【短報】道重さゆみ SAYUMINGLANDOLL~未来~、絞り出すように歌い上げられた音楽の旅

はじめに ”らしさ” 満載のオリジナル公演

丸の内と有楽町の中間地点 COTTON CLUB で開催された道重さゆみさんのオリジナル公演 SAYUMINGLANDOLL では、開演前の影アナも、公演終わりの影アナも、全部が道重さん本人が担当します。

開演前のアナウンスでは、必要事項をお伝えしたあとに、こう言います。「私の可愛い顔を想像して、今しばらくお待ちください」って。

公演終わりのアナウンスでは、規制退場のお知らせに続けて、こう言います。「私の余韻に浸って、今しばらくお待ちください」って。

さらには、アンコールの際の髪形に触れて、こんなことを言います。「公演中の髪形の跡が残ってたからアンコールの髪形が決まらないので困っていたら、メイクさんが “ふたつ結び” は?って提案してくれて。とりあえずやってみるかって、”とりあえず” も何も、もう出なきゃなのに。んふふ。でも、中学校の時は、ずっと “ふたつ結び” だったから懐かしかったです。道重さゆみ、32歳です♪」って。

この辺りの、”自虐なようでちっとも自虐じゃないメタな視点で自分を演出してる” 道重さんらしい様子だけで、随喜の涙を心で流していたファンは多かったものと思われます。

今般、トーク的な部分は、事前に来場者から集った “質問” にお答えするパートのみで、道重さんの真骨頂ともいえる “まとまらないようで、しっかり筋は通っている、止まらないお喋り” が全面展開できる部分は少なかったんですけども、それでも明示的に発言の端々で “らしい” ところは上記のとおり、いくつもピックアップできます。パフォーマンス中の練り上げられたダンスの途中の、ちょっとした表情や仕草も含めて、やっぱり道重さんは、ほんとに道重さゆみさんでした

何よりも、上に述べたように自分で「32歳」だとも言及しつつ、しかし造作の可愛らしさからお肌のツヤツヤ具合まで、18歳で時間を止めてるとしか思えぬルックスに、改めて、知っていたけど腰を抜かして来た報告者です。

*****

さて上には、ずっと道重さんのファンをやっていた報告者にとって心地好い側面、つまり、道重さんの “らしい” 口上部分や、今尚、抜群に愛らしく美しいルックスなどについて触れましたが、しかし、そのオリジナル公演たる SAYUMINGLANDOLL にあって、お知らせしなければならない点は、公演の仕様そのものだったりして。

SAYUMINGLANDOLL~未来~

というわけで「『コンサート』でも「ミュージカル』でもない、音と光そして映像が織り成す」道重さんのオリジナル公演、SAYUMINGLANDOLL の第五弾が、上記の通り COTTON CLUB にて、2022年5月24日より開催されています。(千秋楽は 6/1 予定|23日が初日だったが中止となった経緯は、下記↓参照)

このうち、2022年5月29日の“開場14:50/開演15:30”となる公演に当選できましたのでご報告です。(他にもっと応募していて大落選を食らった…かどうかは、悔しいので秘密)

とりあえず報告者が参加できた公演については、楽屋メシ(生姜焼き丼)のお肉が柔らかくて驚いたことをご報告しつつ。(ちゃんと楽屋メシの告知をチェックしてなかったので詳細は不明なんですけど、生姜焼きと言うからには豚肉かな?って思うんですが、食感的には柔らかく調理されたローストビーフ的な印象だったり)

さて、タイトルに【短報】とある通り、過去の SAYUMINGLANDOLL 公演同様、どうにも “レポ” が難しいステージです。さらには、公式サイトや物販のビジュアル・ブック(← 余談ながら、このビジュアル・ブックは、ゲット必須です。道重さんが、それこそアンドロイドかっ?って思えるほど、異様なレベルで美しいので!)には、新たに「ノンバーバル・ミュージックショー」なる文言が踊っており、まじめにミュージカル風でもなく、その “筋立て” をお知らせできないものとなっていて、実にレポートし難いところ。

人気絶頂のアイドルSAYU。
新たな飛躍のため自分で曲を作ることを思い立つが、何も思いつかない…
困ったSAYUは音楽図書館へ。そこで不思議な本と出合う。
“アメリカを知れば、音楽を知ることができる”

SAYUは導かれるまま、本の中へ。こうして、アメリカ音楽史の旅が始まった。
「コンサート」でも「ミュージカル」でもない、音と光そして映像が織り成す、
エンターテインメント・ステージ。ノンバーバル・ミュージックショー。
SAYUMINGLANDOLL第5弾!

ネタバレ的には、むしろ公式に押し出されている公演自体のオリジナリティから、その内容があらかじめ知られていても、実際の公演に参加した際の驚きや感動が損なわれることはないとも思える点で気楽だとも言えますけども、そもそもネタバレしようにも、お伝え出来ない苦しさ。

前回の『SAYUMINGLANDOLL 希望』公演にあっては、誰の力も借りず、自分たちの力だけで、自分が夢見た世界に飛び込もうとしている登場人物(道重さん扮する「望」や「希」)が、そのまんま、道重さゆみさんに重なることを指摘しましたが、今般の『SAYUMINGLANDOLL 未来』公演は、そうした公演の骨格となるプロットとパフォーマンスされる楽曲のシンクロ率が一層亢進しており、楽曲の歌詞そのものによって物語られるような趣向となっています。

トップアイドルたる SAYU(=道重さゆみ)が、全国ツアーを大成功のうちに終わらせて、来期2023年のツアーに向かって、自分で楽曲を作成しようとする… というところからステージは始まります。(全国ツアーを大成功のうちに終わらせて → 1曲目『ラララのピピピ』)

さて、自分で楽曲を製作しようとするのは良いとして、なかなか曲が出来ずに苦しむ SAYU。そこで音楽図書館に出向いて、一冊の本を手にします。その本の中へ入った SAYU が、その本の記述内容(アメリカの歴史=アメリカ音楽)をリアルに経験していくことで、最期には、ひとつの楽曲が産まれ出るに至る… といったところが骨子となる公演の全体像です。

ですが、こればっかりは、SAYUMINGLANDOLL 公演にて披露される個々の楽曲を逐一追っていただく他ない(当レポートの価値がほとんどない)ものとなっております。

追跡されるアメリカ音楽史は、西部開拓、南北戦争、世界恐慌、キング牧師、ウッドストックから、同時多発テロからイラク侵攻とリーマン・ショックまで。その間、黒人差別や、それに抵抗したキング牧師の暗殺、さらにはベトナム戦争からイラク侵攻まで、その時々の辛い現実と… そして、そうした現実に “プロテスト” した人々の “音楽” が、SAYU によって追体験され、そして、その時々の情景からプロテストの有様までが、実際に “歌詞に織り込まれて歌い上げられる” のでした。

楽曲を鑑賞する観点は様々にあり得るわけで、その中でも「楽曲鑑賞」と言うからには、楽曲のセトリの構成だったり、個々の楽曲の旋律の組み上げ方だったり、といったところで好悪や巧拙を判断するのが主流かとも思いますが、今般の SAYUMINGLANDOLL 公演にあっては、これらの評価軸に加えて “歌詞” が非常に重要になってきます。今から道重さんの公演のチケットを入手するのは困難なので、せめて後日リリースされるであろう映像化商品の入手をお勧めします。

なので、やっぱり実際に聴くほかないわけで、23日より配信されているオリジナルサウンドトラックの詳細を掲載しておきますね。

『SAYUMINGLANDOLL~未来~ オリジナルサウンドトラック1』
1.『ダイスキ・フロンティア』(作詞:児玉雨子 作曲:K2-Dee 編曲:大久保薫)

2.『少女予報』(作詞:大森靖子 作曲:大森靖子 編曲:大久保薫)

3.『Bunny Party』(作詞:しばたありぼぼ 作曲:こやまたくや 編曲:鈴木俊介)

4.『バラッド バラッド』(作詞:大森靖子 作曲:K2-Dee 編曲:江上浩太郎)

iTunes Store・Apple Music
http://itunes.apple.com/jp/album/1621990198?app=itunes

レコチョク
https://recochoku.jp/album/A1021526387

mora(ハイレゾ)
https://mora.jp/package/43000030/UFDL-1496-HR/

セトリも同時に掲載しておきますが、新曲ばっかりのセトリなのに、どうして曲名がわかってるんだ?と疑問をお持ちの向きには、公演終わりにエンドクレジットとして、スタッフ名などの流れで一連の楽曲がスクリーンに表示されたからだとお応え。余談ながら、この道重さんのオリジナル公演の枢要なポジションには、千夜一夜イベントを仕切る事務所のエライ方がクレジットされていたり。

SAYUMINGLANDOLL~未来~
2022年5月29日 開場14:50/開演15:30
01・『ラララのピピピ
02・『月に帰らないうさぎちゃん
03・『ダイスキ・フロンティア
04・『君だけの十字架
05・『少女予報
06・『ビューティフルドリーム
07・『Yeah My Miracle
10分間の休憩
08・『Bunny Party
09・『ミラーボール・ホリック
10・『形而上的熱視線
11・『バラッド・バラッド
12・『サユミミライ
アンコール 13・『シャバダバ・ドゥ~
アンコール 14・『SAMSALA
:この2曲、当初は(エンドクレジットについての記憶もあって)ひとつの曲と思い込んでおりましたが、後日、現場からの報告として道重さん本人からの「別の曲である」との指摘があったとのことで、それに応じて修正しています。

*****

さて、そんな具合に、今般の SAYUMINGLANDOLL 公演のポイント(だと報告者が思う点)を述べた上で、以降、そんなステージでパフォーマンスしてくれる道重さんが、どれほど美しかったかという点については、ページを切り替えて。

エンタメアライブでは、皆様からの投稿を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください『寄稿について

Sorry, the comment form is closed at this time.