【ライブレポ】 ℃-ute 2016春ツアー千秋楽 at 武道館 ~変幻自在な11年の厚み~

はじめに

℃-ute の2016年春ツアーが武道館公演をファイナルとして、6月20日に華々しく幕を閉じました。
午後一番くらいに武道館前にやってきて、物販列の長さに絶望しそうになりましたよね。
予想はしていたものの、今般のツアーでも DVD Magazine が順調に4本ほど増加して、いよいよ収納場所に困っております。
わたくしも正しく武道館参戦記念の写メを撮ってきたわけですが、活動停止中の Berryz工房から、須藤茉麻さんと熊井友理奈さんが、おちゃめにも大胆な行動に出ていたと知らされ(茉麻のツイッター)そんな事態が展開しているとは露も知らずに、非常に間近にいながら、のほほんと開演時間を待って読書していた自分を小一時間説教したい気分です。

今回の武道館のステージ 全方面を正面に

事前にメンバーたちのラジオなどでも「武道館ならではのことをやるから楽しみ!はやく見て欲しい」と言われていた今般の武道館。

開場して席に着くや、センターステージが孤立していて、メインステージと連絡する花道的な通路が見当たらないことに気付きます。まさかワイヤーで釣り上げて移動するのではあるまいなと思ったところ、孤立しているセンターステージへは、トロッコでの移動であったというのが、どうやら今回の目玉のようです。

過去、武道館や横アリを千秋楽に持ってきたツアー(2014秋:武道館/2015春:横アリ)では、通常のホールでのセトリと大きくライブ構成を変えてきた ℃-ute ですが、『デジタリック→0(LOVE)』でのギミックも、椅子をつかった妖艶なパフォーマンスも、ホールコンと同様で、今回は、さほど大きな変化は入れてきません。セトリ的には。
ちなみに今般のステージのセトリは記事末に。
むしろ、若干変則的に新しい試みを取り入れたステージ構成にこそ、その構成を可能にするメンバーたちの技にこそ、この千秋楽への意気込みを感じた次第(後述)

ステージ構成の特色 トロッコ移動

メインステージからは、左右に長めにウィングが張り出しております。
概略図を作成しましたのでご参考までに。

過去の武道館であれば、左右に張り出したウィングは、末端へ向けて傾斜して2階席へ近づいていたりしたものですが、今回はそういう勾配はなく、むしろ段階的に下がっているような感じで。そのウィングの末端にトロッコが準備されていて(下図、濃い青の四角)、そこまで移動してきたメンバーが、トロッコに乗ってセンターステージまで移動するという趣向(下図、紫の矢印)。そして、そのセンターステージを囲むようにして、アリーナ席が設けられているという形です。(※ 下図のさらに周囲にスタンド席)

cute-stage2

トロッコでの移動については、リーダー矢島舞美さんも MC にて「ひなフェスとかで別のグループがトロッコで移動していたけど、℃-ute は走って移動するっていうスポーツなグループだったから、今回、トロッコに乗れて嬉しい」とか言ってまして。
いや、「スポーツなグループ」って何だかよくわからないとか、ひなフェスでトロッコで移動していたグループは、2013年2日目昼公演の9周年スッペシャルでの Berryz工房のことだろうけど、その人たち関係者席の最前列にいるよね、とか(後述)諸々展開し甲斐のあるコメントをさせたら天下一品な舞美ちゃんですが、そのコメントに「ひなフェス」の名が出たことは看過できないと投稿者は見ております。

参考:旧エンタメアライブ
『ひなフェス2015』3/29昼夜レポ 変化し続けることで保たれるハロプロの形

ステージの構成を記述しつつ、記事の構成が乱れておりますが、ここで早々に今般の武道館で投稿者が一番に唸ったところを。

どこから見られても大丈夫どころじゃない

ひなフェスといえば、毎度、非常に変則的なステージが取り入れられ、正面から見せることを前提に組み立てられていたフォーメンションが崩れ、左右前後から、いろんな角度からメンバーのパフォーマンスを見ることができることでも知られています。投稿者は、個人的に、こうした「ひなフェスの見せ方」をもって、”うちらのメンバーは、どこからどう見られても大丈夫” というアップフロントの自信と、メンバーが積み重ねてきた研鑽への信頼を読み取って勝手に感動していたりするわけですが。

さて、今般の℃-ute 武道館、その中央に孤立したセンターステージでのパフォーマンスは、とりわけ上述のような「ひなフェスの見せ方」についてのイメージを持っていた私にとっては衝撃的なものでした。
トロッコに運ばれて、アリーナ席の隙間を通って、ファンのみなさんに近くまで接近しましたよ…というに終わるだけの趣向ではなく。メインステージから、足場をセンターステージに、単純に移し替えたというだけの趣向でもなく。
正面から見られることが前提のパフォーマンスだけど、左右前後と、どこからどう見られても大丈夫、という趣向を再現するのかなと思って見ていたところが、それどころではなく。

このセンターステージでのパフォーマンス、ひとつの曲中であってすら、ステージの四辺をすべて正面ステージとする変則的なフォーメーションでパフォーマンスが展開します。
図のセンターステージの上辺を仮に正面としてパフォーマンスするなら、右側が下手、左側が上手、底辺が背面となりますが、これパフォーマンスが展開するにつれて、正面、上手、下手、背面に相当する各辺が、順次、移動し入れ替わっていくんですよ。
その結果、全部の辺を正面として、四方にすべて正対して展開するパフォーマンスが現出します。たとえば『Kiss me 愛してる』。なっきぃ の「セイ!カモン!」の煽りも印象深い斜め直線での整列、そして、そこから整列順を入れ替えにかかるパートでの移動など、底辺を正面として右側を上に左側に向けて斜め下方向に整列してるかと思えば、それが90度左側に回転して同じ並びに整列してみたり(こんどはさっきのフォーメーションで下手側が正面となる)、あるいは、愛理さんを頂点に5人が矢印形に整列するところで、愛理さんが左の辺に向って正対していたり。

それでなくとも激しい場位置移動をともなう ℃-ute のステージですが、センターステージに全員がそろった数曲については、その激しい場位置移動を含めた楽曲パフォーマンス全体が、くるくると全体的に円環的に切り替えられ、しかも、90度ずつの切り替えが4パターン、切れ目なく連続的に、通常のパフォーマンスの倍位置移動の中で(うっかりすると正面の位置が変化してることすら見落としかねないくらい)スムーズに変化していくという、それこそ流れるような場位置の組み替えが現出しています。
はたして、この説明で伝わっているでしょうか??

まさに、変幻自在なフォーメーションと言うべきかと。むしろ「変幻自在」という日本語は、2016年6月20日の℃-ute武道館を待っていたのではないかと思うくらい、ようやく「変幻自在」という言葉に実質的な内実がともなったのではないかと。
遠く2階スタンド席から、目を見張っていた投稿者でした。すばらしかった。

これは、後日発売されるであろう映像作品が、こればっかりは映像作品でこそと思い定め、今から楽しみすぎますね(同意を求めてみるテスト)。

11年の厚みをもって12年目へ ℃-ute という達成

本来ならば事実を提示して説得力を積み重ね、その上で記事のラストで展開すべき一番大事なキモのところを、ステージ構成を記述した流れで、つい先に述べてしまいました。そんな具合に記事の構成が乱れているのを良いことに、いっそ投稿者が勝手に思い込んでいるだけのことを書いてみる試みってことで。

信じてもらえないかもしれませんが、レポ記事であってすら、これでも、投稿者の個人的主観の全面展開は抑制して、なるべく「参加できなかったみなさんにご報告」というスタンスを堅持してきたつもりです。そもそも「書く」ということ自体、一定の対象化と客観化の圧力がかかるわけですし。ええ、信じてもらえないかもしれませんが。

小さい頃からいろんな形の愛に出会った 最高ミュージック

℃-ute の全楽曲中で、『キャンパスライフ~生まれて来てよかった~』と並んで個人的に最高に好きな楽曲です。衣装チェンジの流れで、中島早貴さん、鈴木愛理さん、萩原舞さんの3人で。

どこまでも楽しげな旋律に、ハロメンに異様にやさしい明石家さんま師匠の「生きてるだけで丸儲け」との哲学にも通じる一貫した歌詞と、それだけでも素晴らしい楽曲かとも思うんですが、「ずっと小さい頃から、いろんな形の愛に出会い、ときには悔し涙も流したけど」と、あたかも一時期の℃-ute の来歴を託しているかのような歌詞があって、そう「悔し涙も流した」けれど、ずっとずっと小さな頃から「いろんな形の愛」に恵まれてきたと、その来し方をポジティブに捉えるのであれ、実は「いろんな形の愛」に恵まれていたのだけど、それに気付けずに「悔し涙も流した」日々だったとネガティブに捉えるのであれ、どちらであれ、そうした事実を叙述する記述的なフレーズのあと、一拍して、旋律が急な変調をみせて「最高さ!」と展開するのは、ほんとうに最高ですよね。
その「最高さ!」との急変調まで含めて、私には ℃-ute の来歴を託しきれる楽曲であるように思えます。

思えば、『会いたい 会いたい 会いたいな』のカップリングとしてリリースされた2012年は、翌年の単独武道館も知らず、それでも積み上げた研鑽が今日の圧倒的存在感の基礎を着実に準備していた、そんな時期です。最高ですよね!
滔々としたバラードだったり迫力の熱唱曲じゃなくても、鈴木愛理さんのボーカルの心に染みる心地よさが明らかな楽曲でもあります。

10年の技の結晶 悲しきヘブン

同じく『会いたい 会いたい 会いたいな』のカップリングだった『悲しきヘブン』(こちらは初回限定Aのみだったかと)。
『最高ミュージック』について ℃-ute の来歴を託しきれる楽曲と評しましたが、この『悲しきヘブン』も、岡井千聖さんの歌唱力の大成長が、鈴木愛理さんに匹敵し得るボーカリストとしての成長こそが前提となって組み立てられている楽曲であって、その意味でも、翌年に単独武道館の大躍進を控えていた2012年の『会いたい 会いたい 会いたいな』カップリング2曲ってのは、プロデュースする側にもなんらかの予感があったのかと思うほど。

と、このように、愛理さんと岡井さんの、主旋律を交互に奪い合うかのようなボーカルバトルも注目のこの楽曲ですが、投稿者は、むしろバックダンサーとなった3人のダンスこそ見所だと主張したい。愛理さんと岡井さんのボーカルと、そして舞美ちゃんと なっきぃ と舞ちゃんのダンスと、この『悲しきヘブン』こそ、十全な形でパフォーマンスされるならば、それこそ ℃-ute 10年(当時)の研鑽の結晶であると。
個々のダンスがすごいだけじゃなく、最初はバックの3人のセンターに舞美ちゃんがいるのだけども、ボーカルの2人が左右に引いて、ダンサー3人が前に出てくるところ、ダンスの3人が場位置をくるっと変化させて なっきぃ がセンターに出てきます。ここが、圧巻!

上に「十全な形でパフォーマンスされるならば」と書きました。
『悲しきヘブン』は、MV としても切り出された2012年版の「℃-ute Cutie Circuit」のパフォーマンスと、2015年の6月11日の横アリ版が(私見では)最高峰であって、他の場合では、時にボーカルバトルがすれ違ったり、ダンスが乱れたり、愛理さんの叫びが甘かったりして、なかなか十全なレベルに届かないのが顕著なのも、この楽曲の特徴です。
ってか、それほど精妙にして大胆なパフォーマンスを要求される楽曲でもあり、そんな楽曲を信じて任せられたのが ℃-ute であるということなのかなと。(繰り返し、当時は、まだ単独武道館達成前夜であったことにご注目)

参考:旧エンタメアライブ
℃-ute 横浜アリーナ単独公演『The Future Departure』レポ 「ありがとう」から始まるさらなる一歩

ベースの響きも重々しい まっさらブルージーンズ

これ、あちこち見てると、みんな2012年の「神聖なる.Ver」って書いてるんですよね。
でも、「神聖なる.Ver」って、オープニングのベースの響きがあんなに大きかったかなあ?

公式には認められていないのかもしれませんが、2015年の横アリでの『まっさらブルージーンズ』は、「神聖なる.Ver」のアレンジに、オリジナルのベースの重厚さを加味したようなアレンジであって、あれを個人的には「2015.Ver」と読んでいるのですが、今般の武道館の『まっさらブルージーンズ』も、この「2015.Ver」ではないかと。

いずれにしろ、あのイントロにのせてベースの重い響きが流れて来るや、テンション上がるどころじゃありませんよね。

並み居る鉄板曲に連なる アイアンハート

そう、『まっさらブルージーンズ』は、イントロだけで、なんだか心拍数も一桁上がる感じで、ネット上のスラングである「キターーーッ!!」ってのも、リアルに実感できる鉄板なわけですが、他にも今般は、ハロプロ最強の なっきぃ のガチ煽りを堪能できる『Kiss me 愛してる』であったり、アルバム曲としてのリリース当初から異常な盛り上がりだった『Midnight Temptation』であったり、イントロどころか、イントロ前にメンバーが整列した段階で発汗量も変化するレベルの『Danceでバコーン!』だったり、2013年の単独武道館達成での大躍進のさらに前、その大躍進をゆっくり準備中の時期に「あ、℃-ute はここで変わった」と一部に強く受け止められた『超WONDERFUL!』であったり、アイドルの楽曲なのに、人類の麗しい節度を高らかに歌いあげちゃってる『JUMP』であったりと、鉄板中の鉄板曲が惜しげもなく投入された今般のツアーのセトリですが、こうした鉄板曲がいずれも、最初から狙ったわけじゃなく、メンバーとステージによって育てられて鉄板化した楽曲である一方、それらに勝るとも劣らぬ盛り上がりの新曲だって挙げられるところが今の ℃-ute の強みですよね、『アイアンハート』。
オープニングで楽しげに「ワン、ツー、スリー、フォー」とか言ってるところ、大好き。

「おかい」コールと緑一色の武道館

熊井ちゃんと茉麻が、とんでもなくおちゃめな冒険をしていることも知らずに、開演前に物販を済ませて入場列が出来るのを待っている間、なにやら緑のシャツを着た方が、武道館前のあちこちで、やはり入場待ちで、そこここに時間をつぶしているヲタたちに話しかけています。曰く「岡井さんの誕生日が近いので、アンコールのコールは『おかい』でお願いします。ご協力、お願いできますか」と。

これに類することはよく目にするところで、たとえばモーニングのツアーで埼玉文化センターなんかに参戦すると、工藤ちゃんヲタのみなさんが(地方公演というわけではないので気がつかない人も多いことから)「工藤さん凱旋」でのオレンジのペンライト配布と協力要請に奔走していたり。あるいは、鞘師ちゃんのラスト武道館で、鞘師ヲタさんが配布していた赤のペンライトの終演後の回収を、鞘師ヲタではないモーニングのファンが手伝っていたり。毎度、どうにも嬉しくなる場面ですね。

調子に乗って事例を加えるなら、2014年のBerryz工房の座間で、きっとタイからはるばる来日したであろうファンが、オリジナルのメンバー別缶バッチを配っていたり。つたない日本語で「おー、あなた、くまいちゃんね」と言われて緑の缶バッチを手渡されたりとか。

もちろん、今般の武道館、アンコールを求める会場全体のコールは「おかい!おかい!」であって、武道館は緑一色に染まっておりました。これだけ中島早貴さんを愛する投稿者も、なぜだか緑のペンライトを振っておりましたよ。

各メンバーのあれこれ 余録

そんな岡井千聖さんは、常々、萩原舞さんといつも一緒にいるのが通常運転となっておりましたが、先の2015年の秋ツアーあたりから、リーダー矢島舞美さんとの絡みが目立ちませんか?

間奏中に舞美ちゃんと岡井さんが、なにやら楽しげに絡んでいたのは2015年の秋ツアーでしたが、今般は衣装チェンジの流れで『心の叫びを歌にしてみた』を2人で歌っています。
岡井さんと舞ちゃんが「愛理、キモい!」とツッコンで、愛理さんもそれに謎の動きで応報している様子に目頭が熱くなる投稿者ですが、舞美ちゃんと岡井さんが楽しそうに絡んでいる様子もまた、これまでの歩みの中でのいろんなあれこれを思って、実に胸に響くシーンだと思っています。

そして、そんな舞美ちゃんは、アンコールで登場したときに髪をアップにまとめていた以外は、髪をおろしており、とりわけ中盤の衣装チェンジ部分ではストレートにすとんと髪を流して登場。これが実に美しくて、それでなくともステージ上で汗まみれの矢島舞美は、それ以外のあらゆる媒体での露出の数億倍美しいところ、まだその美しさに先があったことを知らしめて多くのファンの歓喜と驚きを一身に集めておりました。

いつも、可愛くて涙が出てきそうなくらいの なっきぃ だけど、ステージのなっきぃは、ほんとにカッコ良いです。なっきぃ、カッコ良かったよ。
愛理さんの、まことに息が続く迫力のボーカルも、いかにも心地良く、すばらしかった。
なっきぃ のカッコ良さとダンスの冴え、そして愛理さんのボーカルの心地よさについては、いずれ必ず、なんらかの形で記事化したいところ。
MC 中に、「汗が耳の中にたまってるから綿棒したい」とか言い出して、岡井さんにたしなめられてたところ、いつもは一番しっかりしてる【風】なのに、やはり可愛いところも見せてくれた中島さんです。

昨今のちょっとした事情から身構えないではいられなかった終幕のMCですが、舞ちゃんは楽しげにコロコロした声で、嬉しそうに客席にご挨拶していました。可愛かったな。
そして、リーダー矢島舞美さんからは、またもやお休み確保が厳しい平日の武道館(2016年9月5日)が告知されてしまい、それでなくとも今年下半期に向けては Buono! も、Juice=Juice も武道館公演を【平日に】開催するというのに、いったい我々がそんなに易々と会社を休めると思っているのかと(休むけども!)。

さいごに ちょっとした周辺事情あれこれ

もはや記事の構成は乱れまくりなので、補遺的な周辺事情は、最後にまとめてしまうという暴挙に出てみたりなど。

つばきファクトリーの『私がオバさんになっても

オープニングアクトは研修生帯同組と つばきファクトリー。
つばきは、先般の川口での初リリイベと同様、『私がオバさんになっても』を披露。

『キャベツ白書』と同じように、この楽曲も、つばきカバー版として、つばきのものとして継承していくつもりなんでしょうかね。だとしても歓迎でしかないわけですが。
いや、実際、投稿者がすっかり つばきに「流れている」ことを度外視しても、つばきファクトリーのポテンシャルには期待しかありません。6人が6人とも、実に透明で、実に美しく、実に儚げで、その「儚い」ところが『私がオバさんになっても』にピッタリだから。

この『私がオバさんになっても』という楽曲が、おっさんとして若いアイドルを追う私のようなヲタに対して、どれほどの破壊力を持つかは言うまでもないところながら、「幼かったあの子が、こんなにも堂々としたパフォーマンスを見せるほど成長している」であったり、「あのステージに立っていた、あのメンバーが、今はもう」であったり、そうした月日の流れの中での来し方行く末を含めた移ろいゆく諸行無常を表現しきった見事な楽曲であればこそ、産まれてくる次の声としての若々しいユニットが、やがて去りゆくことも覚悟しているどころか実際に消えてゆく声を見送ってもきたファンの前に登場するにあたって携えているに、まことにふさわしい「儚い」楽曲でもあると思っております。

関係者席の人々

そんな、実際に去っていった「あのステージに立っていた、あのメンバーが」ちゃっかり関係者席の最前列を占めているのも、昨今のハロプロのライブでは定番の風景。
ええ、Berryz工房ですね。

雅ちゃん、さすがに帽子かぶったままはNGっすよ。
そんなに関係者席ばっかり見ていたわけでは全然ないけれど、上述したトロッコに乗ってセンターステージに移動する場面では、会場全体が明るくなるので、どうしたって目に入ってくるんですが、熊井ちゃん、茉麻、雅ちゃんの、はしゃぎっぷりったら
もー、この人たち、関係者席にいてすら、カラっと明るく目立ちます。
こうしたところも含め、来期の ℃-ute のDマガへの期待も高まろうというもの。

関係者席の最前に、5人並んでいたから、(端から)雅ちゃん、茉麻、熊井ちゃんの並びに、一人挟んで、ポニーテール佐紀ちゃんと座っていて、「もしや梨沙子が」と思ったけれど、がんばって確認したところ、光井愛佳さんだったみたいでして(未確認情報)。
やっぱり、なかなか、こちらの期待には安易に応えてくれないところも、さすが Berryz工房といったところかと。

特殊効果のアガりっぷり さいごのさいごに 現場へのご招待

武道館では特殊効果もいろいろ繰り出されます。過去には天井から風船を降らせたりしましたけども、今般はテープをスパーンと射出する特殊効果が。

この種の特殊効果って、テープの射出であれ、ファイヤーボールであれ、レーザー光線であれ、在宅時代に映像作品だけで見ているときには「なんだこれ?たいしたことねーなー」としか思ってませんでした。いや、今でも、DVDだったりブルーレイだったりWeb配信だったりの映像で、液晶越しで見ている限り、特殊効果については、やっぱり「たいしたことねーなー」と思っちゃいます。
これがね、実際に現場にいたなら、ものすごい迫力なんですよ、特殊効果って
ほんまに。

その特殊効果の現場ならではの大迫力もまた、現場ならではの生のメンバーの身体挙動の迫力と、リアルな音の振動とも相俟って、毎回、記録媒体には刻みようがないその場限りの貴重な「体験」の一部を構成しています。ええ、その都度、こうレポすることは、それを記録しておこうとする無駄な抵抗でもあり、むしろ現場の体験のリアルさを冒涜することでもあるのかもしれません。
それでも、かくも無駄な長文で、余計な文字列を重ねて、読んでもらえるかもわからないレポを投稿するのは、ひとえに、このことが言いたいから。

現場はすばらしいよ。

むしろ実際に時間を使って身体を移動させるよりも、同時に並行して様々なチャンネルを複眼的に観察できるからと、いろんな経路での間接的な視聴を自覚的に選んでいる方もいらっしゃるかとも思いますが(私も長らく在宅だったので)それでも、現場はすばらしいよ、と。

ええ、℃-ute の武道館、最高でした!

(文=kogonil)

【℃-ute 6月20日 武道館 セットリスト】
—————
OA(オープニングアクト)
わっきゃない(Z) 研修生帯同組
私がオバさんになっても つばきファクトリー
—————
1.男と女とForever
2.人生はSTEP!
3.羨んじゃう
MC ご挨拶
4.心の叫びを歌にしてみた 矢島+岡井
5.最高ミュージック 中島+愛理+萩原
6.大きな愛でもてなして
7.都会の一人暮らし
8.Kiss me 愛してる
9.Please, love me more!
10. ひとり占めしたかっただけなのに
—岡井ちゃん、お誕生日おめでとう—-
11. Summer Wind
12. 夜風のMessage
13. ルルルルル
—楽屋VTR 早口言葉—-
(言えてる風の中島さんと得意技にしちゃいけない矢島さん)
14. Midnight Temptation
15. デジタリック→0(LOVE)
16. The Middle Management~女性中間管理職~
17. 悲しきヘブン
18. 嵐を起こすんだ Exciting Fight!
19. 情熱エクスタシー
20. まっさらブルージーンズ
21. Danceでバコーン!
22. 超WONDERFUL!
~アンコール~ 「おかい」コールと緑一色の武道館
23. 何故 人は争うんだろう?
— MC 最後のご挨拶 —-
24. アイアンハート
~Wアンコール~
25. JUMP

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