夏まゆみ先生が永眠 モーニング娘。だけでなくファンの見方も育てた功労者を惜しむ声多数

振付師でダンサーの夏まゆみさんが、2023年の6月21日に病気のために亡くなっていたことが、7月6日に公表された。葬儀はご遺族の意向で近親者のみで行われたとのことだが、8月の下旬に都内でお別れの会が予定されているという。

以降、あえて “夏先生” と文中では称したい。
夏先生は、オリンピックの式典の振り付けを考案するほどのトップクラスの振付師でもありダンサーでもあったが、当欄としては、モーニング娘。を国民的アイドルへと成長させ、その最盛期における代表曲も、いわば夏先生の作品であったということを強調したい。その立ち上げの段階から、母体となったバラエティ番組の方向性の影響もあってか、モーニング娘。は、表向きの芸能活動をファンに見せるだけでなく、その “表向きの活動” を成り立たせる裏での研鑽も、かなり明け透けにファンの前に晒していた。そんな中で、いわば “裏方” となるスタッフからも数名の著名人が輩出されることになったが、ファンにとっても思い出深いのは、ダンスの厳しいコーチとしての夏先生だった。

モーニング娘。の国民的知名度も定着した頃に、夏先生はAKBの立ち上げ・指導のため、モーニング娘。やハロプロ関連から離れ、一部のファンにネガティブな意味での衝撃をもたらしもしたが、常に自らの達成に満足せず新しいチャレンジを続けていたという点で、あの厳しい夏先生は、自分にも厳しかったのだという一貫性こそが印象深い。夏先生は、そのチャンレンジの姿勢も含め、レッスン時の厳しいスタンスなど、現在のハロプロにつながる大いなるレガシーを築いてくれたと言えよう。

上記の通り、一時期の蜜月とも言える関係がなくなった後も、夏先生は、自らが指導した “教え子” の節目のイベントにゲストで登場することもあり、たとえば、その加入時の合宿審査で厳しく指導していた6期メンバーの道重さゆみが卒業を目前にした段階でのファンクラブイベントにもコメントを寄せたこともあった。近年では、実際にステージに登場せず VTR での登場となった場合でも、かつてを知るファンの中には “ずいぶんお痩せになったなあ” と思う者もあったようだ。

折しも、先だってモーニング娘。は、これまでの25年を総括するような武道館公演を大盛況のうちに終えており、そこでは、夏先生が先輩たちに厳しく叩きこんでくれた楽曲も、現在の後輩たちによって、当時のテイストを蘇らせて披露された。その模様を、夏先生も雲の上からご覧になっていただろうか。

7月6日の夜半になって、直接、夏先生から指導を受けたわけではないハロプロのメンバーやOGたちからも追悼の言葉がネット上で拾えるようになっている。
そのすべては網羅できないが、ここでは、モーニング娘。立ち上げ時から手を携えて歩んでいたプロデューサーのブログと、この7月6日にM-line の公演を終えたばかりでブログを更新した宮本佳林のものを取り上げたい。

夏まゆみ先生。

語ると思い出ばかりでキリがありませんが、
今まで、本当にありがとうございました。

つんブロ♂ 芸能コース 夏まゆみ先生。

いちばん。

いつか宮本佳林が1番良かったって言ってもらいたいって思っていた夢は叶わないけれど、これからも夏先生の振り付けを大切にたくさんの方に魅力的に届けられるよう頑張ります。ぜひ、天国で見守っていてください。

かりんの頭の中 いちばん。

今、私たちがハロプロだけでなく多くのエンタメを享受する際、ステージの上のパフォーマンスだけでなく、そのパフォーマンスを成り立たせる影のスタッフの多くを想起しながら見ているのは… 換言すれば、エンタメのスタッフワークの地位向上には、夏先生の貢献こそが大きかっただろう。

どうか安らかに。
夏まゆみ先生のご冥福をお祈りいたします。

(文=椿道茂高)

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