Juice=Juice、2021年11月末に横浜アリーナにてハロー!プロジェクトのステージスキルの結晶を披露するライブを敢行!

ハロー!プロジェクトのアイドルグループ Juice=Juice が、2021年11月24日に、横浜アリーナでコンサートを行うことが決まった。

Juice=Juice Concert 2021 ~FAMILIA~

公式サイト イベント詳細 ​Juice=Juice Concert 2021 ~FAMILIA~
日程会場開場開演
11/24(水)横浜アリーナ (神奈川)16:3018:00

ハロー!プロジェクトのアイドルグループが行うコンサートとしては武道館を超えた大きな会場となる。
もちろん、ハロー!プロジェクトを代表するモーニング娘。が国民的アイドルとして人気を博していた時期には、横浜アリーナも、さいたまスーパーアリーナも、いずれもコンサート会場となったし、Berryz工房は史上最年少で さいたまスーパーアリーナでコンサートを開催したことでも知られる。もちろん ℃-ute も、2017年の解散ライブは、さいたまスーパーアリーナで敢行した。だから、武道館を超える大きな会場として、ハロプロの20年の歴史を通覧すれば、横浜アリーナが特に珍しいと言うわけではない。

それでも、解散コンサートを さいたまスーパーアリーナで開催した℃-ute を例外として、2010年代以降では(20年の歴史の後半分については)、道重さゆみの卒業公演の2014年のモーニング娘。や、武道館を平常運転にして疾走感が物凄かった2015年の ℃-ute 、そしてラスト(とされる)ライブを開催した2017年の Buono! に続いて、ついに Juice=Juice が、武道館越えのステージに立つことになる… と言えるだろう。

そう、武道館越えと言うなら、2019年の国立代々木競技場第一体育館をモーニング娘。と並んで彩ったのが、Juice=Juice だった。

Juice=Juice は2013年に結成されてから初の武道館を踏むまで(2016年11月)過酷なライブツアーを行っていたことでも知られる(参考|「Juice=Juiceが長いミッションの果てに手に入れたもの【レポ】Juice=Juice LIVE MISSION FINAL at 日本武道館」)。メンバーたちの証言するところでは、そうしたライブツアーを経て、ときにぶつかりながらメンバーたちの絆が醸成されていったと云う。そんな絆で結ばれた Juice=Juice は、そろってハロプロ史上屈指の歌姫たちであったことでも知られる。それが、メンバーであった宮本佳林からの強い要望で、著名なボイストレーナーのレッスンを受けることで自ら創り上げた努力の結晶としての “歌姫” であったことも。

そんな Juice=Juice は、メンバーがそろって歌唱力に秀でているだけでなく、まさしくハロプロだけでなくアイドル界隈全体を牽引するほどの疾走感で駆け抜けた℃-ute の研ぎ澄まされたステージパフォーマンスを継ぐグループであるとも目されていた。初代リーダーの宮崎由加が卒業する以前からも大きなメンバーの変遷を経てきた Juice=Juice だが、この研ぎ澄まされたステージスキルが際立つというグループの特色は揺らぐことはなかった。

初期メンバーで2代目リーダーである金澤朋子は、その独特の歌唱の響きも魅力的だが、リーダーらしいと言うべきか、いつしか “研ぎ澄まされたステージスキル” といったグループの特徴を体現するような全方位プレイヤーとして、Juice=Juice のステージを支えている。現在、持病の治療で十分な活動ができないところもあるが、公式なアナウンスでは、横アリ当日までには復帰の見込みだ。

植村あかりも、グループ結成当初は、その奔放なキャラから “研ぎ澄まされたステージスキル” を構成する重要な要素である “メンバー相互のハーモニー” を、ときにかき乱すような振る舞いが懸念されもし、期待されもしたが、そうした見方からは意外なほどグループのハーモニーに貢献し【続けて】いる。「靴」すら「足枷」とする植村だが、グループはもはや身体の一部のようだ。もちろん、ハロプロ屈指の美少女であることは、今更言うまでもない。

活動休止から復帰して Juice=Juice に参加した 稲場愛香 は、ハロプロの歴史にあって特筆されるべきダンサーであり、その歌唱、ダンス、ステージ進行の全般において卓越した技量を誇る。さらには、あざとい可愛さアピールから如才ないメンバー間の潤滑油としてのトークにも秀でたものがあって、グループ加入の経緯からか、昭和の社長シリーズに登場する社長秘書のような見事な “お追従(ついしょう)” から稲場特有の “あざかわ” まで、その本領発揮を微妙に遠慮しているかのような様子すら見られるほど。昨今では、その “微妙な遠慮” すらも、稲場の愛らしさの発露と見られるまでになっており、まさしくアイドル的素質の塊だ。

所属グループの解散を経て Juice=Juice に参加した 井上玲音 も、細く長い首筋と対比的な大きい瞳に顕著なように、目を見張るビジュアルメンバーであると同時に、ボイスパーカッションからラップ調のセリフまで、変幻自在なボーカルを誇り、Juice=Juice のパフォーマンスにバラエティと奥行きをもらたしている。(他、谷本安美といったハロプロ内須藤茉麻継承者を Juice=Juice に誘引していることは触れない方向で)

ハロプロ研修生にあって、”ハロプロ的ステージスキルの粋” とまで言われた “実力者” 段原瑠々 は、もはや Juice=Juice のステージに貢献しているどころか、Juice=Juice の技の冴えそのものを代表していると言って良い。段原のパフォーマンスを目の当たりにした大先輩が、段原を、誰もが認めるハロプロエースであった鈴木愛理に比したことからも、その実力は明らかだが、何よりも、そうした圧巻のスキルを身に秘めながら、恥ずかし気で控えめな笑顔で、癒しのテイストすらグループに加味していることに注目するファンは多い。

タコ愛が行き過ぎて諸先輩方も突っ込みに迷っている 工藤由愛 は、グループに慣れてくるに従って、かえって慌ててドタバタする様や挙動不審さが目立ち始め、ファンの多くも、その突っ込み方を今一つ把握できずにいるほど、少しずつ奔放さを表に出し始めている。一方で、新生 Juice=Juice の大事な場面では、ここぞという歌割をソロで任されることも多い他、その肢体運用のストロークの大きさも顕著で、なるほど、「技のJuice」に抜擢された理由もまた、徐々に鮮明になりつつある。

飄々とした大物感が漂う 松永里愛 は、大舞台のステージであれ、ほとんど初めて参加したDVDロケ企画の絶叫マシンであれ、まったく動じたところを見せずに軽々とこなしていく様子も印象的だったが、ようやく少しずつ公開されてきたバックステージの映像からは、その “動じていない” ようなところも含めて諸先輩方にイジられている場面もあって、年齢にそぐわぬ完成度を見せていたかのようでいて、年齢に見合った幼い可愛さがファンに周知されつつある。もちろん “年齢にそぐわぬ完成度” としたように、そのステージ上での振る舞いは、やはり大物感が漂う。

そして未知数の新メンバー、有澤一華入江里咲江端妃咲 の3名は(同時期に正式メンバーとなった つばきファクトリーの新メンバーの武道館と対比的に)グループ全体とのパフォーマンスを横アリでお披露目することになった。グループ全体での初お披露目が大舞台であることで、この先の新メンバーたちの成長に、どんなドライブがかかるか刮目だ。

Juice=Juice が単独で横浜アリーナ公演を開催する一方で、先輩グループのメンバーが武道館で卒業していくことに釈然としないとする声も聞こえる。(モーニング娘。佐藤優樹アンジュルム 笠原桃奈
しかし、たとえば佐藤の卒業については、元々単独コンサートを予定していた会場が、諸々の協議の結果、卒業コンサートとなった経緯が推察されるようなアナウンスがあったことも含めて考えるならば(あくまで武道館が卒業コンサートなってしまったことがイレギュラーだったという意味で)、上記に延々述べてきたような Juice=Juice のグループとしての色合いからすれば、秋から年末にかけての個々のグループの単独公演がつるべ打ちされる(コロナ禍対応からユニットのシャッフル的なライブツアーを続けていた2021年の文脈からすれば)この隠し玉的な企画にあって、元々、Juice=Juice を横アリで押す、ということが当初からの企画だったという線は、大いにあり得るところだ。

それでもファンの中には “横アリにたどり着くなら、もう少し助走的にドラマを盛り上げるとかしてはどうか?” といった声もないではない。しかし、繰り返し、上に述べてきたところからすれば、おそらく横浜アリーナのステージに立った10名の、ハロプロ的なステージスキルの研ぎ澄まされた切先の切れ味に、客席は息をするのも忘れるのではないだろうか。

ハロー!プロジェクトのアイドルグループ Juice=Juice が、2021年11月24日に、横浜アリーナでコンサートを行う。その迫力のステージから新メンバーの帰趨まで、刮目して待ちたいと思う。

(文=椿道茂高)

日程会場開場開演
11/24(水)横浜アリーナ (神奈川)16:3018:00

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