MSMW の小片リサと Coeur à coeur の小片リサ(M-line Special 2022. 11月公演&RISA OGATA CONCERT 2022. Coeur à coeur at 両国)

奏でられるハロプロ遺産たちに心が忙しい M-line

というわけで、美しいメンバーたちの立ち居振る舞いも、そんな美しいメンバーが展開するコミカルなトークも、いずれも極上なんですけど、やっぱり、そこで奏でられる楽曲こそ… ってことで。

オープニングは、夏焼・宮本・小片・田﨑・長谷川の5名でBerryz工房から『流星ボーイ』が。
ベリヲタの立場からは、この “Berryz工房ならでは” とも言うべき楽曲が、Berryz工房ならざるメンバーたちによって奏でられながら、しかし往年の弾む感覚が一切欠けてないことが驚きだったりして。いや、往年のファンこそ、いきなり血涙を流すべきところです。いきなり語彙力ピンチで恐縮ですが、まことに素晴らしかった。

続いては、つばきファクトリーから『表面張力 ~Surface Tension~』です。
この節のタイトルに「ハロプロ遺産」とありますが、現役バリバリの楽曲です。しかも、あくまで個人的には、まさしく “つばきファクトリー” の代名詞的な位置づけの楽曲だと思っております。余談ながら『今夜だけ』とか『マサユメ』とか、つばきの強力なラインナップは、たとえばアンジュルム辺りが歌ったなら、かなりアンジュルム色に染まるというか、そっちの色合いでパフォーマンスを受け取ることになろうかとも思うんですが、この『表面張力』(と、あと『最上級Story』)は、どこまでも つばきファクトリーが歌ってこそ!と思っていた楽曲でありました。
それが(小片さんは別として)このタイミングで響いて、このメンバーで奏でられて、うっかり泣きそうになるほど。まず “泣きそうになってる” 自分に驚きます。

なんだか、ハロプロのファンで良かったなって思えた瞬間です。
それを味わえるのもまた M-line ならではかと。

もちろん「遺産」という意味での楽曲ばかりではありません。
佳林ちゃんの『Happy Days』も、小片さんの『Kitty』も、誰に遠慮することなく個々の魅力が全面展開で、まことに見応えがあります。ビタスイオリジナルの『私が飛行機を嫌いな理由』も、ビタスイには(それぞれ新潟と長崎から上京したという経緯もあってか)故郷を懐かしむかのような楽曲多めですよね。

そして “誰に遠慮することなく” みたいなことを書きながら、しかし、本来3人で奏でていた楽曲を1人で歌って、それでも、往年のステージ以上にこちらを揺さぶる Buono! 曲の夏焼雅(『カタオモイ。』)ってわけで、一曲一曲ごとに、それぞれの見所見応えが半端ないですよね。

Berryz工房から、あの幼かった頃のBerryz工房を思い出して胸を締め付けられる楽曲(『愛する人の名前を日記に』)が飛び出したり、6期メンバーの合宿課題曲だったことで個人的に思い入れが強い楽曲(『Do it! Now』)を小片さんと雅ちゃんがデュエットで歌ってくれたり、愛らしい可愛らしさという点で、全ハロプロ楽曲中屈指のラブリーな楽曲(『My Darling ~Do you love me?~』)を、これまた愛らしいペア(小片さんと佳林ちゃんさん)が披露したりと、ほんとに心が忙しい M-line のステージです。

モーニング娘。のスキルフルなメンバー(田中れいな/鞘師里保)のフィーチャー曲(『シルバーの腕時計』)を奏でて、並み居る年季の入ったファンに納得させるのは難しいかと思うのに、ビタスイの2人は揺るぎなく奏で切ります。そのバックダンサー的な位置取りで参加して間奏のラップを小片さんと佳林ちゃんが披露します。もう、しつこいので最後にしますけど、ほんとに心が忙しい M-line のステージです。

改めて M-line のステージで接して Berryz工房のライブでは思ってもみなかった感慨に打たれてみたり(『フラれパターン』、『友達は友達なんだ!』)、ついに「遺産」としての楽曲に、ずっと “もったいないなあ” と思っていた PINK CRES. の楽曲(『Tell me why』)が加えられたりしています。もう、いずれも、熟練のメンバーによるカバーが、あまりに素晴らしいのでした。素晴らしいといえば、まーちゃん、佳林ちゃんのデュエットで Juice 楽曲別アレンジ版(『私が言う前に抱きしめなきゃね』)がセレクトされていたことには触れましたけど、デュエットのジュリン曲に「飽きた」とか言いながら松浦さんの『奇跡の香りダンス。』は、もはや佐藤まーちゃんの定番。

かつてのインストアライブでも接していた『ハレルヤ』について、その凛としたハーモニーも素晴らしいだけでなく、こうしてビタスイの楽曲を、みなさんと一緒に歌えて嬉しいと、あさひちゃん。そんな あさひちゃん、Juice=Juice の超鉄板曲(『生まれたてのBaby Love』)のラスト、Juice=Juice オリジナルメンバーの空気をまるごと揺さぶるような大斉唱を、宮本佳林ちゃんから続く朗々たる斉唱パートを担当します。

そして、ライブのオーラスに持ってくるのは卑怯だっていう楽曲(『ブラボー!』)で締めです。まあ、そんな楽曲がたくさんありすぎるのもハロプロってことですけども。

*****

何が困るって、往年の “あの楽曲” に感動していた思い出と当時の記憶に、現在の M-line メンバーがカバーすることによる新鮮な驚きと感動が重ねられて、楽曲それ自体の素晴らしさと、歌い手の技量と、その双方を十二分に味わうことになる、この M-line のステージの素晴らしさを語る言葉が足りないこと。

どうやら報告者の語彙力と知能指数が低下気味なのは、小片リサさんの美しさを喰らったからだけではないようです。

と、ここまでで一応、Zepp Haneda の M-line レポは終了で、ページを切り替えて両国第一ホテルのステージを。

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