はじめに ずっと “えりぽん” でいる、最後の9期メンバー
なんでこんなことになってるんだろうと、ちょっと我に返ってみたりして。
わたくし、道重さゆみさんを好きになっただけだったのに、アサヤンでの合宿審査で「マラソンって何キロ走るんですかあ?」って下から見上げるような視線でカメラに問いかけていた道重さんが可愛くて、それで注目するようになっただけだったのに。
なんで、こんなことになってるんだろうなと思います。
その頃のメンバーは、もう、誰一人として在籍していないのに。道重さんすら、この夏で引退する(参考→「道重さゆみが(ひょっとしたら)ファンに与えてくれた最後の福音について」)って言ってるのに。
道重さんより、ずっと後輩で、加入当初ファンクラブイベントで、道重さんに激しめにイジられたことで、つい泣いちゃったりもした(そして、そのことを反省してもいると後日告白していた)9期メンバーの卒業のステージを見て、気がついたら、その明るい笑顔での卒業の言葉に、うっかりわたくし、涙を流してしまっています。
なんで、こんなことになってるんだろうな、と。
道重さんが在籍していたころは、研修生ですらなかったような若いメンバーたちが、道重さん時代以前のグループの楽曲を歌ってステージで躍動しているところを見て、やっぱり心が激しく揺さぶられています。
繰り返し、なんで、こんなことになったんだと思いますが、もちろん、なに一つ後悔しているわけではありませんけどね。
そう、道重さんに魅せられてハロプロに注目するようになって… そして2010年から2011年頃は、モーニング娘。の人数もすっかり初期の頃の5人にもなって、その他のグループも含めて、なんだかハロプロ全体が停滞したような感じもありました(まだ℃-uteが大きく躍進する直前くらいだったしね)。このまま、それなりの期間、活動して、多くの芸能人の履歴と同様、静かに幕が下りていくのかな… とも思わないではない頃、実に(当時としては)久しぶりとなった新メンバーの加入がありました。そう、9期メンバーです。
そんなハロプロ全体に新しい風を呼び込んでくれた9期メンバー、したがって、今に至るハロー!プロジェクトのすべてが産み出される、その契機ともなった9期メンバーが、あの『ブス哲』メンバーが、ついに最後の最後に卒業していきます。
しかし、その最後となった9期メンバーは、ステージの上では一切涙を見せることなく、その称号である “鉄人” に相応しく、笑顔でハロプロから卒業していきました。
なんでこんなことになってるんだろうと、やっぱり思います。
2025年7月8日の火曜日、九段下の日本武道館で、『モーニング娘。’25 コンサートツアー春 Mighty Magic DX~生田衣梨奈を見送って~』とするコンサートを以って、最後の9期メンバー生田衣梨奈さんは、ハロプロを卒業しました。

生田さんがおっしゃるには、この日のステージのコンセプトはお城なんだとか(なんとなく、2015年の Berryzラスト武道館と雰囲気が似てるなって思ってたんだよね♪)。そんなステージに、アンコールの呼び声を受けてセレモニーに降り立つ生田さんは、本人曰く「ギッラギラ」の白のドレスのプリンセス。
最期に、ちゃんと “魔法をかけて” 消えていった生田さん、ギッラギラのドレスは、ほんとに美しかったですよね。
生田さん、リーダーを譜久村さんから引き継いだころから、なんだか、それまでに増して美女化が激しかったことは衆目の一致するところかと(”譜久村さんから引き継いだころ” については、後述)。
そんな生田さんは、セレモニーではお手紙を読むでなく、その場でアドリブで話しているかのように、卒業の辞を述べます。急いで現場でメモした限りで、こんな感じ(↓)
>14年半続けてきました >ひとつ夢を叶えてもらって良い?みんなで Happy Birthday を >つんく♂さんからたくさん楽曲をもらって、みんなに伝えてきました >これからは私一人の力でみなさんに >これからも「えりぽん」で居続けます >お仕事お待ちしてます♪ |
これからも、ずっと “えりぽん” でいるから、お仕事ください!って。
なんか、ほんとに、明るく元気な分だけ、響きますよね。
道重さんのイジりで泣いてしまったことを後日反省していると述べた生田さんです。同じように、どこかでインタビューに答えて述べていたところでは、”アイドルをやっていてファンに対して斜に構えた態度でいることがカッコイイと勘違いしていた時期もあった” とも述べています。実際、わたくし、道重さんがすっかり卒業してしまってからも、モーニング娘。の握手会なんかに出向いて、当時の “お姉さん組” のメンバーと握手してもらった際には、譜久村さんからも、石田さんからも、飯窪さんからも、嬉しい笑顔をもらって帰って来たんですけど、生田さんは笑ってくれなかったことを覚えていたりします。
そんな生田さん、卒業にあたって「ずっと “えりぽん” でいるから」って!
… と、生田衣梨奈さんについては、後ほど再度、戻るとして、今般の武道館で印象的だったところを軽く点描させてください。
不在だった?北川莉央
残念なアクシデントから、今般の武道館を欠席することになった15期メンバー北川莉央さん(参考)について、生田さんは、自分の卒業を笑顔で見送って欲しいと表明していました。結果的に、その生田さんの希望は叶わなかった… かのようにも思うんですが…
オープニングの非常に多幸感あふれるメンバー紹介VTR、しっかり北川さんも登場しており、各メンバーの紹介部分でそれなりに沸く会場の歓声が、北川さんのところでのみ、やや大きかったようだったのは、誤解ではないと思いたいところ。
そして、ライブのエンディング、メンバーが一列に整列して、自分の名前を述べながら客席にお辞儀していく(ステージを降りる前の)一連の定型パターンのところで、不在だった北川さんの名前は、この日、卒業していく生田さんが代わりに、はっきりと「きたがわりお!」って。北川さんの代わりに、生田さんが、北川さんの名前を。
先日、北川さんの秋ごろの復帰が発表された際(参考)には、ファンの間では、いろんな意見が出ましたよね。実際、批判的な意味で釈然としないものが残るという意見には、確かに頷けるところがあると思います。けれど、この(北川さんが参加できなかった)武道館での顛末を経て、もちろん、当の北川さんのメンタル的なところでは外から推し量れない部分があるのは言うまでもないとして、一部のファンの “釈然としない想い” は、かなりの程度、沈静化するんじゃないかな、と。
辞めないでほしい 小田さくら
先日発表されたというなら、2026年での卒業がアナウンスされた(参考)のは、11期メンバーの小田さくらさん。実際、メンバーとしての在籍期間的にも、また本人の意向としても、また9期、10期のメンバーたちが卒業していった経緯としても、そして12期以降の後輩たちが大きく育っていることからも、小田ちゃんの卒業は納得… というか、やむを得ない… ところかとも思うんですが…
が、今般の武道館を観て思うのは、やっぱり小田ちゃんには辞めて欲しくないということ。
ビジュアルも、一時期の美しいお姉さん系強めなところから、急に “可愛さ” が増してるし、やっぱり、どうしたって(後輩たちも育ってきているとはいえ… とりわけ山﨑愛生ちゃんや井上春華さんの歌唱は非常に聴き応えがあるとはいえ、とはいえ、とはいえ…)ソロの歌唱で小田ちゃんが歌うと空気が変わります。
さらには、ちっちゃい小田ちゃんなのに、パフォーマンス中の身体のシルエットが、ダンスが凄いとかいうのではなくて、一瞬、一瞬の身体のシルエットが、その連続としてのパフォーマンス中の佇まいが、あまりにも美しい。
小田さくらさん、どんなに後輩が育ってきていたとしても、この先、ずっとモーニングのステージを牽引して欲しいと、あくまで個人的には、そう思うのでした。小田ちゃん辞めないで欲しいな…
この先のモーニング娘。の牽引車 櫻井梨央
と、小田さくらさんのパフォーマンスを惜しむあまり、”どんなに後輩が育ってきていたとしても” とか言っちゃいましたけども、まさしく超育ってきているのが16期メンバー櫻井梨央さん。ぶっちゃけ、もの凄いと思います。
どの瞬間も、スクリーンに抜かれてアップになってる表情が、いかにも楽し気で見ているだけでこちらも嬉しくなります。どころか、ある時など、下ろした髪がバッサリと顔にかかってしまって、せっかくのシャッターチャンスだったのに、髪に隠れて、あの素晴らしい笑顔がほとんど見えないって場面もあったんですけども、しかし、それでも楽しそうな躍動感が伝わってくる不思議。
パフォーマンスについても、櫻井さん本人は、意外とちっちゃくて細いんだけど(← 報告者の実際の見聞に基づく脳内比較)ステージ上で、ものすごく目立ちます。軽やかで嫋やかなんだけど、力強い。相矛盾するかのようなパフォーマンスを、こんなにも短時間で自家薬籠中のものとするとは、恐ろしい力量です。
そんな風に櫻井さんを見ていたところ、そして千夜一夜(「モーニング娘。’24 櫻井梨央、ハロショ千夜一夜 第百二夜に直談判して堂々登場!」)でも、そのポジティブで明るい性格が明らかだと思っていたのに、後述するように、卒業する生田さんへの言葉の中で、”リハーサルが怖い” とか述べられると、なんだか急に愛おしさが募ります、櫻井さん…
現在とこれからのハロプロの主軸 山﨑愛生
そして、どうしても眼に飛び込んでくるのは、15期メンバーの山﨑愛生ちゃん。
あくまで個人的な印象ですが、難しいパートでのソロの歌割、ぶっちゃけ小田先輩に匹敵してませんか。そして、フォーメーション遷移の中で、センターにせり出してくるのは、率直に牧野真莉愛先輩に比肩してませんか。スクリーンにソロで抜かれる率も高め。
歌唱でも、フォーメーションでも、おそらく意図的に主軸に据えられている(スタッフ側からもそのスキルの度合いが評価されている)だけではなく、どの瞬間も、そのニッコニコな笑顔が、いかにも愛らしくて、わたくし、これからのモーニング娘。、ひいてはハロプロは、愛生ちゃんが牽引するだろうと思うのでした。

そして、それだけではないのです。
愛生ちゃんは、生田先輩と、とりわけ仲良しです。それは、バックステージ映像のDVDマガジンを観れば、あまりにも明らかです。モーニング娘。のツアーのバックステージだけでなく、たとえば ひなフェス とか、2023年の25周年記念の代々木などのバックステージ映像でも、愛生ちゃんは、いつも生田先輩の隣にいます。この愛生ちゃんが生田さんに懐いてる、愛生さんと生田さんが仲良しだってこと(ゴルフ番組にもよくゲストで呼ばれて、スタッフ側にも周知されていたかと)、このことがもたらす結果が大きい。
愛生ちゃんが生田さんに懐いていたということが、ファンが生田さんを観る目線を変えました。
生田衣梨奈さんは、やっぱり、一時期は、ファンに対する対応の様子だったり、メディアのインタビューなどで述べる内容から、ファンがモーニング娘。に託す想いには、あんまり寄り添ってくれないメンバーなのではないかと見られることもありました。申し訳ない!ごめんね、ごめんね。それが大きく変わったのは、いくつかの契機があるけれど、個人的に大きかったのが、この愛生ちゃんが懐いてるということだったりします。
愛生ちゃんは、山﨑愛生という単独のメンバーとしての魅力だけでなく、周囲の多くのメンバーと “仲良し” であるということで、たくさんのメンバーの魅力をファンに伝えてくれる、得難い特質を持っていると主張したい。
先輩になった生田衣梨奈
そう、バックステージ映像です。
バックステージ映像のことを述べるのは、ライブレポの記事としてどうなんか、とは思う一方で、ある時期から、それは上にも述べたように、譜久村さんからリーダーを引き継いだころから、バックステージ映像を観ていて、生田さんの印象が大きく変化し始めます。
繰り返し申し訳ないんですが、それまで、生田さんのことは、ファンが描く想い入れとは独立して、ファンの気持ちに寄り添うところの少ないメンバーだと思っていました。再度繰り返し、当人も「ファンに対して斜に構えた態度でいることがカッコイイと勘違いしていた時期もあった」と述べたこともありました。それが、リーダーになって、髪色を暗く戻した頃から、その柔らかなリーダーっぷりだけでなく、上に述べていたような印象がどんどん変わって、生田さん、尖がって近寄りがたい印象だったところが、柔らかく穏やかで優しくなります。
というわけで、正しくレポ記事らしく、当日のメンバーからの生田さんへのメッセージを。
31曲目の『Wake‐up Call〜目覚めるとき〜』の後に挿入された場面になります。
生田さんへのメッセージ 弓桁・櫻井・愛生・横山の4人のみ | |
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弓桁朱琴 |
生田さん、野心や野望を隠そうとしない、ちょっとでも入れる話題があったら入ってくるガツガツさ 生田「ちょっと、大丈夫?えり、損してない?」 そんなところが、私と似てると思います! |
櫻井梨央 |
春ツアーのセトリをもらったとき、ワクワクがとまらなくて、生田さんに電話したんです! 生田「えりが選んだ曲じゃなかったけどね」 リハ怖い時期を「また、しょげてんの?、しょげりー、やめな!」って励ましてくれました! 生田「なんで近寄って来てんの??」 これからも仲良くしたので連絡先を消さないでください 生田「なんで、みんな、えりが連絡先消す前提で話すると?」 |
山﨑愛生 |
生田さんとこんなに仲良くなるなんて、思ってなかったです これからも○○しますよね?(よくわからず、しかも能動と受動が混在) 生田「文句言って良い?ネイルを決めたことを連絡してきたけど、それ、えりのメンバーカラーやないよね」 |
横山玲奈 | 落ち込んでる時に、めっちゃ褒めてくれるんです、生田さんって! 生田さんに褒められたところを自信にします! |
卒業のセレモニー的なところが重くなってライブ全体の編成が歪になること、これを避けるためなのかどうか、このところハロプロの卒業ライブでは、こうしたパートをなるべく短く軽めにしている風ですが、今般は、なんと上の4名だけが指名されてのものとなりました(だから、いつもの韜晦気味の牧野さんのコメントはなし)。
それでも、個々のメンバーからのコメントに、いかにも生田さんが、ちゃんとリーダーをやっていたことが示されているようです。なんかね、生田さん、優しくなったよね。
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いかん!
うっかり思うところを述べていたら本編に入る前に長文化してしまっております、申し訳ない。急ぎページを切り替えてライブのレポを。
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