アンジュルム竹内朱莉、どこまでも明るく前を向いて横浜アリーナで卒業 ~ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE FINAL LIVE~

ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE「アンジュルムより愛をこめて」〔承前〕

05. 赤いイヤホン

思えば、元気で明るく前向きな楽曲だったり大迫力で客席に超圧をかけまくる大鉄板曲、あるいは、スマイレージ時代からのコケティシュで愛らしく、そのうえ旋律が美しい楽曲など、そういった楽曲が目立つ中で、この『赤いイヤホン』のような、静かとも言えず、どこか大人びた感じだけど、大迫力っていうわけでもない楽曲が、しかし、ライブの要としてしっかり根付いているのも、アンジュルムのグループとしての熟し具合を物語るところ。

低音の佐々木さんからのお姉さん組の歌割、渋いですよね。
上で、けっこう独特な楽曲だよね… とは言いましたけど、間奏部分でのダンスパートは、やっぱり鳥肌で、それ以降の楽曲の後半は、前半部分の旋律を踏襲しながら、やはり迫力が加味されていて、実に見応えがあります。

06. 愛されルート A or B?

佐々木さんと川村さんのオープニングのペアダンス、素晴らしかったです。
改めて回廊を巡回してセンターステージへ移動しますが、その間も、微妙にアンニュイな曲調に合わせた表情や身振りを崩さないメンバーたち。

そう、アンニュイと述べましたが、そのような楽曲でありながら、しかし、アンジュルムとしての迫力は減衰しません。橋迫の鈴ちゃんを筆頭に、もう幾人かのメンバーが汗だくで髪も乱れています。うっかり “え?まだ序盤だよね?” って自分に問いかけてしまいかねないほど。

07. 次々続々

イントロが流れてきた段階で、客席からは “待ってました” と言わんばかりの歓声が。
この感想というかフレーズを、ここで挿入することが適切かどうかわかりませんが、ステージ衣装に身を包んでライブのパフォーマンスに集中しているメンバーっていうのは、いや、年齢に関係なく、歴に関係なく、さらには自分の推しであるか否かに関係なく、ことごとく魅力的です。ましてや、それが『次々続々』ですから、もう神々の祭典です。

グループの代名詞的な超鉄板の勝負曲以外に、この『次々続々』レベルの(それら超鉄板曲のサポート… というかセトリの中で鉄板曲への中継を担うような)強い楽曲を豊富に持っているのがアンジュルムの強みですよね。若いメンバーも、みんな、その楽曲の強さに見合うように強くなってきています。

いつもなら華奢な印象が強い上國料さんも、なんだか(衣装の統一感のせいでしょうか)強めです。さすが次期リーダーって感じで。改めて伊勢さんのバランスと平山さんの妖艶さに魅了され、そして、橋迫鈴ちゃんの堂々たるパフォーマンスに胸が熱くなります。やっぱり、凄いなあって、この辺りですっかり語彙力を失いつつある報告者です。

08. 悔しいわ

鉄板というなら、歴浅めの楽曲ながら、イントロのオープニングからの弾み具合が飛びぬけているこの楽曲もすでに準鉄板化。(しかし、『次々続々』から続けて『悔しいわ』に流れて音楽的な違和感が感じられないってあたりは、いかにも、アンジュルムの持ち歌がアンジュルム然として熟してきた強みかと)

しかも、みんな何か楽しそうだし。
それなりに何度もバックステージ映像を見てると、本番前はどんなグループも、緊張もしてるし(泣いてるメンバーもいたりして)自分がちゃんとできるかどうか不安視してたり、直前の円陣ギリギリまで確認してたりするし、リハーサルがキツいことはよくファンにも知られており、私たちが客席から楽しんでるエンタメは、実は非常に厳しくその担い手に負担を強いるものであることは、よくよくわかっているのに、しかして、なんでこんなにメンバーたちは楽しそうなんでしょうね。

この “メンバーたちが楽しそうだ” ということだけで、いろいろ持って行かれます。竹内さん、ほんとに堂々と自信に溢れています。って、タケちゃん美人だなあ、って(!)。

09. ドンデンガエシ

他のグループならライブ終盤の最後の大盛り上がりに投入すべきレベルの楽曲が、あまりに豊富なもんだから、序盤から中盤にさしかかるタイミングで、こんな楽曲が投入されます、アンジュルム。

メンバーが2隊に別れて、ウェストサイドストーリーのストリートギャングさながら相互にお互いを煽るようなパートで、横アリの回廊に展開して客席に向かって煽りを入れます。私、2015年の℃-ute の横アリで(参考 →|エンタメアーカイブ記事「℃-ute 横浜アリーナ単独公演『The Future Departure』レポ 「ありがとう」から始まるさらなる一歩」)、研修生たちや当時結成されたばかりのグループが回廊に展開してくれて体験できたんですけど、推しが間際まで来てくれたりしちゃった方にとっては、極上だったのではないかと。羨ましい。

こんな大人数のお客さん(繰り返し、チケット、ソールドアウトだったんだって!)を前に堂々と回廊を巡回してる竹内さん、ご本人も歌ってますけど、スマイレージで厳しい時期に耐えていた頃の竹内さんたちに、見せてあげたいですよね、ほんま。圧巻の大逆転劇ですよね。

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インターバルVTRで、この卒業公演の日程と場所を告知する竹内さんの動画がスクリーンに。

それは、オーディション当時の様子から、スマイレージの正式メンバーに抜擢された時など、いくつかのバックステージ映像が(懐かしいハロー!チャンネルの映像も!)編集されて、竹内朱莉の歴史といった感じの動画となって会場に流されます。イジられるようになった自分への愚痴から、徐々に後輩が増えていく様子、書道に目覚めていく経緯や、Dマガ映像のダイジェストまで、多彩な素材から、竹内朱莉のこれまでの歩みが編集されています。

アップフロントって、こういうことやるから憎いよね。

10. 私、ちょいとカワイイ裏番長

衣装チェンジして登場してくるメンバー、まずは川名、松本、為永、平山、橋迫の5人が登場して、オープニングの「♪ちょいカワ」で客席を煽ります。… そう、このメンバーで『ちょいとカワイイ裏番長』ですよ、奥さん!

空手の上段受けのようなポーズで橋迫の鈴ちゃんが客席を煽ってるうちに他のメンバーも出てきます。統一感のあった前半の衣装とは打って変わって原色の派手なバラバラの衣装で、アンジュルムの自由さが際立つようです。髪をまとめて “丸い” のが一層際立つ竹内さん、しかし、美しいです。

曲の終盤、センターステージの左右に展開するメンバーたち、なんかそれぞれが強いカラーが鮮明だから、実に映えます。

11. ミステリーナイト!

オープニングの千手観音、美しい。
今更言うことでもありませんが、スマイレージ時代からメンバーの変遷が著しかったアンジュルムです。つまり、グループとしてのパフォーマンスに習熟したメンバーを次々と送り出して来たわけですが、今、この『ミステリーナイト!』の、たとえば同じフレーズを繰り返しながら徐々に左右にメンバーが展開していくフォーメーションなどを見るに、あるいは、センターで一列に整列するフォーメーションなどを見るに、今現在のアンジュルムが一番にバランスが良いのではないかと思います。

… って、コンサートを見るたびに、毎度、常に、必ず、いつも、そう思わされるわけですから、ほんまにハロプロの育成と継承って、侮れませんね。素晴らしい。

12. タチアガール

ここからメドレーです。
ひとりでピンスポットの中で独唱する竹内朱莉さんを他のメンバーが囲んでいます。そこから展開して、センターで竹内さんが嬉しそうに歌って、他のメンバーは広く回廊などに散ってダンスでサポート。明るく楽しい楽曲で、ほんとにこちらの気持ちも明るく楽しくなるのが、割と真面目に不思議。

13. ええか!?

メドレー続き。
竹内さん、上國料さん、川村さん、伊勢さん、為永さん、松本ちゃんがセンターステージで。
コミカルソングかと思わせておいて、曲中の転調から、旋律がガラっと変わるのが印象的ですが、転調前後のいずれにも自在に対応しているメンバーが、どっちも嬉しそうです。

14. ねぇ 先輩

まだメドレーは続きます。
メンバーは入れ替わって、竹内さん、佐々木さん、川名の凜ちゃんに、為永さん、松本わかなちゃんと、平山さんです。
低めの歌割を余裕で歌いこなす わかなちゃんや平山さんに驚きつつ、どちらかというと妖艶なニュアンスのあるダンスを危なげなく川名凜さん。なんか、ほんとに、私がハロプロのファンをやってる頃には、まだハロプロを知らなかったようなメンバーだとは思えない。

15. エイティーン エモーション

メドレーは続きます。イントロだけで「うおおっ!」とか思っちゃいますよね。
担当は竹内さん、佐々木さん、伊勢さん、橋迫の鈴ちゃん、川名凜ちゃん、松本わかなちゃん。

楽曲パフォーマンスは、回廊を走りながら。真っ赤なレザージャケット(?だよね?)の竹内さんの後ろを黄色の橋迫鈴ちゃんが追いかけているような場面は、額に入れて飾っておきたい。

16. 「良い奴」

メドレ―継続です。
担当するのは、竹内さん(… ってか、メドレー中、出続けてますリーダー!)、上國料さん、川村さん、橋迫鈴ちゃん、川名凜ちゃん、為永さん。

こんな切ない楽曲をかくも強くパフォーマンスできるアイドルは、アンジュルムを置いて他にあり得ませんね。客席に向ける視線が、もはや睨みつけるかのような橋迫の鈴ちゃんと川名の凜ちゃん。美しいです。

17. プリーズ ミニスカ ポストウーマン!

メドレーは “♪続く~” といったところ。
担当は、竹内さん(出続けですな)、佐々木さん、上國料さん、川村さん、伊勢さん、橋迫鈴ちゃん、平山さん。正面ステージで佐々木さんたちが踊りながら待ってるのが素敵な場面でした。

いや、たとえば4スマにこそ思い入れがあるっていうファンや、2期メンバー加入当初は微妙な違和感をもったファン、それら、なんというか “切り替わりの時期” に、しっかりとスマイレージのファンをやっていました、っていう方々には、とりわけ思い入れが深い曲ではないでしょうか。かの悪名高い野外イベントでも初お披露目じゃなかったでしたっけ?(← 自信なし)。
ええ、それを、この令和の時代に、橋迫さんが嬉しそうにパフォーマンスしていますよ、奥さん!(別に泣いてないから)

伊勢さん、嬉しそうな小刻みのジャンプが可愛いですね。きっと衣装のせいですよ、きっと。
平山さん、すっかり大人の顔つきで、しつこいようですが驚きます。

18. スキちゃん

全メンバー登壇ですが、これをもってメドレーは終了。
アンジュルムは、もちろん、超鉄板の2枚看板の勝負曲があって、それって(率直に、他のグループ推しの私からすれば)ズルいって思う程なんですけども、この曲もズルいよね。オープニングの旋律が楽しく明るいって(だから、流れてくると「おおっ♪」って思ってしまう)だけじゃなく、この楽曲の、どこかカラっと乾いた、あっけらかんとした明るさはただ事ではありません。

強く激しく、しかし、あっけらかんと、のほほんと明るい
アンジュルムのグループカラーに竹内朱莉さんがもたらした影響は、どんだけ大きいんだか。

19. 交差点

急なテイストの変化に戸惑いますが、竹内さんも、ちょっと困ったように笑っています。
わかなちゃんや鈴ちゃんが、あくまでも笑顔を頑張って維持しながら、竹内さんに向かって歌詞を届けようとしたり、佐々木さんがついに堪えられないかのように声を詰まらせたり、こうやってレポしようとしながら思い出して報告者も泣いていたり… 急すぎて、困りますよね。

みんなメンバーたちが涙をこらえているようで、そんな歌詞を、あくまでも竹内さんは嬉しそうに(場面によっては背中で)受け止めています。歌詞を竹内さんに届けることで泣きそうになっているメンバーへ、むしろ、竹内さんが「がんばれ~~!」と励ましているような場面もあったりして、非常に困ります。

すでにファンは承知のことですが、それぞれに “人生を賭けて” ハロプロのステージに立つに至ったメンバーたちが(← 当サイトを “千夜一夜” で検索よろしく)まさに人生の岐路の選択を、愛するリーダーに向かって歌うこと… それはファンの想像を超えて、文字通り、そのまんま自分たちの在り方を歌う楽曲なのかも知れませんね。

困ったように笑いながら、泣きそうなメンバーを励ましながら、そんな歌詞を受け止めていた竹内さんは、それでも、終盤、ついに涙を見せます。泣いてしまったことにブーたれるような表情も見せて。… わたくしは、これを素直な反応だと思いますけど、演出なのだとしたら、その卓越した演出っぷりに心から脱帽です。

20. 同窓生

回廊を駆けてギミック風の風船を手に取って回廊を巡回するメンバーたち。
あえて、おどけたコミカルな振る舞いを強調するのは、そうしなければ泣いちゃうからなのではないかと思った報告者です。そんなタイミングで挿入すべきフレーズであるのかどうか自分でもわかりませんが、メンバーたち、みんな美しいですね。泣いてしまったことにブーたれるような表情をしていた竹内さんが、それにも関わらず “丸くて” 美しかったように。

しかし聴いてるこっちは、『交差点』から続けてこの曲だし、コミカルに振舞えるわけじゃないし、困りますよね、続けてですから。まじか。

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続くMCで竹内さん「泣いたね~~、泣けたね~~」と。リハーサルでは泣かなかったのに、とも。だから、このMCでは「わたし泣きませんでした」って言おうと思ってたんだけど、ちゃんと泣いたよね、と。この、あっけらかんとしたカラっとした明るさは、まことに得難く、竹内さんのこのパーソナリティーが、後輩たちに慕われるだけじゃなく、アンジュルムというグループをここまでの人気にしたんだろうなって心底納得です。って、この “あっけらかん” 具合が、かえって泣けますわ。

走り過ぎだよね、って(たぶんメドレーに出続けだったことも含め)ハアハア息を乱している竹内さん、そのまんま一旦引き揚げます(アクシデントではなく、既定のプロトコルとして)。

会場を煽って場をつなぐのは伊勢さん、川村さん、佐々木さん。川村さんが「竹内さんのこと大好きですか~?」って会場煽ったら、元気よく「はーーーいっ!」って応じてる橋迫鈴ちゃんだったり。

最期に客席を煽る上國料さん、「たけちゃん たけちゃん あいしてるー」のご唱和で。しかし、それに先立って、うっかりリーダーの下の名前で最初は唱和しようとしたので、改めて再登場してきたリーダーに「あかりって言ったよね」と突っ込まれ、謝罪に追い込まれます。ほんま、得難いパーソナリティーですよね。

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まだまだライブは(むしろ後半戦に向けてますます白熱して)続きますが、レポは、もう一回ページを切り替えて。

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