M-line Special 2022 ~My Wish~、ハーモニーと佐藤優樹サプライズで得難いステージとなった8月公演

はじめに すべてを吹っ飛ばすサプライズ 佐藤優樹

例えば。
Bitter & Sweet の2人(田﨑あさひ長谷川萌美)が参加していることで、聴きなれたハロプロの楽曲にも新しいハーモニーが重ね掛けされていて、鼓膜が喜ぶレベルです。ご挨拶のMCで、あさひちゃんが「M-line のステージでは初披露なんです」と述べた『DREAM GIRL』など、ビタスイのオリジナル楽曲の旋律とハーモニーも素晴らしい上に、歌う人が違うと、こうまで変わるもんかと驚くほど、聴きなれたハロプロの楽曲に新たなハーモニーが重ねられていて、とても聴き心地が良いのでした。そりゃ、従来から田﨑、長谷川に魅了されるビタスイに専心するファンも多い一方で、昨今では、この M-line のステージを契機に、改めてハロプロのファン、OG のファンの中から新しい Bitter & Sweet 推しを獲得しているのも超納得です。

例えば。
その声の透明な音質が素晴らしいと同時に、透明なまんまに迫力の大音量であることもまた、素晴らしい。それは、上に述べたビタスイのあさひちゃんについてだったりもするんですが、やっぱり小片リサさんの声についてこそ。実に伸びやかです。もちろん、高音の響き渡るような声の伸びは今も最盛期更新中の田中れいなさんには敵いません。低温の響くような振動は、Berryz最盛期の菅谷梨沙子さんには及びません。それでも、全方位的なバランスが実に均整が取れていて、傑出したものが目立つわけじゃないけど、実は全面的に傑出しているから結果的にバランスが取れてしまって落ち着いて見える、その美しいルックスにも似て、ほんとうに聴いていて中耳骨が喜ぶレベルです。しかも、声質も安定してるだけじゃなく、ほんとに楽しそうに歌うんですもん、小片さん。

…と、ビタスイのハーモニーと小片さんの歌声を中心に、メモしてきたセトリを中心に、思い出深い楽曲についてメンバーが語ってくれるエピソードを繋げれば、「是非とも映像化商品を期待したいですね」ってコメントを入れて短いレポが出来上がるだろうと思っていたところ…

すべてを吹っ飛ばすサプライズがあったのは、みなさんご承知の通り。
と、「みなさんご承知の通り」で済ますのも何ですので、一応の経緯を記述すると、それは2022年8月14日の日曜日、@タワーホール船堀 大ホール にて開催された『M-line Special 2022 ~My Wish~』の8月公演のことです。この日の M-line Special のステージには、活動停止中 Berryz工房から夏焼雅さん、元つばきファクトリー 小片リサさん、Bitter & Sweet の2人(田﨑あさひ、長谷川萌美)が登壇し、現役のハロプロから BEYOOOOONDS の西田汐里ちゃん、前田こころさんが参加して、6名体制でお送りされると告知されていました。そんなタワーホール船堀 大ホールの客席が(コロナ禍による着席観覧でコールも声援も一切禁止されていたというのに)大きくどよめいたのは、10曲目を終えて雅ちゃんと小片さんが長めのMCを終えようとするタイミングで。

雅ちゃんの「もう一人のサプライズゲスト」との呼び込みで登場したのは、昨年モーニング娘。を卒業し、先頃 M-line に加入していた元モーニング10期メンバーの佐藤優樹さんだったのでした。

会場全体が(とっさに皆さんペンライトをエメラルドグリーンに切り替えたのは、さすがだったとして)大きくどよめく中、サプライズゲストとして登場した佐藤まーちゃんは、次の3曲のパフォーマンスに参加します。

  1. メロン記念日の『赤いフリージア』をソロで
  1. ジュリンの『ほたる祭りの日』を「ほんとは佳林と一緒に歌うんだけど」としきりに言い訳しながら、ソロで
  1. ラストの全員でのパフォーマンス『ビートの惑星』に参加して

小片さんと雅ちゃんに呼び込まれて登場したまでは良かったんですが、2人が引っ込んじゃうと、一人で楽曲に移行するまでの口上を述べねばならず、… なんだかお邪魔しちゃって申し訳ないけれど、ともあれ一曲歌わなきゃいけないから(すごく帰りたいけれども)歌わせてください … みたいなことを一生懸命言い募る佐藤まーちゃんです。一曲歌い終えてからも、なにやら … もう一曲歌わなきゃいけなくて … みたいなことをモゴモゴと言ってます。

何より、佐藤まーちゃんの歌唱の特徴として、声量を振り絞った結果、声が割れても、その割れた声のまんま旋律を維持するところが挙げられますが、今般のステージでも、あまりにも自由に振る舞いながら、しかし楽曲の旋律は、まーちゃんの音域にしっかりとチューニングされた上で、きっちりキープされます。

さらには、歌い終えた段階で、通常ならまだまだ息を整えるような(アウトロにも差し掛かっていない)タイミングで「きゃあ!」とか何とか、マイクに乗る乗らないにかかわらず、何かしら叫んでる佐藤まーちゃん、本気で稀代のエンターテイナーです。見てるだけで楽しい次第。

もちろん、その自由な振る舞いは楽曲披露に先立つ MC パートで呼び込まれたところから。(以下、昼公演から順次)

  • お邪魔しちゃって、すいません、ごめんなさい
    盛んに自分がこの場に “お客さん” として “お邪魔しちゃってる” ことに恐縮して「すいません」とか「ごめんなさい」とか発言する佐藤まーちゃんに、雅ちゃんも小片さんも、そんなに恐縮しなくて良いし、ごめんなさいとか言わなくて良いと言います。すると、それまで「ごめんなさい」だったところが「ありがとうございます」に切り替わります。例えば、「ほんとに、急に私なんかがお邪魔しちゃって、ありがとうございます」って。
  • リハーサルスタジオに入って行かない佐藤まーちゃん
    その緊張は、サプライズゲストとしてアサインされた段階からのものなのか、リハーサルスタジオの入り口で固まってしまって、なかなかスタジオに入って行けなかったという佐藤まーちゃん。後からやって来た小片さんが、佐藤まーちゃんが入り口を塞いでいる形になって入れないでいるから、すこし背中を押したりしたけど、それでも入って行かなかったんだとか。
    その割に、いざスタジオに入るや「さとーまさきですよろしくおねがいします!」と大声でご挨拶したんだとか。
  • 夏焼「そろそろ手を放していただいて…」
    夜公演では、ず~~~っと夏焼さんと手を繋いでる佐藤まーちゃん、トークの切れ目で、楽曲パフォーマンスへと進行を促そうとしますが、まーちゃん、一向に手を放そうとしません。収束に向かったと見えたトークの流れを再興すること数度、さすがに時間がなくなってきて、夏焼さんが一言、「そろそろ手を放していただいて…
    現役の頃から、やさしい先輩に甘えることにかけては右に出る者がいなかった佐藤まーちゃん(参考|エンタメアーカイブ記事「まーちゃんの物語(書評:『まーちゃんくどぅーのハロプロ先輩探訪団』)」)、M-line のステージでも夏焼雅さんという絶好の甘え先を見つけたみたいです。
  • 楽屋で夏焼さんに突っ込む佐藤まーちゃん その1
    昼公演では、なにかしら雅ちゃんがミスしたみたいで(なにをミスったのか、場位置かダンスか進行か、客席からは不明)夜公演前の円陣で、そのことを雅ちゃんに突っ込んでいた佐藤まーちゃん。
    「だって他にも突っ込んでる人がいたから」と言う佐藤まーちゃんに、先生は先生だから突っ込んで良いし、マネージャーさんはマネージャーさんだから指摘するの!こんな後輩に突っ込まれたのは初めてだわ~… って困惑気味(しかし笑顔)の夏焼さんでした。
  • 楽屋で夏焼さんに突っ込む佐藤まーちゃん その2
    開演前の雅ちゃんの様子を面白がる佐藤まーちゃん。「夏焼さん、開演の4分前なのに “アイラインが~” とか “アイシャドウが~” って言いながらドタバタしてるんですよ」と、チクリ半分、面白がってる佐藤まーちゃんですが、横から小片さんが「そこは “おもしろい” じゃなくて “かわいい” ですよ」って小声で(しかし、しっかりマイクに乗せて)忠告してます。

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佐藤まーちゃんサプライズゲストの件、軽く触れるだけのつもりが、けっこう文字数を喰ってますので、ここらで一回ページを切り替えて。

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