J-POPバラードのカバーで魅せるハロコン Hello! Project 2020 Summer COVERS 〜The Ballad〜、王道のステージで思わぬ魅力も鮮明に

８月23日　中野サンプラザ　前半戦

先の仙台公演から中野公演までの間に、カバーされるJ-POPバラード曲は、追加もあったうえでシャッフルされておりまして、全員曲も AKB の楽曲から、美空ひばりさんの『川の流れのように』となります。まあ “作詞者が同じじゃねーか！” ってのは触れない方向で。

このオープニングの全員曲、参加メンバーが１階席に降臨してからのステージへ向うという形で幕を開けます。この時ほど、２階席であることを痛恨に思ったことは（以下略

この中野公演は、つばきファクトリーの岸本ゆめのさんが体調不良でお休みすることになります。ブログで「きしもんの分も歌う！」と言ってたから、樹々ちゃんの歌が、あんなにも素晴らしかったってわけじゃないだろうけども。

今更ながら、横やん、歌うときの声が可愛いですよね。そして、仙台公演のトップバッターだった Juice=Juice の松永さんにも思ったことですが、横やん、その落ち着いた歌いっぷりに驚きます。ソロフェスではお笑いに走っていましたが、ネタに頼らなくとも、こんなに聴かせるんだから、しっかり歌唱で勝負して欲しいよね、とか思っていたら…

合間のMCで夏にやりたいことを問われ、肝試しをしたいと答える横やん、怖いのが苦手だから、驚かす側で肝試しに参加したいと言いますが、暗がりで待ってるのは怖くないの？とMC舞美ちゃんに応じられて、「やっぱ、怖いから駄目だ」と言ってケラケラ笑っています。…このキャラクターは、おそらくは15期に良い影響を与えてるってことだけじゃなく、実に得難いですよね。

山﨑メイちゃん、スラッと背が高いし、とても見栄えします。さらには、意外に声がハスキーで、それを踏まえて歌おうとする分だけ、落ち着いてゆっくりと母音を明瞭に切り出して、音節を刻むように発声していて、これが案外、良い具合に効いていて、実に聴かせます。また、登場してきて、さあ歌うぞってタイミングで、足を少し肩幅より広めに開いて踏ん張るような形にして、その形のまんま歌い切って、さて歌い終わって、開いていた足を閉じるところ、とても可愛かったです。

夏にやりたいことを問われて、パンダさんのかき氷を作りたいと言うメイちゃん、いったいパンダさんのかき氷なんて、どうやって作るのか疑問に思ったMC矢島さんに「どうやって？」と聞かれて、「氷を削って」と答えていたところは、メイちゃんの愛らしさがよく表れた場面でした。

歌い始めの、しっとりと静かな起ち上げから、サビへ向けて盛り上がるところへ向けて、徐々にアクセルを踏んでいくあたり、竹内朱莉さん、もう歌い手として熟し始めてるんじゃないかと。実に心地好く聴かせてくれます。もはや、余計な叙述の言葉はいらないほど。タケちゃん、素晴らしかった。

この課題曲がリアルタイムで世に流通していた頃には、この世に影も形もなかった岡村みいみ、なんと、この課題曲を「よく知っていた」と言います。だから、自分の課題曲だってことになってから急に慌てて練習したわけじゃないんだとも。

思うにハロプロの門を叩く者は、幼い頃にハロプロに接して憧れるってだけじゃなく、やっぱり、どこかしら芸能の神に、ミューズに魅入られたところがあるのかも知れませんね。

登壇してきて、２階席からでもわかる佇まいの見事さに、まずは驚きます。歌い始めは、直立不動だった小田ちゃんが、歌が順調にすべり出し始めると、徐々にステップを踏み始めます。このあたり、表現に困るところですが、小田ちゃん、ステージに立ってる姿が目に心地良いんですよ。

非常に音域が広い楽曲ではあれど、それでも男性の楽曲だからと、このハロコンでの披露は、オリジナルよりキーが２つ上なんだと言います。仙台公演でも、群を抜いた技量を誇る段原さんが高音域で少し乱れたように、小田ちゃんも、この曲の高音域で、一瞬だけ、少し乱れます。それは、オリジナルに比べてキーを高くしていることに由来するのかも知れず、高い技量を誇る者ほど、（無理をしない落ち着いた感じのアレンジに甘んじず）オリジナルの旋律の高低に（キーを高めに調律した上で）追従しようとするからこそ、時に乱れるのかも知れませんね。

この楽曲を歌うために、特別にボイトレをしたんだと言う植村さん、続けて、単純な息継ぎですら、その仕方次第で歌の聞こえ方も変わってくるとおっしゃいます。植村さんって、何だかんだ真面目ですよね。実際、いろいろあっても、こういった企画にちゃんと応じて、しっかりボイトレしている辺り、ほんとに真面目さが伝わります。その真剣さの通り、披露してくれる楽曲も、ちゃんと染みます。

難しい楽曲によく食らいついて行ったと、鈴ちゃんを褒めてあげたい。
こうした企画にあって、これまでコメントしてきたように、しっかりと楽曲の情感を再現してるメンバーだったり、難しい旋律をきちんと再生してるメンバーだったり、独特の声の出し方を工夫してるメンバーだったり、その歌唱のスキル面について言及することが多かったけど、敢えて言うなら、課題に直面した鈴ちゃんが、挫けずちゃんと歌い切ったこともまた、しっかり注目すべきかと。スキルだけじゃなく、メンタルだって大事ってことで。

一説に寄れば現在日本で最も歌が上手い歌い手である中島美嘉さんの非常に難しい楽曲を歌うことになったアンジュルムの特攻隊長、笠原桃奈さん、実際、微妙にオリジナルよりも調律が低めかな？って感じもあったけれど、それにしてもよくぞ歌い切ったってところです。サビの高音がさらなる高音に接続するところなどは、さすがに微妙に調律を変更していたようですが、それでも見事でした。

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続く Juice=Juice の宮本佳林ちゃんさんのステージから、後半戦ってことで次のページへ。