はじめに 工藤由愛と松永里愛の突出
たとえば、一時の低迷から脱して、コアなハロプロファンを超えて大々的に躍進しつつあった ℃-ute の勢いを指して、”℃-ute 第二章” だなんて形容したこともありました(参考|「℃-ute 第三章の胎動 ~℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』中間報告~」)。ですから、それを踏襲して、オリジナルメンバーの多くが卒業してメンバー構成も大きく変わった Juice=Juice についても「第二章」みたいなところで所感をまとめようかな… なんてことを思っていた次第ですが…
いや、なんだか Juice=Juice は、もはや、まったく別の新しいグループと言って良い のではないかとすら。
もちろん、オリジナルメンバーとして Juice=Juice を牽引する三代目、植村あかりさんのパフォーマンスと美貌は(とりわけ、その円熟味を増している美しさは)Juice=Juice を超えてハロプロ全体の過去を通覧しても確実に10指に入るところです。
ハロプロ的ステージスキルの粋とすら言われる段原瑠々さんも、トレイニー時代から、ある種のテイストを継承しながら、常にその歌声で第一線に立ち続けた井上玲音さんも、まさに熟練した Juice=Juice のステージの厚みに超貢献しています。
有澤一華さん、入江里咲さん、江端妃咲さんといった歴の浅い新メンバーも、堂々と武道館でパフォーマンスしているだけでなく、とりわけ江端妃咲さんなど、熟練度と “妖艶” 度で、他のグループより抜きんでた Juice=Juice のイメージに非常にマッチした形に成長中であるやにお見受けいたします。
今般の武道館を、有終の美として卒業していった稲場愛香さんに至っては、一瞬も見逃せないほど、あらゆる技量を惜しむことなく見せてくれました。ご挨拶にあたって、”今のは、実はわざと噛んだよね?” と思えるような “あざとさ” も含めて。いや、その “あざとさの演出” に、ファンの眼から見て「わざとじゃない?」と思わせるような、微妙な余白すら持たせての提示であるというわけで、まさしく稲場さん、さすがのプロフェッショナルです。
しかるに、やっぱり、どうしても眼を惹かれたのが、工藤由愛さんと松永里愛さん。
工藤タコちゃんと里愛さん、実に凄まじくて、彼女たちの一挙手一投足から文字通り眼が離せません。「千載一遇、彼女たちのこれからの最盛期に、自分のファン寿命が間に合った!」と記したこともありましたが、率直に申しまして(お叱り覚悟で)他のグループを推している(むしろ複数のOG推し)である報告者、本来であればガチなコアファンの当落を邪魔しないよう控えるべきだと思いながらも、それでも工藤タコちゃんと松永里愛さんのステージを見たいがために、この夏の各グループの単独ホールコン延長戦に申し込んだりしているほど。工藤さんと里愛さん、この先の Juice=Juice を牽引するだろうとか思っておりましたが、もしかしたら Juice=Juice を超えて、この2人は、向こう5年間の新しいハロプロ全体を牽引するのではないかと。
それほど、工藤さん、松永さんが突出していたというわけで、その意味で、もう一度、Juice=Juice は、もはや、まったく別の新しいグループと言って良いのではないか、と。
あるいは、その突出こそ、スキルと円熟味と妖艶さのミックスにおいて他のグループの追従を許さぬ Juice=Juice のエッセンスとも言えるわけで、これまた繰り返し熱心なファンのみなさんのお叱りを覚悟するなら、Juice=Juice は、結成から9年を経て、工藤由愛と松永里愛の参加をもって、その本来の “イデア” たる特色を全面開花させた、とすら。
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などと、報告者の個人的な所感を書き連ねてしまいましたが、そんな武道館公演は、稲場愛香さんの卒業のライブでもあったのでした(今更でごめんなさい)
Juice=Juice CONCERT TOUR ~terzo~ FINAL 稲場愛香卒業スペシャル
セレモニーのお手紙でも自ら読み上げたように、2013年にハロプロ研修生となってから9年、カントリー・ガールズ、活動休止期間、ハロプロ研修生北海道のリーダー的存在、そして Juice=Juice への加入へと、激動のアイドル人生を送ってきた稲場愛香さん、それこそ、愛らしいルックスから声質から “あざとい” 演出から、中間管理職として見事にいろんな押し引きを制御することから、歴代屈指の圧倒的フィジカルによるダンスパフォーマンスまで、アイドル的才能の塊であった稲場愛香さんの、Juice=Juice およびハロー!プロジェクトの卒業公演となる武道館ライブが、2022年5月30日の月曜日に開催されました。
「アイドル稲場愛香」完遂の武道館
率直に言って、ラストのセレモニーを除いて、ライブの編成としては(もちろん、稲場さんが全部のメンバーと個々に絡むメドレー風のブロックもあったけれど)基本的に、まっすぐ Juice=Juice らしい押し出しを遵守して、そんなにラストライブ、卒業公演… といった色合いが濃いわけでもなかった武道館でのコンサートだったんですが、やっぱり稲場さん、ところどころ、感極まって涙が流れ出ることを防ぎきれないといった様子を見せる場面もありました。… が、そんな、思わず流れ出てしまう涙… といったものすら、稲場さんにあっては、ファンのみんなの望むところを先取りした “あざとい” 演出なんじゃないかと思えたりもして、狙って涙を流せる女優力っていう以上に、そんなふうに自分の “あざとさ” をファンに周知させた上で好意的な視線を獲得しているということそれ自体、アイドル稲場愛香の勝利といえるかと。
実際、ライブ冒頭から3曲目『POPPIN’ LOVE』の初披露を終えてからのご挨拶で、イヤモニをしてるにも関わらず会場の皆さんの拍手が聞えることを述べながら、いよいよ最後のステージであると述べるにあたって、微妙に噛んでわずかに “テヘペロ” するあたり「稲場さん、わざとだな?」と思ったり思わなかったり。もちろん、その圧巻のダンスパフォーマンスを見せつける場面にも事欠かなかった次第ですけども、上に述べたことから、まったき “アイドル稲場愛香” をこそ完遂した武道館だったかと思います。
そんな武道館ライブの詳細は、以下、ページを切り替えてから順を追って述べるに先だって、まずは、どかんと当日のセトリを(セトリの下までスクロールしたら次のページへ)。
Juice=Juice CONCERT TOUR ~terzo~ FINAL 稲場愛香卒業スペシャル 2022年5月30日 日本武道館 |
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中央に、左右に張り出したステージが設営 |
OA 『恋のクラウチングスタート』(OCHA NORMA|衣装初披露)西崎欠席 何故かクラップでのコールが武道館に響く 01・『Va-Va-Voom』 02・『プラトニック・プラネット』 里愛 斉唱からのニヤリ 03・初披露『POPPIN’ LOVE』 ご挨拶のMC 稲場「イヤモニにもかかわらず」 稲場さん、わざと噛んだな? 04・『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』 05・『STAGE~アガってみな~』 井上 ボイパ 06・初披露『ノクチルカ』 斉唱だけじゃない里愛 07・『Future Smile』 ゆめりあい 手つなぎ/有澤 バイオリン 08・初披露『G.O.A.T』 井上さんのボブ、可愛いね 09・『禁断少女』 待ってました! 10・『ロマンスの途中』 MC 入江「POPPIN’ のセリフ、どうでしたか?」 工藤「手足を存分にのばして!(タコだけに?)」 フラッシュで、ダンスパフォーマンス ソロを、江端 → 有澤 → 入江 → 里愛 → タコちゃん → 井上 → 段原 → 植村 → … → そして稲場さんへとつなぐ 11・『ポップミュージック』 ちゅるちゅる植村 以下、順次衣装チェンジ 12・『初めてを経験中』(有澤、入江、江端 + 稲場) 13・『好きって言ってよ』(タコちゃん、里愛 + 稲場) 14・『微炭酸』バラード版 (井上 + 稲場) 15・『続いていく STORY』(植村、段原 + 稲場 → 全員へ) 稲場さんが引っ込んで、のこりの8人で少し場をつないで… 16・『雨の中の口笛』(タコちゃん、里愛、有澤、入江、江端) 17・『Mon Amour』(植村、稲場、段原、井上) 18・『Fiesta! Fiesta!』 19・『GIRLS BE AMBITIOUS! 2022』 20・『私が言う前に抱きしめなきゃね』 21・『Goal~明日はあっちだよ~』 22・『Magic of Love (J=J 2015 Ver.)』 「ここだよリサチ!」 会場大拍手からの… 23・『Familia』 稲場さん泣きそう ↓↓↓↓↓アンコール&セレモニー↓↓↓↓↓ ドレスで一人登場する稲場愛香 24・『もしも…』(稲場ソロ)→ 全員出て来て… 25・『シンクロ。』 稲場 お手紙朗読 これまでの自分の歴史とメンバーへの言葉 タコちゃん大泣き&井上さんを探して稲場「どこだ?こっちだ!」 メンバーそれぞれ、ご挨拶と稲場さんへ 26・『如雨露』 ダブルアンコールで稲場さんご挨拶 |
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