小片リサ “歌い手” としての凄みが滲む、リニューアルした RISA OGATA CONCERT『éclatant』

はじめに
歌い手小片リサの新しい挑戦『éclatant』

これまで誰にも言わずに固く口を閉ざして来たので読んでくださる方は誰もご存じないかと思うんですが、この記事の報告者は つばきファクトリー推しです。いろいろありましたけれど、現在でも小片リサさんを推しているのは、そのためもあります（=つばき時代から、ずっと小片さんが好きだったし、今でも、ソロになった小片さんもグループとしての つばきファクトリーも、どちらも好きなのです）。

しかし、そろそろ、そういう目線で小片さんを見るのは辞めるべきかも知れません。

元々つばきが好きだったから、グループ時代から小片さんのファンだったから… もちろん、私自身がそうであるように、そのような経路で、今尚、小片さんを応援している方はいらっしゃるでしょうし、そのことについて、あれこれ言うつもりも、まったく無くて、以下はあくまで、コットンクラブでの小片リサさんの新しいステージを見たことによる報告者個人の感慨ということで。

小片リサさん、素晴らしい “歌い手” です。

これまで、何度か “アップフロントはアイドル事務所じゃなくて音楽事務所である” と認識することはありましたが、小片さんの様子を見ていて、改めて思います。

これまで複数の記事で、披露される楽曲について述べようとして、文字列での報告（あるいは報告者の能力）の限界から、お伝えし切れないことに切歯扼腕してまいりましたが、今回ほど、それを痛感していることはありません。

小片リサさん、稀有の歌い手です。
アイドルとしてのグループ活動から歌手としてのソロ活動への変遷にあって、その経緯から、一部に “優遇” なる見方をする向きもあることは承知していますが、小片さんの歌を聴くなら、このタレント（=才能）は大切に大事に守らなければと、音楽に関わる者であればそれだけ、そう思うのではないでしょうか。

といった報告者の述懐が、”まあファンはそう思うだろうよ” と、あくまでファンの主観であるとしか受け取られないだろうことも覚悟の上で、下記に掲示するセトリにあるように、小片さんは今般のコットンクラブで（セカンドシングルのオリジナルだけでなく）過去にリリースしてきたオリジナル曲も披露してくれますが、これが、歌い込むほどに味わいが増してることに驚きです。

ああ、ほんと、どう伝えれば良いんだろう。
歌われる歌詞の世界も、フレーズに小片さんが込める情感も、空気の振動数の変化（音の高低）にシンクロされる歌い手の解釈も、いずれも、小片さんの歌唱に接するたびに深まっていて、最初に聴いた際にはごく普通に「ああ、アップテンポで良い歌だね」的な印象だったものすら、改めて聴いて自分が感動していることに気が付きます。これは、言葉のそのままの意味で、すばらしい。

今般、コンサートのタイトルが刷新されるに応じて、小片さんは新しいチャレンジをしています。
それは、コンサート中盤のダンスパフォーマンスの刷新に留まらず、たとえば新しい衣装のセレクトにも及んでいて、都合３着披露される小片さんの新しい衣装は、それはそれは麗しく、グループ時代からずっとアイドルとして好きだった者として、いろんな意味で惹き付けられることは否定できないんですけど（とりわけ２着目のパンツルックとかね）、しかし、そんな表面に見えるところに拘泥するのは、かえって小片さんに失礼だと感じられるほどです。

チャレンジというなら、今般、パフォーマンス中の客席降臨も超頻繁で、過去の事例のように、客席内の動線的な制約から部分的な降臨に留まった… といったものから大きく変化して、数曲の降臨で、ほぼ客席の通路を全踏破する勢いで、小片さんはファンの近くまで来てくれるわけです。もちろん私が割り当てられた座席の近くも小片さんが駆け抜けていく次第ですが、繰り返し、そんな際に目に飛び込んで来る小片さんのルックスの美しさであるとか、ファンサービスの濃厚さといった、表面的なところに拘泥するのは、むしろ小片さんに失礼だと感じられるほどです。

それほど、歌が素晴らしい。

たとえば、すでに過去のリリースでもある『どっち？』について。
この『どっち？』については、すでに “若い恋愛の情感を歌った愛らしい楽曲” から、人生がいつか終わることを踏まえた、”普遍的な情感を歌い上げた楽曲” へと変化している趣旨のことは何度か述べていますが、今般、従来の音源とは異なるものが使われ、切々と歌い上げる小片さんのバックで、Bitter & Sweet の２人（田﨑あさひ、長谷川萌美）がコーラスとハミングを入れて、その音の響きに一層感動も深まったということを声を大にしてお伝えしたい。

MC中に何度か触れられたように、この『RISA OGATA CONCERT』は、小片さん主体で、しかしてビタスイの２人といろいろ相談して決めているとのこと。そうであればこそ、この『どっち？』のバックコーラスの響きの素晴らしさは勿論、小片さんがチャレンジしていることが明らかで、非常に素晴らしいものとなりました。

このように、あくまで部分的に、しかも文字列による不十分なご紹介しか出来ないことに報告者自身、ジリジリと焦燥感を募らせつつ、小片リサさんのオリジナルコンサート、その素晴らしさも亢進しておりましたよ。

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と、このように、あくまでも小片リサさんの歌い手としての素晴らしさが際立ってきたこと、だからこそ、ハーモニーを重ねてくれるビタスイとのコラボが光っていたこと、新曲だけでなく過去曲ですら歌い込むほどに深みが増していること、それらを踏まえて、小片リサさんが新しい挑戦に挑んでいて、もう “アイドルとして追っている” って自分のスタンスが失礼に思えるほど…　あくまで歌を届けるステージとして、実に素晴らしいコンサートだった次第ですが。

このまま、非常に印象的だった点をいくつか思いつくままに列挙するなら…

Juice=Juice メンバーの横顔

今回、現役ハロプロから Juice=Juice の石山咲良さん、工藤由愛ちゃんが参加してくれています。

心から “さすが Juice=Juice” だと思ったのは、バックステージ映像などで、あれだけ “おちゃらけて” いて、黙っていれば美人だとも言われる石山さんの、パフォーマンス中の横顔が、いかにも厳しく、そして美しかったこと。あれほど “タコちゃん” と言われる工藤さんが、とても愛らしい一方で、パフォーマンスがいかにもダイナミックだったこと。

上に小片さんについて、その “歌い手” としての素晴らしさこそ魅力であって、アイドル的な要素に拘泥するのは失礼だとすら感じられると述べましたが、石山さんもタコちゃんも、なんかアイドルとしての魅力以上に、パフォーマーとしての凄みを漂わせています。

セトリのチョイスの（個人的）嬉しさ

MCで今般のセトリのテーマとして「実は “ベリキュー” っていう設定なんです」とニコニコしていた小片さんですが、セトリには、実際は Berryz工房からも℃-ute からも１曲ずつ。『ヒロインになろうか!』（Berryz工房）なんて、あの印象的な「♪ひろ～～い～～ん」のパート、オリジナルでは、菅谷さん、雅ちゃん、熊井ちゃんが、それぞれ担当したパートを、全部まるっと小片さんが担当していて、お疲れさま＆嬉しい演出でしたけども。

しかし、なによりも個人的に嬉しかったのは、アンコール前の本編ラスト、５人で明るく『元気ピカッピカッ!』（モーニング娘。）を歌ってくれたこと。… なんとなくね、もう聴けないかなって思ってたんですよ。９期加入前のプラチナ期終盤、MVだかプロモーションVだかで、水着で砂浜で楽しそうにしているモーニングのメンバーたちの動画を覚えてる方もいらっしゃるかと思いますが、繰り返し個人的で恐縮なんですけど、この『元気ピカッピカッ!』、同じくプラチナ期の『青春コレクション』と並んで、モーニング娘。楽曲の中で５指に入るほど、好きなんです。個人的ですんません。

モーニング楽曲として、『ザ☆ピ～ス！』だとか『恋愛レボリューション』といった記念のライブでの定番となっている超鉄板曲とは異なって、そうした記念式典的なところでは披露されることの少ない楽曲ですけど、そんな楽曲を、こうして小片さんが自分のオリジナルコンサートで往時に勝るとも劣らぬ明るさと楽しさで蘇らせてくれて… なんか、こんな辺りも、MSMW も含めて、M-line 側のライブやイベントの醍醐味ですよね。

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と、ちゃんと全体をお伝えする前に、先走り過ぎて、いろいろ述べ過ぎた感はありますが、そんなわけでお待ちかね（？）のセトリを掲示して、全体のあれこれは、いったんページを切り替えますね。（下までスクロールしたら切り替えのコントロールがありますよ）