アップフロントの歌の力 Bitter & Sweet ハロショ秋葉原インストアライブに通う3つの理由

田﨑あさひさんと長谷川萌美さんによるツインボーカルユニット、Bitter&Sweet は、秋葉原のハロショで月1回のペースでインストアライブを行っています。
9月は、29日の火曜日に開催されました。
今まで、固く秘してきましたが、投稿者はこのインストアライブに通っております。
なぜ固く秘してきたのか自分でも忘れてしまったので、この Bitter&Sweet のインストアライブに通う理由をお知らせしてみる次第。

bitsw

インストライブは通常2回公演。
初回はたいがい19時前後からで、他のハローのソロイベント系と比較しても、比較的駆けつけやすい時間に設定されています。
基本的に観覧だけなら無料で、ショップはインストアライブ中でも通常営業(延長営業)しているので、当日フラっとハロショに出向いても参加可能です。しかも、他のハローのライブやイベントと大きく異なるところは、ライブの映像を自由に撮影して良いという点。このため、毎度、最前列だけではなく、客席のあちこちでスマホの砲列が展開されるという次第。当日販売される Bitter&Sweet グッズを購入すれば、ライブ後の握手会にも参加でき、その場で あさひちゃんか長谷川さんからお渡しされます。

ちなみに、このインストアライブに付随する握手会、めっちゃ滞在時間が長くて、本気で何をお話ししたもんか困ります。自分の手持ちの握手券を使い切っても、握手会が終わるまでは、ショップ内で、近い距離から、ずっとBitter&Sweetを見ていても良いし、握手会終わりのご挨拶のタイミングで、ちょっとした撮影会めいた時間も設けられるなど、Bitter&Sweet のファンにとっては、非常にコストパフォーマンスの高いイベントとなっております。

理由その1:アップフロントの歌の力

理由のその1は、何よりも歌がすばらしいこと。歌と、Bitter&Sweet の二人の声が、まことに心地いいこと。

ぶっちゃけると、Bitter&Sweet の楽曲は、わりと若い女性の恋愛をストレートに歌っていて、他のハローの楽曲、とりわけ つんく♂さんが手がけた楽曲のように、わけわかんないんだけども奥が深く、初回視聴時に「?」となるけれども、噛めば噛むほどいろいろ染みていくような、人々のつながりと人生の尊さと世界のあり得なさを高らかに歌い上げるようなものではありません。だから、ハローのファンの中でも、つんく♂さんの楽曲にこそ魅せられてきた方には、その意味で若干テイストが違うと感じられる方も多いのではないかと思います。というか、私自身がそうでした。

でも、そんな違いを吹き飛ばすような、あさひちゃんと長谷川さんのボーカルの心地良さはすばらしいのです。

元々、ハローの現場に通うようになったのも、そんなにみなさん絶賛するのならばと、ただ単純に「アイドルの可愛らしさ」を、ちょっと生で見てみるかという程度の理由で、ふらふらと出かけた先で、ハロメンの圧倒的な歌唱に大衝撃を受けたことによるものでした(私の場合)。
℃-ute の鈴木愛理さんの朗々とした斉唱に、Berryz工房の菅谷梨沙子さんの重心がブレないバイブレーションに、心を打ち抜かれ、たぶん、あの時から私の魂の一定の部分は、ベリキューにもぎ取られたまんま、残りの魂だけで日々の生活を送っております。

そして気がついてみれば、歌の凄みに腰を抜かすのは、鈴木愛理さんと菅谷梨沙子さんにだけではありませんでした。℃-ute でいえば岡井千聖さんも、Berryzでいえば、夏焼雅さんも嗣永桃子さんも、そしてモーニングの小田さくらさんも、Juice=Juice の5人も。みんな、こちらの魂を震わせる歌唱を、ステージから届けてくれます。

雅ちゃんなんか、その番長と言われるグループ内でのキャラだったり、時に気品がただようくらいの気高いルックスだったり、そんな女王様的な持ち上げられ方のわりに、ほんとに嬉しそうにタレ目でケラケラ笑っている可愛らしさだったりが真っ先に注目されるせいか、歌唱メンとして押し出されることは少なかったようにも思うのですが、高音部分の伸びやかなボーカルだけではなく、ほんとに全音域にわたって、心地良い歌を聴かせてくれます。(※1)

今、雅ちゃんの例に託して、「他に目立つキャラがあったりするので歌唱力が卓越しているとは目立たない」という趣旨のことを書きました。
もう一つ調子に乗って、たとえば熊井ちゃんの例。
2013年の9月だったか、原宿のミュージックレストランで開催された熊井友理奈さんのディナーショーでのこと。言うまでもなく、熊井ちゃんのディナーショーだからと、ただ可愛い熊井ちゃんに逢いたくて、申し込みをポチッとしただけだったのだけれども。
熊井ちゃんが歌ってくれる『いつかどこかで。』が、びっくりするくらい胸に届いて、熊井ちゃんの高いんだか低いんだかよくわからない、あのくぐもった声質の、あの歌い声が、びんびん響いてきて、仰天したことを覚えています。
特に歌唱メンとして名が挙がることもない熊井ちゃんの、でもしっかり響く歌声に、確かに感動させられたのでした。

個々の魅力があふれすぎていて、すばらしい歌唱をステージから届けてくれることが目立たたなくなってしまっている(それだけで、どんだけ凄いことか)ってお話ですが、実はこれはすべてのハロメンに当てはまることかとも思います。
だって、ステージでのダンスやフォーメーションの躍動感が凄まじすぎて、ある意味、歌が目立たないですもん。

だから、この Bitter&Sweet のインストアライブのように、じっくり、ちゃんと、歌に集中して聴かせてくれるイベントは貴重なのだということを言いたいわけです(※2、3)
上に、愛理さん、梨沙子さん、雅ちゃん、小田ちゃん、熊井ちゃんについて言及しましたが、あさひちゃんと長谷川さんの歌声は、私見では、愛理さんや梨沙子さんに、やがては匹敵するのではないかと思っています。
もちろん、グループでライブをしている場合に、ユニゾンがすばらしいとか、掛け合いが凄いとか、旋律をメンバーに振り分けて重ね合わせて響かせるのが圧巻だとか、そういう具合の凄みは、まだ感じられません。ですが、ほんとうに声がすばらしく、なによりも二人が歌うことが好きで、こうして人前で歌えていることが嬉しくてしょうがない様子がビンビン伝わってきます。(※4)

  1. だから、今後、新しい雅ファクトリーを従えて再びステージに戻ってきてくれる日が楽しみですよね、みんなーー(← 雅ちゃん風)
  2. 誤解はないものと思いますが、歌唱単体が目立たない(と強調して述べてしまった)ライブステージも、歌をしっかり聴かせてくれるステージも、どっちも「すばらしい」と思っているのです。
  3. だからって、あさひちゃんと長谷川さんのキャラが薄いってことを言ってるわけでも、当然ありません。
  4. 舞美ちゃんと愛理さんのアコースティックライブは、この点でも特筆すべき一品。
    もちろん、この日の一夜限りの二人のユニット名を、いつまでたっても言い間違える舞美ちゃんの天然度合いが堪能できる「副音声」のオーディオ・コメンタリーも心の底からオススメ。

しっかり歌に集中して、その歌唱を堪能できること。そして、歌が好きで、歌っていられることが嬉しくてしょうがない歌い手さんの、その真っ直ぐな姿に接することができること。そして、これらを通じて、アップフロントの歌の力を目の当たりにできること。
これが通う理由その1ということになります。

よく考えたら、これには二つの要素がごちゃになってますね(笑)。

あくまで言いたいことは、アップフロントのストレートな歌の力は、ほんまに凄いということ。そしてBitter&Sweet の二人の真摯であると同時に楽しそうな様子は、このストレートな生歌の力に、とても素敵なアクセントを加えてくれています。
先だっては、Green Room で練習風景を見せてくれたタブレットを使った演奏なんかも、実演してくれたりしていますし(しかも一曲まるごと!)。

9月29日のインストアライブでは、2回公演めのラストの曲にて、音響なしで あさひちゃんのピアノだけで二人の生歌がバラードで朗々と奏でられ、過去のインストアライブにはなかったような万雷の拍手が、しばらく鳴り止まなかったものです。

理由その2:凸凹な二人の抜群のバランス

そんな歌うことに迷いのない あさひちゃんと長谷川さんの二人ですが、上に書いたことと、いきなり矛盾するようですけれども、なかなか良い味を醸してくれてもいます。

長谷川さんのトークが、しっかりしていて、かなり面白いんですよ。
いつだかのインストアライブでは、 Bitter&Sweet が大きなフェスに参加した際の「お手洗いを探して三千里」的なお話をしてくれました。そのフェスは、何かの展示会が併設されていたらしく、広い会場を右往左往して目的地を探す間にも、いろんなものが目に入ってきて、興味深くて、ついつい当初の目的を忘れていろいろ見て回ってしまったという長谷川さんです。いろいろ大丈夫だったのかと思いますよね。
で、休憩中にお手洗いを探しに出て行ったまま延々帰ってこない長谷川さんを特に心配するでもなく、「ずいぶん長いなあ」と、ぼんやり待っていたという あさひちゃん。

そう、あさひちゃん、意外にもなかなかの天然でポンコツっぷりを発揮してくれています。
キーボードの演奏のために、常にマイクスタンドやキーボード周りの備品の調整に余年がない あさひちゃんです。長谷川さんがトークしていても、なにやら回したり捻ったりして、高さや角度の調整に懸命な あさひちゃん。長谷川さんからお話をフラれても、聞いていないこともしばしばです。
マイクスタンドが、キーボード演奏に最適化された結果、一曲歌い終えるごとに、客席にお辞儀をするにあたって、目の前に張り出したマイクスタンドを避けて、立体的に曲線を描きながら、ひょこひょこお辞儀する あさひちゃん。曲終わりにご挨拶もそこそこに、かねて用意のペットボトルに慌ててガッつき、うっかり水をこぼしてしまって、衣装に粗相する あさひちゃんです。
都度、トークもしっかりしている長谷川さんが、あたかもお姉さんのようにフォローしていて、その長谷川さんのフォローを申し訳なさそうに受け入れている あさひちゃんという二人の様子が、とても和む光景です。

衣装云々といえば、先だっては あさひちゃんが公演中、ちょっとした衣装トラブルに見舞われてしまいました。もちろん、一生懸命歌っている あさひちゃんは、自分の身に何が起こっているのか気がついていません。
これを懸命に気づかせようと客席から指摘するお客さんたち。やがて、何やら指摘されているらしきことにのみ気づいた あさひちゃんは、やっぱり何が起こっているのかわかっていないままに、マズいことがあるらしいとだけわかったらしく、「いや~~ん」と困ったように、長谷川さんの後ろに隠れたりしていました。
とても和む光景です。

9月29日のインストアライブでは、トーク中心ということで、参加者のみなさんからの質問を事前アンケート形式で募り、あさひちゃんのトラウマにもなっているという、小学校に入学して間もない頃の、あさひちゃん失踪事件なども語られました。
最後に読まれた質問では「長谷川さんしか知らないあさひちゃんの天然エピソード」が求められ(※1)、長谷川さん曰く「あまりに天然でありすぎて、もはや「天然だ」とも思わなくなったので…う~ん、いっぱいありすぎて、かえって出てこないなあ」とまで言われる あさひちゃんでした。

  1. 誰の書いた質問かは、謎です(ふっふっふ)

理由その3:暖かいファンの眼差し

3つめの理由は、ファンの暖かな眼差しがストレートに実感できること。

冒頭に述べたように、このハロショのインストアライブは、なんとも驚いたことに、撮影可だったりします。ですから、多くの参加者さんが、人によっては最前に、きっちり三脚でアングルを固定してまでして、スマホを構えて動画を撮影しています。
で、上述の あさひちゃんの衣装トラブルです。あさひちゃんの衣装が、公演中の動作が大きかったせいで乱れてしまったことに気づくや、スマホをかまえて動画を撮影していた参加者さんの多くが、スマホをしまいました。
「あさひちゃん、服!服!」と、公演中なので大声で指摘できないながらも、指差したり、声をださずに口だけ大きく動かしたりして、なんとか あさひちゃんに気づかせようと、いろいろやりながら、みんな、かまえていたスマホを下ろし、あるいは電源を切り、三脚にスマホを備え付けて撮影していた人は、スマホのカメラを手で覆ったり。

思い出すだに、うっかりすると胸が熱くなるシーンです。

だって、一般的で常識的なところで言うなら、「アイドルを追っかけてるファン」ですよ? しかも「撮影可」ですよ?
「アイドルを追っかけてるファン」の、「アイドルに向ける気持ち」の中に、ちょっとあからさまに打ち込みたくない感情が、一定の割合で紛れ込んでいることは、誰も表立って言わないにしても、世の中的に「そんなもんだろ」と思われていたりしませんか?
でも、ハローのヲタさんたちは、ほんとうに紳士です。(※1)

  1. 私がハロメンを、必ずしも「アイドル」だとは思いたくない理由のひとつでもあります。

思えば、道重さんやBerryz工房など、バスツアーなどでは、びっくりするくらい「すぐそこ」にメンバーがやってきたりしました。イベントではなく、イベントの合間の空き時間的なところで、普通にメンバーとすれ違ったりしたこともあります。
先のハロショでの「カントリー広場」では、森戸ちゃんが、ステージからぴょんと飛び降り、ぎゅうぎゅうな客席をかきわけて、じゃんけん大会の優勝者さんにグッズを手渡しにスタスタ歩いて向かっていました。
枚挙に暇がありません。
ハロメンは、少なくともハロメンのかなりの部分は、ヲタとして自分を観にやってくるファンのことを信頼しています。そして、そんな信頼が成り立つのも、ファンの側が、ちゃんと距離を取って適切に振る舞うことによるものでしょう。

何度か言及しているように、私は長年在宅で、現場歴は実はけっこう浅く、ほんの数年といったところです。古参の年季の入られた諸先輩方からすれば、新参中のド新参といったところ。そして、確かに、これまでのさして長くない現場履歴において、不愉快な思いをする場面に遭遇してしまったことが、ないわけではありません。(※1、2)

  1. めっちゃジャンプする方にガッツリ足を踏まれたこともありますし、お手製のボードを振り回されて視界を遮られ続けたこともあります。隣でフリコピするヲタに裏拳で殴られたこともありますし、某武道館では、ペンライトで後ろから頭を思いっきりゴツンとやられたこともあります(わりと何度も)。物販列で、さも前方に並んでいるファンの友人のような顔をしてナチュラルに横入りする場面に遭遇したこともあります(わりとたくさん)。ライブハウスの全席自由のスタンディングで、暗転してから前方にラッシュする輩に遭遇したこともあります(※3)。
  2. 諸々、私自身も該当しないではなく、どこかで誰かを不快にさせているのではないかと忸怩たる部分がないではありません。ごめんなさい。
  3. スタンディングのライブハウスでの暗転後のラッシュは、こればっかりは本気で危険。全体的に「なんとなく」ライブの進行に従って、にじりにじり前方に寄せていくのではなく、ダッシュでいきなり前に詰めるのは、リアルに危険。

でもね。
新参としても、そう多くない現場経験の大部分では、不愉快な思いをするどころか、ファンの側の礼節というか、範囲を守った振る舞いに、感銘を受けることの方が圧倒的に多いです。
大部分のファンは、ほんとに礼儀正しいし、まことに紳士であり淑女です。

ハロショのイベントスペースは、客席とも距離が近く、上述のように、握手会もけっこうな長時間です。麗しい歌声を届けてくれる二人に、きちんといろんな約束を守った上で、こちらも率直に応援の気持ちを捧げるファンの姿もまた、見ていて嬉しくなるシーンです。

*****

以上のように、歌の力、ときにポンコツながらも、補い合う二人の真摯な姿、それを応援するファンという3つの点を挙げました。
考えてみるまでもなく、この3つの理由は、ハロ-!プロジェクトのあらゆるイベントやライブに当てはまることでもあります。磨き抜かれた芸の技と、その技を提示するメンバーのキャラという、もうひとつの技と、それに惜しみなく全力で賞賛を注ぐファンというのは。
それでも、ハロショでのインストアライブは、客席との距離の近さもあって、こうしたことのエッセンスが、かなりプリミティブな形で、ストレートに味わえる、得難い機会となっております。

お時間があってご都合が会うならば、是非一度、Bitter&Sweet によるハロショのインストアライブに足を運んでみては、いかがでしょうか。すばらしいですよ。

(文=kogonil)

エンタメアライブでは、皆様からの投稿を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください『寄稿について

コメント

名前*必須