熊井友理奈BDイベント@TFMホール レポ 凛とした揺るぎなさが示すもの

活動停止中のBerryz工房メンバーである熊井友理奈さんの誕生日イベント(以下BDイベント)が、多くのハロメンのソロイベント開催定番の地であるTFMホールにて、8月4日(火曜日)、2公演で開催されました。

熊井ちゃんに客席から逢いに行けるのは、3月3日以降、これが初めての機会となります。
ええ、18:30 開演の一回目も、20:20 開演の二回目も、両方とも、参加してきました。

約5ヶ月ぶりの熊井ちゃんは、やっぱりあの熊井ちゃんのまんまで、最初っから最後まで”くまくま”していましたよ。

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熊井ちゃんのBDイベントでは、Berryz工房のラストとなる沖縄のバスツアーで同室だった、同じく熊井ちゃん推しのベリヲタ氏とも再会でき、イベント終わりに飯を食って帰ってきました。
以降、熊井ちゃんが、あの熊井ちゃんのまんまで、いかにくまくましていたか、投稿者の印象だけでなく、再会できたベリヲタ氏の述懐も交えながらレポとしてお伝えすると同時に、少しばかり熊井ちゃんのあれこれについて。

熊井友理奈 お誕生日イベントの様子

さて、半蔵門のTFMホールに到着するや、さっそく入場列に並んで、会場に入ります。
お届けされたチケットに刻まれた席に向って、落ち着いて深呼吸などしつつ、会場をキョロキョロ見回したりして、イベントのスタートを待ちます。
会場を見渡すと、あちこちに、あの現場でよく顔を見たベリヲタがなつかしい顔を見せています。ベリ現場の、あのベリヲタの姿をそこここに見ることができただけでなく、開演待ちの会場にはBerryzの楽曲がBGMで流されています。上述のような情景のなか、ふいに『永久の歌』なんぞが流れたりして、深呼吸のペースが浅くなったりならなかったり。

登場してきた熊井ちゃん

そうこうするうち、BGMの音量が変化し、ステージの光が落とされて、熊井ちゃんが登場します。

座席に座って熊井ちゃんを見ているせいか、イベント直前にテレビ番組で公開身長測定をして、181㎝であると世間に公言していたせいか、熊井ちゃんはとても背が高く見えます
ステージに上がる前に、ぐるっと客席をまわって、集まったファンに近い位置から自分を見せてくれた熊井ちゃん。やっぱり、輝いていて、めちゃくちゃ可愛くて、スタイルが良くて、そして、背が高いです(笑)。

一回目の公演では、ステージに向って会場左後方の扉から登場した熊井ちゃんは、3つほどの風船を手にして、客席をくるくる巡回しつつ、ステージ右奥から壇上にあがります。
この時、直前まで客席に向いていた姿勢を急にくるっと反転させたものだがら、持っていた風船の紐が熊井ちゃんの顔にひっかかるという場面が(まさに壇上に上がろうとして客席に背を向けた瞬間だったけれど、私の席の位置からは鮮明にその様子が目視できました)。それに自分でウケて、ニガ笑いしながら熊井ちゃんはステージへ。
なんか、こんなあたりも逐一、くまくましてますよね。

二回目の公演では、全員の予想通り、今度はステージに向って会場右後方の扉から登場して、客席を巡回してから、ステージ左奥から壇上にあがる熊井ちゃんです。
もはや、イベントの構成まで、くまくましてると言えましょう。

イベントの構成とセトリ

熊井ちゃんは、登壇するや、『勇気をください』を歌い始めます。
いきなり曲から始まったので、客席も微妙に戸惑っており、みんな急いで緑のペンライトを点灯するも、一回目の公演では、ここは全員着席状態で終わることになります。
これを受けてか、二回目の公演では、イントロ終わりくらいのタイミングで「みなさん立っても良いんですよ」と熊井ちゃん。それで二回目の公演では、ちゃんと全員起立してライブ風の感じが出ていたわけですが、きっと一回目の公演終わりに熊井ちゃんなりに反省したのではないかと。
もう、イベントの構成から、その場その場のリカバーまでもが、くまくましてるかと。

そんなイベントの構成は次のとおりです。ナンバリングがセトリということで。

1 勇気をください
——————————-
ご挨拶
お誕生日感謝祭QAコーナーと抽選会
——————————-
2 恋をしちゃいました
3 Summer Has Come!
4 ライバル(一回目)/ガールズタイムズ(二回目)

イベント構成は二回公演とも変わりありません。
『勇気をください』を歌った後、ご挨拶があって、QAコーナーと抽選会をはさみ、ライブコーナーへ。ライブのラストの曲のみ回変わりとなりました(ラストの曲については後述)。

QAコーナーと抽選会、見所いくつか

一曲歌い終わって、ご挨拶して、QAコーナーと抽選会です。
QAは、「私の思う熊井ちゃんの変なところ」と「熊井ちゃんへの質問でもなんでも自由記入で」をあらかじめ参加者が記入しており、それをランダムに熊井ちゃんが引いて答えていく定番もの。

引き当てた質問に応えて、その質問をした参加者に特別のグッズをプレゼントしていきます。ひとつひとつの質問に、真面目にしっかり応答しすぎて「わぁ、もう時間がない!」と慌てたりする様子もまた、とっても熊井ちゃんらしい一幕で、読まれた質問は全部の公演を合せても10個あるかないかくらい。

いろいろな質問に応えて、好き嫌いは治ってないけれど最近は味覚がおばあちゃんになったのか ”らっきょ” が好きになったとか、ブログよりインスタグラムのほうが楽しいのではとの質問に「バレた?」と笑う熊井ちゃんだったりと、それは楽しい一幕が展開されたのですが、個別の応答以上に大きな見所がいくつかありましたよ。

見どころその1。抽選のグッズを直接手渡ししてくれるところ

質問が読まれた方にグッズをプレゼントするだけではなく、途中からは大抽選会が始まります。賞品は、当日だけのレア写真だったり、当日のお誕生日Tシャツの色変わりだったり、過去のツアーグッズだったり、私物だったり。
それらはスタッフさんを介して当選者に渡されるべきところ(最初のうちはそのとおり滞りなく進行していたけれど)、やがて当選した参加者さんがステージ下までいって、壇上の熊井ちゃんから直接手渡しされるように。「高いところから、すいませ~ん。あ、どうせ、いっつも上から見下ろしてるか。ふはは」と笑う熊井ちゃんです。

見どころその2。熊井ちゃんが、質問ボックスと抽選ボックスと、そして台本を、狭い台の上にどうやって配置しようか常に困っているところ

上述の通り、QAコーナーは途中で抽選会へと切り替わったわけですが、そのために壇上のテーブルの上には、質問用紙が収められている質問ボックスと、抽選用の座席番号が入った抽選ボックスが並べられることになりました。そして熊井ちゃんは、片手にマイクを、もう片手に台本を持っています。抽選のため、どちらかの手を空けなければなりません。
このため台本の置き位置に常に困り、質問に応えている間も、抽選した賞品の説明をしている間も、常に、あっちに台本を置いてみては安定しないからやっぱり持ち上げてみたり、質問ボックスと抽選ボックスを入れ替えてみたり重ねて見たり…いろいろ始末に困っている熊井ちゃんでした(表向き、質問に応えたり賞品の説明をしたりして、さも困っている風は隠したかのように振る舞っているところも含め、とても熊井ちゃんでした)。
ようやく二回目の公演にして、ほんとに頭の上に「!」マークが点滅したような感じで「かたづけよう!」と熊井ちゃん。抽選会に移ったら質問ボックスを仕舞うことに思い至った様子です。

見どころその3。ポラロイド撮影で、下からのアングルや、あんまりな接写に文句をいう熊井ちゃん。

抽選会の目玉商品は、壇上で熊井ちゃんのポラロイドを撮影できる権利というもの。各公演、2名づつの当選となって、それぞれ壇上にあがってポラを構え、自由に熊井ちゃんを撮影して良いということに(撮影したポラは、撮影者に後ほどプレゼントという趣向)。
ステージ上に施された意匠をアクセントに、いろいろポーズを決めてくれる熊井ちゃんですが、ある当選者は熊井ちゃんに非常に接近しての接写を、またある当選者はしゃがんで下からのアングルで撮影をと、真意は不明ながら思い思いの写真を撮るべく工夫しています。対するに熊井ちゃんは「近い!近い!」とか、「下から?」と、まんまと言えばまんまなリアクションをしてくれていて、撮影できる権利が当選した参加者さんは当然として、客席側で一部始終を観ている私たちにとっても、嬉しい一幕となりました。

やっぱりくまくましていた熊井ちゃん

こうした質問コーナーや抽選会の最初から最後まで、やっぱり熊井ちゃんは、あの頃と変わらぬ熊井ちゃんでした。ずっとくまくましていましたよ。

個別の質問に応えたり抽選でプレゼントされる賞品の説明をしていたりと、熊井ちゃんの「トーク」がかなり長めであったことも。そうした熊井ちゃんのおしゃべりに、たまに客席から茶々が入って、それにもしっかり熊井ちゃんが応じているところも。

抽選会でプレゼントされる賞品には私物が含まれており、一回目の公演では、海外で購入してきたという「鼻がスーっとするお薬」をプレゼント。
なんでも6本セットで売っていたものらしいのですが、曰く「そんなにねぇ、そんなにいっぱい鼻をスーっとさせてもしょうがないしねぇ」とかボヤきながら使わなかった2本分をプレゼントという趣向なわけですが(こういったボヤきがいちいち熊井ちゃんらしくて、文章で表現できないことに非常にもどかしく思っておりますけれども)、その際、スーっとするにからめて、キシリトールとメンソールを間違える熊井ちゃんです。
二回目の公演での私物は、同じく海外で購入してきたというピアスをプレゼント。
いらないものを処分したいだけではないか?という客席からの突っ込みに対して、なんら有効な返しができないまま「そーじゃないよ、ちがうよ」とジタバタする熊井ちゃんです。

他にも、質問用紙への書き込みに誤字を発見して、「私、こういうのいっちゃいますからね」とか喜んでそれをイジりながら、イジりのくだりが一段落するや、その質問を書いた参加者に向かって軽く「ごめんなさい」と言う熊井ちゃんです。

オススメの抹茶スイーツを教えてくださいとの質問に応じて、うっかり商品名を口に出してしまって、すでに手遅れなのに改めて「キャラメルほにゃらら」などと取り繕う熊井ちゃんです。「ほにゃらら」の部分は、実際には「ううううん」みたいなボカし方をするのも、かつての「BZS1422」でのテイストがよぎって、こういう、ちょっとした片言隻句であってさえも、熊井ちゃんは、(こう言う他ないのですが)熊井ちゃんのまんまでした。

ちょっとした客席とのやりとりや、自分のおしゃべりの先を(一瞬)見失うような際に、あの「アヒル口」のマイルドバージョンとも言うべき独特の口元の表情をみせてくれたり、ほんとに のような形の口をして、ボヤいたりする熊井ちゃんでした。

この、不満げに ◇ の口をしてブーたれてる熊井ちゃんをイメージしてもらうには、2014年9月に実施された「トラベリーズ.com 3」の様子を収めたFC限定通販DVDの、Disc1 冒頭のシーン、ツアー参加者が到着する前にスチール撮影をしている模様を収めた場面での、ももち先輩こと嗣永桃子さんとの一連のやり取りを思い返していただければと。

といった(レポのために一旦自分の外に出してから再構成を試みているにもかかわらず)あんな熊井ちゃん、こんな熊井ちゃんという具合の報告に終始してしまうことからもご推察いただけるように、3月3日以来、約5ヶ月ぶりに再会できた熊井ちゃんは、ほんとうに、あの熊井ちゃんのまんま、くまくましていたのでした。
それだけで、とても嬉しいイベントでしたよ。

DJユリナ登場と千奈美ちゃんの一言

質問コーナーと抽選会を終えて、ライブコーナーに移ろうとするタイミングで、サプライズメッセージが。
一回目の公演では、清水佐紀さんと徳永千奈美さんによる、サプライズ生電話。
二回目の公演では、録音されたメッセージが、須藤茉麻さんからと福田花音さんから。

茉麻からのメッセージで、方向音痴なくせに道案内をしたがることを暴露されて、やっぱり嬉しそうな反面、不満げな熊井ちゃん。「熊井ちゃんといると、こっちも天然になるよ」と述べる茉麻のメッセージにかぶせて、客席に向かって「こっそり」の体で「いや、茉麻も天然なんですよ」と告げ口する熊井ちゃんです。
この不満げなときに、繰り返しますが、ほんとに のような形の口をしてるのが印象的です。

福田花音さんからのメッセージでは、来年の3月3日までに、熊井ちゃんのソロでのファンクラブイベントが開催されることなどもお知らせされつつ、プライベートでもまたご飯に行きましょうというメッセージに「もちろん、もちろん」とか答えている熊井ちゃんでした。

なにより特筆すべきは、一回目のサプライズ生電話。
千奈美ちゃんの(電話の向こうでの)煽りにのっかる形で、なんとDJユリナの降臨がありました(残念ながら「ギャル熊ちゃん」や「熊婆」の降臨はなし)。降臨したDJユリナのノリのまま、電話の向こうの佐紀ちゃんにラップをおねだりするも「熊井ちゃん、そういうのはやめようか」と冷静に返すアドバイザー佐紀ちゃんに、「…あっ、そうね」と、瞬間のノリが拒否られたときには弱い熊井ちゃんでした。こうした一連の流れが、ぜんぶ、あのときのあのステージを、あのときのあのDマガのシーンを思い出させ、すばらしい一幕となっておりました。
そうした「あの一幕」を彷彿とさせる当の熊井ちゃんの振る舞いを含めて。

そして電話の向こうで「新しいラップを考えた」けれども、それを披露するにあたっては「音楽が必要」だと主張する千奈美さんに、きちんと応じて「どぅんどぅんどぅん」と謎の発声を始める熊井ちゃんです。
そんな様子の全部を含めて、電話の向こうで千奈美ちゃんは「何にも変わってないね」と

ほんとに。ええ、ほんとに。

ちゃんとしている熊井ちゃん

変わっていないといえば、まじめに対応しようとするところから「マジレッサー」とも言われる熊井ちゃんですが、これは単なる真面目にはとどまらぬものがあります。
それは、あくまで「ちゃんとしている」というか、変に「物堅い」というか。

質問コーナーにおいても、細かい部分で、しっかり、きっちり応えようとする熊井ちゃん。
汗かき対策やお腹がすいたのにすぐに食事できない場合の対処法などを質問され、その都度、まじめに「こうしたら良いよ」と、ちゃんと返事をしてくれます。
こうしたところ(特にNGというわけではなくとも、まっすぐには答えにくい質問だったりすると)他のメンバーや他のグループであれば、質問それ自体をイジったり、質問者に投げ返したりして、質問に答えるというよりは、その質問をきっかけに話を広げてお茶を濁すような場面でも、ちゃんと質問の内容に即した応答をしてくれます。
(ちなみに、汗かき対策では、肩甲骨の間を冷やすと良いらしいです。あと涼しくないけど「涼しーー!」って口に出すこと。腹がすいたのにすぐに食事できない場合の対処法は、パクパク食事するゼスチャーで自分を騙すとか、脂肪が燃焼してて「あ、私、きれいになってる」と思い込むことだそうですよ)

そして、真面目に真面目に応答してくれる白眉とも言うべき場面も。
ときに仕事のやる気が出ないのはどうしたら良いでしょうかという質問に、「いや、そこはやる気出してくださいよ!」とお叱りモードの熊井ちゃんです。
ほんとに、真面目でちゃんとしてる。個人的なことで申し訳ありませんが、お叱りモードの熊井ちゃんから真面目なお説教をいただけた質問者さんが羨ましくて

*****

イベントレポから脱線しますが、真面目でちゃんとしてる熊井ちゃんについて、イベントで再開できたベリヲタ氏の見解を紹介したいと思います。

Berryz工房にはFC限定DVDとして『Berryz Days』というシリーズがあります。
最後となる『Berryz Days 6』では、ももち先輩こと嗣永桃子さんと徳永千奈美さんの、ビジネス不仲ぶりが活写されており、Berryz工房の Dマガ Vol.41 「嗣永×徳永」編と併せてのご鑑賞を強く推奨したいところですが、この『Berryz Days』というシリーズ、『Berryz Days 2』から『Berryz Days 4』までは、熊井ちゃんがメインでフィーチャーされています。
『Berryz Days 4』においても、じゃんけんに負け続ける熊井ちゃんだったり、ラストの夕日を望んで肩を寄せ合いながら風景を眺める熊井ちゃんと梨沙子さんという美しすぎる光景が収められており、こんな話を始めると止まらないわけですが、ここで大事なのは『Berryz Days 2』。

まるでドッキリにはなっていないドッキリ企画で、熊井ちゃんは、佐紀ちゃんと千奈美ちゃんを連れて京都を旅します。京都観光の一貫としてお寺を訪問し、座禅を体験するBerryz御一行様という場面。座禅についてお寺の方からいろいろお話をうかがって、さてと立ち上がったところで、お寺の鴨居に、熊井ちゃんは頭をぶつけてしまいます。
これは YouTube にもそのシーンを切り取った動画がアップされている有名な場面であり、熊井ちゃんの身長ネタとしても屈指のものでもあります。
ですが、知人の熊井ちゃん推しベリヲタ氏が注目するのは、ここから。
自分が鴨居に頭をぶつけてしまったことに、自分でウケてしまって笑いそうになる熊井ちゃんですが、そこで「厳粛な場なんだから、笑っちゃいけない」とでも思ったのか、ニコニコした表情こそ消せないものの、笑い出して吹き出してしまうのを自分で抑制しています。その様子に、かのベリヲタ氏は、「熊井ちゃんは、ご両親にきちんと育てられている」と、強い印象を受けたと言います。

鴨居ちゃんの瞬間(投稿者によるキャプチャー)

鴨居ちゃんの瞬間(投稿者によるキャプチャー)

鴨居ちゃんの模様が収められたFC限定DVD

鴨居ちゃんの模様が収められたFC限定DVD

たしかに、そう言われてみれば、いろいろ「ご両親にきちんと育てられている」らしき様子がうかがえる熊井ちゃんです。
食事シーンでも、撮影や楽屋でわちゃわちゃしていながら、実際に箸をつける前にきちんと手を合わせて「いただきます」をしているシーンだったり。
あるいは、目の前がどんなにわちゃわちゃしていようとも、楽屋に入るときには「はいりまーす」と声をかけてからドアを開ける熊井ちゃんだったり。
たしかに「熊井ちゃんは、ご両親にきちんと育てられている」、強く同感です。

『ライバル』と『ガールズタイムズ』

イベントのレポを逸脱した余計な思い出話しをしちゃいましたけれども、それにも理由がないわけではなかったり。

イベントのラスト、ライブコーナーの最終の曲として、一回目の公演では『ライバル』を歌ってくれました。二回目の公演では『ガールズタイムズ』を。

もちろん名曲ぞろいのBerryzの楽曲の中でも、「ライバルは弱気で後ろ向きな私」と歌われる『ライバル』は、かなり上位にランクインするわけですが、それだけではありません。
ラストの武道館で物販されたDVDマガジン Vol.43 をご覧になった方は多いかと思います。活動停止に向けて思い出作りということで、メンバーたちがバスを借り切って一泊旅行するという趣向。途中サービスエリアでの食事風景、陶芸体験でのみんなのわちゃわちゃぶり、これは誰の作品かと尋ねるももちに動物が鳴くようなテイストで「みやっ!」と鳴く雅ちゃん、思い出の品を持ち寄った旅館でのお食事風景、ひとりひとりのコメント、ももちをターゲットに6人の結束が固まる枕投げ大会、メンバーが一フレーズずつ続けて創作する怖い話など、どの瞬間を切り取っても見どころだらけの珠玉の一本であったDVDマガジン Vol.43。
そのラストの(本編に収まらなかったパートの)ダイジェストにのせて、貸切バスの中でのカラオケの音声として、ゆっくり自然な感じで流されていたものこそ、この『ライバル』でした。

久しぶりの熊井ちゃんとの(客席からの)再会は、上述のとおり、楽しくて、嬉しくて、熊井ちゃんが可愛くて、笑顔であふれるイベントだったのですが、この『ライバル』を歌ってくれた時だけは、どうしょうもなく切なかったことを、併せてお知らせしないわけにはいかないところです。

二回目の『ガールズタイムス』も、3月2日のBerryz祭り後夜祭のミニライブで歌ってくれた楽曲です。
なんか、いろいろ思い出すなあ、と(その思い出のシーンで自分が感じていた気持ちも一緒に)。

お見送りの握手会

イベントが終わり、ご挨拶して熊井ちゃんはステージを降りていきます。
こうしたお誕生日のソロイベントでは、お見送りがあるのが恒例です。熊井ちゃんのBDイベも、一回目の公演と二回目の公演の間がけっこう空いていたので、お見送りはあるものと予測していました。
と思ったら、なんと全員参加の握手会が!

Berryz工房が活動停止して、シングルやアルバムのリリースイベントという形が取れなくなったことから、もう握手はできないと思っていました。
今後、新しいグループを率いて改めてステージに戻ってくるであろう雅ちゃんとは、どこかで握手の機会はあるかも知れません。先日のBDイベントでは茉麻が握手してくれました(でもそれは、パシフィックヘブンが会場だったこともあるんだろうと思っていました)。
でも、熊井ちゃんとは、今後、モデルとしても活躍していくであろう熊井ちゃんとは、もう握手する機会はないだろうなと思っていたのでした。

それでも、このBDイベントのラストで、熊井ちゃんは参加した全員と握手してくれたのでした。
握手の列に並んでいる時も、パーテションの向こうから「わぁ、久しぶりぃ」とか熊井ちゃんが言ってるのが聞こえてきます。ベリ現場でよく見たベリヲタに向かって「今日は(推しTが)ピンクじゃないですね」とか言ってるのも聞こえてきます。
熊井ちゃんは、ひとりひとりのファンに、ちゃんと、きちんと、声をかけてくれました。

かくいう私は、そもそも握手会があることを想定していなかったこともあり、すっかりテンパっており、握手の距離で接する熊井ちゃんの美しさにやられ、基本、記憶しておりません。
それでも、最後に一言だけ、「熊井ちゃん、おかえりなさい」と言ったところ、熊井ちゃんは、こう答えてくれました。

「ただいまです(笑)」と。

凛として揺るがない熊井ちゃん(ご挨拶の言葉のなかで)

すっかり順番が前後しましたけれど、BDイベントの模様を伝える最後に、冒頭の『勇気をください』を終えたあとの、熊井ちゃんのご挨拶を紹介したいと思います。

イベント冒頭のご挨拶では、テレビ番組で公開身長測定をしたことに触れ、しかし身長の話題そのものは直接的には避けながら(笑)「みなさん、テレビ見てくれました? Yahooのニュースや、Lineニュースとか、いろいろ見てくれました?」と、嬉しそうにしていた熊井ちゃんではありましたが、やっぱり、本当にきちんと、久しぶりのご挨拶をしてくれました。

みなさんの前に出てくるのは久しぶりです、と。
お元気でしたか、と。

冒頭でも書いたように、私たちファンにとっても3月3日以来、熊井ちゃんに再会できるのは、これが始めての機会でありましたが、それは熊井ちゃんにとっても同様であったようで、久しぶりにファンのみなさんの前に出て行くのに、ドキドキしていたとも。

そう、ちゃんと応答してくれようとする真面目で誠実な熊井ちゃん。
この「真面目で誠実」なところが、剛胆にも揺るがないのもまた、変わらぬ熊井ちゃんです。

思えば、昨年(2014年)のBDイベントも、そのご挨拶の言葉は、熊井ちゃんらしい真面目でありながら肝が座っていることを物語るものでした。
昨年のBDイベントは、それに先立つ8月2日のハロコン昼公演で始めて公式にBerryz工房の活動停止が発表されていたタイミングで行われました。
衝撃の発表があった直後の、ソロイベントです。
活動停止を公式に発表してから、Berryz工房が単体でファンに姿を見せる機会がやってくる、その前に、熊井友理奈たった一人で客前に立つという場面です。
発表されてからわずか2日しか時間が経過しておらず、参加するファンとしても「ちょっと詳しいことを聞かせてくれよ」という気持ちを押し殺しきれないでもいるだろう、そんな時期です。

それでも、ソロで、熊井ちゃんは、客前に姿を現します。たった一人で。
一回目の公演冒頭のご挨拶で、登場時の弾んだトーンを改めて、つい先日の活動停止の発表に触れ、きちんと説明をしてから、それでも今日はお祭りだからと、「今はとにかく、楽しみましょー」と、堂々と客席に対峙していた熊井ちゃんでした。

どちらかといえば、マイペースで、天然で、ホワホワしたエピソードが語られる熊井ちゃんです。ライブ前本番ギリギリになっても衣装に着替えず、リハーサルのときの服装のまま、うろちょろしている熊井ちゃんです。
(古くは2010年の「海の家 雄叫びハウス」ツアーを追った Dマガ Vol.25 にて、最近では2014年のサンキューベリキュー武道館公演を追ったベリキューの Dマガ Vol.5 にて)

昨年、活動停止が告げられてから初めてのソロイベントで、きちんとお話した熊井ちゃんは、活動停止を経て、およそ5ヶ月ぶりにファンの前に姿を現してくれて、そしてやっぱりきちんと、「お久しぶりです」とご挨拶してくれました

マイペースで、天然で、ホワホワした熊井ちゃんは、「ご両親にきちんと育てられてい」て、真面目で、そして、凛として揺るがない、強い熊井ちゃんは、やっぱり変わらぬ熊井ちゃんのまんま、きちんと、しっかり、くまくましていましたよ。

 変わらぬメンバーの様子が示すもの

熊井ちゃんは、やっぱり、くまくましていました。
あんなに美人さんなのに、ニコニコとくしゃくしゃな笑顔をしていました。

須藤茉麻さんのBDイベントのレポでは、私は、「茉麻はやっぱり茉麻だった」と書きました。
Green Room では、回を重ねるごとに、やっぱり千奈美ちゃんのあれこれに心から嬉しそうに笑う雅ちゃんだったり、いろいろ噛んだり何だり「やらかし」ながら、それでもちゃんと進行させようとする千奈美ちゃんだったり、変わらぬあのBerryzの雰囲気が出ているように思います。

熊井ちゃんBDイベントのサプライズ生電話では、やっぱりあの頃の感じの清水佐紀アドバイザーでしたし、ほんとに変わらぬ千奈美ちゃんでした。そして、上にも書いたとおり、生電話の向こうで千奈美ちゃん曰く、「何にも変わってないね」と

言うまでもなく、彼女たちは「お仕事」としてファンの前に出てきてくれています。
そこでは、タレントとして、アイドルとして、装っている部分が確実にあります。いや、そうした部分こそが大きいでしょう。そうでなくとも他人の目を気にした途端に「本当の自分」ではなくなることは、タレントでなくともよくあることです。
ましてや、そこで気にされる「他人の目」というのが、アイドルである自分をファンとして消費しようとするヲタの目線であれば、そこで装われる「キャラ」は、自分が良いと考えるものに基づいて形作られるよりはずっと、そう思われているであろう最大公約数を基盤とした「無難な」ものが選択されていくであろうことは、想像できない話ではありません。
それでもハロプロは、とりわけBerryz工房は、ファンが想い入れる勝手な投影を、可能な限りなぞってくれました。ファンが見ているであろう自分を着込んで、ファンと一緒になって遊んでくれました

そういう、かりそめの共犯関係の中で、「お仕事」として演出された彼女たちとのみ、私たちは接することが許されている。
と、そう思い、かつ、そうであることをむしろ肯定的に捉えていました。少なくとも私は。

でも、Berryz工房として、アイドルとして、活動停止を経て、それぞれが今度こそ自分が思い描く自分の道を歩み始めて、それでも、ファンとして接することが許された場面で、あのころのままのメンバーを目にするとき、私たちが勝手に思い入れ、それをなぞるかのように造り物として造形されたものと思っていたメンバーたちのあれこれは、必ずしも「作り物」だったわけではないのではないかと思わないではいられません。

上に「共犯関係」と書きました。
そうした言葉がまとうニュアンスも含め、タレントとファンの間のかりそめの約束事をそう表現することに特に躊躇はありませんでした。しかしながら、熊井ちゃんの、Berryz工房メンバーの、それでも変わらぬ「あのころのまま」の姿を見るに、これは「共犯」というべきものではなく、むしろ麗しい「共同作業」であるかもしれないと思い始めています。

変わらぬ熊井ちゃんに客席から再会できて、やっぱりベリヲタで良かったと、ハロプロを知り得て、ほんとに人生10割得をしてるなと、心から思います。
この先、どんな最後を迎えようとも、私の人生は幸せなものであったと、もう確定しているので。

(文=kogonil)

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コメント一覧

1 : avatarプウク人形劇場:2015/08/12(水)16:14:37

笑顔だけじゃなくて、怒った顔や不満げな顔もかわいいのが熊井ちゃんですよね。この先◇を見るたびに熊井ちゃんを思い出してしまいそうです。

「熊井ちゃんは真面目」というお話がありましたが、仕事に対して真面目、自分自身に対し真面目、そして何より、わたしたちファンに対して真面目ですよね。熊井ちゃんが真面目であろうとする試行錯誤の中にくまくま感は生まれるのかもしれせん。

いつもいつも、愛ある記事をありがとうございます、助かります笑

2 : avatarkogonil:2015/08/13(木)14:33:57

>プウク人形劇場さん

おお!プウクさん!

読んで下さってありがとうございます。

お礼というわけではありませんが、Juice=Juice のDVDマガジンVol.2 には、植村あかりさんがテンパった挙句、関西弁全開になるシーンがありますよっ!とお知らせしてみました。
とっくにご存じでしょうけども(笑)

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