つばきファクトリー、”継承” を越えて自ら予言を成就するリリースイベント

2018年2月4日の日曜日、流山おおたかの森S・C (千葉)にて、つばきファクトリーのリリースイベントが開催されました。ミニライブと握手会がセットで、1回目12:00~、2回目14:00~、3回目16:00~ の3回まわし。

ミニライブの優先観覧エリアに入場したり握手会に参加するためには、リリースイベント対象商品(2/21 発売予定の3rd シングル)の予約購入が必要という仕様は従来通りながら、イベントスペースの関係からか、優先エリア入場のための整理番号呼び出しが終わったら、エリアを区分けしているカラーコーンなどが撤去されて全体的にフリー観覧エリア化しちゃったりして。
しかも、流山おおたかの森S・C 特設ステージは、比較的ステージが高めで、遠い位置からでも、優先観覧エリアに入らなくても、メンバーがよく見えたりして。そんな次第で、あんまり整理番号の良い悪いに拘らなくても良かった感じのリリイベでした。

実際、「整理番号の良い悪いに拘らなくても良かった」どころか、良い整理番号を求めて何度もお会計することが出来ぬほど、比較的早々に売り切れっちゃってましたけれども。なんでも、この日の会場には照明とか設置が難しいらしくて、日没をもって撤収できるように、あらかじめ枚数を絞っていたんですって。

上述のとおり、イベントの合間も従来のリリイベに比べて時間が短めで、ゆっくり飯を食っていたりすると、整理番号の呼び出しに遅れちゃったりするくらいでしたよ(実際に投稿者が、この日唯一と言って良い、せっかくの良番号を無駄にしてしまったのかどうかは、非常に秘密ってことで!)

予言となった、あのときの小片リサさんの何気ない一言

あれは何処のリリイべであったか、2nd シングルの際のリリイベで、小片リサさんがその日の最後のご挨拶で「ハロプロといえば、つばき、と言われるようになりたい」と話してくれたことがありましたね。

この2018年2月4日のリリイベにあって、後述するとおり、つばきファクトリーは、Berryz工房の楽曲も、℃-ute の楽曲も、スマイレージの楽曲もカバーしてくれます。そして、これが初めてってわけじゃないけど、カントリー・ガールズの、あの『愛おしくってごめんね』までもカバーしてくれます。あの、”愛らしい” という一点突破で、多くのファンの心をがっちりとつかんでしまった、あの楽曲を。さらには Berryz工房からは、『付き合ってるのに片思い』だけじゃなく、再度これが初めてってわけじゃないけれど『21時までのシンデレラ』をカバーしてくれます。あの “姐さん” という形容こそが相応しい Berryz姐さんたちが、まだまだシンデレラタイムを気にしなければならなかった、あの頃の、”愛らしい” 楽曲です。
カントリー・ガールズの一時期の代名詞ともなった曲にしろ、ファンの心に今尚深く刻印されている偉大なる先輩たちの楽曲にしろ、つばきファクトリーが、2018年に、つばきファクトリーらしく、実に愛らしくカバーしてくれます。

そして、そんなBerryz工房の楽曲も、℃-ute の楽曲も、スマイレージの楽曲にも、カントリー・ガールズの楽曲にも、(メンバーの名前だけを差し替えて)ファンからは往時と変わらぬコールが響きます
ほんとうに、あの頃の “ベリの現場” に戻ったかのようです。
ええ、小片さんが語ってくれたとおり、本当に “つばきこそは、ハロプロそのもの” なんじゃないかと思うくらいに。

この “つばきこそは、ハロプロそのものなんじゃないかと思う” のは、まずは第一に、上述のとおり、先輩たちの楽曲が、つばきを介して往時を凌ぐ勢いで、それこそ “愛らしく” 甦っているからですけど、もちろん、それだけに留まりません。
第二に、つばきオリジナルの、(ハロコンでは1月13日から披露されてたけれども)リリイベとしては今回が初披露となる『春恋歌』という曲が、すばらしく愛らしくも切ないことによって。
もう、この『春恋歌』の哀切さと愛らしさの同居(と、その愛らしさと切なさの同居が、いかにも つばきファクトリーらしいこと)については、別途、機会を改めたいくらいですけど、そんな具合に、オリジナルの楽曲でも、つばきらしさを越えて、ハロプロらしさまで纏い始めたことによっても、やはり “つばきこそは” との想いを強くします。

そして、第三に、ひとつのアクシデントと、そのアクシデントへの対処の様子もまた、”つばきこそは” と思わせてくれる要因になってもいたりして。

浅倉樹々ちゃん、リハーサル1曲目を終えて…

すでに各地で報じられていますけど、この日のリリイベ、浅倉樹々ちゃんが公開リハーサルで1曲目を終えてから倒れ込み、立ち上がれなくなってしまいます。

この、倒れ込んでからスタッフに抱えられて引っ込むまでの一部始終を(公開リハーサルですから)ずっと目撃していたんですが、一部の報告では、バックステージで悔しくて樹々ちゃんが泣いていたとも言われていますね。投稿者は、正面でステージを臨む位置から公開リハーサルを見ていたので、裏手で樹々ちゃんが泣いていたって場面は直接確認できていないんですが、特設ステージのすぐ横に著名なカフェの屋外席なんかもあったりステージのすぐ裏手からショッピングモールの入り口が近かったりして、比較的、ステージ周りは見渡せたから、ずっと裏手を見ていた人がいても全然不思議じゃありません。

そして、結局、この日は、握手会も含めて樹々ちゃんは完全にお休みってことになってしまいました。こんな手書きのインフォ(↑)が急遽貼り出されたり。

樹々ちゃんが倒れ込んだとき、会場全体が息を呑むような一瞬の静寂が、どれほど迫真のものであったか。そのつもり満々でやってきたステージに出られなくなって、樹々ちゃんがどれほど悔しかったか。そういったことは、今更言うまでもないので、ことさら言葉を尽したりはしない方向で。
このリリイベの前日、福岡でのハロコンのステージに参加していた樹々ちゃんは、短時間での飛行機の長距離移動が、やっぱり腰に響いていたんじゃないかとか、そんな繰り言も今更言いっこ無しってことで。

ただ、ここで特筆したいことは、樹々ちゃんのアクシデントを受けてのメンバーたちの様子です。
まず、樹々ちゃんが倒れ込んで、スタッフさんに肩を借りて裏に引っこんでいくという、その一部始終で、殊更 “不安げ” な表情を見せるメンバーは皆無だったということ。なんなら、こちょこちょとお隣のメンバーと私語したりしてるくらい。それほど、平常心だったわけです。もちろん、樹々ちゃんが引っ込んじゃってから(リハーサル継続中)アルビ兄さんと称される前説のお兄さんが戻ってきてメンバーに何やら声をかけるや、一斉に真剣な表情になるメンバーたちに、率先して一歩前に出て、しゃがみ込んでアルビ兄さんの説明に肯く岸本ゆめのさんといった具合に、事態の深刻さを感じていないわけではないし、樹々ちゃんのことを心配していないわけではないことは言うまでもありません。と、そのように、些細な兆候から、メンバーたちが状況の緊迫を感じ取っていることがわかるからこそ、殊更 “不安げ” な表情を見せたりせず、むしろ笑顔を見せてくれたりしながら、樹々ちゃんがいなくなった8人でのフォーメーションを、急遽、試行錯誤したりする様子に、あらためて感じ入る次第です。まさしく、ハロプロの、そのプロフェッショナルな “ガチさ” という意味でこそ、”つばきこそは” と。

それは、8人でのフォーメーションを手探りでその場で何とかしちゃうこと以上に、緊迫した事態にあって、それでも不安な顔を見せないというところこそ

若干の余談ですけれども、やっぱり3回まわしの各ミニライブのセトリには、いくつか樹々ちゃん参加が前提のものがあったようで、やっぱり急なフォーメーション変更に戸惑う場面も明らかに見えちゃってました。
それでも、樹々ちゃん不在でステージの上をさまよっちゃった新沼希空ちゃんも、自分で自分を笑ってましたし、移動に戸惑って場位置を見失った秋山眞緒さんも、谷本安美ちゃんも、その分、さまよった先々でメンバーと余計にアイコンタクトしては、可笑しそうに笑っていたり。
こんなあたりにも、先輩たちを継承したに留まらぬ、つばきファクトリーとしての成熟が感じられたと、そういう次第です。

余談ついでに、この日、欠席を余儀なくされた当の樹々ちゃんは、ちゃんと翌日にはブログを更新して「私は大丈夫です!元気です!」と、心配してくれたファンを気遣ってくれています。
しつこいようですけども、やっぱり思います。”つばきこそは” って。

リリースイベント 流山おおたかの森S・C

そんな風に、ことさら印象的だったところを先に述べちゃいましたけれど、この2018年2月4日のリリイベの様子を一通り。

公開リハーサルには、谷本安美ちゃんが遅れて登場。他のメンバーがアルビ兄さんに率いられてやってきて、しばらくしてから、新任のマネージャーさんと思しき女性スタッフと一緒に一人だけ遅れてステージ裏手のエスカレーターを降りてきます。寝坊でもして集合時間に遅れたんでしょうか。

公開リハーサルでは春恋歌』、『低温火傷』の2曲が披露されます。最初の『春恋歌』のリハの後に、何が起こったのかは上述のとおり。

リリイべ第一部:メンバー手渡しの福豆と『春恋歌』名曲の予感

前説のお兄さんの口上によれば、リリイベで節分の豆撒きをしようと思ったけれど、施設側からNGが出たんだそうで、せっかく準備した福豆だからと、これは握手会でメンバーから手渡しということになりました。
一列に並んだ最後尾のメンバーから手渡しされるも、早々に品切れになっちゃう福豆です(けども、3回まわしのイベントの3回とも福豆の配布はありました)。いつもならば、なるべくメンバーの印象に残りたいということで、後の方になってから握手待機列に並ぼうとする者も多いわけですが、今回は、あんまり後の方で並ぶとメンバーから手渡しされる機会を逸するわけで、毎回、いろいろと つばきファクトリーのリリイベは趣向を凝らしてきますよね。
(ちなみに、手渡しメンバーは、1回目秋山さん、2回目岸本さん、3回目理子ちゃん)

そんなリリイベの1回目公演のセトリはこんな感じ。

第一部 公演
01.低温火傷
02.就活センセーション
MC 久しぶりのリリイベ
03.春恋歌
04.付き合ってるのに片思い(Berryz工房)
05.キャンパスライフ~生まれて来てよかった~(℃-ute)
06.初恋サンライズ

MCでは、久しぶりのリリイベだ、っていう趣旨で盛り上がるメンバーたち。そのまま、”久しぶりのリリイベ” でトークが展開するのかと思いきや、ちゃんとトークテーマの設定はあったようで、それは “ハロコンの良いところ” というもの。
応援席で見ることができるのが嬉しいとか他のグループとの交流が云々といった定番の話題が飛び出す中、やっぱり、そのハロコンでも披露されていた新曲の『春恋歌』が、春の訪れの嬉しさ(と、その春の訪れの嬉しさの背景となっている、旅立ちの切なさ)を、きちんと歌詞の背後に歌い込めているような、実に愛らしくも切ない楽曲であって、新しい出会いにあくまでも前向きな若い女性を歌うと同時に、その新しい旅立ちを見送る側の切なさまでもが読み込まれているような旋律に、今からもう名曲の予感しかしませんよね。

リリイべ第二部:仕切りは秋山さんだった!?

なんだかメンバーのトークの途中で、妙に先に進行を促すような一言を差し挟んでは、しかし非常に “棒読み” だった秋山さん。それを、さすがの妹力として面白がられているのかとばかり思っていたんですが、どうもご当人のブログに寄れば、この日の仕切りは秋山さんだったんだとか。
あれは、トークの進行を仕切っていたんですね、まおぴん!

他にも、トークのタイミングでいろいろ告知をするに際して、まだ告知する内容が残ってるのに、フライング気味に「よろしくお願いします」って言い出して早く曲に進もうとする小野田紗栞さんだったり、アンデルセン公園といった千葉の名所を説明してくれるリーダー山岸理子ちゃんだったり、途中から急激に寒くなってきたことで、みんな知ってるけど言わない約束なのに「カイロ貼ってて良かった」とか言っちゃう谷本安美ちゃんとか、コミカル具合も堂に入ったものです。

第二部 公演
01.春恋歌
02.愛おしくってごめんね(カントリー・ガールズ)
MC 棒読み秋山にフライング小野田
03.低温火傷
04.就活センセーション
05.都会の一人暮らし(℃-ute)–音響ピンチ–
06.笑って

さすがに堂々としたもんだ、ってのはトークのコミカルさだけではなくて。
セトリ中、℃-ute のカバーである『都会の一人暮らし』で、途中、音響が微妙な感じになっちゃう場面がありまして。
しかし、「えっ?えっ?何?何?」といった具合に戸惑ったりすることもなく、むしろ音響トラブルに笑顔さえ見せながら、何事も無く楽曲披露し切るメンバーたちは、それこそ堂々としたもんでした。
もちろん、棒読みすぎる秋山さんも、フライング気味に段取りをこなす小野田さおりんも。

リリイべ第三部:揺れる仮設ステージ

第三部のミニライブ中、スマイレージの『寒いね。』カバー中、メンバーのステップによって、ゆっさゆっさ揺れる仮設ステージに、観覧していたファンもどよめきます。
って、メンバーのステップで揺れる仮設ステージって、そりゃどんだけ設営が甘いのかとも思われかねないところですが、他の楽曲ではそんなことはなかったので、ステージの設営が甘いのではなく、メンバーのステップの揃い具合が半端なかったのではないかと。

地元の千葉でのリリイベということで、「お友達やお知り合いが来てくれて」と、嬉し恥ずかしなご挨拶をしてくれた理子ちゃんでしたが、「お知り合い」を「お尻合い」と勘違いしたのか、何故かそのタイミングで挙動不審な谷本さんが愉快だったりします。

新沼希空ちゃんは、2回目のトークで理子ちゃんが紹介してくれた千葉の名所を、理子ちゃんに案内されて遊びに行きたいんだとか。そろそろ希空ちゃんには、グループ内で誰とペアになるのか固めて欲しいですよね。

第三部 公演
01.低温火傷
02.寒いね。(スマイレージ)
MC 印象に残ってるリリイベ
03.就活センセーション
04.21時までのシンデレラ(Berryz工房)
05.ハナモヨウ
06.春恋歌

第三部のトークでは、久しぶりのリリイベということで、これまで大量にこなしてきたリリイベの中で、特に印象に残ったイベントは?といったテーマで。
小野田さんは、先月の2018年1発目のリリイベで、『一丁目ロック!』が異様に盛り上がったことを述べるや、「『一丁目ロック!』が盛り上がったと言えば、2nd シングルのときの北海道じゃない?」と、ニコニコとした笑顔で被せる小野瑞歩さん。
と、そんな具合に先輩の楽曲をカバーしてくれることも、いろんな意味で胸に響くところであって、とりわけこの第三部では『21時までのシンデレラ』がカバーされていて、それはとてもすばらしく、もしかしたらオリジナルの『21時までのシンデレラ』(をリリースした当時の幼いBerryz工房)よりも技術的には勝っているかも知れなくて、わたくしベリヲタとしては、これに一言あって然るべき場面ながら、しかし、そうした一切を払拭するほどの『春恋歌』の名曲ぶりに心を射貫かれていた次第。

きっと、これから先に予定されているイベントで、樹々ちゃんも参加した完全版の『春恋歌』を期待したいところですね。

*****

と、こんな具合に、先輩たちの楽曲カバーによって目頭も熱くなりかけていても、そうした「継承」にまつわる感傷を一気に吹き飛ばすほどの、つばきオリジナルの力強さ、すばらしさもまた印象深かったリリイベです。
そう、それはもはや、つばきファクトリーこそが、”継承ではなくハロプロそのもの” だと思えるほどに。

残念なアクシデントもありましたけど、そのポテンシャルがなかなか発揮されないところや、ファンをハラハラさせるところも、そうしたアクシデントを乗り越えて見せるところも全部含めて、ほんとに “ハロプロらしい” あれこれが垣間見えたリリースイベントでした。
『春恋歌』のすばらしさについては、また別の機会に)

(文=kogonil)

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