夏焼雅 再始動の高揚感と進化した姐御肌 ~【レポ】 2016.8.6 夏焼雅 新グループ お披露目イベント『Are you ready?』~

はじめに 再始動の不思議な高揚感

活動停止中のBerryz工房、夏焼雅さんの新グループお披露目イベントが、2016年8月6日に、TFMホールで開催されました。
今般のイベント、新グループがお披露目されるまでの経緯だとか Buono! の武道館を控えてのイベントだとか、いろいろ【語るに足る】背景はめっちゃ豊富ながら、目の前で展開されることの予想外すぎる素晴らしさに、そうした語るべき周辺的な「事情」なんかは、軽く蹴飛ばされて吹っ飛んでいきます。

すなわち、新メンバーである二瓶有加さんのダンスが仕上がりまくりであることに!

すなわち、新メンバーである小林ひかるさんが、新しい形の天然であったことに!

すなわち、新グループの提げた新曲が、未だに脳裏に木霊する名曲だったことに!

すなわち、トークだけでなくパフォーマンスの細部に至るまで格の違いを見せつけた夏焼雅さんに!

すなわち、高貴で気品がありながら稚気に溢れ、ごくナチュラルに物事の中心にいて違和感なかった天然女王様である雅ちゃんが、姉御肌を進化させて、しっかりお姉さんになっていたことに!

この先のアップフロントが、実に楽しみになるイベントでした。そして、ひょっとしたら、なんとも不思議な高揚感があるイベントでした。
そんなイベントの模様を、是非ともレポさせていただきたいな、と。

そしてラストに、「活動停止」それ自体をポジティブに書き換えていく Berryz工房メンバーたちの姿には改めて驚かされると同時に何かを教えてもらったようだ、とも。

お見送りの握手会で、雅ちゃんに「おかえりっ!」って言ったら、それでなくとも愛らしい目を思いっきり垂れ目にして「ただいまっ!」って言ってくれましたからね。
握手してくれた雅ちゃんが、まことに気品があって(投稿者の趣味・嗜好を度外視しても)是非とも虐げられたいと思ったことは固く秘するとして。

夏焼雅 新グループ お披露目イベント『Are you ready?』

夏焼雅 新グループのお披露目イベントは、昼と夕方の2回まわし。
開場したTFMホールは、開演前から照明を暗くして雰囲気出しまくり。座席番号が見えないから不便であるはずが、その70年代ディスコ風で、暗い会場の中を時折走るライトが【紫】だったりして、全体的に雅ちゃんっぽくて、なんだか気分が高揚してきます。

イベントの簡単な構成 すべては雅ちゃんの手のひらの上で

今回のお披露目イベントの構成は、こんな感じです。

1.小林さんと二瓶さんの来歴を知るスライドショー
2.客席から二人の印象を
3.連帯責任フィーリングクイズ
4.ライブ
5.お見送りの握手会

新グループの名前は Buono! の武道館までおあずけだそうですよ。もう決まっているんだけど、せっかくここまで引っ張ったんだから、大きな舞台で発表したいんだとか。
グループお披露目イベントなのに、グループ名の発表は別のところでやりたいとか、なんだか自由です(← もちろん喜んでる)。

メンバーカラーはなく、その一方でグループカラーがピンクなんだとか。
2回目のイベント中のMCでも明言してましたけど、1回目のお見送りの握手で、たぶんメンバーカラーを聞いた参加者さんがいたんでしょうね、待機列で待っている時に、早口で「グループカラーがピンクだからっ!広めてっ!」と言ってる雅ちゃんの声が(わりと待機列の後ろの方だったのに、めっちゃ聞こえてくる雅ちゃんの声)。

また、物販のTシャツの意匠は、雅ちゃんのリアルキスマークとのことで、1回目のトークでそのことが雅ちゃんの口から告知されるや、グッズの売れ行きがすごいことに。2回目のイベント入場前の段階で、Tシャツは2枚しか残っていない事態に。

自由な様子、騒がしい感じ、雅ちゃんの手のひらの上で踊らされる様子と、 “ああ雅ちゃん、おかえりなさい” といった感じにあふれたイベントでしたよ。

もちろん、新メンバーのちっちゃい頃からの来歴を紹介するスライドショー(二瓶さんバイトしまくり)に、2人の印象を会場に尋ねるコーナーで、もう受け入れる気マンマンな暖かいファンにと、お披露目的なポイントも豊富でした。

「連帯責任フィーリングクイズ」は、出されたお題に「せーの」で答えて、3人で答えが合うかどうかといった趣向の定番ゲーム。「定食といえば?」(二瓶:ハンバーグ定食/夏焼:焼肉定食/小林:唐揚げ定食)とか「ほくろの位置は」という書き問題とか。
2回ともクリアーならず、全員、苦いお茶を飲まされておりました。その後すぐライブなので「歌に支障がある」と文句を言ってた雅ちゃんでした。

お披露目ライブ 新曲が、未だに脳裏に木霊する名曲

ライブコーナーでは、こんな曲が披露されます。

1.ラスラブ
2.Summer Wonder Land

「えっ?ベリ曲じゃないよね?」と、その場でご挨拶できた顔見知りのベリヲタ諸氏とも確認した結果、やはり新曲であったお披露目曲です。
ただし、リリースの有無、日程など、詳細な仕様は不明なまま。

これ、上記のとおり仔細な情報が不明なので、はたして上の表記が正しいのかどうかもわからないんですが、とりわけ『Summer Wonder Land』が、今でも投稿者の脳裏でリピートされているという具合で、これがまた名曲の予感。
そういえば昨今、つんく♂さんと小室哲哉さんがコラボする的な話題もあったなと思い出すくらい、おっさんすぎて恐縮ですけど、どことなく懐かしのTRFを彷彿とさせるようなテイストで、ノリが良い一方で、不思議に静かな感じもあって、ノリの良さと静かな落ち着きのバランスが、なんだか雅ちゃんっぽい、良い曲です。

さて、そんなライブでのパフォーマンスも含め、メンバーたちはといえば以下。

二瓶有加さんの仕上がり

二瓶さん、仕上がってます。
ライブ中のパフォーマンスに、軽くアドリブを入れるくらいに(たぶん)。

この二瓶さんの仕上がりに関しては、2回まわしの2回とも入場すべきであったと強く主張しておきたいところ(今後の同様のイベントのために)。
1回目のイベント、ライブ前の「連帯責任フィーリングクイズ」までの進行では、あからさまに緊張が顔に出ていた二瓶さんですが、ライブに入るや、歌って踊っていることがいかにも楽しそうです。表情がガラっと変わります。そして、一回、楽しげにライブをやりきって以降は、最初の緊張がどこかへ行ってしまったようで、2回目のイベントでは、前半のトークメインの部分で、なんと雅ちゃんに突っ込むような場面もあったりして。

「緊張していたけれど、お客さんが暖かく迎えてくれて、大丈夫だと思った」とご本人は述べておりましたが、それはそうだとしても、投稿者の見るところ、ライブを終えてから目に見えて緊張が解けていったあたり、ほんとに歌とダンスが好きなんだなと。
その意味で、二瓶さん良い感じに仕上がっているようです。

新しい形の天然 小林ひかる

一方の小林ひかるさんは、謎のキャラを爆発させていました。
初めてのステージだってのに。それにしてもアップフロントは、なんで必ずグループに一人はこういうのを見つけてくるかな。(これはアップフロントという企業グループ全体が、ある種の「天然」なのではないかと疑うに十分な事例かと)

ストップウオッチでの10秒チャレンジ企画(「連帯責任クイズ」の一貫で3人で30秒を目指す)で、「9秒」と読み上げの段階で止めちゃうとか、ついに清水佐紀画伯を凌駕する(場合によっては元宝塚の歌のお姉さん、はいだしょうこ画伯をも圧倒する)強烈な画伯であることが明らかになるとか、非凡といえばあまりに非凡な面が次から次へと明らかになっていきます。

なにより印象的だったのが「ホチキス」の顛末。
連帯責任クイズの一環で「○○キッス」といえば?との出題に対し、なるべく答えを合わせようと、いろいろ情報を出しながらかえって混乱する3人ですが、そのうち二瓶さんから「実用的な?」といった不穏な一言が飛び出します。
結果、二瓶さんは「フレンチキス」と答え、雅ちゃんは「ほっぺにチュー」とか言い出し、MCのサミットクラブ、ムラコさんからは「もう合わせる気ないやん」と呆れられる始末。そこで、小林さんは「ホチキス」とお答え。

まず、何よりも「○○キスといえば?」という出題に、「実用的な?」といった発言が不穏な空気を醸すといった流れの中で、身体接触を伴う、あの「キス」以外のものを想定できることがすごいですよね。天然気味なリアクションと併せて、この場の空気からの自由さは、大きな武器になるのではと。
「だって実用的とか言うから!」と言い訳を始める小林さんですが、そんな場の空気からの自由さの背後に、ちゃんと(的外れだとしても)自分なりの脈絡というか理路があることを主張していて、このあたりの意外にしかっり者というか、あるいは理由がある分だけ方向が間違ってるのがより痛いというか、将来的な爆発力を感じさせます。

格の違いを見せつけた夏焼雅

そして雅ちゃんです。

ライブのパフォーマンス終わりに、客席に投げキッスしたりと、このあたりのステージ技術は、やっぱり新人さん2人とは格が違います。
ライブ中も、ちょっとしたステップの踏み方自体、もう全然違うので、これだけでも雅ちゃんがステージに戻ってきてくれたことは、我々にとって福音であろうかと。

もちろん、格の違いはパフォーマンスだけではありません。

先にも触れた「連帯責任クイズ」のストップウオッチでの10秒チャレンジ企画のくだり、「ストップウォッチの速さってどれくらいだっけ?」と雅ちゃん。いや、1秒はどこまでも「1秒」でしかなくって、時間の単位は「客観的」なものとして定められているのに。
といった具合に、変なことを言ってしまった、ないし、自分が言ったことが変な意味に受け取られてしまったとわかるや、タレ目を一層タレさせて、ケラケラ笑ってる雅ちゃんです。
楽しそうに笑ってる雅ちゃんの様子に、これだけでも雅ちゃんがステージに戻ってきてくれたことは、我々にとって福音ですよね。

そして、雅ちゃんは小林ひかるさんのことを「ひかる」と、二瓶有加さんのことを「にへ」って呼んでるんですね。
こういう「姉御」な感じも、実に雅ちゃんなんですが、これが「姉御」な感じに留まっていないところ、それが今般のイベントで最も印象的なところだったのです。

お姉さんになっていた雅ちゃん

不思議な高揚感に包まれた、夏焼雅 再始動の狼煙を上げるイベントの模様は、投稿者の主観を経由したものではありますが、上記の通りです。
レポを終えるにあたって、最後に、上に「これが「姉御」な感じに留まっていない」と述べた夏焼雅さんの印象を展開してみたいと思いまして。

Berryz工房活動停止からの雅ちゃん

夏焼雅さんについては、久しぶりにイベントの現場でナマ雅ちゃんに出会うことについて、そんなに特別な感慨も何もないだろうと、いわばタカを括っていました。というのも、Berryz工房が活動停止をしてから、むしろ例外的に夏焼雅さんだけは、変わらず私たちに「雅ちゃん」を届けてくれていたから。

2015年2月末の沖縄バスツアーから、2月28日、3月1日の有明コロシアム、3月2日のプリンスホテルのお祭りイベント、そして3月3日のラスト武道館と、社会人生活○十年の悪知恵を駆使して併走したBerryz工房活動停止までの日々を経て、しばらくの沈黙を経て、ようやく誕生日イベントの現場で再開できた須藤茉麻さんや熊井友理奈さんに比べれば、雅ちゃんは、2015年4月30日という早い段階で、「Green Room」という公式のWeb配信番組のMCを勤めてくれて、それは「Girls Night Out」へと順調に継続しており、その間、一貫して、気品ある美しさに包まれつつもシャレっ気のある稚気にあふれた雅ちゃんを届けてくれていたから。
だから、久しぶりのイベントの現場でも、「いやー雅ちゃん、ひっさしぶりだわ!」的な感慨を抱くことは、そんなにないだろうと思っていたのでした。

でも、「雅ちゃんっ!待ってたよ!」的な気持ちの一方で、久しぶりに再会できた雅ちゃんからは、まったく予想していなかった大きな印象の変化を受け取ることになります。

しっかりお姉さんをやっている雅ちゃん

雅ちゃんといえば、高貴で気品あるルックスで、ナチュラルにお姫さまでした。
もちろん、素直でやさしく、案外涙もろくて、気が強いのに気が弱く(レッスンやリハなどで「メンバーにきついことを言うのは基本、みや」だけれど、そのことを自覚してもいて、申し訳ないな、私って我儘だよなと反省してもいたけれど、それを素直に言い出せなかったりもした)、後輩から「憧れの先輩」に名前が挙がらないことをネタに自虐的な寸劇を演じるくらいには懐が深く、キャプテン清水佐紀さんと大の仲良しで、ももち先輩のことも大好きで、素直で愛らしい内面を持った、宝石のように貴重な、すばらしい女性であることは言うまでもありません。
それでも、夏焼雅さんは、その高貴な雰囲気がそうせしめるというか、どうしたって場の中心にいないわけにはいかない、華やかで煌びやかな輝きの中心に必ず存在するリアル女王さまでした。

そんな雅ちゃんは、今回の新グループお披露目イベントで、人生初の客前のステージとなる新メンバーたちを、ほんとうに上手に気遣っていました。
トークでも、企画コーナーでも、上手に二瓶さんやひかるちゃんに話を降ってあげて、自分を引っ込めてでも、新メンバーの二人を前に出していました。ご挨拶では、自分だって久しぶりにファンのみなさんの前に顔を出すというのに、この二人をよろしくお願いしますとか言っちゃって、しっかり経験のある先輩として、頼りがいのあるお姉さんとして、まだまだ経験の浅い新メンバーを支えていました。

元から、後輩をかまうのが好きで、世話焼きな姐御肌な部分はあった雅ちゃんです。「高貴でナチュラルなリアルお姫さま」というよりは、「頼りがいのある姐さん」というか「怖いけど筋を通すと味方になってくれる実力派の先輩」的なところもあった夏焼さんです。誠実なんだけど朴訥なもんだから実力を知られないでいた板前さんのところに嫁に来て、内助の功を発揮しまくって、いつの間にか小さな小料理店を大きな老舗に育て上げてる、みたいな。わかりにくいっすかね。

可愛らしくケラケラ声を上げてよく笑うところや、気品があって気高いところはそのままに、頼れる姐さん成分を進化させていた雅ちゃんです。

「活動停止」をポジティブに書き換えるメンバーたち

すっかりお姉さんをやっている雅ちゃんに、先だってのイベントで「ソロに慣れ始めた」かのようにも思った熊井友理奈さんや、アクセルを踏み込んでいる須藤茉麻さんのことも併せて考えるに、ちょっと思う事があって、すこし愕然としています。
自分でもこんなことを言い出すとは自分でびっくりなんですが。

もしかして、もしかしたら、ほんとうに Berryz工房の活動停止は、よかったのかも知れません。Berryz工房メンバーの成長のためにこそ。

いや、そうじゃないですね。
活動停止が、こういう帰結へと展開していくと、あらかじめ定まっていたわけじゃないですから。
「活動停止」という画期が、今になってそう思える部分もあるのは、今に繋がるメンバーたちの1年5ヶ月におよぶ日々の積み重ねによってこそ、今現在から遡って意味あるものとなったのですから。
「活動停止」それだけでは、どちらにどう転ぶかわからないでいたところを、「活動停止して、むしろ良かったんじゃないか」とすら思わせるくらいの結果を示してみせたのは、やっぱり「その後」のメンバーたちが積み重ねた日々があったからこそ。
あの時の決断を正解にしたのは、その決断を引き受けてなお、前を見続けたメンバー自身であった、と。あのときの「意味」は、今現在のメンバーたちの態度から遡及して確定される、と。未来に向かう現在こそが、過去を意味あるものにする、と。

わりと本気でそう思っています。
と言いますか、そうであるかどうかを見極めるためにも、今後共引き続き、Berryz工房メンバーたちの活躍を(私たちに公開される限りで)追わねばならぬと。
そう決意を新たにしてもいるところです。

そういった全部を踏まえて、夏焼雅 新グループ、この先の活躍が楽しみです。
ほんとうに、この道を歩んできて良かったと思えるかどうか(わたしらファンも含めて)、それがこの先の一挙手一投足にかかっている、という意味でも。

(文=kogonil)

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