このところ、ハロプロを離れファンの前から去ってより此の方、一般人となったことも含め、一切の音信が不通であったかつてのメンバーたちが、SNS 上にひょっこり浮上する事例が相次いでいる。たとえば、スマイレージ初期メンバーであった小川紗季や、こぶしファクトリーの最初の離脱者でもある藤井梨央が、何年にもわたる消息不明の時期が嘘のように、すっかり大人な女性となった姿をネットに公開し、間接的に往時のファンと再開している。
そんな中でも多くのハロプロファンの眼を惹いたのが、元こぶしファクトリーの田口夏実だ。
2024年8月14日、秋葉原Galaxy で開催された、みおちゅん こと林美穂による『ハロプロ縛り4thワンマン』ライブのスペシャルゲストとして、2017年のマネジメント契約終了以降、7年を経て再度、ステージに登ったのだ。
林美穂(みおちゅん)は、ハロプロ好き過ぎてハロプロカバー曲を歌うライブやイベントなどを展開して2016年から活動している(→ 公式サイトはこちら)。その2024年のバースデーのイベントに、スペシャルゲストとして田口夏実が登場した。
こぶしファクトリーのメンバーだった田口夏実は、メンバーとしての自覚と責任を欠いた振る舞いがあったとして、2017年の年末に専属契約が解除されていた。その問題となる振る舞いが発覚してから、契約解除となる2017年の秋ツアーの最終日までの田口のブログなどでは、切ない胸中を漏らす場面もあり、ファンも、その発覚した問題との間で大いに揺れ動きながら、しかし、裁定が覆らなかったという経緯がある。
田口夏実は、それこそ小動物のような愛らしいルックスであるだけではなく、研修生のころから小さくて可愛いと評判で、「たぐっち」の愛称でも知られ、当時地上波で放送されていた深夜番組でも、先輩の Berryz工房メンバーが SATOYAMA 関連企画でロケに出向くにあたって帯同するなど、事務所からも推されている研修生であると見られていた。その後、先輩グループへのツアー帯同などを経て、こぶしファクトリーメンバーとして抜擢されることになる。だからこそ、2017年の年末の経緯は、当人にとっても、ファンにとっても、辛い経験となった。
そんな田口が、「最初で最後」とも言う形で、ステージに改めて登ることになった。
田口夏実本人にとっても、田口を招いてくれた みおちゅん氏にとっても、企画からオファーから、様々なタイミングで、イベントの実現に(直接的にも間接的にも)関与した多くの人にとっても、このイベントが成功裡に終わったことを寿ぎたいが、なにより特筆したいことは、往時の田口ファンが現場に足を運んで(いろいろあったにもかかわらず)田口を応援し、そして、最終的に、田口夏実の “卒業” を実現させたことだ。
田口夏実をめぐっては、2017年当時だけでなく、ファン側も辛い経験をしてきた。
それは、推しているアイドルが急にちゃんとした区切りもつけないまま舞台を去ってしまうというだけではない。自らの “推していた” ということも含めて、一連の事態を自分なりに自分に納得させること自体が、多くのファンにとって辛い経験となった。いわんや、田口夏実当人においては、その内面の葛藤は、安易に推し量るのも憚られる。
しかし、愛する “推し” が、ステージからファンに向けて笑顔を届けてくれることが決して “永遠ではない” ように、辛い経験や耐え難い別離から、それこそ “不祥事” すらもまた、その影響は “永遠ではない” と言えそうだ。
ファンとの別離から7年を経て、改めてステージに登った田口夏実を、多くのファンが温かく迎えたこと。このことは、長いハロプロの歴史にあっても、やはり、しっかりアーカイブしておくべき事柄だと思える。
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