小田さくら「なぜ離れると決めてしまったのか」 愛し続けたモーニング娘。の最後の大仕事 = “卒業”

12月11日に卒業のステージを控えているモーニング娘。’26 の11期メンバー小田さくらが漏らした現在の心境が話題を呼んでいる。

小田さくらは、横浜アリーナの卒業ライブを2か月後に控えながら、その卒業ライブが千秋楽の位置づけとなるグループの秋ツアーから、ニューシングルのリリースイベントまで、精力的に活動している。注目を集めた発言は、9月30日にリリイベの聖地サンシャインシティ 噴水広場で行われた通算77枚目のニューシングル『Lonely…But not Alone/YesかNoか私か』の発売記念リリースイベントでのこと。

メンバーも、ファンの方も、スタッフさんも、お仕事も、楽曲も全てが大好きで。こんなに大好きなもので固まった環境を、”なぜ離れると決めてしまったのか” って毎日思ってますね

他にも記者とのやり取りの中で「(これまでの活動について)98点です」とし、100点ではないことについて「(卒業のコンサートでも)”次回の方がいいパフォーマンスするんだろうな、この人” って思われたまま卒業したいなと思っています」と、自信を示しながら、しかし慢心に陥らない見事な応答もみせたが、やはり上記の引用箇所が多くのファンや関係者の注目を惹いたようだ。

もちろん、自身の卒業については、「モーニング娘。は誰かが抜けて、誰かが入ってを繰り返してきたおかげで自分もモーニング娘。になれたので。やっぱり去る番になったら、かっこよく去らなきゃいけないなと思ってます」と、多くの先輩を見送ってきただけのことはある応答、先輩を見送る度に、グループを引き継いできた自負を見せる見事な応答を続けていたが、記者が上述の引用に反応して「卒業を撤回しないのか」と問うた際にも、「できるものならしてみたいですけど」とも漏らしている。

小田さくらは、モーニング娘。の中でも、少し特別な存在だ。
もちろん、まず思い浮かぶのは、その圧倒的な歌唱力。11期メンバーとして、たった一人で加入して以来、歌姫としてグループのステージを支え続けてきた。長いキャリアの中で、プラチナ期から ’14(ワンフォー)時代へと続くモーニング娘。の空気を知る数少ないメンバーでもあり、世代が入れ替わっていく中で、モーニング娘。の栄光の過去と輝かしい現在をつなぐ役割も果たしてきた。

バックステージに目を向ければ、後輩たちに声をかけ、緊張している後輩を励まし、時には一緒になってふざけながら、その後輩の魅力を引き出していく。モーニング娘。の後輩だけではなく、ハロー!プロジェクトの他グループのメンバーにまで自然に声をかける姿は、長いキャリアを持つ小田さくらならではのものだった。

だからこそ、小田さくらの卒業は、単に歌唱力の高いベテランメンバーが一人いなくなるというだけ話ではない。ステージでは歌とパフォーマンスでグループを支え、ステージを降りれば後輩たちを気に掛け、モーニング娘。だけではなくハロー!プロジェクト全体の多幸感を支えてきた。その存在が、2026年12月11日を境に、現在のモーニング娘。から失われることになる。

そんな最中だからこそ、「なぜ離れると決めてしまったのか」という述懐が重く響く。

事実、加入してまもない18期メンバーだけでなく、小田を “憧れの先輩” と慕ってきた(ラジオの収録では「憧れの先輩だというのは嘘だ」というネタで大笑いしていた)15期の山﨑愛生らとも、いかにも(これまでの長い履歴のなかでも珍しいほど)楽しそうに活動を展開している小田さくら。

ハロプログループからのメンバーの卒業は、これまでの先輩たちがそうしてきたように、卒業するメンバー個人のセレモニーである以上に、次の世代へバトンを渡すためのものだ。言うまでもなく、本当に卒業を撤回するなどということは、考えられない。

繰り返し、現時点でその可能性を現実的なものとして考えることは難しい卒業撤回だが、しかし、小田さくらの「(卒業撤回を)できるものならしてみたいですけど」との応答は、単なるリップサービスとして片付けてしまうのも、少し違うように思う。あくまでも、語られない前提として、モーニング娘。を嫌になったから去るわけではないこと、むしろ大好きだからこそ、今が一番楽しいからこそ、卒業の意義を分かった上で、とても切ない選択であったということが踏まえられたうえで、卒業というものを自分一人の感情だけで決められるものではないということを、”大好きだからこそ、次へ渡す” ということを明確に語ったものであると言えよう。

自分の卒業こそが、これまで多くの先輩を見送り、そして自分自身もまた後輩たちを支えてきた小田さくらの、最後の仕事なのだと覚悟したセリフなのだ、と。

長くモーニング娘。を見て来たファンには、次のような声もある。

18期の加入は、9期メンバーの加入に匹敵するのではないかと思います。一時期、ファンも危ぶむような低迷状態にあったモーニング娘。が劇的に復活した9期の加入と。
そして、18期を迎えた今のモーニング娘。の雰囲気は、’14 時代のハワイツアー時の “多幸感” にも匹敵するくらい、幸せな雰囲気にあふれていると思います。

12月11日、横浜アリーナで、「(卒業撤回を)できるものならしてみたい」とまで漏らした小田さくらが、それでも自ら選んだ卒業という最後の自分の “仕事” を、どう示すか。おそらく、それは長年モーニング娘。を愛し続けた小田さくらが、次の時代のモーニング娘。に残す大きな遺産となるだろう。

(文=kogonil)

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