切り取られた断片に刻まれた人生の記録その２　～ハロプロ DVD 作品のご紹介：カントリー、こぶし編～

ハロー！プロジェクトは、所属メンバーたちによる直接のパフォーマンスであるライブやコンサート、さまざまなイベント以外にも、豊富な物販グッズという形で、多くのファンにたくさんの選択肢を提供している。このうち、あくまで瞥見の範囲で、あれこれと取り沙汰される日替わり写真や、毎度手を変え品を変えて提供されるTシャツなどと比べると、微妙に影が薄いのが DVD Magazine に代表される映像作品だ。
「あんまり売れへんからな」と製造がストップしてしまっては一大事であるため（個人的に）、未だDマガに手を出すことに躊躇している潜在的な同志を勧誘すべく、3つのコラムに分けて、DVD 作品をご紹介してみる試み。

切り取られた断片に刻まれた人生の記録その１　～ハロプロ DVD 作品のご紹介：Juice=Juice編～
切り取られた断片に刻まれた人生の記録その２　～ハロプロ DVD 作品のご紹介：カントリー、こぶし編～
切り取られた断片に刻まれた人生の記録その３　～ハロプロ DVD 作品のご紹介：抹茶ーず編～

今回はその第二弾として、新しくDVD Magazine の刊行もスタートした、カントリー・ガールズと、こぶしファクトリーについて。（文＝kogonil）

カントリー・ガールズ DVDマガジンVol.1

カントリー・ガールズライブツアー2015秋冬カントリー・ガールズ DVDマガジンVol.1

販売開始早々、瞬く間に売り切れてしまい、その後も増産するたびに売り切れまくったことでも話題を呼んだ、カントリー・ガールズのファーストDVD Magazine です。メンバーたちが、これまた富士急ハイランドへ出向いて様々なアトラクションを楽しむという趣向。

もちろん、森戸知沙希さんも小関舞さんも、可愛らしくて、とくに森戸さんのびょんびょんした感じは胸に刺さるものがありますが、投稿者としては、お姉さん組の様子こそ特筆したいところ。

いつも、あんだけ物事を仕切って、ももち先輩からの厳しいツッコミに対しても、ときに華麗にかわし、ときに上手にのっかって、森戸ちゃん小関ちゃんといった年下メンバーを上手にフォローするだけじゃなく、客席への配慮も忘れず、見事にステージを切り回している「劇団ももち」主演女優こと、稲場愛香さんが、数々の絶叫マシンに翻弄され、ヘロヘロになっている姿は実に見物です。まさしく、ここでしか見られない名シーンかと。
あるいは、あんだけ端正で凛としているだけじゃなく、言葉の端々が意識的に整ってすらいる山木梨沙さんですが、絶叫マシンから降り立ったときに、きちんと整えたはずの前髪がペッタリしちゃってるところも可愛ければ、これまた日本最大級のお化け屋敷突入にあたって、激しく取り乱します。普段から端正である分だけ、この取り乱す山木さんが、めちゃくちゃ可愛いですよ。

ここいら辺り、実に味わい深い好対照でして、なにかとヘロヘロで取り乱しがちなお姉さん組と比べ、年下組の森戸ちゃん小関ちゃんの、きゃっきゃして楽しんじゃってる様子が際立ちます。
お姉さん組が、「劇団ももち」と言われながらも、あくまで本心から納得してるかどうかに関わりなく、素早くステージの流れを読んで、いってみればももち先輩のキャラを利用して、上手に空気を読んでいる一方、ももち先輩にさからってでも、あくまで納得いかないことには抵抗する姿勢を見せるのが年下組の森戸ちゃんと小関ちゃんです。
カントリー・ガールズも新メンバーを迎え、森戸ちゃんと小関ちゃんにも後輩ができました。あえて空気を読まない（あるいは、読めない？）年下組も、いつまでも可愛がられるだけのポジションに安住しているわけにはいきません。
カントリー・ガールズの刮目の今後は、こんなところにも、その鱗片をのぞかせているようです。

そして何よりも。
そうした後輩メンバーを引率する、ももち先輩こと嗣永桃子さんが、ももちがね、楽しそうなんですよ。これに、実に癒やされました。
なんだか、「あー良かったな」って思います。

いろんなことがありました。
Berryz工房の活動停止ってことを、活動停止からの別グループへの移籍ってことを、ベリヲタの投稿者としては挙げがちではありますが、それを度外視するとしても、カントリー・ガールズは、誰もが驚いたいきなりのスタートダッシュから、ほんとに、いろんなことがありました。
それでも、今、初のDマガが発売されて、その中で、いろんなことを引き受けてきた嗣永桃子さんは、後輩たちが楽しんでいる様子を見て、とても楽しそうにしています。
ももち先輩が楽しそうだ。このことだけで、この先のカントリー・ガールズは大丈夫だって思えますよね。

冒頭、行き先を明かされぬままロケ先へと向うバスの車内にて、「昨日、スケジュールが発表されてから、どこに行くんだろうって楽しみだった」ということで、メンバーたちはLINE上でさかんに会話していたとのこと。そのLINEグループは、正しくももち先輩抜きの４人だけのLINEグループだったというネタも正しく踏襲しつつ。

カントリー・ガールズライブツアー2015秋冬カントリー・ガールズ DVDマガジンVol.1 | アイテム別,DVD・Blu-ray | | e-LineUP!（販売終了）

カントリー・ガールズオプション：Greeting 山木梨沙

山木さんのソロブルーレイです。制服姿で小雨の中のシーンあり、乗馬シーンあり、インタビューありと、山木さんファンにとっては堪らぬ一本となっております。

投稿者としては、オープニングの制服姿のシーンでカメラに向って「おいで、おいで」する山木さんと、エンディングのワンピース姿で、細かく喜怒哀楽の変化をつけながらカメラの向こうにお辞儀するシーンを特にお薦めしたいところ。
そうした個別のお薦めシーン以外にも、端正で、そのトークや口調や声質までもが、ときに「アナウンサーのようだ」とまで言われる山木さんの凛としたたたずまいが、どこまでもクローズアップされた、美しいブルーレイに仕上がっています。

唐突ですが。
先だってTFMホールで行われた山木さんのお誕生日イベントでは、1回目公演と2回目公演の合間に物販会場に降臨して、仁王立ちして、さかんに販売に精を出していた山木さんです。この降臨の様は、2013年と2014年のお誕生日バスツアーにおいて、物販会場に降臨して「いらっしゃいませー♪」攻撃を繰り出していた道重さゆみさんを彷彿とさせました。いや、これは証明のしようがなくて、投稿者の言ってることをただ聴いてもらう外ないんで、困ってはいますが、山木さんが物販ブースのデスクの後ろで仁王立ちして「いらっしゃいませー」とか「買ってね－」と言っているその姿は、バスツアー物販会場の道重さんに（もちろん二人は別の人だとはいえ）生き写しで、投稿者は別の意味で涙腺に根性を入れないわけにはいかないハメになったのでした。

何が言いたいかって？
先に述べた「制服姿のシーンでカメラに向って『おいで、おいで』する山木さん」なんかに特にそう思うんですが、これね、山木さん、ちゃんとわかって、やってるでしょ！ってこと。

どういうところがファンに刺さるか、何をしたらファンが喜ぶか、山木さん、わかってやってるでしょ、ってことです。
これが端正なルックスとも相俟って、そのトークや口調や声質まで整えられたからには、上手くハマれば、このうえない破壊力をもたらします。山木さん、さすがです。

でもね。
本人の意図も含めて作り込まれたシーンが、きれいにファンの心に刺されば刺さるほど、上に1stのDマガで述べたような、取り乱す山木さんが、作り込みの意図から外れた山木さんが、一層愛らしいという思わぬ福次効果をもたらすことになります。
まことにハロプロのコンテンツは、重層的かつ複眼的な楽しみを提供しているといった次第。

山木梨沙 Blu-ray「Greeting～山木梨沙～」 | アーティスト名,カントリー・ガールズ | | e-LineUP!

こぶしファクトリーDVD MAGAZINE Vol.1

こぶしファクトリーライブツアー2015 ～ The First Ring！～こぶしファクトリーDVD MAGAZINE Vol.1

こぶしファクトリー初となるDマガは、「こぶしファクトリーNo.1 決定戦」なる企画。知力、体力、時の運を競う3本勝負で、知力は「なぞなぞ30問に挑戦」、体力は「腕相撲対決」、時の運はルーレットによる謎ドリンク争奪戦。

こうした企画内容そのものは、いわば添え物で、どこまでも、カメラの前でわちゃわちゃするメンバーたちの姿がひたすら眩しい一本に仕上がっております。
腕相撲対決どころか、謎のドリンク争奪戦すらも、「楽屋でよくやってる」というメンバーたち。是非、次のDマガでは、その楽屋の姿を見せて欲しいと願わずにはいられませんね。またね、そういういちいちについて、メンバーたちが画像枠の外側にいるであろうスタッフさんたちに細かく話しかけたりしてるんですけども、なんだか、とっても愛らしいんですよ。その、画像の外にいるスタッフさんに話しかける様子が。

腕相撲で、利き腕ではない方の手での勝負を強要される和田桜子さん、勝負だってのに、そんな理不尽な要求にニコニコしている姿は、とても愛らしいです。また、これまでも New Fes や夏ハローなどで、その美人化ぶりに驚いた田口夏実さん、本編以外の「喜怒哀楽表情対決」において示したのは、「哀」を表現させたら人類有数のトップランカーであるという事実。たぐっち先輩、ほんとにおもしろい。きっと、どんどん美人さんになっていくだろうけれど、その美人さんになっていった先でも、今のわちゃわちゃ感と、豊かな「哀」の表情を保っていて欲しいと願わずにいられません。いや、たぐっち先輩、ほんまにちょろちょろしてて愛らしいです。びっくり。

このDマガ、ほんとにおもしろいですよ。
Dマガって、自宅で液晶に向って一人静かに視聴するのが基本スタイルなわけですが、一人で自宅で見てるにもかかわらず、声を出して笑ってしまう場面も多々。

投稿者は、こぶしファクトリーについては、℃-ute 矢島舞美さんへの看過しがたい偏愛ぶりを示して止まぬ藤井梨央さんや、こぶしファクトリーの「物語」を体現する一方、謎の暴君ぶりを示しつつある浜浦彩乃さんだったりに注目してきたわけですが、上に述べたように、和田桜子さんのほんわか人徳者ぶりだったり、たぐっち先輩のちょろちょろした子ネズミ感だったりは、Dマガによってこそ鮮明になりました。他にも、意外にも最年少で愛され属性を発揮しまくる（ハンモックで遊んでるシーン）井上玲音さんだったり、自分にスポットが当たっていないと油断してるときの野村みな美さんの表情だったりと、見所満載です。が、投稿者としては小川麗奈さんに言及しないわけにはいきません。知力対決でのアホっぷりは、他にも強烈なアホっぷりを発揮するメンバーがいるので目立たないけれど、その計算されていない素っ頓狂な受け答えがすばらしすぎて、全編にわたってアホアホしいので特にどのシーンがと言えぬくらい、ものすごい脱力です。か、可愛いっすよね。
クールビューティーなルックスとも相俟って、もう、すっかり小川麗奈さんに夢中です。

エンディングに写る権利を賭けて争ったグループ対決で負けたにもかかわらず、何気にエンディングに写り込んでいる小川さん、さすがです。