専門家をも喜ばせる、矢島舞美 天真爛漫の力 ~東京都提供テレビ番組 東京GOOD!~

元℃-ute リーダーで現在は女優を中心に活躍する矢島舞美が、東京都の提供テレビ番組、および、その YouTubeチャンネルに登場している。

矢島の地元である埼玉関連の企画でもなく、この番組への矢島の登場は一部のファンにとっては盲点となったようだが、ロケの大半で雨に降られて、しっかり傘を持っているあたりは矢島らしい言えよう(言うまでもないが、年月が経過していることから念のため補足すると、矢島は℃-ute 時代からずっと極端な “雨女” として知られている。2014年のサンキューベリキュー武道館公演の℃-ute 公演では、九段下と埼玉の一部のみ、局所的大豪雨に見舞われツイッタートレンド入りしたことも)

矢島が出演しているのは、時には政策的なアナウンスまで配信される「東京都 Tokyo Metropolitan Government」チャンネル内の、「東京のいいね!を見つける東京都提供テレビ番組」である『東京GOOD!マニア』の配信版。東京都提供テレビ番組 東京GOOD!は、テレビ東京で毎週月曜日の21時54分から放送中だが、YouTubeチャンネルで、一部アーカイブ的に現在も視聴できる。矢島は、東京の地形の起伏や境界線などを楽しく探索する企画に登場している。

あたかも、かつての在京キー局のお昼の帯番組を長年勤めたお笑い界のビック3の一角が、その蘊蓄と知的好奇心とプロの研究者も顔負けの知識を披露する、あの街歩き番組のように、専門家を招いて東京都の知られざる一面を照らす配信番組の、その(専門家を招く)ホスト役(?)として、矢島は、相変わらずの笑顔を振りまいているのだ。

視聴したファンによれば、やはり天真爛漫なニコニコとした笑顔や、綺麗なツルっとした卵型の輪郭がかえって幼く見えるところなど、矢島の魅力も十二分に伝わる仕上がりだったということだが、それ以上に、こうした蘊蓄に傾きがちな企画にあって、思った以上にホストとしての矢島が適任だとの声がある。

もちろん、かの街歩き番組のように、登場する専門家と互角に渡り合うだけの蘊蓄を披露するわけではない。だが、専門分野の話が通じること、本気で語る専門分野の知識にどこまでも追従してくることで、ゲストの専門家が非常に嬉しそうに満足そうにしているあの街歩き番組に負けぬくらい、この配信番組に登場する東京の窪地の専門家や境界線を楽しむ専門家もまた、嬉しそうに満足そうにしているのだと云う。

それは、専門家の披露する知識や、トリビアルな領域への関心の持ち方といったものを、あくまで素直に、どこまでも天真爛漫に、率直に矢島が感心し尊敬を(態度で)示していることが大きいようだ。「(専門家)あの山に登ってみましょうか?」、「(矢島)え~~♪登ってみた~い♪」などと、満面の笑顔と共に、専門家の促しにニコニコと呼応している様子や、区の境界線をまたいで立っている、その素直に面白がっている様子などが、丁々発止の勝負とはまた別の意味で、特殊な知的スタンスを持つ専門家を喜ばせているのだろう。

番組を視聴するファンだけでなく、番組に登場する専門家たちまで喜ばせる(から一層饒舌になり、ますます番組が打ち出すコンセプトが鮮明となる)矢島舞美の新たな才能が明らかになったのではないだろうか。

(文=椿道茂高)

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