須藤茉麻出演 『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』観覧レポ ~豹変する茉麻 ビジュアルも演技もまさに別人~

はじめに

座間や伊勢原は駅から遠いけど、大江戸線は深いよね。

というのも、須藤茉麻さんが出演している『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』を観覧するため大江戸線に乗ったからでございます。
以前、「BZS1422」でだったか、徳永千奈美さんが、時間通りに到着してるのに、駅から出るのに時間がかかって遅刻するとか言ってましたけども、まさに、おしゃるとおり。

『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』は、Zepp ブルーシアター六本木にて。おそらくは千奈美ちゃんが出るのに時間がかかったと嘆いた駅のお隣の「麻布十番」から徒歩で5分ほど。

投稿者は12月4日の公演を観覧。実は上演日程中にもう一枚チケットを確保しているけれど、劇場で当日券が出てるので、茉麻ファンやBerryzファンでスルーしていた方にお知らせするため取り急ぎレポに及んでいるという次第。
この舞台のお話の然らしめるところ、登場人物が順番に死んでいって、キャラクターによっては開演早々に出番が終わってしまうこともあるわけですが、茉麻は比較的終盤まで登場します(終盤、すべての謎解きにあたって全員再登場しますけれども:ネタバレにあらず)。
そういうわけで、茉麻目当てであっても十分楽しめること請け合いというわけです。

舞台女優 須藤茉麻

須藤茉麻さんは、Berryz工房が活動を停止してから、順調に舞台女優としてのキャリアを歩んでいるようです。
3月にBerryz工房としての最後のステージを終えて早々の4月には、池袋のシアターグリーンにて『Week End Survivor』に、6月には池袋のサンシャイン劇場にて『TRIANGLE ‐トライアングル‐』に、8月には北千住のシアター1010にて『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』に、10月にはシアターグリーンにて、『サンクユーベリーベリー』に出演しています。それに続けて2015年の5本めとなるお芝居が、この『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』。
いかにも順調…というふうに見えるのはファンの贔屓目ですかね。

『Week End Survivor』では、こぶしファクトリーのメンバーと共演し、舞台全体の狂言回し的な役を勤め上げると同時に、経験の浅い後輩たちをしっかりとサポートしていました。『TRIANGLE ‐トライアングル‐』では、脇役に徹して、メインどころのモーニング娘。メンバーの押し出しを側面からサポート。良い感じのコミカルさを引き受け、舞台全体の大成功に貢献しています。『サンクユーベリーベリー』では演出家としても大活躍したとのこと。つばきファクトリーメンバーからもブログなどで感謝の言葉が今にいたるも届けられ、多くのファンの涙腺を痛めつけたことでも話題になった舞台を、陰に日向にと、創り上げていたようです。

これらの舞台では、ハロー!プロジェクトの後輩たちとの共演で、ときにみずからの存在感を抑え、後輩たちの演技を側面からサポートしていた姿が印象的です。
一方、『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』では、ハローの傘の下から飛び出て本職の舞台俳優さんたちに混じっての、いわばアウェイ。しかし、その演技は、「アイドル」だったころからの、その主張の強いビジュアルとも相俟って、大きな印象を残していました。
今般の『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』は、『刻め~』に続く、ガチ舞台女優としてのお仕事第二弾というところ。

『スーパーダンガンロンパ2』そのものは、オリジナルはゲームソフトとして発売され、その後、Webラジオでのラジオドラマとしても提供。物販で入手してきたパンフレットによれば『スーパーダンガンロンパ3』のプロジェクトも始動しているとか。

そうした事情からか、この『スーパーダンガンロンパ』という演目それ自体のファンも多いようですし、共演者の方々も、舞台にテレビにモデルにと様々に活躍されているところから、個々の演者のファンの方もそれぞれに駆けつけているらしく、『刻め~』のときには劇場のそこここで目にすることができた(顔だけ知ってる)ベリヲタも、今回は比較的鳴りを潜めた感じでもあり、ハローの傘の下から飛び出たのは茉麻だけではなかった模様で、茉麻を追っかけてきた投稿者もまた、慣れぬ会場の様子に変に戸惑った次第。

でも、慣れぬファンの作法に戸惑いこそしたけれど、それでこそ須藤茉麻が本格的なキャリアを積んでいる証左のような気もして、なんだか嬉しくもあったのでした。

腰を抜かした茉麻のビジュアル

さて、そんな舞台については、筋立てもシチュエーションも、やっぱりネタバレはNGと思うので、具体的には触れないことにして。それから、お話そのものについては、わりと言いたいこと…というか謎な部分が多く残ったりもしたのだけれど、上述のように、どうやらこの舞台単体で成り立っているわけではなく、いろんな周辺情報込みで一つの世界が出来ているものらしく、須藤茉麻を追っかけてきた一見(いちげん)の客としての私は、「ダンガンロンパの世界」の常識をあれこれ踏まえていない可能性が高いので、そこらへんはスルーするとして。

それでも冒頭、主人公と主人公格の演者がシチュエーション説明のセリフの中で、自己紹介を兼ねて握手する場面では、演者の二の腕の筋肉が(握手してるだけなのに)モリっと盛り上がってものすごく、鍛えてるなあと感じ入った次第。
あるいは、いわゆる中二病を拗らせまくったようなキャラが登場するのだけれど、謎のJOJO立ち(※1)を崩さず、舞台中盤の大立ち回りにあたっても、それを維持しきっているところは見事でしたし、さらには早々に退場する豊富な皮下脂肪を誇る演者さんなども、その恵まれた脂肪にもかかわらず、段差のあるステージを軽やかに自在に動き回っていたのは刮目です。

いや、総じて、演者のみなさん「鍛えてるなあ」と感嘆した次第。
他にも、物販で購入したパンフレットによれば、メインの活動分野がモデルさんだという演者さんもいて、しかるに舞台では、ムッキムキなふくらはぎも顕わに格闘シーンに挑んでおり、舞台で必要な筋肉や体力と、モデルで必要なスラリとしたスタイルとを、いったいどんな日頃の節制で両立させているものかと驚いた次第。

さらに、この舞台はゆうに3時間越えの長丁場。途中一回短い休憩をはさんで、前半と後半に別れて演じられますが、休憩終了後でも、全然それまでのテンションが弛まずに舞台が進行するのは見事です。

「俳優」という職業についても、テレビでよく顔を見る俳優だったり、昔から活躍していることを知っている俳優以外の演者については、基本「誰だよ?」といった対応をしがちなところがあります(私だけ?)。
それでも、上述のようなことから、そのパフォーマンス(演技)を見ているうちに、やがて感心し、感嘆し、終幕では惜しみなく拍手してしまうのが常です。今日も拍手しすぎて手のひらが痛いです。
よく知らない他分野をのぞきに行って、改めて、自分が知らないところで日々研鑽を積んでいる人々が懸命にがんばっているということを、都度、新しく知らされるのも、これまた新鮮な体験でした。いや、世界は広いですよね。(※2)

  1. モーニング飯窪さんご推薦の『JOJOの奇妙な冒険』という漫画のキャラが、そろいもそろって歌舞伎の見得のような独特な立ち姿でコマ割りされているところから名付けられた、立ちポーズのこと。
  2. 一方、そうした見方を、ステージへ向けるリスペクトを、教えてくれたのはハロプロであったわけですが。

上に述べたように、演目の「世界」のファンあり、それぞれの演者さんのファンありと、それぞれにお目当てのものがあって劇場に足を運んでいるわけです。そこで(それまで知らなかった)須藤茉麻に接して、そこから茉麻だったり、Berryz工房だったり、ハロプロだったりを初めて知って、そこから興味を持って、やがてハロプロを愛してくれるようになる…という人も出てくるのかもしれませんね。
投稿者が、須藤茉麻を目当てに劇場に足を運んで、そこで初めて知った「舞台俳優」さんの演技と体術に驚かされるように。

そんな、将来のハロヲタ獲得の重責を担う、我らが須藤茉麻。
何よりもそのビジュアルに仰天です。

当初、この『スーパーダンガンロンパ2』に出演することが最初に告知された際の宣材写真(上にリンクした画像参照)に多くのベリヲタが歓喜したことも記憶に新しい茉麻のビジュアルです。しかし、そこで喜ぶのはまだ初心なヲタであって、宣材写真であるからにはプロの画像加工技術が加わっているのではないかと、一旦保留していた投稿者です。

…たいへん失礼しました。
いや、今般の舞台における須藤茉麻は、そこらの画像加工技術など吹き飛ばすような、とんでもない美しさ。

この辺り、非常に言葉の選択が難しいというか説明も困難なんですが、元々キッズからBerryz工房の中盤までは、目鼻立ちのパーツの主張も強く、第一に「美人」として印象に残っていたのが茉麻でした。えーっと、あの 2012年の『cha cha SING』 の頃の復活を、大幅にレベルアップして再現した感じと言えば、伝わるでしょうか?
とにかく、茉麻、びっくりするくらい美しかったです。
共演者さんたちに負けていないどころか、おそらく(私が茉麻のファンだということを念頭に、私が受けた印象を7割ほど差し引いたとしても)舞台『スーパーダンガンロンパ2』における一番のビジュアル・クイーンは須藤茉麻その人だろうと言えるくらいには。

パンフレットとは別売りの公式ビジュアルブックの茉麻を、スキャンしてここにアップしたいくらいです。いや、ちょっと、ほんとにびっくりしますよ。そう、茉麻ファンの方は、本気で、この公式ビジュアルブックだけでも、入手する価値があります
いや、先に共演者さんたちから受けた「鍛えてるなあ」という印象を当てはめるなら、さすが、須藤茉麻、プロフェッショナルです。ほんまに。

すばらしかった茉麻の演技

そしてもちろん、そのプロフェッショナルな様子は、ビジュアルだけではありません。

すでに、原作のファンからも、須藤茉麻の演技は「適切であった」と、「はまり役である」と絶讃されているやにも聞えてきます。
先にもスルーすると述べたとおり、この原作のテイストに合致しているのかどうか、それは投稿者にはわかりません。でも、原作を知らずとも、茉麻の演技は鳥肌ものでした。

この舞台で茉麻が勤めるキャラクターは「超高校生級の保健委員」という役どころ(※3)。他の登場人物に比べても、控えめで、ちょっとオドオドしていて、促されないと自分の意見もあんまり積極的には言わないような、ひっこみがちの性格です。

こうしたキャラクターを、普通にしていれば女子としてはそれなりに大きい茉麻は(※4)、ずっと猫背気味で首をすくめながら演じています。

そして、声もまたすばらしい。
たとえば、ベリヲタの中には、Berryz工房DVDマガジン Vol.40 の「アイドル力 テスト」企画をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。Berryz工房のメンバーが一人ずつ、他の6人のメンバーが審査員となって、アイドルとしての力量を試されるという、あの企画。とにかくケラケラ笑ってた雅ちゃんが可愛くて、男前な「ゆるしてニャン」千奈美ヴァージョンが誕生し、熊井ちゃんの激しいダンス(しかも間違えてる)も話題になった、あのベリのDマガ Vol.40。
そこで審査される茉麻が、ずっと「可愛らしいアイドルっぽい声」を出していたのを覚えておられるでしょうか。

今般の舞台の茉麻は、あの「可愛らしいアイドルっぽい声」を、これまた大幅にレベルアップして再現した感じと言えば、伝わるでしょうか?

その(特にセリフがあるわけでもなく、自分が舞台中央に出ているわけでもないときの)たたずまい全般、セリフまわし、そして声質とその抑揚にいたるまで、先に述べた「超高校生級の保健委員」というキャラクターの性格を見事に演じていた須藤茉麻です。

  1. いや、さすがに「保健委員」では、いかに「超高校生級」とはいえ、殺人の検死をしたり、謎の「絶望病」の手当をしたりするのは無理があるんじゃないかと、原作を知らない私は指摘してみたりするテスト。
  2. 熊井ちゃんほどではないにしろ

さて、しかしながら、須藤茉麻の演技に驚くのは、ほんとうはここから。

冒頭にも書いたように、このお話の然らしめるところ、登場人物が順番に死んで行きます。須藤茉麻演じる登場人物も、あるところで舞台から退場します。ネタバレを回避するためにボカして書くと、退場する登場人物は、劇中の「法廷」で、自らの行いを暴かれ、論破されて去っていきます。その際には、ある者は偶然からそうなってしまったことを嘆き、またある者は、それまで隠していた邪な心の内をさらけ出して。
茉麻が演じた登場人物は、内気で控えめで、状況の展開にオドオドしているような性格でした。だから、茉麻は、ずっと猫背気味で舞台に立ち、可愛らしくアイドル然とした声色でセリフを言います。表情もずっと上目遣いで。
これが、論破され、いざ退場する間際、豹変します

この豹変具合がすさまじかった。
もう表情からして、急に「恐い」んですよ。これは、すばらしかった。

ネタバレ回避のため、ちゃんと説明できず、いまひとつ伝わらなくて申し訳ないけれど、この豹変の演技は、ものすごいものがありました。いや表情が恐いだけじゃなく、茉麻の周りだけ少し気温が変わったくらいのレベルで。

きっと演技に研鑽を積んでいく茉麻は、いずれ映画やテレビにも登場するようになるでしょう。けれども、この豹変する茉麻の、雰囲気から場の空気から一変させた、あの感じは、舞台でこそ、と思います。茉麻、ものすごかった。

*****

変わらずコミカルでファンに応じてくれる「あの茉麻」を喜び、ファンであって良かったと思った日もありました。もちろん、それは変わらないけれど。
しかし、「あの茉麻」ではない、舞台女優 須藤茉麻のプロフェッショナルな凄みと厚みのある演技に、やっぱりファンであって良かったとの思いを強くしています

Berryz工房は活動停止し、そのBerryz工房の大事な空気を大きく担っていた徳永千奈美さんが遠く海外に雄飛するとなった今、それでも熊井友理奈さんは、タレントとして大きく飛躍しながらも、同期の℃-ute のDマガにも登場したり、「抹茶ーず」として「宇治・白川の旅」DVDでは鈴木愛理さんと一緒にわちゃわちゃするなど、変わらぬ自然な「あの」可愛らしさを発揮しています。こうしたところを見ていて、「あー良かった」と思います。
本当に、ファンでいて、推してきて良かったと思います。
変わらぬ様子を昔からのファンに届け続けてくれるハロメンの姿に、ファンでいて良かったと、心から思います。

一方、須藤茉麻さんは、ハローの外でも着実に舞台女優として地歩を固め、刮目すべき活躍を重ねています。Berryz工房の須藤茉麻をいささかでも知っているからこそ、かえって舞台で見せてくれるプロフェッショナルな部分が際立ち、迫力の演技にも魅入ってしまいます。かさねて、本当に、ファンでいて、推してきて良かったと思います。
「あの頃」とは違った迫力のガチ具合を見せてくれて、私たちが知っているバックステージでの研鑽とはまた違った(私たちには明かされることのない)研鑽と戦いの日々を続けていることを垣間見せてくれて、やっぱりファンでいて良かったと思います。

さっそく2016年の1月には新しい舞台も決まったみたいですね(Quantum Dolls)。なんと、その舞台では、かつて℃-uteメンバーであった有原栞菜さんとも共演するとか(未確定情報)。

思えば、Berryz工房のラストのリリイベ、ラクーアでの握手会などでも、最後となった沖縄のバスツアーの握手会でも、Berryz工房の活動停止以降は舞台をメインに活動していくと早い段階から告知してくれていた須藤茉麻さんに、投稿者はいつも「お芝居、観に行くね」と声をかけてきました。それは、茉麻がお芝居の道に進むと公言していたから。

どっこい、気づいてみれば、Berryz工房の須藤茉麻を、Berryz工房のファンとして追っかけていたはずが、いつの間にか女優 須藤茉麻に魅せられてすっかり、これからの舞台も楽しみになってしまっている投稿者だったのでした。

こう言うのは、なんだか気恥ずかしいのですが、おかげさまで幸せにやっております。
本当に、ファンでいて良かったです

(文=kogonil)

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