13年を経たW(ダブルユー)復活のステージ
一部に、W(ダブルユー)登場の際と、鞘師里保さんの登場時の歓声の違いを取り上げて云々するコメントがありますが(後述するけど、確かに鞘師さん登場時の歓声は凄かった)、これは、それぞれの場合で、客席から観覧することの意味の違いを、無意識に観客が共有していたためではないかと思ったりします。すなわち、W(ダブルユー)の場合、あくまでも主役としての辻希美、加護亜依の物語が成就する場面に、私たちは、傍らで立ちあ合わせてもらっただけだと。
現役メンバーも口々に述べる、立ち会えたことの奇跡
ひなフェスの各公演では、ところどころで(担当も入れ替わって)メンバーによるMCが入りますが、これが(ライブ後半の鞘師さん登場パートまでは)辻ちゃん加護ちゃんの話題一色です。
ライブ冒頭の W(ダブルユー)登場部分を終えて、ハロプロ各ユニットが競演する本編パートに差し掛かろうという場面で、”初めての方もいらっしゃるかも知れないから” と、『ひなフェス』仕様を説明する段では、アンジュルムから和田彩花さん、モーニング娘。から譜久村聖さんによるMCが。曰く…
和田彩「わたしは、小学校低学年でダブルユーさんを見ていて、すっごく憧れて…」
譜久村「こんなに饒舌な和田さん、仏像を語っているとき以外では、見たことない!」
ライブ中盤の場つなぎブリッジのMCには、カントリー・ガールズから山木梨沙さんと小関舞さんが登場してくれますが、山木さん曰く…
山木「この時代に生きてて良かった」
W(ダブルユー)の2回目の登場パートで、今般限りの暫定“ミニモニ。”として、辻ちゃん加護ちゃんと共演することになった船木結さんは言います。この共演メンバーに選ばれたことについて曰く…
船木「ちっちゃく産まれて良かった!」
こうした現役メンバーたちのコメントは、こうしたテキストでの報告だけなら、とりわけ山木さんなんかは “いかにも如才ない” 空気を読んだものであるかのように映るかもしれませんが、現場で見る限りでは、たとえば明らかに山木さんの頬が上気しちゃったりしてます。思わず饒舌になる あやちょ も含め、ハロプロが好きだからこそこの世界に飛び込んできた現在の現役メンバーたちだからこそ度を失っちゃうんだねってことで、その意味で、やっぱり、先輩たち、すなわち、この場合ならば、辻ちゃんと加護ちゃんが、今のハロプロを創ったんだなと胸が熱くなります。なんか、俺、おんなじことばっかり言ってるな。
辻・加護ペア復活 その前半戦
長々と前置きばかりが長くなって申し訳ない。
そんなわけで、今般の ひなフェス ライブで、W(ダブルユー)が登場して披露してくれた楽曲は次のとおり。(この公演全体のセトリは当記事の最終ページに記載します)
ひなフェス 2019 辻希美・加護亜依 登壇分 |
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01.ロボキッス 02.Miss ラブ 探偵 ———— 17.ミニモニ。ひなまつり!(ミニモニ。)by W with 上國料萌衣・船木結 18.ラッキーチャチャチャ!(ミニモニ。)by W with 上國料萌衣・船木結 19.I WISH(モーニング娘。)by W with モーニング娘。’19 |
定刻を少し過ぎて『ひなフェス』ライブの開始を告げるエフェクトが幕張メッセ国際展示場ホール1全体の照明を使って展開されてから、いきなり正面スクリーンに『ロボキッス』と表示され、会場に静かな(← 本当)どよめきが。
あらかじめ周知された情報で十分に伝わっているから前口上はいらないでしょ?とでも言ってるかのように、特に自分たちについて取り立ててトークすることもなく、しれっと登場してくるW(ダブルユー)です。…って、辻希美さん、第四子の出産から、そんなに間が空いていないのに、ルックスからパフォーマンスまで、きっちり仕上げてきています。とか言うも愚かで、それぞれ三十路になった辻ちゃん加護ちゃん、今尚、あまりにも愛らしくアイドルであることに、正直に腰を抜かしました。ほんま、ハロプロのOGって衰え知らずな人ばっかりです。
いきなりの『ロボキッス』から、『Miss ラブ 探偵』の2曲を歌ってくれる合間に、辻ちゃんと加護ちゃんのMCが挟まれるんですが、このMCで、いきなり泣きそうになっている辻希美さん。一方の加護ちゃんはニコニコしていて、この段階では、きっと夏のハロコンから参加してたから、微妙に場馴れもしていて、案外、加護ちゃんは冷静だなって思って見ていたんですけどね。この段階では。
泣きそうなところを堪えて、会場のペンライトに言及する W(ダブルユー)の二人。曰く、「ペンライトがピンク(加護)とブルー(辻)の二色だ」と、それは嬉しそうに。一方で、正しくペンライトを切り替えて、あくまで誠実にライブを盛り上げにかかるファンの態度にも感動します。なんか、俺、おんなじことばっかり言ってるな。
涙で歌えなかった『I WISH』
ライブそのものは、続けて研修生から、BEYOOOOONDS、つばきファクトリー、カントリー・ガールズ、こぶしファクトリーの華々しくも大迫力の競演を経て(この辺は、後日、別の記事にて)、現役メンバー全員での “ひなフェス恒例” 『桜ナイトフィーバー』を挟み、山木さんの「この時代に生きてて良かった」MCの後に、辻ちゃんと加護ちゃんが再登場します。
ここでは、アンジュルムから上國料萌衣さんとアンジュルム/カントリー・ガールズから船木結さんを迎えて、暫定的に“ミニモニ。”が再結成されます。なんだか、ずっと後輩の上國料さんと船木さんと一緒にパフォーマンスしていて、辻ちゃんも、加護ちゃんも、すごく嬉しそうで、ほんとうに自然と頬が緩む場面でした。
このタイミングのMCでは、衣装のことにも触れてくれて、お互いのカラーを意識しただけじゃなく、20年ぶりのミニモちゃんがあしらわれていたりして、衣装さんをはじめとしたスタッフさんの愛も感じられる場面となります。しっかし、俺、ほんとに、おんなじことばっかり言ってるな。
この『Hello! Project 20th Anniversary!! プレミアム』が開催された3月30日は、まさに19年前の4期合格の日であることが辻ちゃんから伝えられたのも、このタイミング。「19年前」との辻ちゃんの言葉に、「うち、まだ産まれてへんやん!」と船木さんがジタバタしていたのも、会場の笑いを誘っていました。
…そう、後輩を交えて懐かしい楽曲を披露してくれて、楽しい話題を提供してくれて、楽しいばっかりの場面だと、そう思っていたんですけどね。上にも述べましたけど、いきなりの冒頭で辻ちゃんが泣きそうになっていても、加護ちゃんは穏やかに微笑んでいて、ファンの気持ちも “楽しい・懐かしい・嬉しい” といった方向で安定しているかのように思っていたんですよ。このタイミングまでは。
後輩たちを送り出して、いよいよステージ上には W(ダブルユー)の二人だけ。そして奏でられるは、2018年の夏ハロコンでの披露が諸般の事情から映像化されなかった、あの『I WISH』です。辻ちゃん、加護ちゃんの二人で…とか思ったら、いつの間にか、今度は現役のモーニング娘。’19 メンバーが、静かにバックダンサーを勤めています。ほんまに、同じことばっか言ってて恐縮なんですけど、メインの先輩のバックを勤める現役モーニングって構図、どうしたって、いろんなもんが溢れてきます。そんな構図の中で、高らかに歌い上げられる人生賛歌の、その後半に差し掛かろうかというタイミングで、急に(と客席からはそう見えた)顔を覆って加護亜依さんが泣き崩れます。もう、どうにも我慢できないって感じで。
このライブの模様は当日生配信もされたことから、あちこちで、いろんな動画を検索することができるでしょう。是非、その様子を動画でご確認いただきたいのですが、わたくし、この歳になって初めて、それまで修辞としてしか知らなかった “感極まる” という形容の実態を目の当たりにした次第。
加護亜依さん、大きく崩れながら、しかし、ほんとうに美しく愛らしい実に清々しい笑顔を残して、ステージを降りていきます。辻希美さんと一緒に。
加護さんのインスタグラムには「ずっと待っててくれたのは、のんでした」との文言が掲載されることになります。
ここまでで、ライブの前半戦は終了。
こんなにも気持ちが揺れ動かされていながら、それでもまだこの後に、単独で武道館を埋められるグループが3つもひかえてるだなんて、ハロプロ実に恐るべし…とか思いながら、後半のハイライトは次のページにて。
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