ももちイズムの詳細と継承 「はじめに」に替えて
以前、カントリー・ガールズの山木梨沙さんのバースデーイベントのレポで、育ちの良いお嬢様が敢えてはっちゃけるところこそハロプロの最良のエッセンスのひとつ、と述べたことがあります。山木さんが「はっちゃけ」を演じているのがわかって、「はっちゃけ」に慣れていないのが感じられて、だからこそ、山木さんが、むしろ意図して緻密に自らの「はっちゃけ」を演出しているのがわかるのだ、と(そこまで述べてないけども)。
それは、もしかしたら、山木さんが特別お嬢様だからじゃなくて、山木さんだから上述のことが見て取れただけであって、より重要なことは、このことが、カントリー・ガールズに叩き込まれた “ももちイズム” そのものなのではないかということ。
嗣永桃子の高度な技
嗣永さんといえば、Berryz工房の時代から、そのバラエティ的な反射神経と嗅覚で有名でした。さらには、そうしたコミカルな表向きの展開の影で、トークが苦手なメンバーに、上手に出番を作ってあげていたのも嗣永さんでした。そう、単に「キャラ」としてコミカルな場面の中心にいただけではなく、そうした場面を「仕切って」、ちゃんとそう意図して、グループ全体の押し出しに貢献していたのが、嗣永さんだったですよね。この「嗣永桃子プレミアム」でも、個人のプレミアムはひなフェス史上初ということで「会社への貢献度が違うから」とか、ペロっと言っちゃうくらいに。
上に「バラエティ的な反射神経と嗅覚」と述べました。そうした、ファンがよく知る ももち先輩の来歴からは、高速の反射神経で場の空気の変化に当意即妙に対応する「柔軟」なバラエティ適性が想像されるかも知れません。事実、そうした「バラエティ適性」を、かなりな程度まで、嗣永桃子さんは【演じて】いたし、その【演技】で、相当の高得点をマークしてもいたわけですから。
そう、投稿者の見るところ、嗣永桃子さんの本当の技は、本能的な「バラエティ的な反射神経と嗅覚」ではなく、「バラエティ的な反射神経と嗅覚をもつアイドル」というキャラを、きっちり意図的に演じていたところ。
高度であるからこそ擾乱に弱い 意外な弱点
嗣永桃子さんが本当に高度な技を繰り出していたのは、「ももち」というキャラを入念に創り込んで演じていたところ。だからこそ、その技が高度であればあるほど、創り込まれたプロットが入念であればあるほど、ちょっとした擾乱に対して、意外な弱さも露呈したり。
カントリー・ガールズとは別の後輩たち、それぞれの空気を勝手に持ち込む後輩たちと絡んだ時に、案外、そうした後輩たちのブッ込みに、ちゃんと対応できないで、それを「先輩風」を吹かせることで取り繕う嗣永さんって、ハロプロの全体のDマガとか SATOYAMA のイベントステージで、時々、見たりしませんか?
あるいは、すっかり同期の絆に甘えてか、意外とグイグイ距離を縮めてくる ℃-ute の矢島さんの「舞美ちゃんは距離を詰めるにも全力なのか」と突っ込みたくなる傍若無人に、むしろ ももち先輩がたじろぐ場面を見たことありませんか?(たとえば2014年の合同武道館を追ったベリキューDマガ Vol.5 など参照)
案外、ももち先輩って、【予定されていなかった急なアドリブ】に弱いのです。
Berryz工房のラストとなった2014年のクリスマスイベント(@代々木山野ホール)でも、調子に乗って『ももち!許してにゃん 体操』をメンバーに強要した挙句、キレた徳永千奈美さんと須藤茉麻さん、そして嗣永さんに鉄槌を下す場面には必須の末っ子菅谷梨沙子さんに囲まれてしまって、シメられるに任せる他なかった嗣永さんだったり。
しっかりと事前に固めた【脚本】に準じている限り「場の予想外の展開に当意即妙に応じていく」バラエティ適性の高い ももち先輩を破綻なく【演じる】ことにかけては超優秀でも、事前に固めたプロットから逸脱するところには、急には実は対応できない ももち先輩です。
だからこそ、天真爛漫に自由に振舞う熊井友理奈さんに「癒される」と、そう嗣永さんが述べていた理由も、そこら辺にあるのではないかと。
嗣永桃子の作品としての「ももち」
つまり、バラエティ適性が高くお笑いもやれるし自分から泥もかぶれる「ももち先輩」という役柄は、嗣永桃子さんが入念に創り込んだ「作品」でもあったというわけ。
この意味で、ハロプロの最良のエッセンスのひとつでもあると指摘した、その「育ちの良いお嬢様が、敢えてやらかすはっちゃけ」とは、まさしく、嗣永桃子さんが創り込んできたもの、そのものでもあったわけです。
と、ここまで述べれば、カントリー・ガールズの山木梨沙さんが、一見そうとは見えないところで、しっかりと “ももちイズム” を継承していると言っても納得していただけるんではないかしらと、ここまで書いてきてドキドキしている投稿者です。
Berryz工房は、嗣永桃子さんが何をしているのか、それをちゃんとわかった上で、あえてそれに乗っかって、嗣永さんが創り上げた「ももち」という作品で遊んでいたというか、嗣永さんの作品世界に参加していたと思ってます。『ベリ高フェス』辺りで大きな脱皮を果たして、7周年の記念ムックも発売しての『週刊Berryzタイムス』辺りからは、ももちの世界に参加するに際して、徳永千奈美さんは、徳永千奈美という役柄で、夏焼雅さんは、夏焼雅という役柄で、その世界に参加するようにもなっていたと。こうした機微があったからこそ、あのテレビ番組での嗣永さんの特攻も可能だったのではないか、と。
ええ、記念すべき「嗣永桃子プレミアム」にして残念ながら一夜限りの復活はなかったので、無理矢理にでも Berryz工房に言及してみました。
嗣永さんの企図をちゃんと理解して参加していたBerryz工房に対して、それでは、カントリー・ガールズはどうであるか。
冒頭で述べたように、正しく “ももちイズム” は継承されていると見ています。しかし、そのためには、嗣永さんは「ももち」を「ももち先輩」に創り替えねばなりませんでした。
すべては「ももち」の思し召しのままに
カントリー・ガールズのDマガを見ると(こちらとかこちらを参照して欲しい)時に若いメンバーには厳しすぎるほど、高いハードルを嗣永さんが課している場面が頻出します。そして、若いメンバーに厳しいお題を課すようになる頃から、いつしか「魔法が解けた」などと言いながら、かつては 40歳になってもやり続けると頑なに豪語していた髪型を封印します。
しっかり、自分が主体となって作品世界を創り上げるモードから、そのお作法を教授する先生モードへと、嗣永さんは、ここでもまた、自分を意図的に創り変えたと言って良いのかもしれません。
きちんと自分のモードを切り替えて若い後輩たちを導いたように、そんな嗣永さんは、アイドルを卒業し芸能生活から離れて、今後は教育の道に進まれるとのことです。
Berryz工房の個別握手会やバスツアーからカントリー・ガールズのリリイベまで、たくさん、たくさん、嗣永さんとは握手してきたんですよ。多くのベリヲタ仲間と共有している感慨として、握手のももちはファンに厳しいというものがありました。むしろ投稿者を含む一部のファンは、嗣永さんにぞんざいに扱われて喜んでもいたわけですが、その芸能界からの引退がアナウンスされ周知される少し前から(投稿者の実感としては2016年秋のリリイベくらいから)ももちが、嗣永さんが、握手にやってくるファンにやさしくなっていて。
ファンに対して「ぞんざい」でヲタに媚びない ”ももち” は、やっぱり嗣永さんが創り上げたキャラなのであって、私たちが「なんだか最近、ももちがやさしいね」と思った、そっちの ももち こそが、本当の嗣永さんだったのかなと、そんな風にも思ったりするんですよね。
*****
そんな「会社への貢献度が違うから」、異例なことに個人でプレミアム指定されちゃった嗣永桃子プレミアム、3月26日の昼公演として開催です。
上述したようなことを思っているせいかどうか、このプレミアム指定のライブに挑むにあたって、嗣永桃子さんが設定したモードは、どうやら「やりたい放題の傍若無人」というものらしく。
やりたい放題の嗣永桃子プレミアム
ステージに登場して、いきなり客席を煽ってみては「朝早いからって、声出てないぞ!」と厳しめのコメントをファンに突きつけます(26日昼公演は10時開場の11時開演だった)。これも、実は前日のモーニングのプレミアムでのカントリーパートでも、この後の℃-ute プレミアムのカントリーパートでも、微妙にセリフを変えては「声出てないぞ!」的な煽りを一貫して入れていたからには、やっぱり、客席を煽る ももち が嗣永さんによって設定されていたことは明らかで。
他にも『愛おしくってごめんね』のセリフ部分(かつて島村嬉唄さんが会場を熱狂の坩堝に叩き込んだ、あのセリフ)など、これまでは「ももち先輩」として、その都度、ふさわしかるべき後輩に敢えて譲ってきた「見せ場」を、今回だけは「ももち」が独り占めしようとするところも多々ありました。『愛おしくってごめんね』のセリフ部分なんか、さあ、いよいよそのセリフってところで息を吸い込んで準備していた後輩を突き飛ばしてまで、自分が前に出て奪い取ってましたからね。
その他、曲中の見せ場も、お楽しみの抽選会も、MC中も、これまで「後輩を導く立場」として遠慮していたのが、敢えての解禁というか、傍若無人設定にするにしても、若干、パラメータの値が荒めなんじゃないのか嗣永さん!と言いたいくらいで。
そして、カントリー・ガールズのももち先輩としては、上述のとおり「やりたい放題」設定で押し通す一方、後半の Buono! 嗣永桃子としてはボーカリストにして客席を魅了するアーティストとして、こっちも一本筋の通った【演じ切る】様を見せてくれて、その意味で、本当に、まさしく【嗣永桃子プレミアム】であり、まじめに【ももち がやりたいだけやり切った】公演でした。
そんな公演のセトリに即した内容は以下の通り。
オープニング 嗣永桃子 → カントリー・ガールズ
02.ピーナッツバター ジェリーラブ
03.Good Boy Bad Girl
04.愛おしくってごめんね
嗣永さんが一人で登場してきて『世の中薔薇色』のイントロが流れた時には、幕張が響めきました。しばらく嗣永さんの一人舞台でライブが続くのかと思いきや、曲の途中からカントリー・ガールズのメンバーが登場してきて、嗣永さんに合流します。カントリー・ガールズによる『世の中薔薇色』、ちょっと、いきなり冒頭から胸に迫るものがありました。
続けてカントリー・ガールズとしての新曲を順調に披露して、そして、今やカントリー・ガールズの記念碑ともなった『愛おしくってごめんね』を。
先に述べたとおり、おいしいセリフを、後輩を押しのけてまで言い切った嗣永桃子さんです。ですけど、この場面、いつもならば「ももち先輩の手の平の上」で自在に転がされていた後輩たちが、今回に限っては、傍若無人にセンターに飛び出る嗣永さんを、周囲から囲むようにしてフォローしているというか、いつもと逆に、敢えて後景に退いて先輩の見せ場を盛り上げているというか、そういう構図が見えて、あたかもステージでの恩をステージで返しているみたいなところがあって、なんだか こうして「ももち先輩」を盛り立てようとする後輩たちに、言葉にならない「ありがたさ」を感じたりもして。(ごめんなさい、やっぱり上手に言葉になりませんね)
研修生
続いて研修生パート。研修生はメインステージから動きません。
それでも、今般は、会場の前後に設置されたスクリーンに映し出されるリアルタイムの映像が、編集というか切り替えというか、単純に歌割りに応じて歌ってるメンバーを抜くだけに留まらず、ステージ斜めから全体のパフォーマンスが見やすいような構図で俯瞰した映像にスイッチしたりとか実に巧妙でした。ずっと後ろで見ていても、今期のひなフェスは満足度が高かったのではないかと。
つばきファクトリー
07.キャベツ白書~春編~
結局、小野田さんの復活は叶わず。
つばきファクトリーは、この日のライブでは新曲から『初恋サンライズ』を。
投稿者は個人的に、つばきの新曲では『うるわしのカメリア』がお気に入りなんですけど、それでも『初恋サンライズ』はアガりますね。つばき専任のヲタでなくとも、この曲と、曲中のサンライズ・ジャンプは、全方位的に好評なのではないかと。
ハロプロの各ユニットは、それぞれ独特の味を熟成させつつ、それでもいろんな側面でベリキューの背中を見てきたところが顕わになっていると思うところがあります。(Berryz工房のコミカルさを敢えて演じて前に出すところや、℃-ute のガチすぎるステージパフォーマンスの疾走感といった)それぞれの味は、Berryz工房と℃-ute が、そうしたオリジナルなテイストを醸し始めた初期の頃には、ほんとにBerryz工房に独特で、ただ ℃-ute だけに固有の、「それぞれの味」としか言いようがなかった個性でしたけれども、ベリキューに憧れ、ベリキューに帯同し、ベリキューの背中を見てきたからか、Berryz工房の、℃-ute の、それぞれにアレンジされた味が、今や、多くのハロプロ各ユニットに滲みているかのように、少しずつ濃度を変えて継承されているようにも思います。んでもって、つばきファクトリーにも、その意図せぬ自由さから飛び出すコミカルさという点で、色濃く Berryz工房を継いでいると見ていると、過去の別記事にても表明したとおり。
ですけど、それ以上に。
そのように多くのユニットが、意図せずしてベリキューの衣鉢を継ぐ一方、色濃く Berryz工房の色をその身に宿しながら、つばきファクトリーって、一番に、モーニング娘。っぽくありませんか。ってか、言ってみれば、丸ごと「ハロプロらしい」というか。
この『初恋サンライズ』において、つばきファクトリーのモーニングっぽさやハロプロらしさが一番に感じられるのではないかなと。
ええ、つばきファクトリーを推しています。
SATOYAMA イベントの物販ブース降臨では、小片リサさんからチラシをたくさんもらってきました。
かみいしなか かな
研修生がメインステージから動かない一方、「かみいしなか かな」(上國料萌衣(アンジュルム)、石田亜佑美(モーニング娘。’17)、中島早貴(℃-ute)、金澤朋子(Juice=Juice) )は、第一サブステージから動きません。
激しくステージを移動して大きく客席を煽るノリノリの楽曲も良いけれど、この『ふるさとの夢』のように、落ち着いて、ゆっくり聴いていられる楽曲も良いですよね。
全部の公演で、セトリの構成上、つばきの『キャベツ白書~春編~』があっての、会場に心の準備をさせておいての、この『ふるさとの夢』という流れ、ずるいです。卑怯です。
こぶしファクトリー
10.GO TO THE TOP!!
こぶしファクトリーは昨秋発売のアルバム『辛夷其ノ壱』収録曲から2曲。
直近のハロコンで『辛夷の花』のパフォーマンスに感動してしまった投稿者ですが、そのアルバムの MV 撮影時から超速の進歩を遂げているメンバーたちに、若いからこそ、短い時間で急速な伸びを見せるメンバーたちに、ぶっちゃけ涙がとまりません。いや、ほんまに。
ネットで MV の映像だけで判断しないで欲しいと心から思います。こぶしのみんなは、MV の撮影段階から、すでに長足の進歩を遂げています。頼むから、どこかの現場で、リアルで見てくれと。
ってかさ、『辛夷其ノ壱』は名曲揃いすぎるでしょ、いくらなんでも。ずるいです。
Juice=Juice
12.Wonderful World
よく、武道館は通常のホールと音の響き方が違うから、リハーサルも勝手が違っていて、ステージに慣れてる先輩たちも戸惑うことが多いのだとか。
この幕張メッセ国際展示場のステージでは、メンバーの口から聞えてくる音声と、会場の音楽に合わせてマイクを通してスピーカーから聞えてくるメンバーの発話と間に、はっきりわかるくらいのタイムラグがあって、びっくりでした。なるほど、イヤモニって大事なんだなとわかる場面だったんですが、この公演の Juice パート、イヤモニの調子が悪かったらしく盛んに耳に手をやってアピールする宮本佳林ちゃん、スピーカーからの音声に自分の歌声が大きく遅れてしまいます。しかし、音楽に自分の声が遅れてしまっていながら、それでも立て直した佳林ちゃんは見事でした。そして、遅れてしまった佳林ちゃんに、ちゃんと合せてきた次の歌割りパートの金澤さん、実に見事でした!
佳林ちゃんと金澤さんのこの一連の対応は、それだけで胸が熱くなるレベルの見事なプロの技でした。
そんなところへ持ってきて、『Wonderful World』で高木紗友希さんの斉唱が降ってくるんですから、そりゃ卑怯ってもんです。
アンジュルム
14.ドンデンガエシ
アンジュルムは定番のラインナップにて。
『次々続々』で、加工された音声でカウントダウンがBGMに重ねて間奏で入ってくるじゃないですか。金属的な響きのカウントダウン挿入時にメンバーが思い思いに取っている姿勢が、その加工されたカウントダウン音声が「すりー、つー、わん」と、メンバーの肉声に重なる流れで、思い思いに取っていた姿勢が、定められた3人×3人のフォームに収斂していくところは、背筋にゾクゾクっと駆け上がるものがありますね。『次々続々』だけに。
ってか、アンジュルム、カッコ良くて困りますよね。これ以上、現場を増やすと実生活で破綻しますから。
モーニング
16.BRAND NEW MORNING
もはや加賀楓さんが両腕で象る『ジェラシージェラシー』の波動曲線に夢中です。どうやったら、あんなに綺麗なサインカーブが描けるんだろう。
さて、26日の昼公演は「嗣永桃子プレミアム」ということで、最初っから異様にテンションが高いリーダー譜久村さん。
昨日のレポでは、グループのパフォーマンスを支えてると指摘して、あたかも、かつての新垣里沙さんを見ているようだと形容しましたが、いきなりテンションだけ高くて、周囲のメンバーが止めに入る様子は、むしろ高橋愛さんのようで、この意味でも、9代目は、6代目と7代目を正しく継いでいます。単独のツアーで、いろんな楽曲で、めちゃくちゃ切ない表情をして見せてくれて、ちゃんと8代目からもバトンを継いでいますから、もしかして譜久村さん、モーニング娘。のリーダーの歴代の特徴を煮詰めてあるのかも。
℃-ute
18.アダムとイブのジレンマ
この最後となるひなフェスの舞台で、敢えての『アダムとイブのジレンマ』押しは、何か意味があるんでしょうか、℃-ute のみなさん。
楽曲合間の MC 終わりから次の曲のイントロが流れてくる場面で、なにやらメンバーにアイコンタクトしながら、マイクを通さずに「ありがとう」とか言って謝ってる風の舞美ちゃん、何があったのかさっぱりわからないけれど、℃-ute が通常運転だということだけはわかって、安心できますよね。
Buono! が控えているから、「だって(裏に)居るんだよ!」と、夏焼雅さんが楽屋に居ることに刺激されたテンションを持て余し気味な岡井千聖さん、よく見た後景だけど、℃-ute が通常運転だということだけはわかって、安心できますよね。
ハロプロ オールキャスト
ハロプロ全ユニット総出演でお送りされる『桜ナイトフィーバー』は、第一サブステージから第二サブステージへかけての会場中盤をぐるりと取り囲む大回廊に、全メンバーが散開しての大合唱。この構図だけで、たいへん結構な冥土の土産になるところ、曲が収束に向うや、全メンバーがメインステージに集合していくんですが、その楽曲の収束とフォーメーションの集合のシンクロの様子も、なんだか見ているだけで心が弾んで。
ほんとに、ひなフェスの醍醐味です。
ソロ
しかし上國料萌衣さん、モーニングのオーディションに落ちてからアンジュルムのオーディションに応募してくるまで、研修生だったわけでもなく、正規メンバーとなるに先だってレッスンを積んでいたわけでもないのに、歌、美味すぎじゃないでしょうか。
物怖じしないステージ度胸だけじゃなく、その度胸を裏打ちする実力も備えてるとなると、率直に言って困りますよね。これ以上、現場を増やすと実生活で破綻しますから。
シャッフル
ナカジックスたいっ!!!(中島、佐々木、小川、浅倉、小野)
ここへ来て提唱してみる「なっきぃ 実は 後輩大好き説」。
あんだけ仲良しアピールが凄まじい ℃-ute のメンバーですら、会社の最寄り駅ですれ違ったら知らんぷりしちゃう重度の人見知ラーで、後輩が苦手であることでも有名な中島早貴さんですが、ほんとは後輩大好きなんじゃないかと。
ユニット「かみいしなか かな」の場合でも、このシャッフルユニットの場合でも、なんだか なっきぃ が嬉しそうにしてるっぽくって。なっきぃ が嬉しいと私も嬉しいので。
そして、つばきの浅倉樹々ちゃん、ほんまに逸材でした。ほんとにダンス経験がなくてハロプロに入ってきたのかと。
ももち関連曲カバー
23.恋泥棒 (by モーニング)
24.アジアン セレブレイション (by こぶし)
プレミアム指定の関連曲を他のユニットがカバーするパート。
『恋の呪縛』のイントロが流れてきたタイミングで、メインステージに大人びた仕草がシルエットからでもわかる5人の人影が現われたとき、ドキっとしたよね。どうしても参加できなかったメンバーを除いて、ついにあのグループが再結集したのかと。ま、℃-ute だったわけですが。
この「一瞬、ドキっとしたよね」とは、この公演が終わってからの SATOYAMA イベント会場遊弋時に、邂逅できたベリヲタ仲間と語り合って、みんな同じ気持ちだったと確かめ合えて、ひとまずは笑って、それから若干しんみりしたりなど。
そして『アジアン セレブレイション』などという、上手に歌えば極上のノリノリ曲だけど、その上手に歌うのがこれほど難しい曲もないという楽曲にあって、こぶしファクトリーが見せてくれたテンションには、そんなベリヲタとして拍手を。
嗣永桃子 プレミアム Buono!
26.ロッタラ ロッタラ
27.Co no mi chi
28.MY BOY
29.ワープ!
30.ありがとう!おとももち。(ハロプロ オールキャスト)
そして Buono! ですよ、みなさん。
この Buono! パートについては、言うべきことが後から後から溢れてきて止まらないのもご理解いただきたいところですが、そのまんま垂れ流しても誰も読んでくれないので非常な克己心を発揮して、重要な1点を除いて箇条書きで触れるだけに。
- Buono!の登場で幕張が響めいたことは記録しておきたい
- ステージに屹立する夏焼雅さんの【華やかさ】は世界が刮目すべき
「華やか」って言葉を丸めて人の形にしたら雅ちゃんになるよね
- 末っ子だった愛理さんがボーカリストとしての成長に自分でも自信を垣間見せるようになってか、現在の Buono! は、今こそ最強ユニットの名にふさわしい
- 『初恋サイダー』のイントロからの鉄板ぶりたるや
- 『ロッタラ ロッタラ』で、斉唱する愛理さんのバックで背中からピョンコピョンコ揺れてる肩をスクリーンに抜かれる夏焼さんの愛らしさ
- 『Co no mi chi』が示す、嗣永桃子の進む道。それが鮮明な今公演。
- 『MY BOY』における夏焼雅さんは世界を救うと思う。
- 5月の横浜アリーナが、心から、待ち遠しいよね。
いや、正直、5月に横アリって、いかに Buono! といえど、どうかと思わないではなかったけれど、Buono! はやっぱり Buono! でした。最高!
どれもこれも、以降数十行にわたって展開したいトピックながら、そこは私も大人なので我慢することにして、大事なことだけ最後に。『ありがとう!おとももち。』は誤記ではありません。曲紹介で嗣永さんがそう言っていたし、スクリーンに表示される歌詞には「おともだち」と表示されながらも、ハロプロの全メンバーが「おとももち」として歌っているし、これは『ありがとう!おとももち。』が正解です。
大事なことなので二回言います。『ありがとう!おとももち。』が正解です。
*****
Buono! での嗣永桃子さんは、世界を救えそうな雅ちゃんにも、自由に自分の持てる力を嬉しげに発揮して憚ることのない鈴木愛理さんにも、まったく負けていません。そのボーカリストとしての高音パートの伸びやかな発声も、「コンパクト」な肢体で、広い会場を縦横に駆け回って、複雑な場位置変換を過たずこなしていくことも。
そして何よりも、その美しさにおいても。
時に自ら泥を被ることも厭わず、ちゃんと空気を適切に読んで、「会社への貢献度が違うから」と自他共に認めるほどに、しっかりと「キャラ」を造って全体に貢献してきた、嗣永桃子さんは、本当は横顔がとても美しい。
握手の現場で、バスツアーのイベントで、ファンに厳しくヲタに媚びない「ももち」をやってくれていた女の子は、秘かに自分の進む道を定めてからは、ファンにも少しだけやさしくなったように、全体を活かすために、「ももち」として笑いに走ってくれていた女の子は、その横顔がとても端正です。
オープニングにはカントリー・ガールズとして、どこまでも「はっちゃけ」てくれて、ラストは Buono! として鉄板の楽曲を聴かせてくれて、ラストのラストを『ありがとう!おとももち。』で締めてくれた「嗣永桃子プレミアム」は、嗣永桃子が造ってきた世界を多面的に堪能できる、すばらしいステージでしたよ。
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