Juice=Juice、金澤朋子卒業へ向けての流れすら完璧に組み立てた Concert2021~FAMILIA~金澤朋子ファイナル

圧巻のステージながら中盤から徐々に思い出させられる
“金澤朋子 卒業”

そう、Juice=Juice 久しぶりの単独コンサートとなった横アリ、ステージスキルという点で、おそらく他のハロプロのユニットより頭一つ抜け出している… というか、こんな記事にもあるとおり、ハロプロのステージスキルの粋が結晶したユニットともされる Juice=Juice です。そりゃ、いきなりのオープニングから、いきなりの大迫力なのも当然です。

中盤に差し掛かろうかという辺りで、オープニングの衣装から白のジャケットを脱いで、黒一色で(新メンバーを除いて)見せてくれるダンスパフォーマンスは、後日発売されるであろう映像化商品を待ちきれませんよね。

他にも、MCで “あざとさ” を発揮して、自ら「微妙な空気?」と会場を誘導する稲場愛香さんから『CHOICE & CHANCE』でちゃんとボイパも披露した井上玲音さんまで、しっかり見せ場は満載でした。

今、「あざとさ」と「ボイパ」で稲場さんと井上さんに言及しましたけど、稲場さんも井上さんも、そのステージ上の存在感に盤石さを感じます。前ページで、金澤朋子、植村あかりっていうオリジナルメンバーによって、多彩なメンバーが Juice=Juice というユニットとして堅固にまとめ上げられていることに触れましたけれど、同時に、現在の Juice=Juice の鮮明な特色を体現しているのは、研修生時代からハロプロ的ステージスキルの研ぎ澄まされた切っ先とも評される段原瑠々さんであって、だから何だと言われれば、それぞれに個性も強烈な稲場さんも井上さんも、そうした(金澤、植村に率いられ、そして段原の技量がステージを率先して牽引する)グループのメンバーとして遜色なく追従?並走?参加?言葉のセレクトが難しいですが、ちゃんとテイクパートして、その一部であることが(どの場面でも)確認できることが凄いな、と。

“あざかわ” に真っ先に触れてしまいましたけど、ほんとに愛玩動物のような愛らしさで、それこそ低い位置から上目使いで見られたなら、性別問わず虜にならざるを得ない稲場愛香さん、しかし?やはり?繰り返し言葉のセレクトが難しいですが、凄まじいダンスの迫力です。
“ボイパ” について最初に言及してしまいましたけれど、首筋もほっそりしていて、振り返りで大きな眼で見つめられると、性別問わず吸い込まれてしまうような魅力を放つ井上玲音さん、これまた?あいかわらず?どうしても言葉のセレクトが難しいですが、歌声の朗々さが突出しています。
そして上に「ハロプロ的ステージスキルの研ぎ澄まされた切っ先」と述べた段原さん、あんだけ圧巻のパフォーマンスを誇りながら、DVD企画や大量に放流される動画などでは、メンバーと一緒にいる時やバックステージにあっては、ほんとに控えめ?ほっこり?どうしたって言葉のセレクトが難しいですが、隅っこでニコニコとほほ笑んでいて、実に癒しのパワーを発揮していますよね。そして、だからこそ、もう一回反転して、ステージで見せるパフォーマンスの迫力と研ぎ澄まされ具合に驚嘆します。

金澤、植村が牽引する Juice=Juice、そのパフォーマンスの中核は、これら稲場、井上、段原が縦横に活躍して、びっくりするほど層が厚めです。って、きっと、このメンバーの取捨についても意図的にセレクトされたんだろうなって思えるほど、序盤から中盤への展開は、純粋にコンサートとして引き込まれます。

けれど。
これは本当に上手だなあって思うんですけど、ライブの中盤あたりから、徐々に、ちゃんと “金澤朋子 卒業” ってところへ、ライブの流れが収斂していくんですよね。その意味で、今般の横アリは、ほんまにセットリスト他、いろんな演出が秀逸だったなと思う次第。

途中、メンバー数名で入れ替わりながら歌う局面がありまして。
新メンバー3名の『如雨露』をのぞいて、このメンバー入れ替わりパートで、ほとんど最初っから最後まで、金澤さん登壇しっぱなしです。他のメンバーに比して、金澤さんの負担が大きいってだけじゃなく、なんか、全部のメンバーと個別に一緒にパフォーマンスして何かしらを残していこう、っていうようなところが感じ取れるようなパートとなっておりました。そんな中盤戦のラストは、3代目を継承した植村あかりさんとの『シンクロ。』です。植村あーりーとのデュオで、この曲を持ってくるあたり、かなり意図的だと思いませんか。

ほとんど後半戦に差し掛かったあたり、『Magic of Love(J=J 2015 Ver.)』は回廊を巡回します。個人的には、そういった巡回じゃなくて、あのシスコムーン・リスペクトのダンスを、しっかり、見せて欲しかったなあって思ったことは秘密ですけど、やっぱり巡回しながら、すれちがいざまにメンバーたちが手を触れあったりアイコンタクトしたりするのは、醍醐味ですね。

そう、メンバーたちが思い思いに、あるいは間近な客席にアピールしながら、あるいはメンバー同士でアイコンタクトしながら、横浜アリーナの回廊を巡回中に… 金澤さんに懐いていることでも知られる松永里愛さん、後ろから回廊を巡回していた金澤さんが自分の方へ追い付いてくるのを待って金澤さんへ手を伸ばしたかと思ったら、曲の進行に応じて、”あの場面じゃない?” って気が付いたかのように、急に驚いたような表情で金澤さんを振り返って… って思ったら、その背後から植村あかりさんも接近して来ていて…

あの誰もが知る大コール「ここだよ ともこ!」を、あんな風に見せてくれるなんて、そこで一気にこちらの心も涙腺も、いろんなものが決壊しますよね。

これも、巡回していたからこそ可能になったことで、まさか、ここまで演出上の意図だとしたら、率直に脱帽するところです。

そのまま『Magic of Love』の曲終わりへ向けて、回廊巡回を終えてステージに集合して、「♪あなたが好きよ」と歌われるところで「♪ともこが好きよ」とかね。そこから MC を挟んで、新曲『Familia』から『Goal~明日はあっちだよ~』への流れとかね。いや『Goal~明日はあっちだよ~』は泣くよね、そりゃね。あんな明るく躍動的な旋律なのにね。

いや、ほんまに、演出担当は意図していたんでしょうか?(← 率直に感嘆しております)

とはいえ、やっぱり圧巻の妖艶 Juice=Juice

上に、ライブの流れ全体で、徐々にセレモニーへ向けての上手な組み立てが仕込まれていて、それは本気で感嘆したところなんですけど… などと、順番とか無視して先に書いちゃいましたけど、もちろんライブ全般を通して Juice=Juice の技は冴えまくりです。

上に言及した『Magic of Love』についても、高木紗友希宮本佳林ってボーカルの二枚看板を欠きながら、いったいどうなることかと思っていたけど、段原瑠々さんが補って余りある斉唱を響かせてくれます。すげえや!って、これまた率直に、語彙力が劣化するほど。もう一回言いたいよね、段原さん、ハロプロ的ステージスキルの研ぎ澄まされた切っ先だって。

そう、もうオリジナルメンバーは2名しか残っていないのに、3曲目の『ロマンスの途中』なんか、やっぱり「いやーーー!Juice=Juice だよなあ!」と思わせてくれるのも実に不思議です。その不思議さの一端は、たとえば稲場愛香さんや井上玲音さんの、清々しいほどの笑顔だったり、嬉しそうなパフォーマンスだったり、そんなステージに立つこと自体を満腔の喜びで表現しているかのような様子に、セレモニーでの金澤さんのコメント(「Juice に参加するまでの経緯は様々だったけど、仲良く楽しそうにしてくれるのは、見ていて和んだ」)を併せて思えば、ユニットとしての Juice=Juice としての形が出来上がっているってことに、改めて驚く次第です。たとえば、オリジナルの歌い手による横アリの現場への祝花も話題になった『DOWN TOWN』ですが、すっかり Juice=Juice オリジナルとして「待ってました」感すらあって、間奏のダンスなんか挙げるまでもないほどかと。

個人的に目を奪われたところとしては、松永里愛さんの歌が妖艶なんですよね。序盤で『Va-Va-Voom』へかけて白の上着を脱ぎすて露出の大きな黒の衣装だけになるところも妖艶なんですけど、松永里愛さん、まだ若いのに、『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』の一瞬静かになるソロパートなんかでも実に堂々としていて、しかも流し目なんかも見事で、思わず目を奪われます。松永さんに対してこんな形容をして良いのか迷いますが、めっちゃ色っぽいんですよ。衣装チェンジといえば『TOKYOグライダー』の工藤由愛さん、露出云々の前に、足が長いのが目立ちすぎです。

オープニングの黒を基調とした衣装からチェンジして、新メンバー(有澤一華入江里咲江端妃咲)だけの『如雨露』など、ちゃんと合間に “フレッシュ” なところも入れ込んでくるかなと思ったら、参加する楽曲で新メンバーたちも、しっかり表情を妖艶に造り込んでいて、なんか、ちゃんと Juice=Juice だったのは、やっぱり特筆しておきたいかなと。

*****

そう、なんか、めっちゃ “出来上がっている” んですよね。
だからこそ、しっかり終盤へ向けてのセレモニーへ向けた流れも、しっかり仕組まれていて。

Juice=Juice、個々のパフォーマンスのスキルだけでなく、全体として(金澤朋子卒業へ向けての流れすら)見事に仕上げていたようです。…と、そんな卒業のセレモニーについてはページを切り替えて。

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