以上もの長時間を、あちこち歩き続け、立ち続けたその状態で、ライブに参加しているということになります。だから、カウントダウンライブの後半になると、もうヘロヘロで疲れ切っている…と、そうなるはずなんですけども。
しかし、カウントダウンライブ第二部を締める℃-ute のステージは圧巻で、12時間以上にわたって立ち続けて疲れ切っているはずのファンたちは、大盛り上がりのまま2016年を迎えました(含む投稿者)。

今般の「ひなフェス」も、少なくとも投稿者に関する限り、SATOYAMAイベントの優先観覧エリアの入場券だったり、物販だったり、つばきファクトリーとの握手券だったりをスムーズに入手るするため、2日間にわたって始発で出動しており、夜公演のライブが終わる頃は、16時間近い活動時間となっているわけです。途中、イベントの合間は、ゆっくり座って休んでいようと思っていたものの、あちこちに降臨するメンバーや、SATOYAMAイベントのメインステージに登場するOGたちに興奮は覚めることなく、「だから、疲れるから座ってろって」と脳内で響く声に抗って、足が休まることはありませんでした。ってか、ぶっちゃけ、昼飯も喰わないでうろちょろしてたり(投稿者の場合)。
そんな次第ですから、2日目の夜公演である ℃-ute プレミアムの段階では疲労困憊…のはずなんですけれども。
にもかかわらず、℃-ute が登場するや、テンションの上がること上がること!
『Kiss me 愛してる』『Danceでバコーン!』『JUMP』の鉄板であることといったら!

今の ℃-ute のステージを形容する言葉を投稿者は持ちません。凄まじすぎる。
上に、それでも強く印象に残ったことだけに限定して、ハロプロのすばらしさについて、℃-ute から見て後輩たちにあたるメンバーのあれこれについて賞賛してきましたけれど、それらを一切寄せ付けず、物理的な圧力すら感じる℃-ute の存在感です。
2014年のベリキュー合同武道館公演で、Berryz工房の『WANT』をカバーしたときもそうだったように、アンジュルムの楽曲をカバーするにあたって、若干、フリが微妙に怪しいメンバーがいたりもしたけれど(誰でしょう?)、立ち位置の展開にニコやかに遅れるメンバーがいたりもしたけれど(さて誰でしょう?)、カントリー・ガールズを「カントリー娘」とか呼ぶという、ももち先輩にきっと楽屋で叱られたであろう謎の言い間違いなんかもあったりしたけど(さてさて誰でしょう?)、そうした細部の瑕疵すらご愛嬌の、王者の横綱相撲です。すごかったですわ。

矢島舞美さん、汗の量がものすごく、センターと左右に3面で抜かれるスクリーンでの姿は、もう黄金の仮面か何かと見紛わんばかりにキラッキラどころかピッカピカです。
でも、ステージの上の、汗まみれの舞美ちゃんのニッコニコな笑顔は、オルドバイ峡谷以来、この種族のDNAが顕現させた最高の笑顔であって、パシフィコ全体を笑顔にさせます。ってか、全力で、無理矢理にでも「笑顔」の方に持っていかれるというか。
映像の中の舞美ちゃんも、紙上の舞美ちゃんも、いや、どころか握手の距離の舞美ちゃんも、輝かしいばかりの笑顔が強烈な印象を残しますが、ステージ上でパフォーマンスしながらの舞美ちゃんの笑顔は、汗でキラッキラである以上に、ほとんど神秘的なレベルの美しさです。

中島早貴さんの涙が出そうな愛らしさも、舞ちゃんの妖艶さも、愛理さんの炸裂するアイドル性も、岡井さんの大人びた風格も、そしてパシフィコのCD販促での℃-ute 握手会の模様も、語りたいことは、それこそ山のようにあるわけですが、すでに十分すぎるほど長文になっているので「今現在の ℃-ute の5人を形容する言葉が見つからない」という定型句で逃げることにします。
ただ、ラストの『桜チラリ』は、ハロプロ全メンバーを従えてのそのデビュー曲は、歴史に刻むべき名曲に相応しい最高の舞台でした。

*****

ハロプロ総出演のお祭りライブは、ハロコンも含め、自分の「推し」の出番が少なくて、自分にとって魅力が薄いと敬遠するファンも多いところかと思います。ですが、上に延々述べてきたように、むしろ総出演であるからこそ明瞭に際立つそれぞれの魅力もあるよと、最後に繰り返し力説して、すばらしすぎたライブのレポを締めます。

今般の SATOYAMA イベントで感じた「アップフロントの本気」だったり、握手会での℃-ute の様子などは、後日投稿予定のイベント全般のレポに譲るってことで。
毎度、焦点の定まらぬ長文で、ごめんなさい。

(文=kogonil)

【3月20日 アンジュルム+こぶしファクトリー プレミアム セットリスト】
1.チョット愚直に!猪突猛進:こぶしファクトリー
2.愛の弾丸(オリジナル:Berryz工房):こぶしファクトリー
3.次々続々:アンジュルム
4.ドンデンガエシ:アンジュルム
5.おへその国からこんにちは:ハロプロ研修生
6.キャベツ白書~春編~(オリジナル:ピーベリー):ばきファクトリー
7.気高く咲き誇れ!:つばきファクトリー
8.恋泥棒:カントリー・ガールズ
9.ランラルン~あなたに夢中~:カントリー・ガールズ
10.大人の事情:NEXT YOU
11.Next is you!:NEXT YOU
12.Tokyoという片隅:モーニング娘。’16
13.HOW DO YOU LIKE JAPAN ~日本はどんな感じでっか?~:モーニング娘。’16
14.人生はSTEP!:℃-ute
15.The Middle Management~女性中間管理職~:℃-ute
16.桜ナイトフィーバー:こぶしファクトリー + 全メンバーによるバックダンス
17.桜→入学式(オリジナル:Berryz工房):ソロ 小川麗奈
18.会えない長い日曜日(オリジナル:藤本美貴):当日限定ユニット つぼみファクトリー
19.ドスコイ!ケンキョにダイタン(オリジナル:こぶし):Juice=Juice
20.ラーメン大好き小泉さんの唄(オリジナル:こぶし):モーニング娘。’16
21.押忍!こぶし魂:こぶしファクトリー
22.恋の呪縛(オリジナル:Berryz工房):こぶしファクトリー
23.一丁目ロック!(オリジナル:Berryz工房):こぶしファクトリー
24.スキちゃん(オリジナル:スマイレージ):カントリー・ガールズ+つばきファクトリー
25.七転び八起き(オリジナル:アンジュルム):℃-ute
26.恋ならとっくに始まってる:アンジュルム
27.臥薪嘗胆:アンジュルム
28.出すぎた杭は打たれない:アンジュルム
29.私、ちょいとカワイイ裏番長(オリジナル:スマイレージ):アンジュルム
30.念には念(念入りVer.)大器晩成:全員
【3月20日 ℃-ute プレミアム セットリスト】
1.人生はSTEP!:℃-ute
2.The Middle Management~女性中間管理職~:℃-ute
3.嵐を起こすんだ Exciting Fight!:℃-ute
4.おへその国からこんにちは:ハロプロ研修生
5.キャベツ白書~春編~(オリジナル:ピーベリー):ばきファクトリー
6.気高く咲き誇れ!:つばきファクトリー
7.Tokyoという片隅:モーニング娘。’16
8.HOW DO YOU LIKE JAPAN ~日本はどんな感じでっか?~:モーニング娘。’16
9.恋泥棒:カントリー・ガールズ
10.ランラルン~あなたに夢中~:カントリー・ガールズ
11.大人の事情:NEXT YOU
12.Next is you!:NEXT YOU
13.次々続々:アンジュルム
14.ドンデンガエシ:アンジュルム
15.One・Two・Three:モーニング娘。’16 + 一夜限りの松岡茉優
16.チョット愚直に!猪突猛進:こぶしファクトリー
17.桜ナイトフィーバー:こぶしファクトリー + 全メンバーによるバックダンス
18.Take off is now!(オリジナル:モーニング):ソロ 和田彩花
19.BE ALL RIGHT!(オリジナル:11WATER):当日限定ユニット 6パック
20.即 抱きしめて(オリジナル:℃-ute):こぶしファクトリー+つばきファクトリー
21.都会っ子 純情(オリジナル:℃-ute):こJuice=Juice+カントリー・ガールズ
22.Bye Bye Bye!(オリジナル:℃-ute):アンジュルム
23.THE FUTURE(オリジナル:℃-ute):モーニング娘。’16
24.情熱エクスタシー:℃-ute
25.Kiss me 愛してる:℃-ute
26.ひとり占めしたかっただけなのに:℃-ute
27.Danceでバコーン!:℃-ute
28.JUMP:℃-ute
29.桜チラリ:全員

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