℃-ute、頂点を極めた圧巻のパフォーマンスで魅せたひなフェスのラストステージ

2017年3月26日、幕張メッセ 国際展示場1ホール(千葉)で、℃-uteがハロプロメンバー全員と立つステージとしてはラストとなる『Hello! Project ひなフェス 2017 ℃-uteプレミアム』が開催されました。

やっぱり奇跡の5人

叱られ覚悟で、って書くと「ちゃんと不穏な意見であることは認識してるんだから、叱らないでね」というエクスキューズに見えるようです。が、本気で叱られ覚悟で。

℃-ute は、自分たちの力量と自分たちの可能性を、ついに、自分たちで認められなかったのかな、と。℃-ute のことを一番に過小評価していたのは ℃-ute だったのかな、と。むしろ、その意味で、あれだけのパフォーマンスを示しながら、キッズから数えて15年も芸能の世界で生きながら、ついに ℃-ute は「普通の女の子のまま」だったのかもしれません。このあたり、そのビジュアルにあっても、そのスキルにあっても、頂点を狙えるだけのポテンシャルを秘めながら、自分たちの「つもり」として、どこまでも普通の女の子であったのかも知れないね、と。

投稿者がお叱り覚悟でこんなことを書かねばならぬほど、それほど、℃-ute が本気を出したステージは素晴らしいと、そういうことが言いたいわけです。

ライトアップされた汗の飛沫が後光のような 矢島舞美

昨年(2016年)も最後のシメのご挨拶でカントリー・ガールズを「カントリー娘」って言っちゃって嗣永ももち先輩から睨まれた舞美ちゃん、今年は、ラストのメンバー紹介でアンジュルムをまるごと言い忘れるという挙に出ます。さすが。

こうした様子を文字だけで書いちゃうと伝わらないけれど、やらかして「あっ!やっちゃった!」と、一瞬、首をすくめる舞美ちゃんと、もはや(内容によっては実害がないと判断して)突っ込むことすら放棄した「やれやれ」状態のメンバーたちって、ほんとに和みます。
大事なことは、舞美ちゃんがやらかすだけでは、この和みの味は出ないということ。やれやれって呆れてるのを表情で語る中島さん、横を向いてアヒル口風の表情でため息をついてる岡井さん、やたら面白がって傷口を広げようとする愛理さん、むしろ率先して舞美ちゃんを叱りにかかる舞ちゃんといった、メンバーからの「ほんとに、うちのリーダーが、すみません」的なリアクションまでがセットになって、天然全力娘の和みは完成します。
ということは、やがてこの「和み」も失われるのかと(← ごめんなさい!)

かくも「やらかし」ながらも、その人柄の良さが周知され「女神」とすら形容される舞美ちゃんです。
メンバーから厚く信頼されていて人柄の良さは微塵も疑えない、そんな舞美ちゃんだからこそ、そのリーダー矢島舞美の決断には、誰も反対できなかったんじゃないか…。
ファンに対して「慌ただしく取り繕った」印象さえ抱かせた、昨年夏の突然の解散アナウンスに照らしてみれば、一番に気持ちの揺れ動きを経験し、一番に思い切った決断に踏み出したのも、実は、舞美ちゃんなのではないかと。

……とか、投稿者は勝手に「忖度」(← 昨今、にわかに評判の悪い)していた次第。
率直にいえば、℃-ute の電撃的な解散の背景には、舞美ちゃんの気持ちの揺れが大きく影響していたんだろうと、そのように勝手に思っていたのでした。

でも、そんなことは、もはや、ほんとに、どーでだって良いですね。
この ℃-ute プレミアムのひなフェスにあって、舞美ちゃんの全身が、汗の飛沫で「後光が射している」かのようにライトアップされて、その「後光」を背負って、とびっきりの笑顔で、誰かと戦ってでもいるかのようなキレッキレのダンスでパフォーマンスする舞美ちゃんは、やっぱり輝かしいばかりに美しかったです。

言うまでもないことですけど、矢島舞美さんは、本当に美しい。

メンバーとの阿吽の呼吸による和みは失われても(いやだけども!)、6月12日以降も、矢島舞美さんの、ライトアップされてオーラのように輝く汗の飛沫をまとった神々しい美しさに接することができますように。

おちゃらけていてすらダンスが本物 中島早貴

中島さんについては、その素直な内心の動きがダイレクトに伝わって来ることや、健気すぎる愛らしさなど、これまでいくつかの記事で触れてきたので、ここでは別のことを。

ライブの現場で感動して、後日、自分が感動したライブの映像をブルーレイなんかで確認してみて、「あれえ?」って思うことはありませんか?
あんなにも凄まじかった現場の感動が、あんなにも心まで揺さぶられた空気の振動が、あんなにも可愛く美しかったメンバーのビジュアルが、液晶の向こうの映像作品では2割程度しか再現されていないことに、逆に驚きませんか。

で、このように、DVDなどに収められた映像作品では、リアルな現場のあれこれは、ほとんど再現されないということを前提に、以下。

℃-ute の DVD Magazine には、ライブのステージから楽屋に戻る場面で、ステージでテンションが上がっちゃってるもんだから、おちゃらけて、微妙にダンス風にステップ踏みながら楽屋に向かう様子なんがが(どれと指摘できないくらいたくさん)収められていたりします。
んで、この「おちゃらけて」楽屋に向かう姿であってすら、中島さんは、他のメンバーに比べて、ダンスの軸がぶれてないのに驚きます。ふざけて、軽く遊んでいる場面ですら、中島早貴さんは、正中線がブレずに、肢体のバランスが絶妙で、気合を抜いて「おちゃらけて」いてすら、ダンスとして見応えがあるんですよ。

さて、DVDなどの映像作品では、リアルの再現度は低いというのが、この段の前提でした。
もう、何が言いたいかおわかりですね。

生の現場で、リアルのステージで、迫真のダンスに邁進する中島早貴さんは、その身体の躍動感だけで、観る者を虜にします。すばらしいです。
ラジオなど、いろんな場面で、なっきぃ 本人は、あんまり自分のダンスに納得いってない様子だし、そんなところばっかり褒められても困るみたいな証言を残していますが、中島さんのダンスは、まことに凄まじく、端整で、実に見応えがあるのです。
こればっかりは、ほんとに、もったいない。
℃-ute が解散しちゃうってことが、じゃなくて、なっきぃ本人が、自分のダンスがどれほどのものかについて、微妙に過小評価してるっぽいのが、ほんとに、もったいない

名実ともにハロプロのエース 鈴木愛理

田中れいなさんのように高音の伸びが凄まじいボーカルでもなく、Berryz工房菅谷梨沙子さんのように魂まで揺さぶる重低音のボーカルでもなく、全音域にわたって心地よすぎるのが鈴木愛理さんのボーカルです。
高音の伸びだったり低音の迫力だったり、そうした「声の個性」があった方が、最初は目を惹くのかもしれないけれど、いつしか愛理さんのボーカルを心が求めてますよね。

キレッキレで舞踏のような舞美ちゃんのダンスに、パッキパキでドヤ顔を絶妙に入れてくる岡井さんや、目線を外して明後日の方を向いていながら急に客席に向かって笑いかける舞ちゃんの妖艶なステージングと、そして軸がブレない教科書のような中島早貴さんのダンスと、それぞれに特徴的な中にあって、愛理さんのダンスは上手に力を抜いて、ふんわりしています
キレだったりリズムだったりと、そうした「ダンスの個性」があった方が、最初は目を惹くのかもしれないけれど、いつしか愛理さんの、たおやかで、ゆるやかなダンスを心が求めてますよね。

言い方が難しいんですけど、全音域にわたって心地よい声量のある安定したボーカルに、上手に力を抜いた観る者の心を撫でるかのような「しっとり」としたダンスにと、鈴木愛理さんのパフォーマーとしての総合力は、やっぱり現在のハロプロのトップと言わざるを得ないところ。
多くの後輩が、「尊敬するのは ℃-ute の鈴木愛理さんです」と言うのも納得です。

その上で、モーニング プレミアムで『気まぐれプリンセス』をカバーしてお尻を強調するなど、謎の動きを、心から嬉しそうに披露する愛理さん。
かつては率先して「おふざけ」に走っても、加減がわからず、だから本来なら突っ込まれることによって落着すべきものであるはずの「ボケ」なのに、メンバーから突っ込まれるのを恐れているかのように、ボケばかりで畳み掛けることも多かったけれど、今では、あまりにも嬉しそうに楽しそうにボケるものだから、逆に周囲が突っ込めないくらいで(結局、ボケ倒すのは同じだったりして)。
もはや謎の挙動不審すら誰の追随も許さず、やっぱり現在のハロプロのトップと言わざるを得ないところ。

あなたがいてくれたから 岡井千聖

矢島舞美さんは真面目を絵に書いたようです。
今でも全力天然娘として空気を読まない舞美ちゃんは、時に幼いとすら感じさせる天真爛漫さにあふれていますが、それでも、かつてはリーダーとしての重圧を必要以上に感じていて、肩に力が入って、メンバーに厳しく当たったこともありました。

人見知りな なっきぃ は、かつては とっても泣き虫で、卓球選手権なんかの企画で勝負の途中に(負けが見えて)いきなり泣き出して、せっかくの企画を台無しにしかねないところもありました。今でも、やらかす舞美ちゃんを積極的にフォローに出ますが、ちょっと厳しめのリアクションが客席から飛んできたら、一瞬だけ固まったりしますもんね(すぐに立て直すけど)。

鈴木愛理さんは、ずっと小さい頃から他のメンバーよりも頭ひとつ抜きん出ていたから、かえって自分が推されていることや人気があることについて、他のメンバーに気兼ねするようなところもあって。だから、率先して「おちゃらけ」るんだけど、加減がわからずに、止めどころがわからずに、謎の挙動不審者となってしまっていたり。

末っ子だからという甘えもあるけれど、それでも、ちゃんと指摘すべきところは指摘すべきだと思うから、メンバー同士の絆は、少しくらいの「本音」ではビクともしないからと、そういう意図で、いろいろ突っ込んでくれる萩原舞さんは、適切な指摘と辛辣な毒舌の塩梅が、ちゃんと仕分けられなくて、時にキツイ物言いになっちゃったりして。

かつての ℃-ute では、このように、誰が悪いってわけじゃないけど、決定的に空気が悪くなりかねない危うい場面が多かった。
そのすべての場面を救ってきたのは岡井千聖さんでした。

辛辣な毒舌が飛び出してしまったら、その上を行く毒舌をかぶせて。
中島さんの泣き虫人見知りをネタにして。
舞美ちゃんに一番叱られたのは自分だと、笑いにまぎらせて。
謎のカッパに、堂々と「愛理、キモい!」と突っ込んで。
どうしていいかわからずに、空気を読めずに、企画を壊してしまいかねなかった危うい切所を、岡井さんが、いつも、必ず、救ってくれました

時に楽屋のノリが抜けないメンバーをあたかも叱っているようにしているところもあったけど、ちゃんとやらなきゃという使命感から、その場のスタッフさんの方を向いて、場を進行させていたのは、いつも、岡井さんでした。

そして『悲しきヘブン』の名を出すまでもなく、鈴木愛理に匹敵しかねないボーカリストとして、鈴木愛理とガチでバトれるボーカリストとして、岡井千聖さんが成長してきた頃から、℃-ute の躍進は加速しました

岡井千聖さん、あなたがいてくれたから、あなたが支えてくれたから、℃-ute は、ここまで走ってくることができました。岡井さん、あなたがいてくれたから

成長のプロセスを全部見せてくれた人生アイドル 萩原舞

舞ちゃんは成長しています。
身長が伸びて大人になっただけじゃなく、高音部の裏返りも少なくなってボーカルも安定してきました。身長が伸びてきたことから、舞美ちゃんや愛理さんとのステージ上でのバランスも、ますます見応えのあるものになってきました。

でも、舞ちゃんが成長したことは、萩原舞さん本人にとって以上に、℃-ute の4人とって大きかった。
末っ子で6歳でキッズに参加した舞ちゃんだから、ときにワガママで、ときに傍若無人でもあった一番の末っ子に、いったいどんな風に対応するのかってところを通して、他のメンバーの人柄が顕になる場面も多かったわけで、その意味で、末っ子舞ちゃんは、お姉さんメンバーを写す鏡でもありました。
そして、そんなお姉さんたちの鏡としての末っ子が成長して、もう舞ちゃんは大丈夫だと、むしろ、いざとなったら舞ちゃんがなんとかしてくれると、そんなふうにお姉さんたちが安心するところから、自由に伸び伸びと、お姉さんたちは自分の個性を伸ばすことができるようにもなりました。
私たちを魅了する℃-ute の愛らしさは、その少なからぬ部分が、舞ちゃんが成長してきたことによって前に出てきたものでもあります。その上で、繰り返し、身長も高くなってきて、舞美ちゃんや愛理さんとのステージ上でのバランスも、ますます見応えのあるものになっていました。

一番に、「これから」が期待されていたのに。(← ごめんなさい)

すんません、℃-ute について感傷的なことを書くのは、これで最後にします。

*****

と、このように、℃-ute の5人は、実に魅力的です。
矢島舞美さんと鈴木愛理さん、腰を抜かすほど美しいです。言葉では尽くせぬほど、矢島舞美さんと鈴木愛理さん、美しいです。中島早貴さんの可愛らしい健気さとパフォーマンスがいかにも均整がとれていて端正であることのギャップも。岡井千聖さんのドヤ顔のカッコよさと(ステージの緩急を読みきった上で本能的にタイミングを見計らっているかのように繰り出される)輝くような笑顔が自信に満ちていることも。萩原舞さんの目線を外す妖艶なステージングが安定してきていることも。
まことに、℃-ute の5人は魅力的です。

そして、冒頭で述べたように、かくも魅力的な個性が、あくまでも「普通に女の子」に宿ってしまったこと。そのことが、もしかしたら、一番の℃-ute の魅力の源だったのかも知れません

書いてて自分でも呆れないではないところですが、まことに、ステージでの ℃-ute のパフォーマンスを目の当たりにすればするほど、奇跡のような5人だとの思いは深まるばかり。

ひなフェス 2017 ℃-uteプレミアム

ハロプロ総出演の春のお祭り、26日の夜公演は、いよいよ満を持して ℃-ute の登場です。2日間にわたって繰り広げられたお祭りを締める「℃-ute プレミアム」、そのセトリに即した展開は、以下のとおり。

オープニング ℃-ute

01.The Curtain Rises
02.アダムとイブのジレンマ
03.愛ってもっと斬新

幕張メッセ国際展示場1ホールはかなり大きいので、先日のモーニング プレミアムだけでなく、アンジュルムだったり、こぶしファクトリーだったりと、人数多めのグループが会場を広く使って展開する様子がカッコ良かったりしたわけですが。
℃-ute は、わずか5人ながら、幕張メッセのライブ会場を少しも「広い」と感じさせないのは、さすがの一言。来る埼玉スーパーアリーナも、めちゃくちゃ期待できそうです。

遠目にセンターステージに登場していても、矢島舞美さんは、ほんとうに後光が射して見えるほど、周囲から浮き上がって見えます。美しい。
そして『愛ってもっと斬新』の細かいカクカクしたフリ付けも、こんなに広い国際展示場の向こうの方のステージで演じられていてすら、明瞭に動きがわかるのも、さすが ℃-ute.。

研修生

04.青春Beatは16

この日は丸の内の COTTON CLUB での道重さゆみさん再生公演もお休みだったから、そちらでは「きーちゃん」と呼ばれる堀江葵月さんも ひなフェスに参加。
研修生パートは、センターステージからの移動こそありませんが、投稿者が参加した限りで、公演毎に全部違った曲を実演。

すっかり事務所の手のひらの上なわけですが、つばきファクトリーを追って研修生発表会に通ううちに、すっかり研修生の顔と名前を覚えてしまって、これまで以上に「研修期間終了」に脅える日々です。みんな可愛いですもんね。

つばきファクトリー

05.初恋サンライズ
06.キャベツ白書~春編~

つばきファクトリーは『Just Try!』の衣装で登場。その露出も多く身体のラインも明瞭な衣装で、しかし、非常に健全で前向きでアップテンポな『初恋サンライズ』から、ゆっくりとした曲調でしっとりと聴かせる『キャベツ白書~春編~』まで歌ってくれて、一番に歴の浅いユニットであるというのに、この魅力的なフックの幅広さたるや、恐るべしハロプロの未来の担い手ってところです。

小片リサさん、リーダーの山岸理子ちゃんや将来の成長期待値込みでハロプロを背負いかねないダンサーになるであろう秋山眞緒さんと並んで、つばきでも屈指のダンサーでもあるんですけど、そこは運動オンチなだけあって、微妙に内股というか、足運びが微妙にぎこちないというか、可愛いですよね。
そして、幅広い つばきのレパートリーにあって、パフォーマンスが揃ってきている一番の貢献者は、ここへきて急速な成長を遂げている谷本安美ちゃん。
いや、ほんまに、つばきファクトリー、この先が楽しみです。

かみいしなか かな

07.ふるさとの夢

この「かみいしなか かな」というユニットにあって、やっぱり注目したいのは石田亜佑美さん。歌姫であることを今や隠そうともしない金澤朋子さんや、大先輩で、大きな舞台にも慣れっこな中島早貴さんや、舞台度胸の塊である上國料萌衣さんと並んでみると、ぶっちゃけ(ごめんなさいね)歌唱力という点で、若干見劣りする石田さんです。
この『ふるさとの夢』は、やさしい、落ち着いたバラードであってみれば、ダンスやパフォーマンスの気迫といった石田さんの強みを活かすのも難しいですから。
しかし、それでもしっかり3人の歌に追従してバランスを崩していないのは、さすがです。
このあたり、よーく聴いてみると、石田さんの歌声だけ少し震えているのがわかるから、石田さん、一生懸命、自分の喉と口蓋を調整しながら、3人の歌について行ってるんだなとわかって、だから、やっぱり注目したいのは石田亜佑美さんです。

こぶしファクトリー

08.急がば回れ
09.GO TO THE TOP!!

上にも述べたとおり、広い会場を縦横に使って、横一列展開のフォームがカッコ良いのがモーニング娘。’17。で、それに続くのが、実は、なんと、こぶしファクトリーです。
こぶしは、ライブハウスツアーを精力的に経験してきましたが、こういうところを見ちゃうと、大きなホールでライブすれば十分に映えるんじゃないかと思います。こぶし、カッコ良いです。

ライブツアーの運営経費の問題とか、なるべく内製化して自由度を確保する事務所の興行スタイルとか、いろいろと理由はあるんでしょうけど、武道館を成功させた Juice=Juice も、幅広い表現力を身につけつつある つばきファクトリーも、そして、いよいよステージの使い方がカッコ良くなってきた こぶしファクトリーも、ホールでライブをやらせてみてはくれないか、と。チケット買うから。いや、買わせてください。

楽曲の展開に合せてメインステージから2つのサブステージを早いペースで渡り歩くにあたって、別のステージに向って移動する際に、去ってゆくステージの周囲の客席に向って、きちんと手をふってご挨拶していたのは浜浦彩乃さん。
それ、好きになっちゃうから、困りますよね。

カントリー・ガールズ

10.ピーナッツバター ジェリーラブ
11.Good Boy Bad Girl

この ひなフェス(会場の構成については、モーニング プレミアムのレポ参照)では、あるグループがメインステージでパフォーマンスしていて、そろそろ終わりそうなタイミングで、次のグループがサブステージ下にひかえてるのが見えるんですね。
サブステージ下にひかえている時も、背の高いメンバーは、けっこう丸っと ”そこにいる” のが(客席のサブステージ最前列じゃなくとも)見えているんですけど、この点で、やっぱり小さい子がそろってるんだなとわかるのがカントリー・ガールズです。

曲の合間の移動時に、「ひな?」「フェス!」とのコール&レスポンスの煽りを入れるのは、もうお馴染みですが、公演を重ねるにつれ、船木結さんの大阪のオバチャン度が昂進しているような。

Juice=Juice

12.地団駄ダンス
13.Wonderful World

整った顔立ちながら、はっちゃけ娘でお子ちゃまで、だから美人なのに、どこか幼い感じを残していた植村あかりさん、この ひなフェスでは、デコ出しです。ところが、それが逆に顔立ちの整ったところが強調されて、かえって大人っぽいくらい。

このことが目立ったのこそ植村あかりさんでしたけども、なんだか Juice=Juice の5人は、歌唱力の成長だけじゃなく、急速に大人っぽくなっているような気がします。℃-ute が去って行ったなら、実は一番のお姉さんグループになるってことを自覚しているように。

この公演は ℃-ute プレミアムですが、そのプレミアム指定のグループの、その疾走感あふれるパフォーマンスのテイストを一番に継ぐのは Juice=Juice だと、もしかしたら、そう宣言したのが、今期のひなフェスなのかもしれません(後述)。
いや、ごめんなさい、先走りました。だったら良いな、と。

アンジュルム

14.次々続々
15.ドンデンガエシ

一部に、ハロプロのユニットを RPG のパーティーで喩えて、誰それは剣士だよね、誰々は魔法使いだね、あの子は回復役だとか見立てて遊んでるファンの方々がいるじゃないですか。投稿者としては、佐藤優樹さんが(賢者へのポテンシャルを秘めた)遊び人であることは断固として譲りたくないわけですが。

んで、そうした見立てを続けると、他のユニットが、比較的バランス良く攻守取りそろえて汎用的に投入できるパーティー構成になっている一方、アンジュルムって戦士ばっかりだと思いませんか。勝田里奈さんすら、歯に衣着せぬズバズバ毒吐き娘であることから、戦士っぽいですし、その上、この『次々続々』『ドンデンガエシ』という楽曲が、アンジュルムの戦士っぽさを際立たせる楽曲でもあって。
それを踏まえるなら、明日のアンジュルムを担うのは竹内朱莉さんなのか、佐々木莉佳子さんなのか。より戦士っぽいってことで、投稿者は佐々木莉佳子さんに一票。

モーニング

16.ジェラシージェラシー
17.BRAND NEW MORNING

楽曲の合間の MC で、牧野らぶりん真莉愛さんが「ぺこりんちょ」なる技を披露。
どうやら謝っているらしいのです。
「やるのはかまわないけど、私たちは、それをどう扱えば良いのか」「突っ込めば良いのか、無視すれば良いのか」と、そうお怒りなのは、石田亜佑美さん。

でも、牧野真莉愛さんがラブリンな語録をぶっ込んで、微妙な空気にしてしまっても、それを叱るという形でフォローしてくれたのがは、いつも石田さんでした。
牧野真莉愛さんがラブリンな発言をしても特に微妙な空気にならずに、案外ラブリン真莉愛さんが受け入れられて、その場が円滑に進捗していても、そこに敢えてフォローを入れるくらいに(参考:ハロプロ Dマガ Vol.52 で、まことさんと真莉愛さんの絡みに「それでもヤリ切る真莉愛は偉い」とフォローしようとして、ナチュラルにスルーされる石田さん)。石田さん、後輩思いですよね。

ハロプロ オールキャスト

18.桜ナイトフィーバー

KANさんオリジナルの『桜ナイトフィーバー』は、実は、微妙に物悲しい曲でもありました。それが、こぶしファクトリーがカバーして、一転して、明るすぎるほど明るい曲になったと評されているやに見ています。しかし、どうでしょうか。

この曲の披露にあたっては、ひなフェスに参加している全ハロプロメンバーが一斉にステージに登場し、ある者はメインステージに、ある者はサブステージに、さらにある者はサブステージ間をつなぐ回廊にと展開し、全員でこの曲を斉唱します。
で、曲の終幕に合せて、会場全体に展開していたハロプロ全メンバーが、ゆっくりとメインステージへと集まり、次の演目を紹介する MC 担当者を残して、静かに去っていきます。
それは、楽曲の調子が明るければそれだけ、かえって物悲しさが際立つのかな、と。

ソロ

19.春 ビューティフル エブリディ 横山玲奈

こういうことがあるから、ハロプロは止められませんよね。
そんなにこちらの思い入れが積み重なっているわけでもない横山ちゃんなのに。

どうして横山ちゃんがこの曲をソロで歌おうと思ったのか、それが明らかにされてるインタビュー記事とか、どこかにないでしょうか(どなたか教えてください)。
2010年の秋ツアーである『ライバルサバイバル』での亀井絵里さんのことを、13期の横山玲奈さんは、どこまで知っていたのでしょうか。

そして「こういうことがあるから、ハロプロは止められません」ってのは、横山ちゃんのことだけではなく。
いかに印象深かったとはいえ、2007年のアルバム(『SEXY 8 BEAT』)収録曲であり、そのアルバムには他にも印象的な曲が多いというのに、『春 ビューティフル エブリディ』というと、2010年ライバルサバイバルでの亀井さんを想起しちゃうのは、どうしてなのかと。そして、改めて、この横山玲奈さんソロ曲のイントロで、幕張がどよめいたことから、それが投稿者だけではないということもわかったりして。
こういうことがあるから、ハロプロは止められません。

シャッフル

20.C/C(シンデレラ/コンプレックス)
Hagi-King(萩原、羽賀、加賀、和田彩、浜浦)

加賀楓さんと浜浦彩乃さんが、すばらしかった。
オリジナルの High-King 云々以上に、今、2017年のひなフェスのステージで、堂々パフォーマンスする姿として、加賀楓さんと浜浦彩乃さんが、すばらしかった。

今後、こういった「ひなフェス」といった機会以外でも、どんどんシャッフルユニットを造ってみても良いんじゃないかと思えるくらい、加賀楓さんと浜浦彩乃さんが、すばらしかったです。

℃-ute カバー

21.大きな愛でもてなして (by カントリー)
22.The Power (by アンジュルム)
23.Kiss me 愛してる (by Juice)

℃-ute の可愛らしいテイストを、同じく可愛さで押すカントリー・ガールズが『大きな愛でもてなして』でカバーします。そして、℃-ute の重厚なカッコ良さを、やっぱり重厚なカッコ良さを売るアンジュルムが『The Power』でカバーします。

しかして、℃-ute の『Kiss me 愛してる』をカバーするのは、 Juice=Juice。
投稿者はかつて、この『Kiss me 愛してる』について、こんな風に記事にしたことがあります。

『Kiss me 愛してる』といえば、楽曲のリリースタイミングとしても、上述の低迷期をようやく脱するかという時期のリリースでもあり、多くのライブのセトリ構成としても、これから後半戦の大盛り上がりの開始を告げる一曲でもあり、いわば ℃-ute にとって「さあ、これから!」というタイミングを知らせるきっかけの曲。
エンタメアライブ:コラム ℃-ute 第三章の胎動 ~℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』中間報告~より

そんな『Kiss me 愛してる』を Juice=Juice がカバーするとは、投稿者も別の記事で述べたとおり、℃-ute のテイスト、そのガチなパフォーマンスの疾走感をこそ継承するのは正式に Juice=Juice であるってことで良いんでしょうか?
そうであるなら、どんなにか嬉しいことかと。
いや、ごめんなさい、先走りました。だったら良いな、と。

℃-ute プレミアム

24.Midnight Temptation
25.The Middle Management~女性中間管理職~
26.ファイナルスコール
27.誰にも内緒の恋しているの
28.Danceでバコーン!
29.嵐を起こすんだ Exciting Fight!
30.情熱エクスタシー
31.To Tomorrow (ハロプロ オールキャスト)

℃-ute プレミアムでは、新曲を織り交ぜながらの℃-ute 曲の披露なんですが、その1発目に『Midnight Temptation』を持ってくるのは、何か意図があるんでしょうか。
最高でした。間奏のベースから旋律は鳥肌ですよね。

そして『The Middle Management~女性中間管理職~』は、改めて、年齢を重ねて、しかしその背中で後輩に語る、今の℃-ute が置かれた立場を如実に物語っていることに驚きます。

℃-ute 定番の曲から新曲までいろいろ取り混ぜて進行するプレミアムパートですが、ひなフェスのステージだから、岡井さんが言うように、必ずしも℃-ute のファンばかりがいるわけでもないのに『情熱エクスタシー』では、かなりの数のファンが、ペンライトを2本使っての「X」を象っていて。

今回のプレミアムでは選ばれなかった鉄板曲も、きっと埼玉スーパーアリーナに向けて、アップしていることでしょうね。

*****

ほんとのオーラス、最後は、新曲の『To Tomorrow』を、ハロプロオールキャストで。

その『To Tomorrow』のエンディング、℃-ute の5人はメインステージにいて、他のハロプロのメンバーは、サブステージと回廊に展開しています。
で、曲終わりに、いつもならば、どのメンバーも、それぞれ自分が位置取ったステージ近辺の客席へと、手をふり視線を投げて「ありがとうございましたあ」とか、ご挨拶しながらステージを後にしていくわけですが、今回に限っては、そうではなくて。
すべてのハロプロメンバーは、曲終わりのタイミングで自分が位置した場所から動かずに(客席には目もくれずに)、メインステージに陣取る ℃-ute の5人をずっと見つめているんです。先輩の、近年のハロプロを牽引してくれた偉大な先輩の、その輝かしい姿を、一緒に立てる最後のステージのラストに眼に焼き付けるかのように。
実にすばらしい場面でした。

もちろん、客席の私たちも、近くに位置取るハロメンから目線が来なかったとか不満を感じることもなく、後輩たちが見つめる先の ℃-ute の5人を、輝かしいばかりの ℃-ute の5人を、まばたきすら惜しんで見つめる後輩たちの姿を、やっぱり眼に焼き付けたのでした。

この会場全体に展開した後輩たちが全員、℃-ute の5人を見つめて屹立している構図は、短くないヲタ歴の中でも屈指の名シーンとなりました。

輝く5人をすべての後輩が目に焼き付けた、一緒に立てるラストのステージ。
2017年のひなフェスのラストは、ハロプロ総出演のお祭の大団円に相応しい、すばらしい歴史的な場面をもって幕を閉じました。

(文=kogonil)

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