あれから4年 ~時は流れず道に重なる~

道重さゆみが自身のブログで11月26日を迎えたことに触れている。

モーニング娘。を卒業して4年
復帰を発表して2年
サユミンランドール 道重さゆみオフィシャルブログ 想像以上

卒業してから4年というのは、もちろん2014年の11月に横浜アリーナで開催された道重さゆみの卒業ライブのこと。
それから長い休養期間に入った道重だが、「復帰を発表して2年」というのは、2016年の10月になって2年近く沈黙していたブログを前触れもなく再開し、ブログのエントリーの頭文字でメッセージを綴る形での復帰宣言が完成したのが2016年11月26日であったことから(参考:道重さゆみ、再生予告完成! 再始動は2017年春に新しい形で)。

それぞれの節目をしっかり覚えていて、都度、振り返ってくれるところは、道重らしいと微笑ましく見ることもできるが、やはり4年前の卒業ライブの鮮烈さが、ファンのみならず道重当人にも強い印象を残しているのだろう。
ファンを “変な人” と呼んだ伝説の卒業スピーチは、感動的であるだけでなく、お手本のように見事な構成だという点でも評判になったが、道重さゆみがそのことをしっかり記憶していること、そのスピーチが今尚ファンの間で活き活きとした印象を保ち続けていることにも自覚的なことは、復帰後第三弾公演となる『SAYUMINGLANDOLL~東京~』の COTTON CLUB 初日でのご挨拶にも明らかだ(参考:SAYUMINGLANDOLL~東京~、2019年1月に追加公演決定!)。

だがやはり、道重の卒業ライブで一番の強い印象を残したことといえば、ライブ途中で足を攣ってしまい、ほとんど動けなくなってしまったことだ。このことについては、Web配信番組に登場した際に、自ら語ってもいる(参考:道重さゆみ、Web配信番組アプカミで「あの日」を語る。そして…)。そこで語られたとおり、かえって道重らしい卒業ライブともなったとも言えるが、むしろ、道重がアクシデントに見舞われることによって、かえって後輩たちの成長が誰の目にも明らかになったことこそ意義深いライブとなった。
2014年当時にあって、黄金期を知り得るメンバーが唯一道重だけとなって、その道重が卒業して、9期以降の(当時にあっては)若く経験の浅いメンバーだけとなることが不安視されるところもあったが、道重のアクシデントに見事に対応し切った姿からは、道重卒業後のモーニングについて多くの(ファンを含めた)関係者が安堵し、信頼を深めることになった。とりわけ、メインステージから動けない道重へセンターステージから駆けつけた譜久村聖の “フクムラダッシュ” と、それによって、道重に加えて譜久村までもフォーメーションから欠いてしまったのに、何事もなかったかのようにセンターステージでパフォーマンスを続けた他のメンバーたち、そして、自分のもとへ駆けつけてくる譜久村を実に嬉しそうに頼もしそうに見つめる道重の表情などは、今尚、ハロプロ史上に残る名場面とされている。

そして、その名場面を現出せしめた譜久村もまた、この日を迎えたことにブログで触れている。

今日で道重さゆみさんからリーダーバトンを受け継ぎ4年が経ちましたモーニング娘。’18 Q期 オフィシャルブログ あれから4年☆譜久村聖

後輩たちの成長を、結果的に、これ以上ないくらい劇的に印象づけた卒業ライブから4年。当の道重さゆみは「卒業して4年」とブログで言及し、その道重からバトンを継いだ9代目リーダーもまた、自覚的に11月26日に触れている。

その道重の背中を見送った後輩たちからは、すでに3名(鞘師・鈴木・工藤)が卒業している。道重が最後に呼び込んだ12期(2014.9.30 武道館)からも1名(尾形)が卒業した。
2014年から4年を経て、モーニング娘。だけでなくハロー!プロジェクト自体、大きくその構成を変えている。

しかし、あの日を振り返り、そのことをブログでファンと共有してくれる道重と譜久村を見る限り、時間はただ流れて消え去っていくのではなく、その時に感じた気持ちと共に、しっかりと積み重なっていくようだ。いや、メンバーたちが、積み重ねてくれていると言うべきか。

2018年11月26日、モーニング娘。8代目リーダー道重さゆみが9代目リーダー譜久村聖にバトンを渡してから4年が経過した。

(文=椿道茂高)

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