つばきファクトリー演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』レポ ~それは永遠じゃなかったとしても~

はじめに

唐突ですが。
ハロー!プロジェクトに、新しく こぶしファクトリーと つばきファクトリーが結成されて、「Berryz工房のスピリットを継承する」なんてなことが言われて、私は密かに微妙な気持ちを抱いていたのでした。
詳しくはまた別にコラムにして投稿するかも知れないけれど(予定)「なんだかなあ」って思っていたのですよ。

だって「Berryz工房のスピリットを継承する」なんて、できるわけがないですもん。
Berryz工房は、唯一無二にして空前絶後な、奇跡のユニットだと思っていたから。ここで投稿者が思うBerryz工房のすばらしい点、奇跡としか思えない彼女たちが造り上げていた空気と技を、逐一列挙してもしょうがないのでしませんが、きっと他の多くのベリヲタのみなさんも、それぞれに着目し、それぞれに愛し、それぞれに慈しんだBerryzの、メンバー個々の ”味” はあっただろうし、それを大事に大事にしてるわけです。
それを「継承」なんて、できるわけないじゃないかと、若干ご立腹モードでモヤっとしていたというわけです。

それに、そんな別グループのスピリットを「継承」なんてしなくたって、こぶしも、つばきも、それぞれに唯一無二の、それぞれに固有のグループに育っていけば良いじゃないかとも思っていたし。事実、何度か現場に足を運んで、それぞれ、良い感じを受け取ってもいたので。
そんな「Berryz工房のスピリットを継承する」なんて、いつまでも言い続けるのは、Berryz工房に対しても、こぶしファクトリーや つばきファクトリーに対しても、どちらに対しても、ずいぶんと失礼な話じゃないかと思っていたのでした。

…ごめんなさい。
間違っていたのは、私でした。

どうも、投稿者は「継承するスピリット」について大きな誤解をしていたようです。
そんな直接的なレベルで「スピリットを継承」するなんてわけじゃなかった。どうやら、そこで「継承」されるものは、もっと抽象的で、そしてよほど枢要なものだった様で、いろいろ勝手に思い込んでプンスカ怒っていた投稿者が一方的にひたすらアホだった模様です。

ええ、主題歌『サンクユーベリーベリー』が良い曲すぎまして。
それを歌ってくれた、つばきファクトリーのみんなが透明すぎましてね。

つばきファクトリーによる『サンクユーベリーベリー』リメイク

前フリばかりが長くなりまして申し訳ありません。

2015年10月8日から18日までの日程で、池袋シアターグリーンにて、演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』が上演されています。
こちらを観劇してきたので、その感想をご報告するにあたって避けて通れない話題だったもので。

『サンクユーベリーベリー』は、6年前に、Berryz工房が上演した舞台。それを、今回は、つばきファクトリーが再演するという趣向です。初めて演出家としても参加するという須藤茉麻さんも、演劇女子部のプレイングマネージャーとして舞台に立ち、六日坊主の役を務めています。

以降、ネタバレは積極的に回避しつつ、感想を述べていきたいと思います。
最後まで読むのがめんどいという方向けに、大事なことだけ先に述べれば、投稿者は大泣きして帰ってきました。あんなに涙が出たのは久しぶりです。このレポを書いている時点で、2回観てきたんですが(※1)、2回目の観劇では、初見時の気持ちの動揺を経験しているので、そんなに泣かないだろうとか思ってたんですけど、もっと大泣きしました。そして、投稿者の両隣に座っていた方々も泣いてました(※2)。喫煙所で会釈できたベリヲタさんたちも、泣いてました(※3)。
みんな泣いてました。

  1. 上記公演期間中に、あと2回、チケットは確保しているけれど、あと何度か足を運ぶ予定。
    なお、毎公演、若干の当日券が必ず準備されている模様(← 大事)
  2. 2回観劇したうち、どちらも、両隣とも泣いてました。
  3. ラストバスツアーで挨拶し、有明の喫煙所で会釈した、梨沙子さん推しの方。
    それから、コットンクラブで同席させていただいた、これまた梨沙子さん推しの方も。
    ちゃんとした知り合いではないベリヲタさんですが、それでも、「泣いたよね~~」とお互いに言わずにはいられなかったという、そのことを知らせたい。

上記の前フリから、何に対して泣いたのか、予測できた方もいたと思うのですが、大事なことだけ先に述べると言ったので、やっぱり先に述べると、その予測の通り、第一に、目の前の舞台を通して Berryz工房が見えたから泣けましたわかっていても、泣けました
そして、きっと予測に反して、第二に、目の前の舞台を通して見えた Berryz工房から、もう一回反射して、目の前で舞台を演じてくれ、その舞台を通じてもう一度 Berryz工房を見せてくれた、その つばきファクトリーのみんなの、不思議な透明感と無垢さと、そして本当に不思議な声の響きが、シアターグリーンを清浄な空気に染めていたことに感応して。

ええ。大げさじゃありません。それに、レポとして公開するからって修辞を凝らして取って付けたような文言を探してきたわけでもありません。たまにそれらしいことを指がすべって書いちゃいますが、投稿者はスピリチュアルなあれこれに傾倒する者でもありません(むしろ批判的)。
シアターグリーンは、ほんとうに清浄な雰囲気に包まれていました

はい。大事なことは、もう全部言いました。
以下、順次、感想を。

ネタバレ回避のために物語の内容には踏み込みませんね。
いやいや、リメイクだし、Berryz工房がやったものはDVDだって出てるし。という声もあろうかと思いますが、やっぱりネタバレは、楽しみにしてる方へマジで失礼にあたると考えるので、物語の内容には踏み込みません。それから、リメイクってことで、6年前のBerryz工房出演時の演目と、どの程度の異同があったのかについても、正式な評論としては不可欠な部分になろうかとも思うのですが、一介のファンが、同じくファン向けに、あるいは将来ファンになるかも知れない人向けに書いているレポである以上、同じ理由から一切触れません。前回の上演時との異同があったとも、なかったとも触れないってことで(※1)。

  1. ネタバレ回避と言いながら、本当は、きちんと内容に触れながら評論するだけの構成力・文章力がないだけだな、こいつ…と思われた方、たぶん正解です。

たった一つだけ、大きく前回と違いがあるとすれば、それは主題歌でもある『サンクユーベリーベリー』の歌詞のある部分を、私たちファンが実体験として経験していること

永遠と思っていた 時間
永遠じゃないから

Berryz工房が活動を停止したことで、あの楽しすぎるステージを見せてくれる Berryz工房のライブに、もう今は接することができないことで、この歌詞が、私たちには切実な実感を伴って胸に刺さることになりました。それが前回との大きな違いです。

つばきファクトリーの不思議な透明感

脚本も演出も大事。そのとおりですが、この舞台を観劇して思うのは、何よりも、演者の纏う空気こそ、舞台のテイストに決定的に影響するということ。

℃-ute 矢島舞美さんのルックスだけではないその心根まで示す美しさを、Berryz工房がファンと遊んでくれる楽しい雰囲気を、そして、道重さゆみさんの生き方から何からのすべてを、形容する言葉を持たぬ私は、これまで誰か言葉を発明してくれと懇願してきました。形容する言葉がないということ、これはハローのあれこれに、あまりにも当てはまりすぎるところですが、ここへ来て、もうひとつ追加です。
「初々しい」とか「あどけない」ではないつばきファクトリーのこの清浄な感じは何でしょう。「健気」とか「一生懸命」とかではない、この清涼で透明な感じは。

小片リサさん、山岸理子さんを除いて初めての舞台経験となるこのリメイク。
この再演される物語それ自体にも、そして上述の通り当然ファンが読み込んでくるだろうBerryz工房の思い出という背景にも、すべて含めて、ここまで相応しいメンバーというのは、ちょっと他のユニットでは考えられません。

下記に述べるように、私たちファンが考える以上に厳選に厳選を重ねたとも思しき「よくぞ探し出したものだ」と思えるメンバーたちですが、この『サンクユーベリーベリー』という演目に、実に相応しい
こぶしファクトリーの『Week End Survivor』の場合も該当するかと思うのですが、結成のごく初期に舞台を踏ませて、別の人格を演じる経験を与えて、まとまった時間の共同作業を経験させて、グループとしてメンバー相互の結束と覚悟を固めさせるというのはマネジメントのやり方として見やすいところ。
しかし、この時期に、この演目を、このメンバーで、というのは、これは計算されたものなのかどうか。実にすばらしい。というか、まことに相応しい
いや、ほんとに形容の言葉がなくて困っています。

やがて誰もが認めるリーダーに 山岸理子

理子ちゃん、思った以上にリーダーです。
舞台上の演技についても、物販のサウンドトラックCDに同梱のDVDでの様子についても、そしてハロ!ステなどでの様子でも思ったことです。これはとても言葉が難しいのですが(※1)、歌やダンスのスキルについてではなく、その「ほんわか」としたルックス全般の印象についてでもなく、そうではなく、柔和な押し出しの奥に静かに燃えている熱というか圧という点でこそ、理子ちゃん、思った以上に清水佐紀さんに似ています

いや、全然似てないですよ、もちろん。でも、目の奥に静かに燃えてる炎が、とても佐紀ちゃんに似てる。だから、言葉が難しいって言ったでしょ!

先に言っちゃいましたけど、この再演された『サンクユーベリーベリー』、DVDが同梱されたサウンドトラックCDを購入すると、公演後のハイタッチ会に参加できます。
年長組にしてリーダーの理子ちゃんは、一番奥で待ってくれています。ニコニコして手のひらを合せてくれる様子が、とても、とても可愛いです。

つばきファクトリーの結成を知らされたとき、℃-ute のツアーに帯同していたメンバーでデビューできていなかったのは私だけだったと泣いていた理子ちゃん(※2)。繰り返し、言葉がとても難しいのですが、とても、とても可愛いです。

  1. なぜなら、「○○が△△に似てる」としてBerryzメンバーを持ち出されるや、真っ先に色を成して青筋を立てて疑ってかかるのは、ベリヲタとして、この投稿者自身でもあるから。
  2. この模様は、ハロ!ステ#115にて。
    これは、℃-ute の2014年春ツアー帯同のことを述べていると思われます。
    この時、帯同していた研修生は、理子ちゃんの他は以下の通り。
    浜浦彩乃(→ こぶしファクトリー)、室田瑞希(→ アンジュルム3期)、牧野真莉愛(→ モーニング12期)、藤井梨央(→ こぶしファクトリー)。

「薄い美しさ」という謎の魅力 小片リサ

過去のトレイニー時代の映像でも、場の進行を仕切るMCは別にいるのに、細かく共演者への配慮をしていたり、先のハロショでのトークショーでも一人だけスタッフのカンペに気付いたりと、どことなく「しっかり者」な印象もある小片さん。でも、New FesⅡのトークで謎のエピソードを語り「目立てた」と喜んでいたり、しっかり者な印象がある分だけ、周囲の受け止め方と本人の意図のズレが目立って、やっぱり残念な小片さんです。可愛いよね。

でも、舞台の小片さん、非常に美しいです。「トライアングル」に続いて男役ですが、この小片さん、みなさんネット上の画像だったり物販の写真だけで見ていると、重大なところを見落とすと思います(私、見落としてました)。リアルに生で見た男装の小片さん、めっちゃ美しいです。びっくりしますよ。
ハイタッチ会でも、間近で見ると、ほんとに端正で、惚れそうです。

小片リサさん、「薄幸感」という独自の味を加味しつつ、その美しさを全開にする日が楽しみです。薄い美しさ、残念なしっかり者という、これまでなかった新しい謎っぷりをハローに持ち込んでいます。か、可愛いっすよね。

意図せず漏れ出す稚気 新沼希空

思わぬポンコツをあちこちで発揮する希空ちゃんですが。
今般は、かつて夏焼雅さんが演じた役を再演してくれています。少し蓮っ葉で、少しチャラくて、マイルドな問題児といった役柄を演じてくれていますが、どうしたって可愛らしさが漏れてしまいます

これが実にすばらしいんですよ。それは3つの点で。
第一に、何をしていても、どうしても可愛らしさが漏れ出てしまうということが、希空ちゃん本人の雰囲気として、とても愛らしいこと。
第二に、本人の意図的な押し出しに関わらず漏れ出す稚気といえば、言うまでもなく雅ちゃんですよね。あんなに高貴で近寄りがたいくらい気品のあるルックスに、怒らせると恐そうな雰囲気にと、とても気高い雅ちゃんですが、メンバーのあれこれに本当に嬉しそうにケラケラ笑っていたり、ダンスなんかも膝下をピョンピョンさせていたりと、高貴な気高さのあちこちから、隠しきれない愛らしさが(当人の意図に反して)漏れ出すのが雅ちゃんです。なんと適切な配役にして、なんとも相応しい後継者かと。
第三に、この若干チャラめなマイルドな不良っぽさから微妙に稚気が漏れてくる様子は、希空ちゃんが演じた丸富高校合唱部のキャラとして、偏差値は低いけど心は熱い『サンクユーベリーベリー』の物語に、非常によくマッチしていること。

希空ちゃん、すばらしかった。
声質も歌ってくれる歌も、意図しないセリフの末尾の赤ちゃん風なテイストも、演技中でもチラっと一瞬だけ客席に這わせる視線も。
ハイタッチ会で、嬉しそうに笑っている様子も。

安定の困り顔ですが、嬉しい困り顔なのか、ほんとに困っている困り顔なのか、怒ってる困り顔なのか、楽しんでいる困り顔なのか、ちゃんと見分けがつく希空ちゃん。困り顔マスターですね。

ボケ役に思わぬ適正? 谷本安美

心は熱いけど偏差値が低い丸富高校合唱部の中で、それでもわずかにまともでしっかりしている役柄。かつては熊井友理奈さんが演じてくれた役柄を再演してくれています。
半ば棒読みな感じでの「まっすぐ来いよ、まっすぐ」のセリフは、会場の爆笑をさらっていました。
案外、メンバーの中でのボケ役を担当すると映えるんじゃないかと。
まさか熊井ちゃんのテイストをなぞろうとしてるわけじゃないよね。

ハイタッチ会でも、嬉しそうに待ってくれてる様子が、ほんとに嬉しそうでね。

はじけっぷりはキャラではない? 岸本ゆめの

謎のお爺ちゃん仕込みの年季の入った智慧を持つ空手娘の応援団で、友達を思いやる心を持った役柄の ゆめのちゃん。かつて、茉麻が演じた役柄です。
つまらぬ物を切りすぎですよね。

Berryz工房のツアーに帯同したときも、℃-ute のツアーに帯同したときも、Dマガのバックステージで謎のはっちゃけを披露していた岸本さん。帯同できなかったBerryzの秋ツアーでは、ツアー日程が地元の大阪にさしかかったときに、楽屋に差し入れを持っていって、その際に大好きな佐紀ちゃんにお手紙を渡して、アワアワしてた様子もBerryzのDマガに収められちゃってますが。

ハイタッチ会で、他のメンバーは、こちらが手のひらを合せるのを待っている感じなのに、ゆめのちゃんだけ、ピシャピシャと ゆめのちゃんの方から手を叩いてきてくれます。その際に、なんかピョンピョンと軽くジャンプしてるような感じもあって。
佐紀ちゃんに抱きしめられたときに、「ふひゃあっ!」って感じで喜んだ、あの喜色満面な感じのままに。

ステージの神に愛でられし芸姫 浅倉樹々

さて、上に、形容の言葉がないと書きました。
それは、まさに浅倉樹々さんに対して、もっとも当てはまります。
このテイストを少しでもわかってもらおうとムダな努力を重ねた結果、数十行を推敲して削った挙句、この舞台と無関係のこの自分のTweetを引用してみるテスト。

樹々ちゃんのまとう空気は、この方に、現時点で一番近いんじゃないか、とか思います。

これまで各地で「逸材」なる高評価に今ひとつピンと来ていませんでしたが、すごく腑に落ちるところがあります。セリフも歌も、そんなに声を張るわけでもないのに、きちんと届いてくるところも。 そのセリフまわしだったり、演じる振る舞い方から、「ワガママで、あんまり周りを見ていないで、自分のことばかりなのに、でも、ちっとも嫌な感じはぜず、周りの方が合わせてあげる」感じがとても良く出ていて、その印象越しに、かつて樹々ちゃんの役柄を演じた菅谷梨沙子さんまでが、その場に降臨しているかのようで。

一番年下ということで、ハイタッチ会では一番前で待ってくれている樹々ちゃん。 舞台で見せてくれた、その横顔が、とても美しかったです。

丸富高校 準決勝演目『怪獣のバラード』

ニュース部の報道によれば、Berryz工房の自由さの鱗片を受け継いでいるらしき つばきファクトリーですが、どうやら、継承はそれだけではないようです。

物販のサウンドトラックに収められている丸富高校の準決勝での演目でもある『怪獣のバラード』、歌っている様子がとても楽しげで。 バラードと言いつつ、コミカルな曲調でもあるこの曲ですが、ラストの「♪愛と海のあるところ」の「と・こ・ろっ!」という部分の歌い方が。コーラスしてる小片さんと希空ちゃんの雰囲気も(お互いに自分の意図以外の部分で魅力を振りまいているところも)。

自分たちが率先してステージを楽しみ、ストレートなコミカルさ以上に、その楽しげな様子によってこそ、無上の楽しさを与えてくれた Berryz工房のステージ。つばきファクトリーには、その萌芽もまた引き継がれているようです。 その萌芽を大樹に育てられるかどうかは、今後の自分たちに懸かっているとしても。

須藤茉麻の目には何が写っていたのか

上にネタバレ回避について述べたところで、主題歌の『サンクユーベリーベリー』の歌詞にチラっと触れました。 もう一つだけ、『サンクユーベリーベリー』の歌詞について。

おんなじ方、見てると  顔は
わからないけど
でも笑い声が聞える

この部分、3月3日の武道館での夏焼雅さんのラストMCを思い出しませんか。
「いつも客席に向って話してるから、だから、みんなに向って言えてなかったから」と、あの時、雅ちゃんは、客席ではなく、一緒にステージに立っているメンバーに向き直って、これまでワガママで困らせたこともあったけど、一緒にやってきてくれてありがとうと、感謝の言葉を述べました。
上記の『サンクユーベリーベリー』の歌詞、このシーンが蘇りませんか?

と言いますか、先にも述べたとおり、Berryz工房の活動停止という経験を経たベリヲタとしては、この『サンクユーベリーベリー』という曲が全編にわたって、いろいろ響きすぎです。

さて、そんなBerryz工房、当のメンバーである須藤茉麻さんが、この舞台にもしっかり参加しています。 私のような、腰の甘いにわかで新参なファンですら、いろいろ射貫かれて平静ではいられなかったこの舞台。当の茉麻はどうだったのでしょうか。

女優としても指導者としても

茉麻は、六日坊主役として、女優としても舞台に参加。 これが、登場人物の紹介を兼ね、舞台の進行を促し、登場するシーンでは舞台を縦横に使って見事な熱演です。 なにより、茉麻、美しかった。

もちろん Berryz工房の頃から美しく、個々のビジュアルのパーツの主張が強かった茉麻ですけど、舞台女優としての道を歩み始めてから、どんどん美しくなっています。

演出家としての仕事は私たちにはわからないけれど、物販のパンフレットにはプロデューサーや脚本家との対談にて意気込みを語る茉麻が登場しています。そして同じく物販のサウンドトラックCDに同梱されたDVDには、初めての顔合わせと本読みにあたって、つばきメンバーに厳しく指摘を飛ばす茉麻が活写されています。
これだけだったら、うっかりすると「茉麻、恐いっ!」となりかねないコンテンツながら、大先輩である茉麻からいろいろと指摘をもらった つばきメンバーは、まっすぐ茉麻を見返しながら、「はいっ」と健気に応じています。「もう少し声を低くした方が良い」と言われた小片リサさんが、別のパートの読み合わせで、すぐにそのアドバイスを活かしているところも、是非、みなさん見逃さずに。

名選手が必ずしも名監督とは限らないとは、よく言われることかと。 とりわけ初めての指導的立場に気負いが勝って、ついつい、そんなつもりもないのに、厳しめに接してしまうなんてことは、どんな分野でも、新卒を迎えた職場のあちこちで日々繰り広げられている光景かとも思いますが、茉麻は、後輩たちに、指導者としても接しながら、しっかり慕われてもいるようで、舞台とは直接関係ないけれど、そんな様子も、こちらの心に染みるところです。
先に自分のTweetを引用してみたので、調子に乗ってみるテストその2ってことで。

その場面は永遠じゃないとしても

それでも、茉麻の目に写る舞台の様子を勝手に忖度するのは避けられないところ。
他の出演者よりも一歩前に出て一列に並んで、つばきメンバーが、たとえば主題歌の『サンクユーベリーベリー』を斉唱するのを、舞台上で一歩下がったところから、茉麻は見ています。とても落ち着いた美しい表情で。

はたして、須藤茉麻は、何を思うんでしょう。
その、弁天女子学院と丸富高校の出演者たちが歌う様子を静かに見つめているのは、あくまで役柄としての六日坊主のキャラクターを演じてのものなんでしょうか。それとも、そこには少しでも須藤茉麻本人の気持ちが込められているのでしょうか。

自分もかつてはあの列の中で歌っていたと思い出しているのでしょうか。
それとも、初めての舞台に挑み、懸命に頑張りを見せている後輩たちを慈しんでいるのでしょうか。
後輩たちを慈しんでいるとしても、一緒にこの舞台を創り上げてきた後輩たちとして慈しんでいるのでしょうか。それとも、Berryz工房を、ハロプロを、やがて引き継ぎ、自分たちが経験してきたあれこれに、いつかこの子たちも迷い、悩み、泣き、笑うのだと思っているのでしょうか。「いつの日か、子供たちは、世の中が自分を中心に回っているわけではないと気付く。できるなら、その日が、わずかでも先のことでありますように」という劇中の六日坊主の狂言回し的なセリフのままに

やがていつの日にか、つばきのみんなが、Berryz工房を引き継ぎ、立派にハロプロを背負ってくれることを遠く眺めながら、この子たちの先行きを遠望しながら、惜しみない愛と期待を向けているのでしょうか。

他の出演者よりも一歩前に出て一列に並ぶ つばきファクトリーのメンバーを、一歩後ろの立ち位置から、須藤茉麻は何を思って見つめていたのでしょう。

この、<つばきメンバー越しの一歩後ろに須藤茉麻>という構図。これほど、この再演された『サンクユーベリーベリー』という舞台において、響いてくるものもありませんでした。
主題歌の『サンクユーベリーベリー』を斉唱する つばきメンバーの後ろで、六日坊主に扮して自らもまた、『サンクユーベリーベリー』を口ずさむ須藤茉麻の姿が。

 

つばきファクトリー 生まれてくる「次」の予感

茉麻も一歩後ろから口ずさんだ主題歌の『サンクユーベリーベリー』、いろんなことが脳裏を去来して涙を止められなかったその構図ですが、やっぱり、それでも、堂々とステージでこの『サンクユーベリーベリー』を奏でてくれる つばきファクトリーの、嬉しそうで楽しそうで、それでいて、たどたどしくも初々しい無垢な様子は、とても印象的でした。

最後に、もう一回、主題歌から引用を。

消えてゆく声の余韻
生まれてくる声の予感
そのあいだの一瞬

先輩たちは、自分たちの道を見据えて、自分たちが育ったステージから歩み去って行きます。一方で、その先輩たちが戦い取ってくれたステージへと、新たに生まれてくる者が、あらたに歩みを始める者がいる。

同じ歩みではないかも知れないけれど、先輩たちが作ったステージを、後に繋いでくれる後輩たちがいる。

ああ、この子たちが継いでくれる
この子たちが、本人たちもまだ何もわかっていないかも知れないけど、舌足らずな初々しさと透明な歌声で、自分もステージに上がりたいと志してきた、この子たちが継いでくれる。…ほんとうに、私たちは、いったい何を見せられているんでしょう

やや大げさですが、私は、なんだか、やがて必ずやってくる自分が消滅するその日を受け入れられるような気がしています。
繰り返し、この時期に、この演目を、このメンバーで、というのは、これは計算なんですかね。

*****

つばきファクトリーのメンバーによって再演された演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』は、述べてきたように、今現在、舞台を演じてくれる今のメンバーも、そのメンバーを介して想起される先輩たちの思い出も、その先輩たちの思い出を経由してから改めて刮目する今現在のメンバーの新しい輝きも、渾然一体となって観る者の涙腺に手痛い攻撃をしかけてきます。
とりわけベリヲタのみなさまは、是非とも覚悟して鑑賞に挑まれんことを。

最後に。
投稿者は、あれこれイベントのレポをする一方で、モーニングの秋ツアーにも参加しています。パシフィコも武道館もチケット確保中ってことで。℃-ute の秋ツアーのチケットも順調にお届けされ始めました。追加公演の中野の千秋楽にも正しく申し込み中。
でね、モーニングも、℃-ute も、まだまだ未定のものが多いとはいえ、今のところ、めっちゃ席が悪いんですよ。めっちゃ遠いの。もう、ほとんど見えないの(笑)。
一方で、先般の New FesⅡでは、バチが当たるんじゃないかと脅えるほどの超良席でした。そして、『サンクユーベリーベリー』も、めちゃめちゃ良い席なんですよ。どちらも非常に前の方な上に、ド中央ではなく、すこし左右にずれていて、めっちゃ見やすいの。
…これ、どこか上の方から「流れろ!」って言われてるのかな。

(文=kogonil)

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=XgZoJZ68vvk]

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