BEYOOOOONDS 山﨑夢羽 卒業、天使の羽で明日に向かって羽ばたいて行った豊洲PIT

BEYOOOOONDS LIVE TOUR 2024 SPRING ~PERSOOOOONALITY「Wings of Dreams」~〔承前〕

わたくし、ほんとにお恥ずかしい次第であることについては、前のページで、この公演の主役であった山﨑夢羽さんについて告白しましたが、BEYOOOOONDS というグループ全体についても、いくつか追加せねばなりません。

多彩な魅力の BEYOOOOONDS

どことなくオープニングのエフェクトも、どこかの劇団風な印象だったので、そのあたり、やはり BEYOOOOONDS 独特の押し出しだなあと思っていたんですが、楽曲の披露が進むにつれて、こちらの印象は公演全般を通して千々に乱れます。

オープニング一発めの『灰toダイヤモンド』、この楽曲は、いきなり盛り上がる強力な楽曲で、それを余裕でパフォーマンスし切るメンバーたちを見ていると、変に “小劇団風” なコンセプト押しで中央突破しようとせずに、Juice=Juice だったりアンジュルムだったりのように、それぞれに見合った、重厚かつアップテンポなライブ映えする楽曲を、もっと初期のころから BEYOOOOONDS に配しても良かったのにな、なんか、もったいないな、とか思ってしまいます。

かと思ったら、5曲めに BEYOOOOONDS にとっては記念碑的ともいえる『眼鏡の男の子』が披露されるわけですが、それに先立つ形で、ちょっとした寸劇が差し込まれます。「眼鏡の男の子」のラスト、夢羽さんが担当の「たいしたことねぇなあ!」について、それが誰に向けられているのか、その解釈を巡って(前田こころ:彼女を作ってコンタクトにした元眼鏡の男の子、メガネを取って、思ったよりもイケメンでなかった|清野桃々姫:メガネ君の実行委員の彼女さんが、そんな大して可愛くもないな)、数年越しに、女子高生夢羽さんと眼鏡の前田こころさんの対話劇が。これが夢羽さんの卒業公演であることとも相まって、意外にも胸を突くことになります。

確かに。
確かに、こういう(楽曲の解釈を巡って数年越しにグループ側から、いろんな形で新たにアピールできる)演出は、小劇団風で、コミカルな寸劇を楽曲に取り込む BEYOOOOONDS でなければ不可能であったかと。

いや、『灰toダイヤモンド』の他グループの鉄板にも引けを取らぬ盛り上がりをスムーズに歌いこなすところから、寸劇風であるからこそ可能になる演出まで、BEYOOOOONDS の底力を見誤っていたことこそ、一番に報告者が恥じるべきことかもしれません。

一発めから続く『フックの法則』の実験的な楽曲である点も、3曲めの『求めよ…運命の旅人算』の西田汐里さんの超音波のような斉唱も、BEYOOOOONDS、その多彩な押し出しは、決して他のグループに見劣りすることがない… どころか、ほんまに独自の魅力です。

相対的に SeasoningS が… しかし!

あくまで個人的なことではありますが、わたくし、やはり SeasoningS の3人に惹かれるところが大きかったと告白せねばなりません。

何度かオーディション時の年齢相応なギャル感を、すっかり幼い印象に刷新したと述べた平井美葉さん、このところ、そのオーディション前の雰囲気と、正式にメンバーとなってからの幼い雰囲気を、良い感じにミックスして、独特の可愛らしさを醸し出していると見ておりましたところ、今般の豊洲では、異様に美しさが突出しております。

かつて千夜一夜にて、うっかり感動してしまった小林萌花さん(参考「BEYOOOOONDS/SeasoningS 小林萌花、2022年の新曲に「運命」を導いた半生を語る千夜一夜 第七十六夜」)、その半生が示すひたむきさへの感動だけでなく、なんか、このところ、めっちゃ魅力的だなって。これは思うに、多くのハロプロファンの共通する見方ではないかと愚考中だったり。

そして、里吉うたのさん、美人さんですよね。
率直に、どんな場面でも、他のグループと競演する ひなフェス的な、ハロコン的なステージであっても眼で追っちゃいます。今般も、あんな衣装(どんな衣装?)なのに、大きく足を持ち上げてY字バランスなんか披露しちゃって、ほんまに、もう!

… ってなわけで、わたくし、どちらかというと後発のオーディション組である SeasoningS の皆さんに注目を向けがちであった次第… … な ん で す が!

当日の主役であった山﨑夢羽さんが美しくて腰を抜かし、自らの不明を恥じたことは前述のとおり。

そして、たとえば…
たとえば島倉りかさん。正面から見た時と、横を向いているときで、全然、見え方が違うことにビックリです。島倉さん、美しいです。ブログなどで周知される特異なキャラクターに幻惑されて、いかに、わたくしが、ちゃんと見ていなかったか、ほんまに自分で自分を叱りつけたいほど。島倉さん、美しいです。

かつての『眼鏡の男の子』や『文化祭実行委員長の恋』の寸劇調のパートで、愛らしいサロペット風というかベスト風のグレーの制服だったころから、背だけじゃなくて、いろいろグングン伸びて、すっかり美人なお姉さんになっていた江口紗耶さん、すでに述べたご挨拶時の乱れ方(やっぱり関西娘だった)だけじゃなく、パフォーマンス時のさまざまな場面で、あまりにスラッと痩身で、思わず眼を惹かれた次第。

そして岡村美波さん。可愛いですよね、ほんとに。
笑ってるときだけじゃなく、メッセージ絡みで泣いちゃってる時も、表情がくしゃっとなって、顔のパーツが顔の中心に集まっちゃって、なんか、ほんとに可愛い。

ちなみに『ニッポンノD・N・A!』で、この次に『眼鏡の男の子』をパフォーマンスする時には「私が一人三役??」と疑問を呈していた西田汐里さん、『ハムカツ黙示録』についても、今後は、イントロで降りてきたハムカツは残さず自分で齧ることになるんでしょうか(西田さんが攫んだハムカツを夢羽さんに齧らせる “仲良しピッピ” ところは見物でしたよね)。

不明を恥じるのは楽曲についても

すでにいくつかの楽曲については触れましたし、セトリは記事の前のページに記載したところですが、わたくしが不明を恥じるのは、その他の楽曲についても同様であるということで、ほんまに恥ずかしくて消え入りそうな報告者です。

正しく年月を重ねている『元年(六年)バンジージャンプ』も楽しいですよね。昭和なわたしからすれば、平成にさよならしようと歌うこと自体が驚きであると同時に、道重さんや Berryz工房に専心する私からすれば、すでに佳林ちゃんや小片さんらから見てすら後輩である夢羽さんが堂々と明るく笑って卒業して行くという時間の流れに、そりゃわたしもハゲるわなあと思うところ。『眼鏡の男の子』のあれこれを自ら振り返るパートはこの曲にも。

“Thank you 2872 Days Medley” の楽曲セレクトについては上に述べた通りですが、それに応じて、往時の懐かしいVTRがスクリーンに投影され、豊洲PITのステージの拡大映像と、好い感じにミックスされて流されます。私のような中途半端な者ですら厳しい演出だったので、夢羽さんに専心するファンには耐えられないものがあったのでは。

それぞれに思い入れのある部分はありつつ、こういう場面(だけでなく25周年など記念のライブなど)では、いかに現在のハロプロを牽引している中核メンバーを℃-ute ツアー帯同が育てたのか、恐ろしくなります。

※ かえって、現在は当時の℃-ute(あるいは Berryz工房)のような形のグループがあるのか、次世代のハロプロの中核への連続はメンバー側の自覚に一方的に依存していないか、若干心配になったり。

コミカルなばっかりかと思った自虐風の『こんなハズジャナカッター』でも、夢羽さんの斉唱がめっちゃ長いことに驚かされて、コミカルな楽曲こそ、ちゃんとパフォーマンスするには、しっかりした技量が必要だと知らされます。

コール練習動画が公開されていて里吉さんが「練習して来ましたか!」と客席に念を押した『WORKER讃歌』だけでなく、かなりの部分を客席に歌わせた『夢さえ描けない夜空には』など、客席巻き込み型のパフォーマンスも目立ちます。繰り返し、コミカルな楽曲ってだけじゃなく、こうした客席巻き込み型も、そうとうにメンバー側の技量がなければ、うっかりやろうとすると、いかに温かいファンであれど、いろいろ白けてしまうことは避けられないので、こうした形のパフォーマンスが客席を醒まさずに遂行できるところも、BEYOOOOONDS の技量を物語るところです。

ところで『夢さえ描けない夜空には』は、ほんまに良い曲ですね。
『灰to』にように、初っ端から盛り上げられる楽曲に加えて、このように、じっくりと歌詞に描かれる世界に思いを馳せられる楽曲も揃ってきて、いよいよ BEYOOOOONDS も、先輩たちや他のハロプログループに伍して堂々たるステージを展開できるようになっていると… そのことを見定められていなかった自分の不明を恥じると同時に… やはり今の夢羽さんが惜しいように思います。

清野さんのトークボックスが目立つと思っていた『Hey!ビヨンダ』では、可愛い岡村美波さん、ひょっとして円盤まわしてる??

衣装チェンジの時間稼ぎVTRの「有酸素ガールズ」、「セッターがトス、リベロがレシーブ」という運動のリズム取りから、ガチで踏んだボックスや、カスタネットへとつなげた「おたま没収」も面白かったですし、ブロックのブリッジとなる西田さんの「無酸素開放!」って妙に笑いを誘いますが、サヤーズ ブートキャンプと “表面は違っても中身は同じ” ってことで「タイ焼きと今川焼」とか言ったのには声が出ちゃいました。

カスタネットで客席を煽る『恋愛奉行』、この辺りは実際のところ、ぶっちゃけますと、初お披露目の段階では若干鼻白むところがないではなかったんですけども、今となっては “待ってました” 的な感じになってることにも驚きます。

そして、小劇団風味ってことで、他のハロプログループとは一線を画したかのようであった BEYOOOOONDS だったわけですけども、『涙のカスタネット』の “ハロプロらしさ” はただ事ではありません。この辺りも、いかにも多彩な BEYOOOOONDS です。

カスタネットをボンボンに持ち替えて、ハロプロらしさのまんまコミカル成分を増し増しで『ビタミンME』へ。里吉うたのさんのY字バランスは、やや品位が危ういレベルで卑怯ですよね。すっかり BEYOOOOONDS オリジナルの押し出しというか、コンセプトありきのコミカル小劇団風味の押し出しに飲み込まれております。繰り返し、そういうことが可能であるためにはメンバーにしっかりした技量が… 的なところは、もう不要ですね。

続く『虎視タンタ・ターン』は、ほのぴピアノからのアカペライントロですよ。
バラエティに富んだ演出が可能であるには、メンバーにしっかり(以下同文)… 発足時に “研修生精鋭メンバー” と評した方がいらっしゃいましたが、今にしてまことに慧眼だと。

上にも触れましたが、しっとり聞かせる『夢さえ描けない夜空には』が途中から転調して明るく盛り上がる曲調へと昇って行くあたりは、うっかりすると涙腺が緩みますね。素晴らしい。コミカル一辺倒かと思っていた『アツイ!』でも、曲中のセリフパートで江口さんが「あつい!あついねーー!」と言うべきところを夢羽さんの旅立ちに即して「さみしいねーー!」と言い換えています。… こういうことがサラっと出来て、その上で客席を白けさせないでパフォーマンス可能であるためには(以下同文)。

本編ラストナンバーの『ニッポンノD・N・A!』でも、島倉「(夢羽が卒業して)アツイやるとき私、ギターソロ?」とか、西田「(夢羽が卒業して)眼鏡の男の子、私が一人三役??」などと、適宜その場その場の状況を取り込みつつ、しっかり楽曲としても、ちゃんと盛り上げて… 素晴らしいよね。

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そしてステージは会場を揺るがす「ユハネ」コールで、アンコールへなだれ込みますが、記事としては、ここでもう一回ページを切り替えて。

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