つばきファクトリー『今夜だけ浮かれたかった』はなぜ名曲か?

2018年9月24日、つばきファクトリー ライブツアー 2018秋-微熱- 横浜ベイホール公演。これさえ聞ければ、と中毒気味だった『今夜だけ浮かれたかった/つばきファクトリー』抜きで迎えたアンコール明けの一幕。

 つばきファクトリーのメンバーが登場し、披露されたのは『ENDLESS YOUTH/メロン記念日』。「まさか!」の不安は限界まで膨らみ続けた。本家のライブは見たことないが、知ってるぞ。これは大団円の曲だ。ライブは終わってしまうのか。いよいよ願い通じず、「何でもないよ さようなら」のリアル・『今夜だけ』を覚悟すべきか。

しかしながら。

「みなさん、さいごに、浮かれたいですか!?」

 フロアに呼びかける小片リサの、自信に満ち溢れた笑顔がはじけた。客席は意図を察し、リアル・『今夜だけ』の結末を回避したことを理解した。イントロをきっかけとして堰を切ったように溢れ出した歓声ともに、小さなライブハウスが、気のせいでなければ、物理的に揺れた。そして、少し肌寒くなってきた横浜に、去り行く夏をほんの少しの間引き留めた。

 焦らしに焦らされ、やっとありついた『今夜だけ』は最高だった。この曲がセットリスト最後方にどっしりと、横綱の風格で鎮座した意味が分かった。直近に披露していた夏のハロコンからたったの数週間で、ヘタしたら何かの絶妙なバランスが崩れてしまうくらいパワフルな曲につばきが育てたんだ。つばきが素晴らしい楽曲を手中に収めたことが、その楽曲に背中に押されるようにして、自信たっぷりで客席の期待を煽ってくれたことがこんなにもうれしい。今夜、いざ共に浮かれん!とおあずけ状態の客席をあおるつばきの面々の晴れやかなあの表情が忘れられない。

 ところで、なぜ『今夜だけ』は、こんなにいいんだろうか?

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