【ライブレポ】℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』~「継承」の行方と「坂の上の風景」~

はじめに

2015年11月28日の土曜日、聖地である中野サンプラザを千秋楽の舞台として、℃-ute の2015年秋ツアー『℃an’t STOP!!』が華々しく幕を閉じました。

このツアーでは、12月に発売される2年ぶりのアルバムからの新曲も披露されています。盛り上がり的に最高なだけじゃなく、ステージの上ではしゃぐメンバーの姿が実に愛らしく、そして「℃-uteらしい」姿となってる『アイアンハート』は、通常のセトリにも組み込まれていました。
が、千秋楽スペシャルということで、11月28日の昼公演、夜公演では、アンコール曲に『情熱エクスタシー』が追加で初お披露目。
著名ギタリストの演奏も売りなこの曲ですが、曲紹介でギターが「みーみー」鳴ってると説明した上に、曲名を忘れてメンバーに教えてもらってるなど、たいへんに安定のリーダー矢島舞美であったことを、まずはお伝えすべきでしょう。何よりも、まず。

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大迫力の凄まじさ ℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』

そんな(?)テンションが上がりきってしまうとMC中に「んにゃー」と鳴くリーダーの天然ぶりも順調に炸裂した2015年の℃-ute の秋ツアーは、「セトリの緩急? なにそれ? おいしいの?」とでも言わんばかりの、盛り上がり曲ばかりで一瞬も立ち止まらぬフリコピ殺しな構成。
先にエンタメアライブに投稿させていただいた「℃-ute 第三章の胎動 ~℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』中間報告~」では、通常のライブにおける “後半戦の怒濤へ向けての盛り上がりが5~6回繰り返される感じ” と述べました。繰り返し、その感じを述べるなら “演者も観客もテンションがあがったところでのアンコールが延々2時間続く” 感じ。

というわけで、今回の秋ツアーについては、何よりもセトリが雄弁にその特徴を語っていると思うので、申し訳ないけれど、本来ならDVDを楽しみにしている方がスルーしやすいように記事末に置くべきセトリを早々にご紹介。

【セットリスト】(11/28日千秋楽追加分を中心に)
01) THE FUTURE
02) 女性中間管理職
03) 愛ってもっと斬新
04) 会いたい 会いたい 会いたいな
MC
05) Kiss me 愛してる
06) 憧れ My STAR
07) ENDLESS LOVE〜I Love You More〜
08) SHOCK!
MC
09) 二十歳前の女の子 (11/28 千秋楽 舞ちゃん二十歳前ラスト)
10) Bye Bye Bye!
11) I miss you
12) 涙の色
13) FOREVER LOVE
14) Danceでバコーン! (毎度、なっきぃ のアドリブの煽りから
MC:2人が残って自由にトーク中、他は衣装変え。終わった者から【三々五々】出てきて交代
15) 都会っ子純情
16) Love take it all
17) まっさらブルージーンズ【2015.Ver】
18)JUMP
19)Crazy 完全な大人
20) アダムとイブのジレンマ
MC
21) アイアンハート
22) 世界一HAPPYな女の子
~~アンコール~~
23) 嵐を起こすんだ Exciting Fight!
MC
24) 情熱エクスタシー (11/28 千秋楽 昼・夜 特別版)
25) ありがとう~無限のエール~
26) SHINES
27) 我武者LIFE (11/28 千秋楽 夜のみ)

そんな迫力のセトリを演じ切った5人の℃-ute メンバーもまた、そのセトリとツアータイトルに恥じぬ貫禄と圧巻のパフォーマンスっぷり。

いや、ダンスが上手なメンバーも、上手なだけじゃなく魅せるというか妖艶だったり清々しかったりするメンバーも、歌がすばらしいメンバーも、ステージ上での振る舞いが楽しげだったりするメンバーも…ひとつひとつの個別なトピックについて、すばらしいパフォーマンスとして特筆すべきというのは、ハロー!プロジェクトの、どのユニットにも、「この人こそ!」と言うべきメンバーを挙げることができます。
しかし、こと℃-ute については、5人が5人とも最強なもんだから、困っちゃいますよね。

そんな最強の5人が、すばらしすぎるステージを見せてくれた2015年の秋ツアー。
さっきもリンクした中間報告にも挙げたように、℃-ute のステージがすばらしすぎることは、それはもう『神聖なるペンタグラム』ツアー以降、全部のステージがそうなんですけれども、まさしくノンストップな今般の秋ツアーにおいて、メンバーたちは自分たちの力量を自覚する部分もあったものか、なんとなく(セトリから何から怒濤すぎるというのに)余裕があって、だからこそ、その最強ぶりも際立ったのでした。

そんな中から、いくつか印象に残ったところを。

あまりにも自由で楽しげなMC その1 煽る中島早貴

今般の℃-ute のツアーで強い印象を受けたのは、もちろん怒濤のセトリが第一であるとはいえ、メンバーの自由さが際立っていたところも大きいところ。これまでも℃-ute は、ライブが大好きなこと、ライブで客席が喜んでいる顔を見るのが大好きなことを、ラジオでもDマガでも公言してました。自分たちも率先してライブを楽しんでいたこと、それはそのとおりかと思うんですが、今回はそのステージの上での振る舞いの自由さに驚かされたところが大きいです。(※1)

  1. 今般の秋ツアーには、投稿者は、座間、川口リリア、伊勢原、中野に参戦。
    ℃-ute のツアーとしては、自分史上過去最悪の当選率であったこと、とりわけ『トレジャーボックス』以来皆勤であった℃-uteのパシフィコに、今回は落選したことは個人的には痛恨。しかし、幸い「当日券」という強い味方があったことをお知らせしておきます。…ってか、正規の当選チケットよりも、中野なんかでは、当日券の方が良い席だったりして、なにかと悩ましい日々です。

まずは『Danceでバコーン!』の前フリから。
ダンバコ前、ステージの中央階段に展開したメンバーたちが、ダンバコに入るため客席に背中を見せるなか、中島早貴さんがダンバコのイントロのフリで腰を大きくひねりながらふり返って客席を煽ります。

(中島)「ダンスで、ダンスで、ダンスでぇ~~?」(客席)「ばこーーーん!」とか。

この煽りは毎回、なっきぃ がアドリブで自由に考えていたとのこと。
で、毎度、煽った直後に、曲始まりの場位置展開で、歌詞が始まるまでの数秒間、お隣のメンバーに何やら照れ笑い風にこちょこちょお話ししてたり、伊勢原の土曜日の公演時だったか、ご挨拶のMCで「そろそろネタ切れなんで、みなさんよろしくお願いしますね」と、客席としても何をお願いされているのかわからない呼び掛けをもらったりだとか、なっきぃ、楽しそうでした。
この辺りの回変わりの「煽る なっきぃ」については、きっと来年の春あたり、Dマガでコーナー化されるんじゃないでしょうか(楽しみですね)。

あまりにも自由で楽しげなMC その2 普段の様子もそのままに?

そしてダンバコ終わりのMC。
毎回、メンバーから2名がそのまま残って、ツアー名にちなんだ「止まらない話」をしてくれます。

そのMCの内容については、それ自体も面白かったんですけど、きっと来年の春以降のDマガで収録されるでしょうし、それを楽しみにしている方も多いと思うので割愛で。(※2)

  1. ℃-ute のDマガは、毎度、ツアーのMC網羅率が高いことでも有名。
    一本じゃ収まりきらなかったので、と追加が出てくるのも(トレジャーボックス以来は)恒例。嬉しいことです。

このMCでは、その内容以上に、メンバーたちの振る舞いに注目です。
ステージに残った2名がトークしてる間、3名のメンバーは衣装チェンジしています(このチェンジ後の衣装も個人的には推したい)。で、衣装チェンジを終えたメンバーが、終えた順から、「よっこらせ」って感じで、袖からスタスタ歩いて出てきては、展開中のトークに参加したりしなかったり。

たとえば、こんな感じ。
愛理さんと なっきぃ がトークしてる中、向って右側からのんびりと着替え終わった舞ちゃんが出てきます。急ぐでもなく、ゆっくり歩いて。愛理さんと なっきぃは「じゃあ、後は任せた」とか言いながら自分たちの衣装チェンジのために引っ込んで(これも、全員がそろうまで待っている場合あり、トークが盛り上がってしまって、引っ込むタイミングがつかめなかったりする場合ありと、公演毎に実に様々)、残された舞ちゃんが一人で困ってると、すっかり着替え終わっているのに、困る舞ちゃんが面白いもんだから、袖で待機しちゃってステージに出てこない舞美ちゃんと岡井さん。それを見つけて「終わってんじゃん!もー出てきてよ!!」と、ステージと袖の間で会話を始めてしまうメンバーたち…といった感じ。

この、着替え終わったメンバーが、ゆるゆると出てきたり、その場のトークに加わったり加わらなかったり、最初に着替えたメンバーと入れ替わりで引っ込んだ二人が改めて登場して、ステージに衣装チェンジした5人がそろってからも、トークが終わらなかったり…
こうした様子が実に自由で、楽しかったのでした。

自由さの背後に見える自分たちへの自信

今、中盤のMCの、内容ではなくMCそのものの展開の自由さについて述べました。
私見ですが、今回はその自由さが全編にわたって発揮されていたようにも思います。

たとえばの話。
ステージでミスするってこともあるじゃないですか。先の夏ハローでは、ステージ中央に集まってしゃがむフォーメーションで場位置にズレがあったと見えて、しゃがんでから、かかとだけを使って身体一つ分ズらす様子を目撃しました(これ、飯窪さんでした)。この例なんかでは、身体一つ分でしかないんだから、しゃがむ前に一歩だけ踏み出せば済むようにも思うんですが、その一歩分だけでタイミングにズレが出てしまうから、正しい場位置を取ることを優先して一斉に腰を落とすタイミングが乱れるのを選ぶか、一斉にしゃがむタイミングがそろっている見栄えの美しさを優先して場位置は後から調整するか、って判断を一瞬でステージ上でこなしてるわけですよね。
いかに舞台演出さんが入念に進行を定め、いかにダンスの先生がカッコ良いフリツケを考えてくれて、いかに音響スタッフさんが最高の響きを調整してくれていても、いったん幕が上がったら、誰も助けることはできず、その場でメンバーがなんとかするしかない。
ほんまにリスペクトの他ないハローのステージではあるんですが。

で、今回の℃-ute。
けっこう場位置移動やなんかで(誰とは言いませんが)やらかしてます。
きれいなVの字の形に並ばなきゃいけない場面で、ひとりだけ客席煽りからの復帰が間に合わなかったり。
んで、そんな場面で、℃-ute のみなさんは、場位置復帰に遅れたメンバーが占めるべき位置を空けたまんまで待っています。そして遅れたメンバーは、とくに焦りを見せるわけでもなく、悠々と空いた位置にスルっと復帰します。
大事なことは、そういう場面が客席にわかっちゃうようであっても、それでも、パフォーマンスの乱れだとか、一切感じさせないところ。
これは「すげえ!」と思いました。

そうじゃなくとも、激し目の楽曲が連続する中で、とんでもない勢いで場位置をくるくる入れ替え続けていて、それはそれで目を見張る見事さなわけですが、そこに偶々ミスがあっても、それが全然ミスに見えないのが一層スゴイです。ほんまに。

あまりにも自由で楽しげなMC その3 鉄板過ぎる岡井家

そして今回も様々に岡井家事情を披露する岡井さんです。
ここで特筆すべきは、千秋楽の中野夜公演。いつものように楽しげに岡井家ネタを話し始めた岡井さんですが、突然、その公演にはDVD収録が入っていることに思い至ります。

「だめじゃん!今日、DVD入ってるじゃん!だめだめ!うちのママ、こういうのチェックしてるんだから!」と大慌て。
「あ、昼公演のMC使ってもらえば良いか。昼公演の使ってよ!」と安心して岡井家事情を続ける岡井さんです。

そこで語られた内容は(すでにいくつかの「まとめ」に転載されていることもあり)やはりDマガを楽しみにすることにして、やっぱり注目したいのは、そんな具合に、客席もステージ上のメンバーもそっちのけで、いきなり収録スタッフと会話を始めてしまう岡井さんの様子です。
そんな飾らない様子を目の当たりにして、置いてけぼりな一方、やっぱり楽しく嬉しいのが℃-ute のステージを見に来た醍醐味というものかもしれません。

こうした自由さに、投稿者は何かしら感じるところがありました。それが上述のとおり、なんとなくのメンバーたちの自分たちへの自信と余裕にもつながっているとも思うのですが、こうした自由さ、どこかのグループを彷彿とさせませんか?(後述)

過去最高の『まっさらブルージーンズ

もちろん、コミカルで楽しい自由さと飾らない素の姿(であるかのように見える)メンバーたちといっただけではありません。

今回の秋ツアーの『まっさらブルージーンズ』は、千秋楽で愛理さんも語っていたように、オリジナルのアレンジでもなく、2012年の「神聖なる Ver.」でもなく、「神聖なる」アレンジに重ねてオリジナル以上のベースの響きを重ねたような重厚な音調。
その重たい響きにあわせて、ステージ一階左右、中央二階、三階部分左右とメンバーが展開して奏でられる『まっさらブルージーンズ』2015年版ともいうべきこのアレンジは、過去最高の『まっさらブルージーンズ』です。
すばらしかった。

ってか、この『まっさらブルージーンズ』から『JUMP』への展開は、今までだっていろいろと鳥肌を立ててきた ℃-ute のステージのなかでも、群を抜いて最強でした。
個人的に過去最高の『まっさらブルージーンズ』は2012年の「℃-ute の日」のものだと思っていましたし、2015年の6月の横アリでは、その演出もあって、それに匹敵するレベルだと思いましたが、明らかに今般の秋ツアーの2015年版『まっさらブルージーンズ』が、これらすべてを凌駕したと思います。
そして個人的に ℃-uteライブでの最高の鳥肌は、『Midnight temptation』一択と思っていましたが、今般の『まっさらブルージーンズ』から『JUMP』への展開は、これを越えたと思います。
すばらしかった。

「なっきぃ!」コールも過去最大の音量

個々の歌割りの後にメンバーの愛唱を客席からコールする姿は、ハローのライブでは定番の風景です。
けれども、今般のツアー、「なっきぃ!」というコールが、これまた過去最高の音量だったと思いませんか?

川口リリア辺りで、「おおっ、なっきぃコールが大きいな」とか思ったんですけど、ずーっと「なっきぃ」コールは大きいまんま。
℃-ute のステージで一際大きいコールと言えば、一時期までの「あいりー!」、ここ最近では「まいみー!」かと思ってましたが、今般の秋ツアー、はっきりと「なっきぃ」コールが大きかったように思いました。

もちろん投稿者も「なっきぃ!」って言ってきましたけれども。

舞美ちゃんと愛理さんにまとわりつかれる岡井さん

新曲の『アイアンハート』では、定められたフリつけというものはサビの部分の足踏みくらいしかなく、それ以外のところは、メンバーたちが思い思いに(それでも歌割りにあわせてスクリーンに抜かれるタイミングと順番をしっかり踏まえながら)わちゃわちゃしています。
この曲中、ちょうど中程のところ、愛理さんが岡井さんへまとわりついて、ちょっかいをかけています。そして、愛理さんに抱きつかれて嬉しそうな満面の笑顔の岡井さん。
その他、舞美ちゃんが岡井さんにちょっかいかけてる場面も多く、『JUMP』の間奏中、三階左側に位置取った岡井さんに、二階センター部分から、ちょっと悩ましい形で絡みにいく舞美ちゃんだったり。

この、愛理さんや舞美ちゃんに絡まれて嬉しそうな岡井さんという図、ずっと長らく℃-uteを追ってきたファンには、とりわけ感慨深いものがあるのではないでしょうか。
わちゃわちゃしたコミカルなメンバー同士のいちゃいちゃと言えば、ここ最近は岡井さんと舞ちゃんの独壇場だったわけですが、それだけではありません。上に述べた「愛理さんや舞美ちゃんに絡まれて嬉しそうな岡井さんという図」は、全部、愛理さんから岡井さんへ絡みに行っていますし、舞美ちゃんからのちょっかいなのです。

多くは述べますまい。
リーダーとして時に厳しくメンバーに対していたこともあったという舞美ちゃん。そして、ある時期までファンがハラハラしながら心配していた、愛理さんの立ち位置というか、愛理さんと岡井さんの関係。多くは述べずとも、ずっと℃-uteを追ってきたファンにはご理解いただけることかとも思います。

愛理さんからちょっかいをかけられて、愛理さんの側から絡みにやって来て、嬉しそうに破顔する岡井さん、舞美ちゃんが嬉しそうに岡井さんの肩を抱いて、それに応じるようにして満面の笑顔を見せてくれる岡井さん、これは本当にキラキラしていて素敵な光景でした。

そんな岡井さんですが、歌割りをスクリーンに抜かれる横顔だけじゃなく、今般の秋ツアー、全編にわたって、ほんとうにカッコ良かった。
圧倒的なダンスの正確な魅力といえば中島さんだし、キレッキレの(空を飛んでいるような)ステップと全力っぷりといえば舞美ちゃんだし、妖艶で目線を外す技といえば舞ちゃんだし、清楚でふんわりと力が抜けたダンスといえば愛理さんで、こうしたダンス・パフォーマンスの観点からは、あんまり岡井さんが言及されることはないけれど。
小さい肢体にも関わらずパッキパキな身体所作ってだけじゃなく、全編にわたって表情がキメキメで、岡井さんってカッコ良いんですよ。惚れそうです。

やらかす愛理さん

少なくとも、中野の昼公演では確実に2回ほど、明らかに場位置をミスってステージ上をさまよう愛理さんです。

もちろん、圧倒的な歌唱だけじゃなく、圧巻の愛らしさの合間に時に妖艶さを挟み、絶妙のバランスで美しく、可愛く、そして「カッパ」な愛理さんです。抜群のプロポーションから、良い感じにふんわりと艶やかなダンスを披露してくれながらも「カッパ」な愛理さんです。

いろいろと「やらかし」た後の様子を見ていると、実に細かく小さく、その表情だったり動きの中に「カッパ」を紛れ込ませているのがわかります。この気持ちを投稿者は何と表現して良いものか困惑中です。
そんな「カッパ」も、常に鷹揚に受け入れてくれる舞美ちゃんや、ちゃんと空気を読んで四方に配慮してくれることが最初からわかっている中島さんに向ってだけじゃなく、岡井さんや舞ちゃんと絡んでいる際にも頻繁に炸裂するようになった愛理さん。
岡井さんや舞ちゃんとトークしたり絡んだりする場面で、それでもカッパカッパしてる愛理さんを見ると、いろんなことが脳裏を去来して、なんだか嬉しくなるというか安心するというか。
ご理解を賜りたいところ(表現力がなくて申し訳ない)

*****

他にも、メンバーカラーの故か「黄色い声」そのまんまな、舞ちゃんの『JUMP』における「せーーーのっ!」コールの昂まり具合であるとか、汗を気にしてか、いつも髪をまとめたりアップにしたりしているのに、この秋ツアーでは髪をまとめないで下ろしていた舞美ちゃんの神秘的としか言いようがない(汗まみれなのに)美しさとか、ニッコニコすぎるのに、ひとつも乱れがない美しさとか、なっきぃ の愛らしいにもほどがある客席への(目を合わせない)アピールとか、詳しく述べたいことは山のようにあるのだけど、すでに十分長くなっているので、このへんで。

℃-ute 2015年秋ツアーである『℃an’t STOP!!』は、徹頭徹尾、激しくも圧倒的に楽しい、すばらしいステージでした。そして、そのステージを介して届けられるメンバーたちの個々の魅力もまた過去最高だったかと。

Berryz工房と℃-ute 継承の行方

さて、具体的な「レポ」は以上ということで。

上には、今般の℃-ute の秋ツアーが「楽しかった」ということを述べました。そして、その楽しさの大きな特徴として、今般のツアーではメンバーの「自由さ」が際立ったということも述べてきました。

自由で楽しい。そんなステージといえば、それは Berryz工房のステージがどうしても思い出されます。
(「℃-ute の記事だろ!」「どんな話題でも無理矢理ベリに関連づけるんじゃねーよ!」とお怒りの℃-uteファンのみなさま、ちょっと待ってね)

いろいろな理由からベリキューと並び称されるBerryz工房と℃-uteは、それでも、それぞれのグループの特徴といったものがありました。
たとえば、あくまで投稿者が個人的に思っていたのは、こんな感じ(↓)。
あくまで投稿者の場合ね。

【℃-ute】

  • 基本的に低姿勢
  • いつも隅っこでメンバー同士で顔を見合わせてる
  • 「いやいや私たちなんて、そんなそんな」がデフォルト
  • 可愛く愛らしく、しかし走り続ける
  • 涙なくして語れない辛酸を乗り越え、そして、その過去をよく語る
  • 嬉しいことであってもよく泣く。わりと湿っぽい(含む汗)
  • 基本的に全員天然(度合いの差はあれ)
  • ステージパフォーマンスは圧倒的で、観せるユニットとしては世界レベル
  • ファンのみなさんへの感謝を、めっちゃ表明する
  • 何が自分たちの魅力なのかについて、ちゃんと意識している
  • ファンのみなさんが何を思っているか、めっちゃ敏感
  • 可愛くて美しい
  • リーダー矢島舞美は、愛されリーダーで、メンバーから深く信頼されながらも、メンバーからのフォローが欠かせない。
  • 素が出てくると(年齢の割に)めちゃくちゃ子供

【Berryz工房】

  • 世界を救えそうな迫力
  • 「Berryz工房ですけども、何か?」がデフォルト
  • メンバーたちはめっちゃ仲良し(であることを隠そうとする)
  • どこまでも自由で闊達。グループ活動の停止まで自由に自分たちで決めた
  • 明朗でカラっと明るくコミカル
  • 基本的に全員ボケに走りたがる(度合いの差はあれ)
  • それなりの紆余曲折があったとしても、「そんなことあったっけ?」がデフォルト
  • ヲタに媚びず、ファンをどこか突き放してるわりに、基本的にはファンを信頼してくれて、けっこう一緒に遊んでくれる
  • 何が自分たちの魅力なのかについて、当人たちはわりと無頓着
  • カッコ良くて美しい
  • キャプテン清水佐紀は、基本的に引っ込んでいて、メンバーの自由さに任せている…かと思いきや、実は誰よりもキャプテンが一番自由
  • 比較的大人でお姉さん然としてる

そんなBerryz工房は2015年3月3日に活動停止に入り、ハロー!プロジェクトには、「こぶしファクトリー」「つばきファクトリー」という新しいユニットが誕生して、“Berryz工房のスピリットを継承する” と喧伝されました(※3)。
つばきファクトリーが時折見せる自由さにBerryz工房の自由さを見る者もあれば、こぶしファクトリーのバラバラさ具合や楽曲のコミカルなテイストにBerryz工房からの継承を見るファンもあって、「つばきこそ継承者!」「いーや、こぶしだね」などと、一抹の寂しさを共有しながらも、楽しく日々ヲタ談義に勤しむファンもいるようです(含む投稿者)。

  1. この「継承」について当初投稿者が抱いていた微妙な気持ちはこちら(↓)に詳述。
    つばきファクトリー演劇女子部ミュージカル『サンクユーベリーベリー』レポ ~それは永遠じゃなかったとしても~
    現在では、この微妙な気持ちも解消し切って、すっかり「つばきファクトリー」を応援する日々です。

しかるに、ここで投稿者はあえて声を大にして言いたい。
Berryz工房のスピリットを最も正しく継承したのは、実は℃-ute である、と。

それほど、今般の℃-ute の秋ツアーは、これまでの℃-ute のステージ以上に、“楽しい” ものだったのです。ほんとうに、「あの」Berryz工房のライブのように。

これまでの ℃-ute らしいテイストに上書きするようにして、℃-ute メンバーの個々の魅力が、自分たちへの自信と共に、一切萎縮することなく全開にすることを通じて、これまでは(もしかしたら)どこか躊躇していた全力を、一切遠慮することなく炸裂させるようになって、℃-ute のライブには、これまでになかった新しい味が加わったように思います。それが今回の秋ツアー全体から受けた印象です。

先に公開頂いた「中間報告」で述べたことを繰り返します。
これまでの℃-ute のステージには、私の一方的思い込みとしても、どこか情緒が挟み込まれる余地があって、どこか℃-ute のこれまでの歩みを踏まえた部分があって、楽しいステージであるにも関わらず、私は泣けて泣けてしょうがありませんでした。
でも、今般の秋ツアーでは、もう涙はながれませんでした。
圧倒的に楽しくて、心から楽しんで、ニッコニコしながら帰ってきました。

活動停止を Berryz工房が自ら選んでから、武道館での合同ライブなども経験しながら、キッズからの同期として、その Berryz の選択に常に一番近いところで寄り添ってきたのは ℃-ute だったと思います。そして、Berryz が、ステージを終えてなお続く人生を見据えて自らの先行きを選択したことから、℃-ute メンバーも、自分たちのこの先のことを考えなかったとは思えません。
そうした一切を踏まえて、今般の秋ツアーの千秋楽のラストのMCでは、全員が全員とも「これからもよろしくね」と客席に向ってご挨拶していたことを伝えないわけにはいきません。

公式には「こぶし」「つばき」が、Berryz工房のスピリットを継承するとされています。投稿者自身も、すっかり「つばき」のこの先が楽しみになってもいます。
しかし、Berryz の選択に一番近くで寄り添い、Berryz の選択に自らの将来を重ねたであろう ℃-ute こそ、同期でもありながらその背中をずっと追い続けてきた Berryz工房の、その最良のエッセンスを、いつのまにか、当人たちも意識しないままに、継承しているのではないでしょうか。

だって、この秋ツアー『℃an’t STOP!!』は、ほんとうに翌日も頬の筋肉痛が取れないくらい、まったくもって楽しいステージだったのですから。
だって、今の℃-ute は、とりわけ矢島舞美さんは、その後ろ姿だけで世界を救えそうですからね。

坂の上の風景 ℃-ute 第三章

その意味でも、今や℃-ute のステージにはハローのすべてがあります

『我武者LIFE』では、これまでの自分たちの歩んできた来歴を踏まえて、ときに心折れそうになっていた自分たちを支えてくれ背中を押してくれた人たちへの感謝が述べられています。それに続く新曲である『嵐を起こすんだ Exciting Fight!』では、苦しい道のりを乗り越えた先にある “坂の上から見える新しい風景” に、ファンの注目を促しています。

自分たちの過去の来歴だけではなく、ハロプロの様々な紆余曲折をまるごと背負った ℃-ute は、それでも辛い道のりを一歩一歩踏みしめて歩んだからこそ見える「坂の上の風景」を高らかに歌いあげます。

2016年からの ℃-ute が、私たちにどんな風景を見せてくれるのか、これを「楽しみ」と言わずして何を楽しみにするのか。
明日の ℃-ute の進む先に同行できること。これを「幸せ」と言わずして何を幸せというのかと、私は思います。

(文=kogonil)

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