つばきファクトリー 谷本安美、ハロプロ史上初の『My Days for You』も飛び出した「人柄」で歌うバースデーイベント2021

スキルではなく「人柄」で歌うミニライブ

進行役でやってきた助っ人樹々ちゃんの “やらかし” も含めて、なにごとも頓着せずに笑い飛ばして丸く収める谷本安美さんって、記事末の関連記事にもあるように、ホントに良い奴だと思います。

そんな安美ちゃんが、ほんとに “歌えることが嬉しい” と言っているかのように、嬉しそうに歌う様子は、それなりに短くないヲタ生活上で、いろんなメンバーがいろいろと歌ってくれるのを聴いてきた履歴の中でも、特筆したいものがあります。

つばきファクトリー 谷本安美バースデーイベント2021  2公演めセットリスト
01.『渡良瀬橋』(森高千里 → 松浦亜弥)
02.『』(森高千里 → 矢島舞美)
03.『赤いフリージア』(メロン記念日)
04.『My Darling ~Do you love me?~』(つばきファクトリー)
05.『My Days for You』(真野恵里菜)

上にミニライブのセトリを掲載しましたけど、『渡良瀬橋』にしろ『』にしろ、それは “しっとりと切なく” 歌われるべき楽曲かと思います。『赤いフリージア』だって、これは急に個人的な話になって申し訳ないけれど、2014年の道重さゆみさんの横アリで「私はこの歌を歌ってモーニング娘。になりました」って道重さんが言った、あの光景が脳から消えないもんだから、非常に涙腺に厳しい楽曲だったりします。『My Days for You』に至っては、記事冒頭で述べた通り。

なのに、全部の楽曲が、言ってみれば『My Darling ~Do you love me?~』の、まっすぐに可愛らしいテイストに飲み込まれて、これまでに(それぞれの楽曲では)感じたことのなかった印象を受けることになります。

いえね、うっかり上記のようなことを書くと、それこそ、谷本さんが歌い手としてのスキルが十分ではないことから、いろいろと情感を歌い別けねばならぬところを(それが出来ずに)一色のベタなテイストで全部を歌ってしまったっていう意味で受け取られかねませんけど、それ、違いますからね。

そうじゃなくて、これまで「しっとり」と「切なく」、あるいは、「明るいけれど、だからこそ切ない」といった印象だった楽曲に、谷本安美が歌うことで、新しい印象が付け加えられています。それこそ『渡良瀬橋』や『雨』なんて、切なく悲しい思い出を忘れられずにいる …みたいなところから、なんとまあ、切なくて悲しいことだってあったけど、それもまた人生だ …みたいな印象が生じています。辛い過去も受け入れて、そして、それはそれとして歩み続けようとする現在から「ああ、そんなこともあったなあ」と振り返っているようなテイストまで感じ取れる始末です。

ただ明るく嬉しそうに歌っているから、ってわけじゃありません。
オーディションに挑んで研修生となってから7年、その間、谷本さんが示し続けてきた、谷本安美としての、あっけらかんとカラっと明るい性格がファンに共有されているからこそ、楽しそうに歌う安美ちゃんから、これまで感じたことのなかった楽曲の印象が受け取れるというわけです。率直に、そんな安美ちゃんの在り方こそが、素晴らしかったのです。

安美ちゃんが示してくれたように、ハロプロって、まだまだ、長年のファンですら発掘できてない可能性に満ちているようで、そんなことを思わせてくれる安美ちゃんの笑顔が眩しかったよとお伝えして、レポなんだか楽曲レビューなんだか、よくわからない記事を締めようかなと。

(文=kogonil)

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