7月13日は自分の中の愛を再確認する日 ~【レポ】道重さゆみさん27歳の誕生日を勝手に祝う会~

はじめに

7月13日、それは人類の歴史に刻み込まれるべき記念日。
私たちの種族のDNAが「可愛らしさ」という点でそのポテンシャルを最大限に顕現させた結果、一人の愛すべき女の子が、山口県は宇部市で、この世に生を受けた記念日です。
モーニング娘。6期メンバーで8代目リーダー、芸能史上に不滅の金字塔を打ち立てた不世出のアイドルの理念系である【道重さゆみ】、7月13日は、その道重さゆみさんのお誕生日でした。
道重さんは、2016年をもって、27歳になりました。おめでとうございます。

いまだ続くその不在

2013年のバスツアー in 茨城 にて、10年の在籍期間(当時)において初めてお誕生日をファンにお祝い【させてあげた】、そんな道重さんは、2014年の11月にモーニング娘。を卒業してから、「ちょっとお休みするだけ」との言葉も虚しく、一年半以上にもわたって沈黙を続けており、現在では、一部の後輩のブログにその消息をわずかに垣間見せるのみ。

実は昨日、お休みだったので道重さんとご飯にいきました!
道重さんのお誕生日前夜祭をしましたよ〜〜
モーニング娘。’16 天気組 オフィシャルブログ 世界で一番好きな人♪ 飯窪春菜 より

飯窪さんばかりが道重さんに会えて、石田亜佑美さんも山木梨沙さんも牧野真莉愛さんも、そして道重さんを待ち続けている多くのヲタも、あまりに可哀想じゃないかと、どうかすると道重さんを憶う余り飯窪さんに苦言を呈するかのような感想も巷に散見できるようですが、道重さんって、ああ見えて小心で人見知りですから、飯窪さんとだけ会ってる辺りが逆に道重さんらしく思えて、なんだか微笑ましいと感じます。
それに、このことで飯窪さんが「ぐへへ」とか思ってたとしても、それって次にやってくるドジっ子でポンコツな顛末の伏線としか思えず、かえって期待しちゃったりして。
(飯窪さーん、検索して、ここを読んでたりしませんかーー??と一方的に手を振ってみる)

道重さゆみさん27歳の誕生日を勝手に祝う会

そんな道重さんの誕生日は、当の本人がずっと不在であるにもかかわらず、ネットニュースにはランクインするわ(Yahooニュースこんな感じ)ツイッターのトレンドにものぼるはと(ランキングこんな感じ)、道重伝説は今尚更新中である模様。
そんな中、道重さんの27歳の誕生日をお祝いすべく、ファンたちが勝手に集まります。
題して「道重さゆみさん27歳の誕生日を勝手に祝う会」。

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ラジオやネットで、そのペンネームやハンドルネームだけ存じ上げていたような、立志伝中の蒼々たる「さゆヲタ」たちが渋谷の立食形式のバーに集うお祝いの会、投稿者は主催者さんにSNS経由でお誘いいただいた次第。
まじめに蒼々たる「さゆヲタ界の重鎮たち」が顔を見せており、隅っこで小さくなっている私です。

主催者さんは、この「道重さゆみさん27歳の誕生日を勝手に祝う会」の直前まで、自主的に山口県を有志とともに旅し、2014年の道重さんバスツアーを忠実になぞる生誕祭を終えてきたばかりというあたり、立「志」どころか「本紀」を立てても罰は当たらないレベルです。
山口からの帰路、そのまま渋谷にやってきた主催者さん、受付の準備も慌ただしく、その準備が整う間に参加者さんたちは正装に着替えたり。ええ、渋谷の立食形式のバーは、ピンク一色に染め上げられます。
前回、会社帰りにネクタイのまんま参加してしまった迂闊な投稿者は、今回は正しく2年前の横アリで入手した「大好きさゆみん」Tシャツに着替えましたよ。

「男のうさちゃんピース」 をはじめとするその文章と作品で、道重さんのロスから回復するのに多大な力になってくれた劔樹人さんに、改めて直接お礼を伝えられたのは個人的に嬉しいことでした。2014年の11月に私の魂を救ってくれた文章の作者へのお礼ということでは、あとは相沢直さんにお礼を言う機会を狙いつつ(当エンタメアライブの編集長にも、まだお礼を言っていないことは秘密)。

時の流れに身を任せつつ

会場では、主催者さんが編集した道重さんの動画がエンドレスでリピート再生(たぶん)。
それは、つい最近のモーニングのツアーのものから、非常に懐かしいハロコンの映像まで。基本、道重さんソロアングル版の映像にて。これも、どのくらいが「懐かしい」レベルなのか人によって様々で非常に悩みつつ、『リゾナント・ライブ』や『ライバルサバイバル』あたりから、2013年の『ミチシゲ イレブンSOUL』や『CHANCE』、そして2014年の横浜アリーナまで。Berryz工房の菅谷梨沙子さんとジュンジュンと3人で登場する「続・美勇伝」の映像だったり、久住小春さんとペアの映像だったりと、おそらくは大部分の人が懐かしいと感じるものから、鞘師ちゃんの集中力を削ぐために道重さんが鞘師ちゃんのスカートの中を覗き見るという挙に出た、あの2013年のクリスマス・イベントの映像だったり(私、3列目くらいにいたから後頭部写ってたかも)、梨沙子さん、舞美ちゃん、佳林ちゃんさんとシャッフル・ユニットを組んだハロコンの映像だったりと、比較的最近のものまで、道重さんの可愛らしさと美しさを再確認できる映像が繰り返し再生されていました(それでなくとも各自、自宅で日々、道重さんの可愛らしさと美しさを再確認し続けているというのに)。

やたら梨沙子さんとのユニットが多いのは、これはモーニングのリーダーとしての道重さんの職権乱用ではないかとの疑惑も。

その映像には、ほんの数年前なのに、びっくりするくらい幼いモーニングの後輩たちが登場したりします。
加入したばかりの生田エリポンだったり譜久村9代目だったりの、若々しすぎて不安にすらなるような姿が。そして、若いメンバーの “ほんの数年” という短いスパンでの、あからさまに「幼い」頃から、先輩たちと遜色ない押し出しを身にまとい始める時期まで、その急激な成長に目を見張ると同時に、そうした後輩たちの成長のスパンの全期間にわたって、すでにある程度の年齢なっていて、一貫して美しく妖艶であり続けながら同時に可憐でもあった道重さゆみさんのルックスに、やっぱり、ため息をついたり。
かと思えば、さらにずっと懐かしい映像で、さすがに幼い道重さんが画面に登場して、あああ、やっぱり可愛いなと、これまた、ため息をついたり。
後輩が成長する期間を通じて、ずっと大人だった道重さんも、後輩たちと同じように、やっぱり幼かった道重さんも、それを主催者さんの編集によって同時に入れ替わりで交互に鑑賞して、月並みですけれど、時の流れを感じた次第。

そして、私たちに、こうした映像を通じて「時の流れを感じ」させるくらいの体験を与えてくれたこと、その共有体験を介して諸行無常を感じさせるところ、やっぱり道重さゆみさんは偉大だなと、これは本当にそう思います。
さゆみんのことを、ずっと見てきたから、「あの頃はこうだった」とかいう体験が、それぞれの時代にあったから、今のいろんなこともまた、味わい深く噛み締めて楽しめています。道重さんのおかげで。

ただ『ライバルサバイバル』の映像で、思わず「うわっ!やっぱ亀井さん可愛いなっ!」と大声を上げてしまって、周囲の参加者さんから「今日がどういう趣旨の集まりかわかっているのか」と顰蹙を買ってしまった奴だけは、いただけませんでした。
誰だか秘密ですけど。
だから秘密だって、言ってるじゃん!ごめんなさいってばっ!

あちこち出入りしている「さゆヲタ」たち

そう、道重さんをずっと見てきたから、それぞれの時代に、それぞれに得がたい感動をもらってきたから、だから今のいろんなこともまた、味わい深く噛み締めて楽しむことができているのです。

会場のあちこちで小さく輪をつくって談義に花を咲かせる参加者たちの中からは、「現場、今でも行かれてます?」「やっぱり減りましたね」と、道重さんを愛してやまぬファンとして正しい会話があちこちで展開したかと思えば、なんだかんだ、みなさん、いろいろとあちこちに出入りしているらしき会話も。
あ、Juice の武道館、行かれます?」「もちろん、もちろん」とか、「℃-ute の武道館、熱かったっすよね」とか。
「その日は午後から横浜の ”こぶし” に回ったから前半だけ」みたいな声も聞こえてきます。

投稿者も、とある現場で頻繁に顔を合わせる古参にして筋金入りの「さゆヲタ」氏と、こんな会話を。

(私たち)「よく会いますよねー
(同じテーブルの方が)「おや、どちらで?
(声を揃えて)「つばき!

そうしたら、その「おや、どちらで?」の方も、つばきでは谷本安美ちゃんが気になっているとカミング・アウト。
そこから「つばきでは誰推しか」と話が弾み、古参の筋金入りの「さゆヲタ」氏は、「もちろん樹々ちゃん」と浅倉樹々ちゃん推し。そして「わたしは、誰がなんと言おうと小片さん」「あー、りさまるですか」などと、すっかり推しではないメンバーの愛称までも周知されている始末。横で聞いていた、これまた別の方は、「さすがに、そこまで新しいメンバーはわかりませんわ。希空ちゃん以外は」…って、ちゃんとわかってらっしゃる。

道重さんに教えてもらった、自分の中の「愛」

なんだ、道重さゆみさんを愛してるとか言いながら、ちゃっかり若い子に流れてるんじゃねーかと思われたかも知れません。
確かに、流れてるか流れてないかといえば、それは「流れている」ということになろうかと思います。

それでも、いわゆる「アイドルのファンが若い子に目移りする」といったフレーズで一般に想定されるような類の下世話なものとは全然違って、それが Berryz工房であれ、℃-ute であれ、アンジュルムであれ、Juice であれ、カントリーであれ、こぶつば であれ、果てはハロプロを離れてでさえ、この日、この場に集まった「さゆヲタ」たちは、アイドルを、公開されたところから読み取れる限り精一杯その人となりを解釈して、その振る舞いに滲む内面を忖度して、些細なアイコンタクトや舞台周辺への視線を介してメンバー相互の、あるいはスタッフ側との、当のアイドル周辺の人間関係や業界事情なんかも(無理矢理にでも)読み込んだ上で、そのアイドルの振る舞いを好意的に解釈したりと、可能な限り全人的なものとして、それはもう文字通り愛しています。
そして、アイドルに対して、そんな具合に「愛」を注ぐその仕方は、道重さゆみさんを知ったからこそ、道重さんに教えてもらったからこそ、できる愛し方だったりするのです。

会場のあちこちで交わされる会話のなかで、「いつから道重さんを?」といった定番の問いかけに、それぞれに「私は|俺は、○○のときに…」といった熟れた対応の仕方を何パターンか持っている参加者のみなさんですが、実際のところを自問してみると「気がついたときには道重さんから目が離せなかった」というところなのは、きっと投稿者と同じではないかとも思います。
この辺りの事情は、たとえば、こんな具合なのではないかと。

みんな、それぞれに、自分の人生を歩んでいるその途上で、どこかで道重さんに出会います。
それまで、世の中のどこかで誰か他人がやってるらしいとだけ、「知識」として知ってはいた「アイドルを追っかける」ということについて、ある場合はバカにもして、ある場合は端的に無関心だったりした人たちが、自分の人生を歩んでいるその途上で、どこかで道重さんに出会います。

少し詳しい場合でも「どーせキモい連中の欲望を当て込んだビジネスでしょ?歌だのダンスだのって、それらしいカッコだけつけときゃ良いわけで、単体(一人)じゃ十分な収益を見込めなくても、数を揃えときゃ、グループとして売り出せば、外れが少ないもんね。まぐれでも、後からバラ売りもできるしね。上手なビジネスモデルですよね」って。
どんなに声を限りに叫んでも決して自分には振り向いてくれるはずもない相手のグッズを鬼のように買い込んでは、有給まで使ってアイドルを追っかけるなんて、同じ趣味にしても、ずいぶんお疲れさまな趣味ですよね、って。

あえて露悪的に書いてみましたけれども、たとえば、こんな具合にしか「アイドルを追っかける」ということを知らなかった者たちは、それぞれに、自分の人生を歩んでいるその途上で、どこかで道重さゆみさんに出会います。
テレビで毒舌を吐いているところだったり。思ったようにパフォーマンスできないことを切々と吐露してラジオで泣いているところだったり。大先輩の大御所芸能人に鉛筆を投げつける音声だったり。
投稿者の場合は、遠く山口から新幹線にのって上京してきた女の子が、テレビ番組のスタッフさんに向かって「ジョギングって何キロ走るんですか?」と上目遣いで確認しているところでした。

一般常識としてのみ「アイドルを追っかける」ということを知っていた者たちは、道重さゆみさんに出会って道重さんの可愛さに心を奪われたというよりは、道重さんに出会うことによって、自分の心の中に、それまで自分でも知らなかった「愛」が存在することを発見してしまった、と言うべき状況に自分が追い込まれていると知って戸惑います。
道重さゆみさんを「客体」として外から愛でるというのではなく、道重さんの愛らしさを、健気さを、可憐さを、「個別の対象」として、自分の外にあるものとして鑑賞するというのではなく、そうではなくて、自分の中に道重さゆみさんを愛してしまっている気持ちを発見して、自分にも誰かを愛するということが可能なのだということを発見してその意味で道重さんに出会ってしまった者たちは、自分の中に発見された自分の「愛」に自分でびっくりして、だからこそ、ますます道重さんに魅せられていくのでした。

そう、道重さんがモーニングを卒業して一年半が経過した現在、ある場合は Juice に、ある人は こぶしに、そしてある者は つばきファクトリーの小片リサさんにと、それぞれに「流れて」いるかのようでありながら、そのように「アイドルを愛する仕方」は、みんな道重さゆみさんから教えてもらったのでした。

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ケーキを切り分けて最後は『Happy大作戦』

そんな「愛」を、たまさか外に出す機会に恵まれた私たち、楽しい「談義」と懐かしい映像とに、あっというまに2時間が経過。

いや、そんなこと言ってても、初対面の見知らぬ人たちが多い集まりで、そんなに楽しく時間を過ごせたわけもないだろう。それなりに居心地の悪い思いをして、いろいろ時間をやり過ごすのにも苦労したってのが、本当のところなんじゃないの?…といった冷静な反応が目に浮かぶようですが、これがまた、いろいろ談義したり映像をながめて「あの頃は○○だった」みたいな話をしてるうちに、あっというまに時間が経過していて、主催者さんたちが「飲み物のラストオーダーが~」みたいなアナウンスをすることでようやく2時間以上経過していることに気づいてビックリしたり。

まもなく終幕といったタイミングで、会場にはケーキが登場します。
道重さんの横アリでの衣装があしらわれたものだったり、道重さんを愛するプロフェッショナルさんによる作品が焼き付けられたものだったり(要リンク先参照)。

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美味しくケーキをいただいて、「道重さゆみさん27歳の誕生日を勝手に祝う会」の締めは当然、映像に合わせて、会場全体での『Happy大作戦』大合唱。

『Happy大作戦』、ほんとうに良い曲ですよね。
「恋も、仕事も、勉強も、全部100%手は抜かない」し、時間は戻らないから「だから先へ進もう」という、すばらしい歌詞に明るい旋律。そうした楽曲としての素晴らしさだけではありません。
『Happy大作戦』は、道重さんが選んだ一曲でもあります。
2013年のお誕生日に、加入して10年にして初めて実施したソロ バスツアーのライブで、道重さんは、この曲を(自分で)選んで歌ってくれました。
道重さんが大好きだという真野ちゃんの「My Days for You」で「支えてくれていてありがとう」と歌ってくれた後に、道重さんはソロライブのラストで、この曲を歌ってくれました。
2014年の福岡~山口にかけて行われたお誕生日バスツアーでも、道重さんはこの曲を歌ってくれました。卒業をまもなくに控えて実施された Zepp Tokyo での、ノドを痛めていたラストのFCイベントでも、道重さんは、この曲を選んで歌ってくれました。
ラストとなる2014年の秋ツアーでも、みなさまへのHappyのお返しとして、セトリのラストに選ばれていたのが、この曲です。

道重さんの誕生日をお祝いしようと渋谷に集ったファンたちは、最後に、そんな曲を、映像の中の道重さんといっしょに合唱して、楽しい時間を終えたのでした。

さいごに

かつて、その不在こそがアイドルの真実の姿でもあるとの趣旨で記事を投稿したこともあります。
「芸能人になりたいわけじゃなかった。私はただモーニング娘。になりたかった」と言うからには、芸能界に未練はないのかも知れません。
それもまた潔くて道重さんらしいなって思います。

でもね、道重さん。
来年の9月は、モーニング娘。20周年記念ですよ。その頃には、道重さんは28歳ですね。
「芸能人になりたいわけじゃなかった。私はただモーニング娘。になりたかった」とまで言ったからには、この記念の式典なりイベントなりには、その会場に、道重さんの姿がなきゃ嘘ですよね。ね。

(文=kogonil)

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