ステージのすばらしさの影でハロプロの地力を見せつけた Juice=Juice 【レポ1】 Juice=Juice LIVE MISSION FINAL at 日本武道館

はじめに

関係者席のハロメンもいっしょにウェーブしてたのは、なんだか、ものすごく楽しかったですよね。
Girls Be Ambitious』の「座れないくらいのミニスカート」のところで、メンバーにスカートめくり風にされて慌ててたり、最後のMCでまとめられなかったりした植村あかりさん、可愛かったですよね。

Juice=Juice の初単独武道館公演、すばらしかったですよね

その武道館で物販されていた最新 Dマガ Vol.9 によれば「グループ内恋愛禁止」だという Juice=Juice。全国47都道府県どころか海外までも含めての220公演(実際には225公演?)をやり遂げた、その最終章として、Juice=Juice は、2016年11月7日、武道館の舞台を踏みました。かつてはこの舞台を夢に見て、今では武道館を平常運転する℃-ute を始め、多くのハロプロの先輩、後輩を、関係者席の真っ正面に向かえて、Juice=Juice は、武道館のステージに立ちました。

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Juice=Juice Family への感謝を

最初に、どうしても漏れてしまう一言を。【申し訳ない】

今回の武道館で物販された最新のVol.9 まで含め、Dマガはコンプしていたし、Juice=Juice Days や、Greeting系のブルーレイもコンプ継続中だし、ラジオも聴いていたし、Web配信の公式チャンネルのチェックは欠かさないから、投稿者は、こう思っていました。「いや、Juice=Juice がすばらしいことは、知ってるよ」と。

かつてのSATOYAMAライフで、初めての自己紹介すら、ちゃんと言えなかったリーダー宮崎由加さんが、風船が嫌いな余りにDマガの企画をまるごとブッチするほどまでに我を強く出すようになったことも、知っているつもりでいました。
金澤朋子さんが体調を崩したことから派生して漏れ聞こえてくる様々なエピソードから、Juice=Juice は、メンバー同士も、スタッフさんとの間も、良い雰囲気の、良いグループになってきていると、そう知っているつもりでいました。
高木紗友希さんを初めとして、投稿者のような「さゆヲタ」にとって心動かされないでは済まされぬプロフェッショナルなボイス・トレーナーの鍛えを受け切って、5人が5人とも、それこそ【歌える】グループに成長していたことを、私は知っていると思っていました。
宮本佳林ちゃんさんや植村あかりさんの写真集発売記念の握手会なんかに参加して、佳林ちゃんも、あーりーも、めちゃくちゃ可愛いけれども、可愛いだけじゃない噛み応えのあるアイドルであると、知っているつもりでいました。

知らなかった。

こんなにも素晴らしく、こんなにも魅力的で、武道館のステージを少しも広いと感じさせない迫真のパフォーマンスをかくも堂々と展開できる、そんな実力を兼ね備えたグループに成長していただなんて。知らなかった。

ライブ中、衣装チェンジのタイミングで、ステージには編集された VTR が流されます。
それは、この武道館にいたるまでの220公演の軌跡。その節目となる映像が編集された VTR のラストには、映画のエンドロールのように、これまでの220公演の日程と場所が、ずーっとスクロールされます。
衣装チェンジ中だから、メンバーは誰もいません。そんなステージへ向けて、220公演の履歴がスクロールされるだけの画面に向けて、武道館の客席からは、最初パラパラと、やがて万雷の、拍手が響き渡ります。
Juice=Juice が武道館にいたるまでの軌跡に、客席からは惜しみない拍手が送られます。

投稿者は、知っているつもりでした。
だけど、知らなかった。

Juice=Juice が、かくも大きな舞台を、堂々と演り切るだけの実力と魅力を備えたグループに成長したことも。
そして、Juice=Juice がそうなるまでの道程を、ずっと見守ってきた、だから、その一番の土台を支えてきた大勢の Juice=Juice Family がいたのだということを、私は、知らなかった。

だから、最初に、この一言を。【申し訳ない】。

Juice=Juice の武道館は、すばらしかった。

いったいハロプロはどうなっているのか

Berryz工房が活動を停止し、℃-ute が解散を決意し、そしてBerryz工房が活動を停止した時には一番に「アイドル」に拘ってくれた ももち先輩こと嗣永桃子さんが芸能活動そのものからの引退を表明して、巷では、不安に戸惑う声も聞えてきます。「いったいハロプロはどうなっているのか」と。

投稿者も、Juice=Juice の武道館を観覧して、思いました。「いったいハロプロはどうなっているのか」と。

2013年、髪をトサカにしてきた中島早貴さんの気合いも激しかった℃-ute の初めて単独武道館のステージ、それはそれは文字通り「刮目」すべきライブが開催されました。けれども、その2013年の11月29日に、Berryz工房が、あの「楽しすぎて日常に帰ってこれない」ライブを、そのまんま、そのパワーと迫力を拡大する形で単独武道館に叩きつけるや、その印象は上書きされました。
さらに2014年は、モーニングが、特に記念日というわけでもなく武道館2Daysを達成し、ベリキューは武道館で合同の2Daysライブを演じ、℃-ute にいたっては秋ツアーの千秋楽にも武道館を組み込んできました。
その都度、先に公演された武道館のステージを上回るようなものを、ハロプロは、私たちに見せてくれました。
そして今年になってからも、各ユニットが順当に武道館を踏んでいく中、℃-ute はツアー千秋楽に加えて定例の記念日に武道館に立ち、そして、かの Buono! が単独武道館を達成します。
それぞれ、「回数を重ねるほど」、その演出も、ステージングの迫力も積み増してきたハロプロです(ですよね?)。

そして、今回の Juice=Juice の武道館です。

220公演のご褒美に? テレビの連続ドラマの企画の流れで?
…いや、とんでもない!

上記のとおり、回数を重ねるほど、その演出も、ステージングの迫力も積み増してきたハロプロの、その流れに正しく連なって、過去の武道館公演の印象を、きっちり上書きする Juice=Juice の武道館です。
投稿者は、その意味で、正しく、こう思います。「いったいハロプロはどうなっているのか」と。

オープニングの、薄い垂れ幕にレーザーで線描して象っていくメンバーの姿とシンクロする、実際のメンバーのポージングや、上から吊した円盤にレーザーを反射させた光のパノラマから、ステージ二階部分の左右を別々に使ってドラマ仕立ててで演出したり、メンバーが衣装チェンジしてから、それこそ文字通りステージに飛び出してくるような演出や、ラストのメッセージ・テープの大射出まで、これでもかっ!というほどのステージング。
そして、何よりも、そんな迫力の演出に、全然負けていないどころか、そんな大がかりなステージを余裕で(あるかのように)堂々と引き受け切っている Juice=Juice の5人。

Juice=Juice の武道館は、すばらしかった。

キラーチューンばかりの25曲で2時間越えのライブ

そんな武道館ライブは、記事末のセトリにもあるように、キラーチューンばかりの25曲で、2時間越え。

オープニングの『選ばれし私たち』とアンコールの『続いていくStory』が、あたかもペアとなって、セトリを挟み込むことで、(それこそ)全体の「Story」を紡いでいるかのようで、投稿者のような単なるDDでしかない腰の軽いファンすら、涙腺がやばいことになるセトリです。
キラーチューンばかり、と書きましたが、楽しげに楽曲中アイコンタクトをとるメンバーたちを見ていると、激しくダンスしながら表情で客席に語りかける(それだけの余裕を見せる)メンバーたちを見ていると、ゆっくりと自分たちの楽曲を育てて来たんだなということまでが伝わってしまう、そんなライブでした。

そして、それ以上に、Juice=Juice の魅力というか実力を如実に語っていると思えるのが『Magic of Love』。
「何回キスしたろお」「何回ジェラしったろお」というところで、大きく手をふりながら上半身まるごと左右に揺れるフリは、かつての「太陽とシスコムーン」版をかなり忠実に再現しているのに、今や、Juice鉄板の『Magic of Love』です。

Berryz工房が活動を停止して、こぶしがこぶしなりに、つばきはつばきらしく、それぞれに Berryz工房の楽曲をカバーする中、投稿者は、Juice=Juice の『Magic of Love』を見ていると、来年の6月以降は、新しいユニットを作ったりするのではなくて、℃-ute の楽曲のいくつかは、Juice=Juice が継承してくれたら良いんじゃないかなと思ったりするのでした。

艶やかに力を加減して、女性らしい魅力も 宮崎由加

ハロプロのユニットはリーダーこそが一番自由。その例証ともなってくれている宮崎さんですが、SATOYAMAユニットの頃からは目を見張る変貌ぶりです。当時から、子犬っぽい可愛さはありましたけれど、それが子狸に進化しただけではなく(Dマガ Vol.7 で、信楽焼風のタヌキの置物に「ゆかー」と語りかける植村あかりさんが収録されてますよね)、何よりも、その艶やかなダンスに目を見張ります。

投稿者は、かつて、中島早貴さんこそ℃-ute のダンスパフォーマンスの要(かなめ)であり、同じような役割を、モーニングにおいては小田さくらさんが担っているのでは、などと見立てておりました。同様に、℃-ute において、誰かと戦っているかのような鋭いダンスが矢島舞美さんなら、上手に力を抜いて、どこまでも “しなやか“ なダンスをしているのが鈴木愛理さんだと、そんな具合に見比べていたりしたわけですが、この「上手に力を抜い」た、しなやかなダンスは、Juice=Juice の宮崎さんが、まもなく℃-ute の愛理さんを射程圏内に捉えるのではないでしょうか。
はっきり言っちゃいますね。色っぽかったです。

ハロプロ始まって以来? 誰もが納得のキャラ変 金澤朋子

金澤さんと言えば暴君キャラのはずが、謎の暴君は こぶしの浜浦彩乃さんに譲ったか、Dマガなどを見ていると、いつの間にか「弱い」キャラになってる金澤さん。ドイツ村の「しいたけ」が弱点だったり、最新 Vol.9 では鴨川シーワールドでの水性ほ乳類用のエサ作り(魚を素手で捌く)から逃げてたりと、何かと苦手なものが目立つだけじゃなく、メンバーに対しても、何となく「弱い」感じで、「ごめん、ごめん」と引っ込む場面も多いかと。

ラストのMCで自ら語ったように、体調を崩したことで一時は自分でグループからの離脱を考えたこと、それでもメンバーやスタッフさんから「Juice=Juice には金澤が必要だ」と言われたこと、そういったエピソードを知ることから、Dマガや、SATOYAMAの企画DVDなどで、徐々に金澤さんが「暴君」から「弱い」キャラへと変化していく背景といった部分、メンバーに対して「弱く」なる様子に、メンバーに対する金澤さんなりの「不器用な感謝」が、「率直に語ることを躊躇うような奥ゆかしい感謝」が、込められているようなところが読み取れるようで、だからこそ、そういうキャラが変化していくプロセスの全部が、金澤さんの魅力をまた新しく形造っているようですよね。
繰り返し、ラストのMCで自ら語ったように、「パフォーマンスで返していく」んだそうですよ、金澤さん。
これからの Juice=Juice、ますます期待ですね。

圧巻の歌姫継承中 高木紗友希

ダブルアンコールの『Wonderful World』なんかに顕著なんですけども、あの圧巻すぎる大斉唱、高木さん意識してやってますよね。
歌詞が良いとか、曲が良いとか、そういう楽曲側のすばらしさではなく、そうではなくて、ボーカリストの、喉の振動それ自体によって感動することは希有かと思います。高木紗友希さん、素晴らしい。

それに、かつて別の現場で「最近、Juice の高木紗友希さん、めっちゃ可愛くなったよね」と投稿者が述べたところ、「なんてことを!一時的にアレだっただけで、研修生時代は一番可愛かったんだぞ!」と、知人のベリヲタ(だったけど、今はメインとして Juice=Juice に流れてる)氏に叱られました。ええ、圧巻の声帯バイブレーションだけではなく、高木紗友希さん、めっちゃ可愛いです。曲中にメンバーとアイコンタクトして笑っているところが。

そんな高木紗友希さんも、220公演の過酷な日程中、その喉に負担がいったものか、故障を抱えての、危うい綱渡りな時期もあったどころか、武道館公演後に驚きのお知らせもあったりしました。そんなところも、先に述べたような金澤さんのキャラ変事情を併せて思えば、Juice=Juice のグループとしてのまとまりにも涙腺が緩む仕様が組み込まれていると、いかにも納得です。

確かにアイドル・サイボーグ 宮本佳林

Juice=Juice に選ばれたとき、「ずっとオーディションに落選していても、それでも応援し続けてくれた方たちに、これでやっと恩返しができる」と泣いていた佳林ちゃん。そして、武道館のラストのMCでは「支えてくれたファンの皆様には、パフォーマンスでお返しする。『あ、また来たいな』と思ってもらえるようなパフォーマンスを見せることが、一番のレスポンスだと思うから」と、Juice=Juice に選ばれたときの応答と見事に一貫した態度を貫いて見せた佳林ちゃんさんです。
佳林ちゃんは、ずっと年下だけれど、この一貫性には、おじさんも、思わず尊敬です。

そんな宮本佳林ちゃんは、細くて小っちゃいのに、誰よりも元気に、誰よりも激しく、そしてリーダー宮崎さんの地元の言葉を使うならば、誰よりも「はねこちゃ」して、ステージの上で走り回り、ダンスしています。蜂が苦手だという佳林ちゃんですが、それこそ蜂が舞うように、一番に元気よく、一番に手足の可動範囲が大きく、ニュアンスとしては独楽が回転してぶつかり合う様のように「はねこちゃ」しています。
あんな細くて小っちゃいのに、どこに、そんなパワーがあるのか、先の一貫性と併せ、ほんまにサイボーグかもしれません。作ったように可愛いですからね。

可愛さと美しさに加えて 植村あかり

今回の武道館で思ったんですよ。あーりー、カッコ良いなって。

メンバーと楽曲中のアイコンタクトやじゃれ合いも、可愛らしいと思うものになるか、あるいは最新Dマガで高木紗友希さんから「グループ内恋愛禁止」とか言われるくらい、微妙な感じが漂うかしていた植村あかりさんですが、この日の武道館はカッコ良かった。すっきり美しい横顔が、美しいだけじゃなくて、カッコ良かった。
左右に張り出したウィングに駆け込んで、アリーナ席に、ウィング直近のスタンド一階席に、笑顔を向けて手をふる植村あかりさんはカッコ良かった。アンコール前のラストMCで自分の名前を噛んでしまったり、アンコールの、ほんとのラストのMCで、武道館に立てた感慨を上手に語れなくて「まとまらなくて、ごめんなさい」とテヘペロしていたり、細かく可愛い仕草を見せてくれる場面も多かったけど、そのすべてがカッコ良かった。

あーりー、カッコ良かった。

*****

Juice=Juice の武道館公演は、すばらしいものでした。
これまで投稿者が経験してきた、モーニング、℃-ute、Berryz工房、Buono! の武道館にも勝るとも劣らぬ、いや、むしろ率直に「勝る」ほどの、すばらしいステージでした。そのパフォーマンスを通じて見せてくれたのは、Juice=Juice そのものの実力と魅力に加え、恐ろしいほどの「ハロプロの地力」でもありました。
ハロプロを牽引してきた偉大な先輩たちが去って行くこと、そのことばかりに気持ちを取られている間に、その先輩たちの背中を見てきた後輩たちが、先輩たちに劣らぬ実力と魅力を備えて、自分たちの出番を待っている。

今回の武道館で、かくもすばらしい「ハロプロの地力」を示してくれた Juice=Juice は、℃-ute のツアーで オープニング・アクトを勤めていましたよね。その ℃-ute が、いずれ舞台を去ろうというときに、Juice=Juice は武道館の舞台を踏み、先輩に匹敵しかねぬ圧巻のパフォーマンスを演じています。高木紗友希さんのラストのMCにもあったように「先輩たちへの感謝」を感じながら。そして、そこまで迫っている涙腺の決壊を、5人が5人とも、耐えきって、真っ正面から笑顔を見せてくれながら。

今、Juice=Juice の武道館でオープニング・アクトを勤めてくれた つばきファクトリーも、いつか単独で大舞台に立つ日が来ることでしょう。きっと。
ほんとに、私は思うのです。「いったいハロプロはどうなっているのか」と。

(文=kogonil)

O.A. 独り占め(つばきファクトリー)
—————
1.選ばれし私たち
2.カラダだけが大人になったんじゃない
3.ロマンスの途中
4.choice&chance
MC ご挨拶
5.イジワルしないで抱き締めてよ
6.恋のダイビング
7.未来へさぁ走り出せ
<220公演ツアーVTR>
8.Dream Road 心が踊り出してる
9.Goal 明日はあっちだよ
10.生まれたてのBaby Love
<ダンスパフォーマンス>
11.Next is you!
12.大人の事情
<光の大パノラマ—衣装チェンジ—>
13.愛愛傘
14.チクタク女の旬
15.初めてを経験中
MC
16.明日やろうはばかやろう
17.Girls Be Ambitious
18.伊達じゃないようちの人生は
19.裸の裸の裸のKiss
20.私が言う前に抱きしめなきゃね
21.Magic of Love
22.Keep On 上昇志向
—–アンコール—–
<印象深い写真のパノラマ>
23.五月雨美女がさ乱れる
MC —植村さん、まとまらず(笑)—
24.続いていくStory
—–ダブルアンコール—–
25.Wonderful World

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