親戚の姪っ子だったり、ようやく言葉を話し始めた3歳児くらいの女の子だったり、一生懸命いろんなことを話してくれる幼い子って、めちゃくちゃ愛らしいですよね。その子なりに伝えたいことを十分に伝えるために、本来であれば取捨して再構成してから語られるべきエピソードなのに、その背景から自分が感じたことまで、逐一、まるごと、全部言葉にしようとして(ところどころ失敗して)る様子って、ご想像できると思うんですけども、その語る内容以上に、一生懸命伝えようとしているその姿こそが愛らしいですよね。
そして、その語る内容以上に、何事かを伝えたいと思ってくれて、こちらを(この人は私の話を聞いてくれると)信頼してくれていることこそが、一番に愛らしいです。
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29歳になったのに若いね、衰えないね、相変わらず可愛いね…という声が各地から聞こえてくる道重さゆみさん。衰えない可愛さはルックスだけではありません。
たとえば、29歳という20代最後の誕生日だったりするわけですから、それこそ “道重さゆみの物語に参加している感じ” を正面から味わえるような、そんな印象深いエピソードだったりトークだったりを、ファンとしては期待しちゃったりもするわけですけども、しかし、そうした点にまったく触れないわけではなくとも、後述するように、基本的には “道重さゆみの日常風景” が、饒舌に、しかし、嬉しそうに語り倒されます。
大事なことは、そんな “なんてことのない さゆみん の日常を語ります” ということが、”二軍落ち” とか自ら言っちゃうくらいの些細なエピソードを語ることが、この場でならば通用すると道重さんが思っているところ(ほんとうは、道重さゆみほどの知名度ならば、どこでも通用するんだけどね)。
嬉しそうに、些細な内容を一生懸命語るところ。
楽しそうに、早口でその背景から何から細大漏らさず全部しっかり伝えようとするところ。
そして、自分の話をちゃんと聞いてくれると客席を信頼してるところ。
なんだか、29歳の道重さゆみさんに、冒頭で述べた愛らしい3歳児の姿が重なります。
道重さゆみバースデーイベント in 山野ホール
はい、そんなわけで、そのルックス以外の部分の愛らしさこそ爆発していた道重さゆみさんの29歳のバースデーイベントが、お誕生日当日の2018年7月13日の金曜日、代々木は山野ホールにて開催されました。
イベントは、”開場19:30/開演20:15″ の1回目公演と “開場19:30/開演20:15” の2回目公演の2回まわし。先行の物販スタートは、15:00 から。昨年のバースデーイベントとは異なって大幅な時間延長こそなかったけれど、怒濤のように喋り倒すのは昨年同様です。とにかく道重さん、喋ること、喋ること。それも楽しそうに。
この道重さゆみさんのバースデーイベント、一番に印象的なことが、道重さんが、嬉しそうに、楽しそうに、道重さんの身辺雑記的なトピックを、その細かい背景から何から、全部伝えずにおくものかと言わんばかりに、怒濤のように喋り倒していることだったりするので、取捨してレポをまとめようとすると、実に困りますよね。
イベント概要 道重さゆみに突っ込む道重さゆみ
イベント開始までのホール内BGMは『SAYUMINGLANDOLL~宿命~』の楽曲です。
イベントは、スクリーンに映し出されるVTRと、ステージ上の道重さんとの掛け合いで進んで行きます。VTRに映し出されるのは、懐かしい “ピンキーさゆみん“。もちろん、あのハロモニに登場していたキャラクターです。
先般の “ハロモニ20周年記念番組” でも、自分が全カットされていたと、いきなり20周年番組をDISるピンキーさゆみんですが、ピンキーは心の声がダダ漏れで、ステージ上の道重さんが “自分、可愛い” 的なことを言う度にVTRの中でいろんな突っ込みを入れてくるという趣向なんですけど、これは、すべて当の本人である道重さんが自分でプロットを書いて、自分で進行台本を準備したとのことで、要するに、道重さゆみに対する辛辣な突っ込みを、道重さんが自分でやってるという微笑ましい一幕です。
ここでも印象深いことは、”無理して可愛こぶってる” 的な自分突っ込みを、客席が面白がってくれると道重さんが信じて疑っていないところ。そう自分で自分に突っ込んでも、それでも、突っ込まれた側の自分の可愛さは(客席にとって)揺るがないと、そのように道重さんが思っているところ。自分自身の立ち位置と来歴を踏まえて、その上で、このファンクラブイベントという場で強調される “面白さ” が、ちゃんと伝わるところこそ印象的な場面でした。
それこそ、自分の話をちゃんと聞いてくれると客席を信頼してるところにも通じて。
その関連で、余談を少し。
スクリーンに “ピンキーさゆみん” が登場して来るや、周囲のファンのみなさんが口々に「じゃあ、次はプリンセス・ワイワイに登場してもらって」とか話してます。
当たり前ですけど、みんな、ハロモニ見てたんですね。
この、ステージの上のメンバーが客席を信頼していること。何について信頼しているかと言えば、個々のファンがどうこうってことではなくて、メンバーが想定する文脈を客席が共有していることについて信頼しているってこと。そして、その信頼通りに、客席のほとんどが、しっかり「ハロモニ」を記憶していること…。
毎度、具体的な内容こそ異なれど、ハロプロの現場で感動することは、こうした信頼の円環がしっかり回っていることですよね。
と、今般のイベントは、VTRの中の自分との掛け合いで進んで、さわやか五郎さんなどMCヘルプは一切なく、最初っから最後まで道重さん一人で進行します。
そんなVTRとの自分突っ込みに促されてスタートしたイベントの概要は、こんな感じ。
構成やセトリは、2回まわしの2公演で違いはありません。
→ 初公開さゆみんノート
→ VTR:ピンキーの秘書、”道ノ重さゆ乃” 登場
→ みんなのために頑張ります さゆみんチャレンジ
→ みんなの質問に答えるコーナー
→ 衣装チェンジの間にVTRで「~宿命~」公演のダイジェストを
→ ミニライブ
- キラキラは1日にして成らず! (SAYUMINGLANDOLL~宿命~より)
- EIGAをみてよ (SAYUMINGLANDOLL~宿命~より)
- 弱虫 (『泣いちゃうかも』カップリング)
- Loveイノベーション (『ワクテカ Take a chance』カップリング)
- ラララのピピピ
まずはご挨拶 29歳になりました
オープニングのご挨拶トークだけでも、怒濤のお喋りはいきなりフルスロットルです。
1公演目でのご挨拶トークでは、誕生日当日のブログやインスタの更新が遅れたことの言い訳を。29歳になった瞬間にはタピオカを茹でていたという道重さんは、タピオカを茹でることに一生懸命で日付が変わったことに気づくのが遅れ、ブログやインスタの更新も遅めになったんだとか。「全部タピオカのせいだから許してね」と客席に可愛く媚びる道重さんでした。
2公演目でのご挨拶トークでは、「もう29歳」っていう言い方は後ろ向きで嫌だから、ショコタン(中川翔子)さんの “年齢をレベルで喩える” 話しを引き合いに出して、直接年齢に言及しない、なにか良い別の言い方はないか募集中とのこと。
このご挨拶トークでは、さっきも触れたような客席への信頼とも通底して、なんだか来年も再来年も、ずっとこうしたファンクラブイベントを続けてくれることが当たり前の前提であるような言い方も多くて(道重さん本人も意識してないかもしれないけど)、それも嬉しかったところです。年齢に言及する良い言い方を募集するところでも、30歳、40歳と続いていくのが当然であるような語り口だったりして。
初公開さゆみんノート こんな感じで続くけど大丈夫?
最初のコーナー企画は『初公開さゆみんノート』。
なんでも道重さんは、普段あったことを忘れないように、細かな身辺雑記をノートにまとめているんだそうで、その中からラジオやトークイベントなどで話したものには「☆」マークをつけているんだとか。
そんな『さゆみんノート』から、ラジオやトークイベントでは公開していない、いわば “二軍落ちの話” を大公開という趣向。
いや、身辺雑記からエピソードを公開と言いつつ、ノートに描いてある文字列を読むのではなくて、「あ、これ」とかエピソードを選んだら、ノートそっちのけで、やっぱり喋り倒すところが、さすがと言うか、なんと言うか。道重さん、めっちゃ楽しそうでしたよ。
その道重さんがお喋りしていた様子は、文字に落とし込むことは不可能で、いかにまとめようとも、その怒濤のトークの数%も再現できないことは明らかなんですけども、わずかなりと雰囲気を伝えたいので、記事末にまとめたりせず、このまま、こんな感じ(↓)です。
1公演目 初公開さゆみんノート |
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2公演目 初公開さゆみんノート |
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繰り返し、どのようにまとめようとも、怒濤のトークの数%も再現できないことはお伝えしておきますけども。
個人的には、2回目公演の お兄ちゃんネタで、ケーキの “モンブラン” っていう発音が微妙にブレるのが可愛かったです(そりゃもう、全部可愛かったですけど)。
みんなのために頑張ります さゆみんチャレンジ
続いてのコーナー企画は『さゆみんチャレンジ』。
出されるお題をクリアできたら、お見送りで参加者全員に道重さんオリジナル缶バッチをプレゼントというもの。(ちなみに、これ1回目も2回目も同じかと思ったら、それぞれ別のデザインの缶バッチで、めっちゃサービス満点でした)
コーナーの仕切りは、やはりVTRに登場してきた新キャラ “道ノ重さゆ乃” さん。
なんでも、ピンキーさゆみんの秘書なんだとか。「ピンキーもエリック亀造の秘書だったはずなのに、秘書なのに秘書がいるなんて生意気ですよね」と道重さん。
そして、この「ピンキーもエリック亀造の秘書だったはずなのに、秘書なのに秘書がいるなんて生意気ですよね」ってコメントを、道重さんは2回目の公演でも、律儀に繰り返しています。いかに事前にシナリオを入念に練り込んでいようとも、こんなあたり、可愛らしいですよね、ほんとに。
1公演目 さゆみんチャレンジ 【利きまりあ】 |
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【ルール】3人分のおめでとうメッセージを聴いて、どれが牧野真莉愛のものか当てる |
道重さんの回答 Aを聴いて:小田ちゃん! 小田ちゃんの声が好き Bを聴いて:真莉愛ちゃん! Cを聴いて:工藤! 声がかすれちゃってるけど大丈夫?忙しくて疲れてるのかな? |
このチャレンジは、【B:真莉愛ちゃん】が正解で、みんなに缶バッチを配布できることになります。なんでも、真莉愛ちゃんがお誕生日メッセージ着信第1位だったとか(2位はカントリーの山木さん:いろいろさすがですよね)。
道重さんが、てっきり工藤さんだと思って「声がかすれてるけど大丈夫?」などとコメントしていた “C” は、実は大先輩の中澤姐さんだったりして、「えーーーっ!かすれ声だなんて言っちゃった!」と大騒ぎする道重さんでした。別に中澤姐さんは全然怒らないだろうと思うけど、それでも、秘密にしてねと、みんな私の味方でしょと、大騒ぎした挙句、「みんな、ミッフィーちゃんでお願いしますね」と道重さん。ミッフィーちゃんってお口がバッテンだから “お喋りしないで” の意味になるんだそうです。勉強になりますね。
余談ながら、道重さんの「小田ちゃん」の言い方が可愛かったところと、道重さんが小田ちゃんの声が好きなところが、個人的なお気に入り。
2公演目 さゆみんチャレンジ 【暗記ゲーム】 |
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モーニング娘。’18メンバーがスクリーンに順番に映し出されるので、その登場順を記憶する |
NGでした → 代わりに “道ノ重さゆ乃” さんがケンダマにチャレンジ |
2回目のチャレンジは失敗に終わって、VTRの中で “道ノ重さゆ乃” さんがケンダマに(大騒ぎしながら)チャレンジすることで、なんとかプレゼントはOKになりました。
ええ、VTRの中で、失敗した場合のリカバー版を準備していることから(先に「エリック亀造の秘書だったはず」というコメントを繰り返したように)、ちゃんと準備したものが全部披露できて良かったねとさえ思える展開。もう、イベントの展開すら可愛いですよね。
みんなの質問に答えるコーナー 恋人発覚?うさちゃんピースの秘密??
続けて、イベントのド定番、事前に募集した参加者からの質問をBOXから抽選する『みんなの質問に答えるコーナー』です。
翌日(14日)の写真集発売記念握手会の取材でも取り上げられていた「いきなりステーキが恋人」との件、初出は、こちらかと。
その他にも、大阪でのSAYUMINGLANDOLL公演で披露したエピソードの続きだったり、うさちゃんピースの弱点だったり、一見些細なようでありながら、道重さんのことを良く知るファンだからこそ垂涎のエピソードてんこ盛りで、怒濤のお喋りは一向に緩みません。
1公演目 みんなの質問に答える |
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2公演目 みんなの質問に答える |
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繊細さと小心さと そして信頼と
続くミニライブでは『SAYUMINGLANDOLL~宿命~』公演からの楽曲や、モーニング娘。のシングルのカップリングから選曲されています。その選曲の理由は語られることはありませんでした。
それでも、道重さんは、こんな話しもしてくれます。
『ラララのピピピ』で「♪ねーてーいーたーい」のパートで、寝ているフリをして、実際にステージ上でも眼を閉じているときに、道重さんはいつも不安なんだとか。「このとき、ドッキリか何かで、眼を開けてみたら客席に誰もいなかったらどうしようって、いつも思うんです。眼を開けたら “ああ、みんな居る!” って、いつも嬉しいんです」と。
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今般、公演毎にVTRとのやり取りの中で、定められたコメントを、律儀にきっちり繰り返したところからも、入念に事前に決めたことを、しっかり守ろうとしすぎるところも垣間見えた道重さん。後輩の武道館公演にサプライズのゲストで登場するにあたっては、緊張で、ステージが終わってから軽くアゴが外れていたとも話してくれました。
こんなにも大胆で、あんなにも自由奔放なようでありながら、こうした細かなところで、道重さんは実際には繊細で小心であることが明らかだったりします。
29歳という20代最後の年でもあるわけですし、来年は30歳を迎えるという節目でもあります。この先の活動がどうなるのかといったことも気になるタイミングです。ですから、ファンとしては、言ってみれば “道重さゆみの物語の画期” に参加していたという実感を求めて、こうしたミニライブの選曲の理由なんかも含めて、深く感じ入るような、そんな “語り” を期待しちゃうところもありました。
けれども、語られるのは、すでにご確認いただいたような些細とも言える身辺雑記的なエピソードばかり。よく “口から産まれた” って自分でも言ってますけど、ほんとに楽しそうに、そんなエピソードを道重さんは、めっちゃ喋ります。
そして、繊細な心を持つ臆病で小心な道重さんが、重々しく語られる大告白なんかじゃなくて、意を決して語られる大スピーチじゃなくて、嬉しそうに、一生懸命、些細な身辺雑記的なエピソードを、楽しそうに客席に伝えてくれるからこそ、だからこそ、ファンのみなさんは私の話しを聴いてくれると、道重さんがそう信じていることが伝わってくるという次第です。29歳になっても、可愛さの化身は、ますます可愛いようです。
繰り返し、モーニング娘。の二度目の黄金期を支えた伝説のアイドルには、この意味で、愛らしい3歳児の姿が重なります。…ってか、こんな子だからこそ、かつての伝説化が、改めて、どんだけ偉大だったのかと思ったりしますよね。
今にして思いますね。よく語られた “親戚のおじさん目線” って、かくも深いものだったとは。
…というわけで、わたくしも、本来ならば取捨して再構成されるべきレポを、一生懸命たくさん伝えようとしてみましたけども、さて、可愛かったでしょうか?
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